愛「璃奈ー?」
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愛「…………」
夕飯の買い物のため近所のスーパーに来ていた所……何やら見覚えのある後ろ姿に出くわした。
愛(あれ……璃奈、だよね?)
同じサークルの天王寺璃奈。
……と思しき女の子だった。
フードを目深に被っているけど、パーカーは彼女がいつも着ているやつだし……この下に覗くスカートは虹ヶ咲のやつだし。
チマい背丈もヨチヨチとした足取りも、普段アタシが見ている璃奈に酷似していた。
璃奈「いっきし!」
あ、クシャミした
失礼なこと考えたからだろうか 愛「それでさ璃奈……あの窓のとこを見てほしいんだけど」
と
璃奈「え?……うわあぁッ!?」
不意に的外れな方向を指差し、油断してそちらを振り向いた璃奈。
そこへ素早く駆け寄り、私は璃奈の小さな両肩を強めに掴んで……
ドタンッと――――
足を引っ掛けて璃奈のバランスを崩し……
……机の上に仰向けになるよう
……押し倒した
璃奈「…………」
璃奈「は?」
璃奈「うええ!?/////」カアァァ 人を押し倒すなんて、今までの人生で恐らく初めてだったから、怪我をさせないように上手く出来るか不安なとこもあったけど――――
璃奈は、その高校生にしてはな身長に相応の軽い体重だったので、幸い女の私でも容易に出来た。
愛「……簡単に出来ちゃった」グイ…
愛「軽いんだね、璃奈のカラダ」
璃奈「せせ、せんぱ////、なに、な、な/////」
愛「実は……璃奈にどーしてもやっときたいことがあってさ」
璃奈「あ、あひ/////、ううあわ、わわ////」
愛「ここに来てもらったのも、その方がメインで……」
璃奈「ひひ////、うぉえうい/////」
愛「……璃奈、大丈夫なの? どっか打った?」
璃奈「ひゃひっ!ど、どこっも! 」
愛「……そう」
愛「落ち着いて。深呼吸して」 璃奈「……ふー……ふー」
璃奈「……わたし、なに……されるの?」プルプル
愛「……乱暴して本当ゴメン。でも、どーしても確かめたいんだ」グイ…
愛「フード、悪いけど取らせてもらう」
璃奈「…………」
璃奈「なんて?」
愛「フード、璃奈の、愛サン、取る、いま」
璃奈「……え!?」
璃奈「だ、だめ」バタバタ
愛「答えは訊いてない」 璃奈が抜け出そうとするよりも素早く動く
私は璃奈の細い両手首を掴み、万歳させる格好でような両腕ごと持ち上げ――
そして、その両手首を左手だけで押さえ付け、右手をフードに……
璃奈「あっ」
グイッと
不意に取れる事態を防止する機構が備わっていた所で――
ただの針金程度の補強じゃ人間の故意の力に耐え切れるはずも無い。
璃奈の言っていた通り、細い針金の束を曲げるような抵抗感はあったけど、いとも容易く特製のフードは捲れ上がり、璃奈ちゃんボードではない、天王寺璃奈の素顔が私の前に現れた。
……いや、それはきっと璃奈の素顔だけど、……素顔であって、でも本当の意味での素顔じゃあ、ないんだ。
璃奈「う、ううう……」
愛「やっぱりね……」
愛「璃奈あんた、この1週間近く……どんくらい削ったの?」
愛「睡眠時間」
璃奈の目の下は、隈だらけだった。 深夜番組を見たり、ついゲームをやり込んでしまうノリの夜更かしで出来るような隈ではない
もっと……日課として深夜まで活動していないと、ここまでのものは出来ない。……深い隈
前にも事故で璃奈の素顔を見ちゃったことはあるけど、その時の素顔とは似ても似付かない……ひどい有様だった。
そして……6日間という、高校生の身空で、あの量の絵本を仕上げるには、やや早過ぎる速度
技術があるにしても不自然だった
愛「……そういう、こととしか思えない」
璃奈「ッ!!」ビクッ
