善子「怪異症候群?」花丸「ずら」
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ザァー……
タッタッタッ…
善子「ハァ…ハァ……ったく、なんで私がこんな目に……」
善子「傘ぶん投げなきゃよかった……あーもうビッショビショじゃない!」 ―――
―
ヒュゥゥォォォオオオオオオオオオ
善子「……」
善子(ひとりぼっちになってから、どれくらい時間が経ったんだろう)
善子(風の音以外、何も聞こえないわね)
善子「 行こう 」
善子「こうして突っ立ってても 何も始まらないんだから」
善子「曜も言ってたじゃない」
善子「元の世界に帰るには 進むしかないんだ」 ツカツカ…
善子(ここは……学校?)
善子(間違いない、浦女の校舎の中だ)
善子(夢の中だから 記憶の中の建物が再現されたってこと?)
善子(このまま適当に歩いてても埒が明かないわね)
善子(けど)
善子「どこに行けばいいってのよ……」
スタスタ タタッ
善子「 これ は 」
『逃げたら殺す』 善子「……」
善子「今更、こんなので脅してるつもり?」
善子「フフッ」
善子「ふざけないでよ」
善子「 ホント 」
善子「ふざけないでよッッッ!!!!!!!!!!」 善子「ハァ ハァ 」
ガタッ
善子「 」
クククッ ヒヒヒッ
善子「い や 」
「ヒャハハハハハヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッッッ」
善子「 」
善子「 フフッ 」
善子「いつまでもやられっぱなしだなんて」
善子「思わないでよね」
善子(千歌、曜、梨子……みんな)
善子(花丸 力を貸して) ガラッ
善子「 」ダダッ
善子(教室の中の、窓 窓 窓)
善子「全部、外れてあいつに飛んでいけっ!!!」
バリンッ バリンッ バリンッ
ビュンビュンビュンッ
「キャハハハハッ――グェッ」
善子「黒板ッ!!! アンタもよッッッ!!!」
ガタッ バキバキッ
ビュンッッッ ドゴォォォオオオオオオオオオオオオ
善子「ハァ…ハァ…」
善子「 」
善子「 」
善子「 」
善子「勝った……の?」 パラパラ…
ピキッ
ビキビキビキビキッッッ
善子「 え 」 ―――
―
―校舎内部―
千歌「ここは」
曜「浦女 だよね」
梨子「ここに、善子ちゃんが……」
ヒヒヒヒャハハハハハハッ
千歌「――っ」
曜「あの時のピエロ……!」
梨子「うぅ」ガクガク
千歌「二人ともしっかり!」
千歌「ここは夢の中」
千歌「意思を強く持てば、絶対に負けないんだ!」
梨子「……うん!」 ピキッ
ビキビキビキビキビキッ
ドガァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!!!
梨子「」ビクッ
曜「な、なに!?」
「ヒヒヒヒャハハハハハハ――グェ」
オオオォォォォォォォォォ
千歌「校舎が 崩れた」
曜「今の、あのピエロの仕業なのかな」
梨子「それとも、善子ちゃん……?」 ガラッ
善子「 」フラフラ
梨子「――あ」
善子「貴方たち……また、来てくれたのね」
梨子「善子ちゃんっ! 体、ボロボロだよ……!?」
善子「アイツを 倒そうとしたら」
善子「もっと大きな力で やり返されたって ところかしら ね 」
善子「 」ガクッ
梨子「善子ちゃんっ!!」ダキッ
千歌「……あ」
曜「千歌ちゃん?」
ヒヒヒッ
千歌「 逃げ よう 」
「ヒャハハハハハヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッッッ」
千歌「逃げなきゃ……みんな死んじゃう……!!」 ―――
―
ポトッ ポトッ
花丸「ハァ……ハァ……」
ダイヤ「花丸さん、汗が」
花丸「心配しないで」
花丸「」ゴホッ ゴホッ
ダイヤ(霊力の譲渡は、非常に高度な技)
ダイヤ(私は幼少時から相当の訓練を受け、最近になってようやく身に着けることができた)
ダイヤ(それを花丸さんは、ぶっつけ本番で成し遂げたのです。それだけでも天賦の才能といっていい)
ダイヤ(ですが)
ダイヤ「それだけでは、駄目なのです」
ダイヤ「それだけでは……」
ダイヤ( 猿夢に対抗することは かなわない ) ピンポーン ガチャッ
ダイヤ「――っ」
ダイヤ(しまった……鍵をかけ忘れていましたわ)
ダイヤ(私は3人から手が離せない 善子さんのお母様は眠っている)
ドタドタドタッ
鞠莉「ダイヤッ! 花丸ッ!!」
果南「善子たちは無事ッ!?」
ダイヤ「 貴方たち、でしたのね」ホッ
ルビィ「うゆ……」
花丸「どうして ここに」
果南「ルビィが、花丸ならきっと善子の家にいるんじゃないかって」
ダイヤ「 調べましたの?」
鞠莉「……」
ダイヤ「ハァ なんてことを」 果南「放っておけるわけない」
果南「私がみんなを想う気持ちを、甘くみないでよね」
鞠莉「果南……」
ダイヤ「貴方たちが来たところで 死人が増えるだけですわ」
ダイヤ「まだ それが分からないんですの?」
ルビィ「分からないよ」
ルビィ「私の知ってるお姉ちゃんなら、きっとこう言うから」
ルビィ「――みんなを守りたい って」
ダイヤ「 」
花丸「方法は、あるずら?」
鞠莉「ある」
鞠莉「小原家の地下倉庫に眠っていた……秘密兵器がね」 ―――
―
千歌「ゼェッ…ハァ……!」
曜「千歌ちゃん、この曲がり角で一旦交代!」
千歌「わかった!!」
善子「降ろ……して……」
千歌「イヤだ」
善子「このペースじゃ、どのみち全員お陀仏よ」
善子「私がおとりになるから……その内に」
千歌「そんなの絶対イヤだッッッ!!!!」
曜「私たちのAqoursは、9人」
曜「それ以外考えられないよ」
梨子「誰かが抜けるなんて、絶対にイヤ」 善子「どうして そこまで 」
梨子「――誰かを助けるのに、理由って必要かな」
善子「……」
善子「……そう……ね」ムズッ
善子「ありが……と……」
千歌「善子ちゃん……そうやってチカの背中に顔埋めたら、チカの服に涙と鼻水が……」
曜「はーい、ここで交代ね〜」スッ
千歌「わわっ、せっかく善子ちゃんがデレてくれたのに!!」
善子「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!///」
梨子「……あ、また扉が」
千歌「通り抜けるよ!」
ガチャッ ―――
―
ガタンゴトン ガタンゴトン
千歌「……電車の中だ」
曜「嘘 どうして 」
梨子「さっきまで私たち、浦の星の校舎にいたはずなのに」
善子「つまり……この夢の中は」
善子「アイツらの、思うがまま」
善子「私たちは、手のひらの上で転がされてたに過ぎない……ってわけね」 ピンポンパンポーン
千歌「 」
『大変長らくお待たせいたしました〜』
『次は挽肉〜、挽肉です〜』
曜「あ ぁ 」
『皆様にご連絡致します〜』
『ただ今、列車内の肉が激しく抵抗している為〜』
『見つけ次第、ぶち殺して頂くよう〜』
『ご協力をお願い申し上げます〜』
梨子「ふざけないで……誰が挽肉よ……!」
『 お肉〜 お肉〜 』
『そろそろ死にますか?』 花丸『――いや、死ぬのはお前ずら』
善子「 この 声は 」
千歌「花丸ちゃんっ……!?」
キィィィィィィィィィィィィィィィイイイイイイイイン
曜「何っ……この音っ……!!?」
梨子「耳が……!」
善子「あ……ぐぅ……!!」
花丸『南無大慈大悲救苦救難広大霊感白衣観世音……』 ―――
―
善子「」パチッ
善子「 」
善子「 」
善子「 ここ は 」
花丸「 おかえり 」
花丸「おかえり……善子ちゃん」
善子「花……丸?」
千歌「 ふぇ 」
曜「ふわぁ……ここ、どこ?」
梨子「夢 じゃ、ない?」
果南「夢じゃないよ」
鞠莉「リアルワールドでーす!!!」 善子「……」
善子「あ……あぁ……」ポロポロ
善子「あああッッ!!!」ダダダッ
ギュウウウウッ
花丸「よしよし……」ナデナデ
善子「怖かった……怖かったよぉ……」
千歌「果南ちゃあああああんっ!!!」ギュウッ
曜「うぇぇぇ……!!」
梨子「うっ……うぅ……」グスッ
鞠莉「 」ギュウッ
鞠莉「おかえり、梨子」
梨子「……うん」コクッ ルビィ(鞠莉さんがもってきた機械は、"対怪異超音波器")
ルビィ(小原グループの資金で運営されている大学の教授がかつて発明した、対怪異用の装置らしいです)
ルビィ(怪異そのものが出す特有の電磁波を感知・解析し、何パターンにも分けて独自の音波を周囲に放出する音波器とのこと)
ルビィ(実用段階には至っていないらしく、教授はこれ以上の性能向上は期待できないとして諦めてしまった)
ルビィ(この装置だけで、怪異を打ち消すことは不可能に近いのだそうです) ルビィ(でも、今回の"猿夢"は眠っている人間を襲う怪異)
ルビィ(対象を襲うにはその人間にとり憑かなければならない) ルビィ(寝ている人間を襲う猿夢には、超音波を連続的に浴びせることができる)
ルビィ(つまり、相性がよかった) ルビィ(対怪異超音波器で善子ちゃんの体内から猿夢を追い出し、無防備になったところを花丸ちゃんが除霊する)
ルビィ(鞠莉さんの提案した作戦は、大成功でした) ダイヤ「……ルビィ、行くわよ」
ルビィ「あ、うん」
ダイヤ「 」
ダイヤ「 まだ 終わらんぞ 」
ルビィ「 」
ルビィ「 お姉ちゃん?」
ダイヤ「」クルッ
ダイヤ「……どうしましたの、ルビィ」ニコッ
ルビィ「 いや 」
ルビィ「なんでもないよ、お姉ちゃん」 近日中の更新はできないのでこのスレは落としてください
これまで保守ありがとうございました ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています