海未「ケージ」
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にこ『いい?本気でマズいと思ったら、テレビを消す』
穂乃果『うん』
にこ『絶対に守ってね!絶対に!』
穂乃果『大丈夫だよ。ねえ、海未ちゃん』
海未『ええ、まあ……』
希「それじゃあ、行くよ」 穂乃果『……えへへ。面白そうだねー、海未ちゃん』
海未『途中で怖がって、抱きついてこないでくださいね』
穂乃果『大丈夫だよー』
花陽「大丈夫かなあ……」
凛「かよちん、怖いの?」
花陽「うん……」
真姫「大丈夫よ、何も起きるわけないでしょ?」 海未『……静かですね……誰もいないみたいです』
穂乃果『こんなところ、誰かいた方が逆に怖いよ……』
海未『ええ』
穂乃果『……まあ、まだまだだよね!これから面白くなるんだから!』
海未『……』
ことり「穂乃果ちゃん、大声でごまかしてるけど……もう怖くなってきてるみたい」
絵里「そう思えるくらい上手ね。声の調子とか、本当に怖がってるみたいよ」
にこ「さすが、にこの演技指導は完璧ね!」
希「にこっちはリアクション担当やったけどなあ」
真姫「それも趣旨に添わないからって却下されてたし」 穂乃果『こっちの部屋には何があるんだろう……』
海未『扉は意外と軽いですね』
穂乃果『……』
ガラッ
穂乃果『ひっ!』
海未『……』
穂乃果『……って、なんだ。ただの人形かあ……』 海未『すごい数ですね。ここに住んでいた人は、人形が好きだったんでしょうか』
穂乃果『うん……なんだか可哀想だね。ここで置き去りにされて、ぼろぼろに汚れて』
海未『ええ……』
穂乃果『この人形、泣いてるように見えるよ』
海未『そうですね』
にこ「ちょっと画面暗くない?」
ことり「ちょっと明るくしようか」
絵里「確かにちょっと見づらいわね」
ことり「それじゃあ……」 パチッ
穂乃果『おっ。海未ちゃん、このスタンド明かりがつくよ』
海未『電池式みたいですね』
穂乃果『よかったあ……』
海未『といっても、このくらいではあまり役に立ちませんね』
穂乃果『そっか……』
海未『これはこのままにしておいて、先へ進みましょう』
穂乃果『うう、床がミシミシいうよ……』
海未『足元に気を付けてください』 花陽「海未ちゃん、たくましいね」
ことり「うん」
凛「この後が楽しみだニャ」
穂乃果『うう……』
ギュッ
海未『ちょっと、掴まないでください』
穂乃果『だって怖いんだもん……』
海未『まったく……』
穂乃果『うぅ……』 海未『……』
穂乃果『きゃっ!』
海未『どうしたんですか!?』
穂乃果『そこの窓!人の顔が!』
海未『……ただの汚れですよ』
穂乃果『あっ、なーんだ』
海未『落ち着いてください』
穂乃果『なんだか、全部が全部怖く見えてきちゃうよ……』
海未『……確かに、誰かに見られてる感じはしますね』
穂乃果『怖いこと言わないでよー』 にこ「まあ、見てるからね」
絵里「……」
真姫「絵里?」
絵里「今、その窓に人の顔が写ったような……」
ことり「えっ?」
凛「それ、画面に反射した凛たちの顔だニャ」
ことり「なあんだ……びっくりした」 穂乃果『あれっ、行き止まりだ……』
海未『もう部屋もないし、これで終わりですね』
穂乃果『うん……ん?』
海未『どうしたんですか?』
穂乃果『この壁、明かりが漏れてきてる……』
海未『……多分、この壁の向こうにさっきつけたスタンドの部屋があるんですね。古い建物ですから、隙間から光が漏れてくるんです』 穂乃果『なるほど……ぐるっと一周してきたんだ』
海未『そういうことです。さて、戻りましょうか』
穂乃果『待って』
海未『……やっぱり気になりますか。そのテレビ』
穂乃果『うん……なんで廊下の行き止まりに置いてあるのかもよくわからないし』
海未『……以前住んでいた人が、使わなくなって、ここに置いていたのかもしれません』 穂乃果『つくかなあ?』
海未『流石に、つかないと思いますが……』
穂乃果『とりあえず、電源ボタン押してみるよ』
海未『ええ……』
穂乃果『えいっ』 パチッ
穂乃果『ついた!』
海未『まさか本当につくとは……』
穂乃果『……』
海未『……』
穂乃果『……これ、カメラを手に持ってるのかな』
海未『何かの撮影でしょう』 穂乃果『あれ、この建物って、どこかで見たような……』
海未『……これは、私たちの今いる建物の入り口ですね。私たちも入る前に見ました』
穂乃果『あっ、そっか」
海未『……』
穂乃果『私たちの前にも、誰かがここに来たことがあったのかなあ?』
海未『さあ……』
穂乃果『あっ、撮影してる人、建物の中に……』
海未『……』 穂乃果『……』
海未『私たちが通ったのと同じようなルートですね』
穂乃果『うん……あっ、ここは人形の部屋だ』
海未『相変わらず不気味ですね……』
穂乃果『それにしても、この撮影してる人、すごく勇気があるね……』
海未『ええ、全く足を止めません』
穂乃果『ちょっと確認したかと思うとすぐに次の部屋……』 海未『……』
穂乃果『ここは……スタンドのある部屋だけど……』
海未『――っ!』
穂乃果『……スタンドが、ついてる……』
海未『まさか!』
にこ「さて、ここが一番盛り上がるところね」
希「楽しみやね」 ミシッ ミシッ
海未「きゃっ!?」
穂乃果「海未ちゃん!これ、違うよね!?足音じゃないよね!?」
海未「いや、これは!だって……映像の足のタイミングと一緒じゃありませんか!?」
穂乃果「嫌だ!海未ちゃん!どうするの!?」
海未「落ち着いてください!」
穂乃果「このままだと、もうすぐ私たちのところに……!」
海未「逃げましょう!」 穂乃果「無理だよ!あそこからここまで一本道だし!先は行き止まりだよ!」
海未「じゃあどうすれば……!?」
穂乃果「こんなこと――」
穂乃果「――っ!」
にこ『いい?本気でマズいと思ったら、テレビを消す』
にこ『絶対に守ってね!絶対に!』 穂乃果「――そうか!海未ちゃん、早くテレビを消して!」
海未「あっ、その手が……!」
穂乃果「早く!」
海未「あっ、あれ……」
穂乃果「何やってるの!?早く消してよ!」
海未「違います!ボタンを押しているのに消えないんです!」
穂乃果「嘘!?」 ミシッ ミシッ
海未「――っ!もう、すぐそこまで来てます!」
穂乃果「なんで消えないの、これ!?」
海未「どうするんですか!?」
穂乃果「……もう、こうなったら……」グッ
海未「穂乃果!?」
穂乃果「……叩き壊すしかないよ!」
海未「穂乃果、待っ――」
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