愛「おかしいと思ったんだよ……こんな短期間でコピー紙20枚分。しかもあんなクオリティのを仕上げてくるなんて」
愛「今日の璃奈、意識して見ると欠伸が多かったしさ」
璃奈「あ、あの……」
愛「……駄目だよ、いくらやる気があっても、こんな目になっちゃ……」ナデ…
璃奈「うっ……うぇ」グスグス
押し倒した璃奈の、隈だらけの目元を見つめ、その頬を撫でてやると……璃奈はちょっと涙ぐみ始めた ――――――
――――
――
愛「……ごめん、怖かったね。もうしないから」
璃奈の拘束と押し倒す態勢を解き、捲り上げたフードも直してやる
璃奈「え……ぐ」コシコシ
愛「あ……ほら、擦っちゃ駄目だよ。余計にヒドくなるし、バイ菌も入るから」
愛「ほら、おいで……」
立ち上がった璃奈が、涙の堪る目を擦り始めたので、私はポケットからハンカチを取り出し、璃奈の目を柔らかく押さえ、涙を拭ってやった
璃奈「……」
璃奈「ごめんなさい。……先輩に、心配させて」
愛「別に責めてるんじゃない。私のために頑張ってくれたのは凄く嬉しいよ」
愛「そういう気持ち向けられるのも、そういう後輩を持てたのも、誇らしいと思う」
璃奈「うう……」 愛「ただね、私のために"身を削って"まで張り切っちゃうのは……ちょっと違うかな? ってこと」
璃奈「はい……」コクリ
愛「……それで、璃奈が倒れたりなんかしちゃったらさ」
愛「愛する後輩に何かあったら……愛サン、正気じゃいられないよ……」ギュウ…
璃奈「!!」
再び、璃奈の表情はフードの向こうに隠れたけど、落ち込んでいるようなのは明らかだった
だから私は……拙い頼れる先輩の真似事を終えて、未だ緊張冷めやらぬ自分を落ち着かせる意味も込め……
肩を落とす璃奈。その小さなカラダを抱き締めてやった――――
愛「……」ギュウ
はー……、璃奈あったかい。張り詰めた意識がデロデロに解けるようだ 愛「大丈夫。張り切り過ぎなくても、私は璃奈のこと、ちゃんと見てる」ギュウ
璃奈「……うん」
愛「私だけじゃない。皆も、璃奈のことは大事な仲間だと思ってるから」
愛「きっと璃奈が倒れたら、グループの皆も悲しむ」
璃奈「…………」
愛「だから……あんまり頑張り過ぎちゃダメ、だよ?」
愛「私……、どんな璃奈でも大好きだからね?」
璃奈「……ありがとう」
璃奈「…………」
璃奈「……////」ギュウ… こうして、私は……
恥ずかしいけど、自分を慕っていると言ってくれる、掛け替えの無い後輩を手に入れた
同時に、世に生まれてこの方やった経験の全く無い、慕われる先輩としての、後輩への御節介焼きも終えた……
愛(あー疲れた)
こういうこと実際やってみると―――
なんだろうね、ちょっと照れ臭くもあるけど……でも、頭がミントのような清涼感と、意味不明の熱に包まれた気がして
愛(でも、悪くはないじゃん)
と、そう思えもするのだった
…………
――――――
――――
―― ――
――――
――――――
部室前
せつ菜「…………」
歩夢「…………」
歩夢「そういう、ことだったんですね」
せつ菜「確かに璃奈さん、ちょっと欠伸が多いような気がしましたけど」
せつ菜「私、全然そんなとこまでは考え付きませんでしたよ」
歩夢「私もです……」
歩夢(愛ちゃん、だから璃奈ちゃんのこと見てたんだ……)
歩夢「メンバーの体調を察することもロクに出来ないなんて…リーダー失格です……」シュン…
せつ菜「だ、駄目ですよ歩夢さん、思い詰めちゃ」
せつ菜「愛さんは、璃奈さんの事情を私たちより深く知っていたわけですから」
せつ菜「だから、今回の件を歩夢さんとの不手際だなんて考えちゃ、だめ」 歩夢「うん……ありがと、せつ菜ちゃん」
せつ菜「このグループに頑張ってない人なんて居ません。だから――」
せつ菜「歩夢さんも、私達の頑張るリーダーとして、変わらずいてください」
歩夢「……うんっ、ありがとうございます♪」ニコリ
せつ菜「…………」ニコッ せつ菜「…………それにしても」
歩夢「…………うん」
せつ菜「凄いもの、見ちゃいましたね。私達ったら」
歩夢「荷物取りに来たら、愛ちゃんが璃奈ちゃんのこと押し倒してたんだもんね……息止まるかと思ったよ」
せつ菜「…………」(ドアの隙間から覗く)
せつ菜「うわ、また抱き合ってる……」
歩夢「うわー絶景……」
歩夢「じゃなくて……は、はれんちだよぉ……学校なのに」
せつ菜「あれ、愛さん側に、その気は無いみたいですけど」
せつ菜「璃奈さんの方は、どう見ても―――ですよね」
歩夢「あ、せつ菜ちゃんもそう思うんだ」
せつ菜「ええ……しかし、どうにも璃奈さんの方も、自分の気持ちを理解しかねているみたいでして……」
歩夢「そうそう、本当にそうなの。もどかしい仲だよね……」 せつ菜「……これで、このグループ内で2組になった訳ですよね。マイノリティカップルの卵が……」
歩夢「うーん、グループの明日はどっちに……リーダーとして頭が痛いです」
歩夢「…………」
歩夢「あのさ、いっそ私達も付き合っちゃ」
せつ菜「冗談でも」
歩夢「ひっ」ビクッ
せつ菜「やめてくださいね、そういうの」
せつ菜「私はノーマルですから」ゴゴゴ…
歩夢「ご、ごめんなさーい」 ………………
………………
愛「さて」
愛「シャワーの使用可能時間は……まだ大丈夫だね」
璃奈「……あと15分しか無いよ?」
愛「ダイジョブダイジョブ。ダッシュで決めりゃギリギリ間に合うよ」ヘラヘラ
璃奈「璃奈ちゃんのボード……"ジト目"」
愛「ははは」
愛「さ、荷物持って……早く行こ」
璃奈「…………」
璃奈「うんっ♪」
ヤバッコッチキマシタ… カ、カクレテカクレテ
愛(ん……?) >>136を訂正
………………
………………
愛「さーて」
愛「シャワーの使用可能時間は……まだ大丈夫だよね」
璃奈「……あと15分しか無いケド?」
愛「ダイジョブダイジョブ。ダッシュで決めりゃギリギリ間に合うから」ヘラヘラ
璃奈「璃奈ちゃんボード……"ジト目"」ジトー
愛「は、ははは……」
愛「さ、荷物持って……早く行こ」
璃奈「…………」
璃奈「うんっ♪」
ヤバッコッチキマシタ… カ、カクレテカクレテ
愛(ん……?) ガチャリ
愛「…………」キョロキョロ…
シーン……
愛(……気のせい、だよね?)
璃奈「先輩どーしたの?」
愛「ん、いや何でもない。歩夢の声が聞こえた気がしてね」
愛「さ、急ぐとしよ」
璃奈「はーい」
タッタッタ……
ー物陰ー
歩夢「…………」
せつ菜「…………」
歩夢「荷物、取りに行きましょっか」
せつ菜「ですね……」 愛「でさ、委員長の出汁巻きと交換したら、これが不味いのなんの……」スタスタ
璃奈「家庭毎に味は違ってくるって、よく言うもんね……」スタスタ
愛「ははは、思ってた味と違うと不味く感じるから、それかもね」スタスタ
愛「…………」スタスタ
愛(ん?) かすみ「―――! ―――? ―――」アレコレクドクド
果林「〜……。――?」オロオロ
果林「…………。――――♪」
かすみ「!? ……――――!!///////」
果林「 」ビクッ 愛(……果林に、かすみ)
愛(ケンカ……って訳でもないみたいだね。よかった、仲直りできたんだ)
璃奈「かすみ、果林先輩と仲直り出来たんだね……」
愛「みたいだね、これにて一件落着だ」
愛「…………かすかすー!!」
かすみ「!?」ビックゥ! 愛「もうちょっとさぁー!」
愛「果林に対して! 素直になったらいいと思うよー!!」
璃奈「ふふふ……」ニコリ
かすみ「…………」ポカン
果林「…………」ポカン かすみ「…………」
果林「……」アラアラ
かすみ「〜〜〜〜!!!//////」カアァァァ!
カ ス カ ス ハ
ヤ メ テ ク ダ サ イ ー ! !
ク ダ サ イ ー ……
サ イ ー ……
イー ……
愛「へへへ……」
愛「さ、急ご!」タタタ
璃奈「はいっ!」タタタッ 愛「……ま、何にしても、今日は絵本描くのはお休みして、しっかり休息に回すことだね。きっと明日は寝坊するくらい眠れるよー?」スタスタ
璃奈「うん、しっかり休む」テクテク
愛「よろしい」
愛「母さんの御飯食べて、風呂入って、夜は寝る。子どもはそうじゃなくっちゃね」
璃奈「……愛先輩、おじさんみたいだよ?」
愛「うぇっ!? ん、んだとこらー」
璃奈「あははっ♪」 璃奈「んーでも私の家、パパもママもあんまり帰ってこないから……」
愛「あらっ、共働きなの」
璃奈「うん……。だから、ママの御飯は食べられないかなぁ」
愛「へー……両親居ないの、ウチと一緒だ」
璃奈「そうなの?」
愛「うん。ちょっとイロイロあって、おばーちゃんと暮らしてる」
愛「毎日、御飯はおばーちゃんと作ってんの。楽しいよ」
璃奈「へー。いいな……」 愛「璃奈は、普段どんな夕飯作ってんの?」
璃奈「え?」
愛「え?」
愛「…………」
璃奈「…………」
愛「え、だからさ……璃奈は普段、何をおかずに作って御飯食べてるの? って」
璃奈「作ってないよ?」
愛「は?」
璃奈「作ってない。ほとんど店屋物」
愛「…………」ピク 璃奈「それか、コンビニさんで買って来ちゃったりするけど……」
愛「…………」
璃奈「どうしたの愛先輩?」
愛「…………」
愛「泊まりに来な」
璃奈「…………」
璃奈「な、なんて?」
愛「璃奈、泊まる、宮下家、今日」 璃奈「……泊まる……愛先輩の、家」
愛「Correct (そのとおりでございます)」
璃奈「――――――」
璃奈「ヴぇっ!?/////」
璃奈「な、なななん、なんで急に!?////」
愛「ダメ、そんなんじゃだめ、疲れが取れない、駄目」
愛「そんな生活してたら、絵本のことが無くたっていつか倒れてるに決まってる」ギュウ
璃奈「わ!////」
璃奈(て、手……握られたぁ////)
愛「璃奈、週に3日で良い……料理も教えたげるから、覚えるまでは宮下家で御飯食べな、そうしな。璃奈のためだから」
璃奈「そ、そそ、そんなの……そ、そうだ、急に行ったら、おばあさんにも迷惑で……」 愛「…………」スマホポチポチ
トゥルルル…ガチャ
愛「……あ、ばーちゃん?」
愛「悪いんだけど、かくかくしかじかで……」
愛「うん、まるまるがうまうまな訳」
愛「うん……うん」
愛「ありがと……うん、私も」
愛「じゃ、後でね」
愛「…………」
璃奈「…………」 ーシャワー室ー
愛「さて、璃奈の宿泊が決定した所で丁度、シャワー室にも着いたね。ナイスタイミング」
璃奈「璃奈ちゃんボード……"まてやゴルァ"」
璃奈「簡単に決め過ぎだよ……」
愛「なに? ばーちゃんに話したら……」
"若いもんがそんなの言語道断だ"
"遠慮するこたーない、連れてきんしゃい"
愛「って、言ってたよ?」
愛「家主がそう言うんだもん。遠慮は要らないよ」
璃奈「 」チーン
愛「そういうことだから璃奈には、大人しく巣鴨の宮下家まで来る以外の選択肢は無いってこと」
愛「はははっ」ケラケラ 愛「あ……でも、うち狭いからなぁ」
璃奈「だ、だよね!? だから謹んで……」
愛「だから悪いけど、璃奈は私と同じ和室で、私の布団の横に、じーちゃんの布団を敷いて寝てもらうことになるかな……」
璃奈「え……////」
璃奈(つ、つまりそれ、愛先輩の隣で……////)
璃奈(そ、そんなの寝られるわけ……////)
愛「よーし、今日はクレアおばさんのクラムチャウダーといきましょっかね!」
愛「さ、急がないと時間無くなっちゃう。璃奈も脱いで脱いで!」ヌギヌギ
璃奈「…………/////」プルプルプルプル 璃奈「だ、だれか……」
璃奈「だ、だれかたすけてぇ……」ウワーン
※後日、完成した絵本は銀賞を受賞しました 善子「たのしいハンガーこばなし」
※超初期の設定有り 善子「…………」
目が覚めると、既に夕暮れ時だった
今日の分の生放送が終わってから、そのままボーッと椅子に座っていたまでの記憶はあるが――
……どうやら私は椅子に座ったまま、寝落ちていたらしかった
原因に心当たりは有り過ぎる
最近はネトゲ三昧だったし、趣味で始めた生放送も、徐々に軌道に乗り始めて、コーナーの一つである占いや映画レビューの台本を用意するため夜更かしすることも多かったし……
知らない間に疲労が溜まっていたんだと思う
……一つ前のやつでも言った通り、張り切れることが見つかっても、自分を削るまで頑張っちゃ駄目ね
明日は久しぶりに外にでも出て、気分をリフレッシュさせることにしましょ
善子「…………」
まあそれと、私の首が正方向から180度 反対を向いていることは、何の関係も無いんだけど 善子「…………」
わけがわからない
寝違えたにしてはファンタスティック過ぎる寝違え方だ
何せ、首が真反対を向いている
前から自分が不幸だという自覚はあったけど、こんなのハードラックとダンシンしちゃった、なんて気楽に済ませていいものではないと思う
ていうか、自然界の摂理が如何なる酔っ払い方をすれば、こんな事態が発生するんだろう
善子「原因は一体……」
千歌「…………」エヘヘ…
善子「お前か無個性オレンジ」
千歌「ひどいっ!?」ガビン 善子「あんたでしょ原因は。このノリであんたが出てくるってことは、間違いなく原因はあんたなんでしょ」
千歌「ひ、ひどいよ津島さん! わざわざプリント届けてくれたクラスメイトに、そんな言い掛かりを……」
善子「あんたじゃないのね?」
千歌「私だけど……」
善子「プリントの恩を潰して余りある狼藉よこれはぁ!!」グワァ!
千歌「うわぁやめて近寄んないで! いまの津島さん怖すぎる!」 善子「そもそも、何をどうやったら! こんなビックリ仰天な状態になるのよ!」
千歌「津島さん、そんな驚いてなかったじゃん……」
善子「リアクション取り辛すぎて冷静にもなるわ!」
善子「あんた私にどんな改造手術を施したわけ!」
千歌「……津島さんが寝てたから」
善子「私が寝てたから?」
千歌「…………」
千歌「その、頭にハンガーを被せてみた」
善子「は?」 千歌「ほら、ハンガーを頭に被ると頭が勝手に回転するじゃん?」
善子「そうね」
千歌「起きないから暇だなーって、そこの本棚のデッドプール読んでたら……ふとハンガーが目に入って……」
千歌「いつもプリント届けてるし良いよね? って、ちょっとイタズラしてやろー、なんて思っちゃって……」
善子「うん、いつも本当にありがとう。……で?」
千歌「被せたら、津島さんの頭は勝手に回転して……」
千歌「ボキって音が鳴って……」
善子「は?」
千歌「そのまま何回転もして……気付いたら、反対側になって止まりました」
善子「…………」 善子「…………」
千歌「…………」
千歌「えへっ(はぁと」
善子「大概にせぇよ高海千歌ぁぁ!!」グワァ
千歌「ひぃいいい!!?」
善子「ぐえっ!? カラダ動かしづら……っ」ドテッ
千歌「こ、ころんじゃった……」
善子「…………」
善子「いい加減にしなさいよ高海千歌ぁ! そんな適当が通用するとでも思ってんのかぁ!!」
千歌「あ、転んだまま話すんだね」
善子「体の勝手がメチャクチャ過ぎて動かしづらいのよぉぉ!!」ジタバタウネウネ
千歌(うわ……気持ち悪い動き)ヒキ 善子「何よハンガー被ったら首が折れるって!」
善子「フツー可動限界のトコで止まるに決まってんでしょーが!」
千歌「き、きっと、津島さんが堕天使だからだよ。ほら、特別な首の作りで……」
善子「首だけ特別な堕天使なんて、こっちから願い下げよバカァ!!」
千歌「ほ、本当なの! ほら、津島さんの頭!」
善子「え」
千歌「ハンガー、今も被ってるじゃん」
善子「……」ハンガーオンザヘッド
善子「……気付かなかった」
千歌「単なるご都合展開だね」 千歌「でも、それ外せば! きっと頭も元に戻るよ!」
善子「まさか本当に……」
善子「……」
善子「ねえ高海」
千歌「なぁに?」
善子「さっき、何回転も……って言ったわよね」
千歌「うん」
善子「具体的に、何回転くらいしたの」
千歌「…………」
善子「…………」
千歌「えへっ」
善子「アンタもうプリント届けに来ないで」
千歌「 」ガアン
病院に行きました
ハンガーは小原製でした
生放送のカメラはつけっぱでした おわり
善子と千歌を同い年にした意味が無かった
あの針金ハンガーってどこの企業が作ってるんだろう 何か端末の調子が悪いけど>>1です
また何か思い付いたら書くよ 虎太郎「俺と家族となしこと」 梨子「なしこはやめて」
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