穂乃果「私の可能性」
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努力をしたからと言って夢が叶うとは限らない。
『一生懸命頑張って、私達がとにかく頑張って届けたい!今、私達がここにいる、この想いを!!いつか…いつか私達必ず…ここを満員にしてみせます!!』
それでも、そこに可能性があるなら私は頑張る事を続けたい。そう思っていた。
『穂乃果は連れて行ってくれるんです。私やことりでは勇気がなくて行けない様な所に』
夢を叶えたいから。
でも…
もう無理だよ。
絵里「正直失望したわ。あなたの口からそんな言葉を聞きたくなかった」
こんな苦しい思いをするくらいなら…私は手を伸ばしてしまいそうになる。
海未「あなたは…あなたは最低です。あなたがそんな人だったなんて…」
最低…か…。言われちゃった…。思えば前にもこんな事あったっけ。 こんなになって初めてあの時の事を思い出す。…私、馬鹿だなぁ。たらればを言えばキリがないのに。
身体もボロボロで…皆んなからの信用も失って…。
花陽「穂乃果ちゃん…あと…あと…もうちょっとだから…一緒に頑張ろう」
花陽ちゃん…。こんな私にまだ声を掛けてくれる。花陽ちゃんだって苦しいはずなのに。涙を飲んで私の隣に居てくれる。
海未「そろそろ…身の程をわきまえなさい」
絵里「そうよ。どうして自分がそうなったのか。よく考えるのね」
くっ…。私が…私達が…。 穂乃果「私達が何をしたって言うのさぁぁぁぁ!!!!!私はただ…毎日歌って踊って美味しものを食べて寝てるだけだよ」
海未「だから怒ってるんでしょう!!!!食べ過ぎなんです二人とも!!!何度同じ過ちを繰り返せばいいのですかぁぁぁ」
絵里「って言うか歌って踊って食べて寝るだけって…勉強は?」
穂乃果「分かってるよ!だから我慢してたじゃん!今も血の涙流してるじゃん」
絵里「勉強は?」
海未「我慢してないでしょう!思いっきり手を伸ばそうとしてたでしょう!」
穂乃果「これは…禁断症状だよ…」
花陽「分かるよ、穂乃果ちゃん。その気持ち凄く分かるよぉ」
穂乃果「だよね?」
花陽「うん」
海未「黙りなさい!!!」
穂乃果「ひいっ」
花陽「ぴゃあ」
海未「何が禁断症状ですか!意志が弱いだけでしょう?」 穂乃果「ち、違うんだよ。あれだよ?ほら…穂乃果達が食べないとさ数が合わなくなっちゃうでしょ?喧嘩の原因になるし。だからやむなく」
絵里「禁断症状はどうしたのよ」
海未「それならご安心を。余った分はにこが妹さん達に持って帰りますから。だいたい、あなた達が食べても数は合いませんから」
にこ「悪いわね。妹達もよろこぶわ」
穂乃果「くっ…こころちゃん達の名前を出されると弱いなぁ…」 花陽「そうだね…」
穂乃果「だいたいさ、なんで穂乃果達がダイエットしてる時に限ってケーキの差し入れなんて来るかね」
絵里「仕方ないでしょう。恨むんなら自分の運命を恨みなさい」
穂乃果「…今の絵里ちゃんのトレンドって中二病なの?どうかと思うよ?」
絵里「…海未?穂乃果はこれから朝ごはんも抜きにするって」
穂乃果「いやいや。嘘だから。ね?死んじゃうよ。流石に朝ごはん抜きだと死んじゃうから」 絵里「そんなんで死にはしないわよ」
凛「厚生労働省の調査だと若者の半分は朝ごはん抜きだって分かったらしいよ?」モグモグ
穂乃果「それは昼と夜をしっかり食べてる場合でしょ?穂乃果達昼と夜少しだからね。花陽ちゃんなんてもう遠い目をしてるよ」
花陽「……」
絵里「た、確かに…花陽は思ったより深刻そうかも」
希「ウチは凛ちゃんの口から厚生労働省って言葉が出て来た事がビックリや」モグモグ
凛「あのね、前にテレビでやってたんだよ」モグモグ
穂乃果「そんなのはいいから穂乃果達目の前でケーキを食べないで。お願いだから。それかこっそり頂戴」
海未「穂乃果!何を言ってるのですか!」
希「なあ、海未ちゃん?少しくらいあげてもええんやない?」
穂乃果「希ちゃん!」
凛「そうだよ。二人とも可哀想だよ」
花陽「凛ちゃん!」
海未「ですが…」 穂乃果「ことりちゃんはどう思う?」
ことり「え?えっと…そうだね…。そもそも私が差し入れを受け取ったのが原因だし…ケーキ一個くらいならいいんじゃ……ないかな?」
穂乃果「ことりちゃん!」
海未「…真姫はどう思います?」
真姫「別にいいんじゃない?」
穂乃果「真姫ちゃん!」
真姫「あげなくても」
穂乃果「へ?」
真姫「だからダイエットって言っても朝食はしっかり食べてるし昼も夜も量を減らしてるだけで何だかんだ言っても食べてるんでしょ?なら、ケーキを食べる必要は別にないでしょ?」
穂乃果「なんで?どうして?今海未ちゃんも納得仕掛けてたのに…。って言うか倒置法使わないでね?期待した分辛いから」 真姫「いや…だってダイエット中なら食べない方が良いに決まってるじゃない」
穂乃果「そりゃあいいよ!にこちゃんはさ!」
真姫「真姫よ」
にこ「にこは私よ!どうすれば間違えるのよ」
穂乃果「ほら…空腹による弊害だよ。これが!」
真姫「屁理屈ばっかり言って…」
穂乃果「真姫ちゃんはいいよ!リコピンさえ摂取してれば満足なんだからさ!」
希「確かに。リコピンだけで補えるのは便利やなぁ」
凛「真姫ちゃんの体の構造って簡単なんだね。リコピンだけで生きていけるんだもんね」
真姫「そんな訳ないでしょ!八つ当たりで適当な事言わないで」
穂乃果「くっ…だいたいさ、私達がダイエットしてるのに目の前でケーキを食べるなんて無神経過ぎない?」
海未「それはあなた達がいけないんでしょう?ランニングに行ったと思ったらコソコソと部室に戻って来て…」 穂乃果「そ、それは…皆んなが部室でケーキを食べてるなんて思わなくて…」
絵里「あなた達がランニングに行ったのを確認したから部室に戻ったのよ?頂いたケーキを食べない訳にもいかないし」
ことり「ごめんね。穂乃果ちゃん」
真姫「ことりが謝ることじゃないでしょ?」
ことり「でも…」
にこ「そうよ。自覚が足りないのよ、全く」
穂乃果「人のポテト勝手に食べといてよく言うよ」
にこ「はあ?いつの話してんのよ?」
穂乃果「そんなに前でもないよ」
希「まあ、それは全面的ににこっちに非があるなぁ」
凛「あの時全然面識なかったんだもんね」
真姫「確かに…面識のない人のポテトをよく勝手に食べれるわよね。って言うか怖くないの?同じ学校の生徒とは言え喋った事もない人の食べ物を食べるのって」
にこ「あんた達はどっちの味方なのよ」
希「まあ、強いて言うなら?」
凛「正義の味方だよね?」
穂乃果「さすが凛ちゃん!希ちゃん!」
真姫「何よそれ」
にこ「くっ…って言うか部室に戻って来て何をするつもりだったのかそろそろ正直に言いなさいよ」
穂乃果「そ、それは…」 海未「はあ…もう怒りませんから正直に言いなさい」
穂乃果「え?」
海未「ですから、もう私も絵里も怒りませんから正直に言って下さい」
穂乃果「本当に怒らない?」
海未「やっぱり怒られる様な事なんですね?」
絵里「はあ…呆れた…」
穂乃果「え?」
花陽「穂乃果ちゃん…」
海未「もう大丈夫です。分かりましたから」
穂乃果「な、何が分かったの?」
海未「あなた達のやる気が足りてないと言う事が」 穂乃果「いや…それは…」
海未「やる気がないんでしょう?」
穂乃果「ず、ずるい…カマをかけた…」
海未「何がズルいのですか?」
絵里「そうよ。自分の事を棚に上げて物を言わないの」
穂乃果「うぅ…海未ちゃんの鬼ぃ。絵里ちゃんの極悪ぅ」
絵里「極悪?私極悪なの?」
希「新しい悪口やなぁ」
海未「好き勝手言ってますが悪いのは自分達ですからね」
穂乃果「だって…どれだけキツイと思ってるのさ。海未ちゃんには分からないかもだけどさ。目の前でケーキがあるのに食べれないし。ね?花陽ちゃんだって辛いよね?」
花陽「お米…」
穂乃果「…ほら?花陽ちゃん可哀想に」
海未「…分かりました」
穂乃果「へ?何が?」
海未「私も一緒にやりましょう」 穂乃果「え?」
花陽「へ?」
海未「それなら文句もないでしょう?」
穂乃果「ま、まあ…それなら…」
花陽「穂乃果ちゃん…」
人生は選択の連続。人生の岐路に立った時人は頑張れるかどうかで未来は変わる。
その時の私は海未ちゃんが参加する事によってダイエットがどれだけキツイのかを把握し事態が少し柔らぐのではと思っていた。
だけど、それは地獄の始まりだった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています