花丸「部室からいい匂いが……」クンクン
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花丸「このお腹に染みるいい匂い、もしかして……」
ーーースクールアイドル部 部室
ガチャリ
花丸「やっぱり、クッキーのいい匂いだ!」
千歌「あぁ、まるふぁんふぃふぁっふぁい(あぁ、まるちゃんいらっしゃい)」モシャモシャ
曜「ふぁっふぉー、まるふぁん(やっほー、まるちゃん)」モシャモシャ
花丸「……2人とも、食べながら喋るなんて、はしたないずら……」 >>168
ーーー浦の星 中庭
花丸「ごちそうさまでしたっ」パチンッ
梨子「はい、お粗末さまでした。……いつも綺麗に食べてくれて、ありがとう。マルちゃん」ニコニコ
花丸「こちらこそ、いつも美味しいお弁当作ってくれて、ありがとう。梨子ちゃん」ニコニコ
りこまる「……ふふふっ」クスクス
花丸「それにしても、今日は日差しがポカポカ暖かくて過ごしやすいずら……」
梨子「うん。今座ってるこのベンチも、陽当たりがすごく良くってなんだか……」
りこまる「……ふわぁ……」
りこまる「……あっ」 梨子「同じタイミングで、あくびしちゃったね……///」
花丸「息ぴったりだったね……///」
梨子「もしかしてマルちゃん、寝不足?」
花丸「昨日夜遅くまで、この間買った小説を読んじゃって……」
梨子「夜更かしをしちゃったのね。……ふふっ、悪いマルちゃんね」クスクス
花丸「だって読み進めたら止まらなくなって……そういう梨子ちゃんも、寝不足なんでしょ?」
梨子「パッチワークの続きをしてたら、つい熱中しちゃって……」
花丸「それで夜更かししちゃったんだね。梨子ちゃんも悪い子ずら」フフッ 梨子「……ちょっと、このベンチでお昼寝しちゃおっか?」
花丸「お昼寝は大賛成だけど、休み時間が終わるまでに起きられるかな……このまま放課後まで寝ちゃったら……」
梨子「大丈夫、携帯のアラームをセットしておくから」
花丸「それなら安心ずら」 ポチポチッ
梨子「……休み時間が終わる5分前にアラームが鳴るようにセットしたから、これで問題無し」フフッ
花丸「心置きなくお昼寝ができるずら!」
梨子「それじゃあ、おやすみ。マルちゃん」
花丸「おやすみなさい、梨子ちゃん……」
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ ーーーしばらくして
曜「おやぁ?」
千歌「おやおやぁ?」
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
千歌「おやおやおやぁ……」ニヤニヤ
曜「おやおやおやおやぁ……」ニヤニヤ 千歌「見てごらん、曜ちゃん。梨子ちゃんとマルちゃんが、お昼寝をしているよ」
曜「見ているよ、千歌ちゃん。ベンチにもたれて、寝顔を晒しているね」
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
曜「……可愛いねぇ」ニヤニヤ
千歌「可愛いねぇ……」ニヤニヤ 千歌「でもさぁ、ただベンチにもたれて寝ている絵面って言うのもさ……正直味気ないよね」
曜「うーん、それは確かに。もっとこう……ハプニング的なものがあってもいいよね……」
千歌「……ハプニングかぁ……」ウーム
ピコーン
千歌「ピッカリ閃いた! あのね、曜ちゃん……」
ゴニョゴニョ
曜「……ほほう、それは最高のハプニングですなぁ」ニヤニヤ ーーーそして
千歌「……曜ちゃん! もっとそっと動かしなって! 梨子ちゃんが起きちゃうよ!」
曜「千歌ちゃんこそ声が大きい! マルちゃん起きる!」ボソボソ
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
曜「……こうやって、梨子ちゃんとマルちゃんの距離を、近づけて……」ヨイショ
千歌「マルちゃんの頭を、梨子ちゃんの肩に載せるように当てて……っと」ヨイショ
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
千歌「……うーん、いい絵面だぁ……」
曜「お互い寄り添うように眠る梨子ちゃんとマルちゃん……これはハプニングだねぇ……」 千歌「そうだ、もっとハプニングを起こそう!」
曜「これでも充分ハプニングなのに、さらに一手間加えますか、千歌ちゃん」
千歌「ここで手間を惜しんだら、最高のハプニングは遠のいてしまうのだよ、曜ちゃん」
曜「妥協を許しませんなぁ、千歌ちゃん」
千歌「ふふふ、梨子ちゃんの左手と……マルちゃんの右手を……」
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
千歌「握らせて……指を絡ませて……っと……」
ギュッ
曜「おおっ、これは最高最強のハプニング……!」
千歌「くっくっくっ、恋人繋ぎさせてやったのだ……」ニヤリ りこまる「……」スヤーッ クーッ
千歌「起きた時、2人は一体どんな反応するかなぁ……」
曜「きっと顔真っ赤にして、あわわと慌てふためくだろうね」
千歌「いや、顔は真っ赤にしても、意外と黙ったまま動かないかも知れないよ」
曜「うーん、それもあるかも」
千歌「とりあえず、起きるまで物陰に隠れて観察してようか」
曜「うん、私答え合わせしないとね」
ようちか「おっと、コソコソ隠れるその前に……」
パシャリ パシャリ
千歌「写メ撮って現場保存しておかないと」
曜「あとで梨子ちゃんとマルちゃんに見せびらかさないとね」
ようちか「ふっふっふっ……」ニタニタ
りこまる「……」スヤーッ クーッ
ギュッ
終わり 自分の妄想をSSにしていくスタイル
ていうかこの子達食ってばっかだな りこまるをいたずらしながら暖かく見守るようちかもいいね 曜ちゃん千歌ちゃんナイス!
起きたときの二人のリアクションが楽しみ ピピピッ ピピピッ
梨子「……アラーム鳴ってる……」ムニャ
ピピピッ ピピピッ
梨子「……マルちゃん起こさなきゃ、……ん?」
ギュッ
梨子「……なんで私、マルちゃんの手を握ってるの……?」
チラッ
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……え、えっ、えっ……えーっ!?」カオマッカッカ 梨子「ま、マルちゃんが近い……! さっきまでこんなに近くなかったのに……///」
梨子「な、な、なんで!? え、もしかしてマルちゃんの方から近づいてきたの!? マルちゃんの方から……手を握ってきたの……///」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……それとも、私の方から……無意識に近寄っちゃったのかな……つい手も、握っちゃったのかな……///」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……無意識にやっちゃったのなら、仕方ない、よね……だって、こうしたかったのは……事実だから……///」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……あともうちょっとだけ、このままで居させて……? マルちゃん……///」
コソコソ コソコソ
千歌「うっそでしょ、まさかこの状況をそのまま受け入れちゃうなんて……」キャーッ
曜「梨子ちゃんも大胆ですなぁ……」イヤーン
終わり まるちゃんも起きちゃってお高い顔真っ赤でどうしたら良いかわからず見つめ合う二人とか想像してた >>190
どう妄想してもらっても自由です
各々キュンキュンする方でいいと思います ーーー浦の星 図書室
花丸「梨子ちゃんが手伝ってくれたおかげで、貸し出し用の本の修理が早く片付いたずら。ありがとう、梨子ちゃん」
梨子「どういたしまして。でも、まだ作業が残ってるんでしょ?」
花丸「そうなんだ。では間髪入れず、次の作業に移るよ。……よいしょっと」
ドサッ
花丸「次は、内浦の保育園や小学校に寄贈するために集めた、みんなの家の読まなくなった本の修理ずら」
梨子「へぇ……読まなくなった本の寄贈、なんてこともしてるんだ」
花丸「これも図書室ボランティアのお仕事ずら」 ーーー2人は、黙々と
ーーー集めた本の修理作業に勤しみます
梨子「落書きを、消しゴムで消して……と」ゴシゴシ
花丸「これページが落丁しかけてる。糊づけしなきゃ……」ペタペタ
梨子「あっ、裏表紙にマジックで名前が書いてある。どうしようマルちゃん……」
花丸「うーん、裏表紙と同じ色のテープを貼って、隠すしかないかなぁ……」
梨子「……嫌だこれ、虫の死骸が挟まってる……」
花丸「お、オラに見せないでほしいずら……」 ーーーしばらくして
花丸「ふぅ……少し休憩しよう。梨子ちゃん」
梨子「うん。集めた本の修理も、大方終わったしね」
花丸「やっぱり梨子ちゃんがいると、全然違うずら。大変なお仕事もあっという間に終わっちゃう」フフッ
梨子「大した力じゃないけど、それでもマルちゃんのお役に立ててるなら、何よりだよ」フフッ
花丸「大した力じゃない、なんて……。梨子ちゃんがいれば、百人力ずら!」
梨子「お世辞なんか言っても、梨子からは何にも出ないよ?」
花丸「お世辞じゃなくて、本当のことずら」 梨子「それにしても……みんなから集めた本、懐かしいものばかりだね。梨子が小学生の頃に読んだことのある本もあったよ」
花丸「『ゾロリ』とか『ズッコケ三人組』とか……大きくなった今だと、なかなか読まないよね。……今読んでも面白いんだけどね」
梨子「あと懐かしいな、って思ったのが、これ」
花丸「それ、なぞなぞがたくさん書かれた本だ」
梨子「修理がてらページをめくってんだけど……見てたら、面白いなぞなぞがいっぱいあって。友達となぞなぞの出し合いっこしたの、思い出しちゃった」フフッ
花丸「オラも昔、ルビィちゃんとなぞなぞの本を読んで、なぞなぞの出し合いっこしたことあったよ」フフッ 梨子「ねぇ、今から久しぶりに、この本を読んでなぞなぞの出し合いっこをしない?」
花丸「いいよ、望むところずら」
梨子「それじゃあ、梨子から先になぞなぞを出すからね……うーん、どのなぞなぞを出そうかな……」
ペラッ ペラッ
梨子「……じゃあ、まずはこのなぞなぞから。『パンに塗ると倒れてしまうものってなんだ?』」
花丸「ふふふ、簡単簡単。答えは『バター』ずら? だって『バター』って、倒れるから」
梨子「正解。流石に簡単だったかな?」
花丸「ウォーミングアップ、ってことで最初だから簡単なのでも大丈夫だよ。次はオラの番だね」 ペラッ ペラッ
花丸「……『寝るときに邪魔になる服ってなんだ?』」
梨子「んー……わかった。『パジャマ』だ。パ『邪魔』になるから。……でしょ?」
花丸「正解。ふふっ、どんどん出してこうよ、梨子ちゃん」
梨子「じゃあ、次からはちょっとずつ難しくしていこうかなぁ……」 ーーーこうして2人のなぞなぞ合戦は
ーーーどんどん続いていきました
梨子「『アンパン、食パン、カレーパン、この中でしっかりお話を聞くことのできるパンはどーれだ?』」
花丸「……『食パン』! 食パンには『耳』があるから」
梨子「その通り、正解」フフッ
花丸「『世界の真ん中にいる虫ってなんだ?』」
梨子「……『蚊』かな? 『せかい』の真ん中だから」
花丸「ご名答ずら」フフッ 梨子「じゃあ次のなぞなぞ。『春、夏、秋、冬、一年、の中で、もっとも日数が長いのはどれでしょうか?』」
花丸「春、夏、秋、冬、一年の中でもっとも日数の長い日……? うーん、夏かなあ……夏至の日もあるから……」
梨子「もう一度、なぞなぞをよく聞いて? 『春、夏、秋、冬、一年、の中で、もっとも日数が長いのはどれでしょうか?』」
花丸「春夏秋冬、一年の中で、でしょ? やっぱり、夏じゃあ……」
梨子「……残念でした。正解は……『一年』でした」クスクス
花丸「えっ、どうして? 『春夏秋冬、一年の中で』って言ってたずら?」
梨子「『春、夏、秋、冬、一年、の中で……』だよ? その中だったら……『一年』が一番日数が長いよね?」クスクス
花丸「春と夏と秋と冬と……一年、五つ選択肢があった、ってこと?」
梨子「そういうこと」フフッ
花丸「……ず、ずるい! いじわる問題ずら!」
梨子「ちゃんと、梨子は一つ一つ区切って読んだよ? なぞなぞを早とちりしたマルちゃんが悪いよ」クスクス
花丸「あ、あぅ……///」 花丸「……じゃあ、次はオラがなぞなぞ出す番だね……」
梨子「うん。すごく難しいなぞなぞでもいいよ」フフッ
花丸(……梨子ちゃんがそういうなら……とっても理不尽な、いじわるななぞなぞを出してあげよう……)
花丸(……うーん、どんななぞなぞを出そうかな……)
花丸(……そうだ。『パンはパンでも固くて食べられないパンはなーんだ?』ってなぞなぞにしよう……)
花丸(梨子ちゃんはきっと『フライパン』って答えるだろうから、オラはそこでしたり顔で『正解は、とってもとーっても固くなったフランスパン』って答えてあげるんだ……)
花丸(ふふっ、梨子ちゃんきっと『そんなのずるい、いじわるだよぉ』ってごねるだろうけど……そんなの一切受け付けてやらないよ……)
花丸(なにせ、オラ魔が差しちゃったからね、仕方ないよね……)ニヤリ 花丸「……じゃあ梨子ちゃん。次のなぞなぞ言うね」ニヤリ
梨子「えぇ、どうぞ」
花丸「なぞなぞね。……『パンはパンでも……固くて食べられないフランスパンはなーんだ?』」ドヤァ
梨子「……えっ?」
花丸「……ん?」
梨子「『パンはパンでも固くて食べられないフランスパンはなーんだ?』ってそれ……」
花丸「あれ、オラ……あれ……まさか……」
梨子「……答え、『すごく固くなったフランスパン』じゃないの……?」
花丸「……なぞなぞの出し方、間違えて言っちゃった!……しまった、やっちゃった!」ガーン
梨子「あの、答えは……合ってるよね……?」
花丸「……正解です……」 梨子「……もしかして、さっきのお返しに……梨子にいじわるななぞなぞ、出そうとした?」
花丸「はいっ! あっ、いいえ!」フルフル
梨子「……どっちなの?」
花丸「……はい、その通りです……。ちょっと魔が差しちゃって……」
梨子「そうだったの。……ふふっ、マルちゃんったら、おっちょこちょいなんだから……」クスクス
花丸「う、うぅ……返す言葉がないずら……///」
梨子「……どうしようかな、みんなにも教えてあげようかな。さっきのこと」クスクス
花丸「!?」ドキッ 花丸「そんないじわるしないで欲しいずら……!」
梨子「だって、なんだか面白おかしかったんだもの。みんなにも教えたいじゃない」フフッ
花丸「……それはやめて……お願い……」シュン
梨子「……そうだ、それじゃあ、今から梨子が出すなぞなぞに、マルちゃんが答えられたら、さっきのことは誰にも言わない、って約束するよ」
花丸「ほ、本当?」
梨子「うん、嘘は言わないよ。嘘を言ったら仏様に怒られちゃうからね」 梨子「それじゃあ、なぞなぞね。……『歌うことと、本を読むことが大好きで、それと同じくらい食べることも好きで』」
梨子「『……今日も図書室でみんなのために本の修理を頑張る……心優しくてとっても可愛い女の子の名前は……なんと言うでしょうか?』……ヒントは、梨子の目の前にいる……女の子だよ///」
花丸「……梨子ちゃんの目の前の女の子って……そ、それってつまり、お、お、オラ……///」
梨子「……ちゃんと名前で答えないと。……名前を聞いてるのに……///」
花丸「い、言えるわけないずら! 自惚れ屋さんでもない限り、そんなこと……!」
梨子「……しょうがないなあ。……正解は……『国木田 花丸ちゃん』……だよ?」
花丸「……恥ずかしいならそんな問題出さないでほしいし……答えだって、わざわざ言わなくていいのに……///」
梨子「……だって、本当のことだから……///」
花丸「……梨子ちゃんのいじわる……///」
終わり 意地悪しようとして失敗しちゃうマルちゃんが可愛い… ラブライブファンにもおすすめのもうかるぶろぐ
グーグル検索⇒『稲本のメツイオウレフフレゼ
PEHTD 小さな小さな喫茶店の看板娘を務めるりこまる
という未知の可能性を探りたい 看板娘の梨子ちゃんと毎日お店に通って静かな店内で読書を楽しむマルちゃんってのもなかなか… >>218
小さな小さなパン屋さんを営むりこまる
お揃いのエプロンつけてパンを焼く姿はエモい 喫茶店りこまるもパン屋りこまるも、うまく料理できれば最高の素材になり得る……
とりあえずこの2つのネタは温めよう ーーー今日は珍しく、Aqoursの練習もお休みです
花丸「……今日みたいに何にも用事が無くて、尚且つ寒い寒ーい日は……」ヨイショ
ドッサリ
花丸「部屋に篭って、日がな一日本を読むに限るずら……」ウフフ
花丸「どうせお出かけする予定もないし、今日は着替えるのも面倒臭いから、パジャマに半纏のまま過ごそう、っと……」
ペラッ
花丸「……さぁ、早速読み進めるずら」 ペラッ
花丸「……」モクモク
ペラッ
花丸「……」モクモク
「……まるちゃん。花丸ちゃん……」
花丸「……ん? ばあちゃんが呼んでる……?」
ガチャリ
花丸婆「花丸ちゃん、お友達が来てるずら」
花丸「お友達……?」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f) 花丸婆「玄関でお待ちになってるからね」
花丸「わかった、今行くよ」
ヨッコイショ
花丸「……お友達って誰だろ……ルビィちゃんだったら、ばあちゃんちゃんと名前を言うし……」
トタトタ
花丸「はーい、どなたずらー……?」 梨子「おはよう、マルちゃん」
花丸「……り、り……梨子ちゃん……!」
梨子「もしかして、寝起きだったかな……?パジャマのまんま……」
花丸「い、いやこれは違うずら! これはその、着替えるのが面倒臭くて……///」モジモジ
花丸(……ばあちゃん、そういえば梨子ちゃんのこと知らなかったっけ……どおりで名前を呼ばなかったはずだぁ……)
梨子「……ふふっ、半纏姿のマルちゃん、珍しいもの見れちゃった」クスクス
花丸「……用件はなあに?」カオマッカッカ
梨子「……もし何にも用事が無かったら、一緒に沼津まで行かない?」 花丸「……それって、つまりデ……///」
梨子「……そうなるの、かな……///」
花丸「……ちょっと着替えてくるから、待ってて!」
ドタドタ
ドタドタ
花丸婆「どうしたね、そんな慌てて」
花丸「……ちょっとお出かけしてくる!」
花丸婆「今日は一日家に居るんじゃなかったずら?」
花丸「気が変わったの!」
花丸婆「……そりゃまあ、ええこったけど……なんであんな顔が赤いんかね……?」
終わり 可愛い
ちょっと気が抜けてだらしない格好のマルちゃん見てみたい >>234
マルちゃんはオシャレするときは可愛くきめるけど、だらしないときはとことんだらしなさそう
浦女の芋ジャージに半纏を羽織る姿がよく似合う >>235
芋ジャー+半纏+メガネ+ちょいボサ髪+本
休日のマルちゃんの格好ってのもいいですな…
お婆ちゃん手作りの半纏着ておこたに入りながらのんびり読書してるりこまるも浮かんできたぞ……! >>236
ーーー浦の星 中庭
梨子「……ふぅ……」
花丸「梨子ちゃん、もしかして……お疲れ気味?」
梨子「……ちょっとだけ、ね。最近作曲とか色々忙しくって……」
花丸「……ねぇ、今度のお休みの日、予定は空いてるずら?」」
梨子「今度のお休み? うん、暇だけど……」
花丸「それなら、オラと一緒に……ぐうたら、しよ?」
梨子「……ぐうたら?」 花丸「そう、ぐうたら! 一日お部屋で、ダラダラ好きなことをして過ごすの」
梨子「お部屋で、ダラダラ……。言葉だけ聞くと、すごく休日の無駄遣いみたいだけど……」
花丸「一年は長いんだよ? たまにはこんな日があったっていいずら。……それで、梨子ちゃ一緒にぐうたらするの? しないの? どっちずら?」グイグイ
梨子「……随分、ぐいぐいくるね。そうだなぁ……。何にも用事は無いし、マルちゃんと一緒にぐうたら、しようかな?」ニコッ
花丸「ふふっ、決まりだね。今度のお休みは、マルと一緒に『ぐうたら日和』ずら」ニコニコ
梨子「『ぐうたら日和』……、なんだかエッセイのタイトルみたいだね」クスクス
花丸「それじゃあね、その時に用意してもらうものを、教えるよ?」
梨子「……用意するもの?」 ーーーそして、ぐうたら日和当日
ーーー花丸の自宅 玄関前
梨子「……マルちゃんに指示されたとおり、ダラダラ過ごすための持ち物と、あと……浦女のジャージで来たけど……。ジャージって、何か意味があるのかな?」
梨子「『絶対ぜーったい、浦女のジャージ着てきてね?』って念押しで言われたから……ちょっと脅迫じみて怖かったけど……」
ピィィンポォォン
梨子「こんにちわー」
「はーい」
梨子「マルちゃんの声だ」
トタトタ トタトタ
ガララッ
花丸「こんにちわ、いらっしゃっい梨子ちゃん」ニコニコ
梨子「こ、こんにちわ……マ、ルちゃん……」 花丸「どうしたの? なんで言葉に詰まってるの?」
梨子「……いやね、マルちゃんの格好がね……」
花丸「オラの格好、そんなにおかしいずら?」
梨子「……浦女のジャージに、半纏を羽織って……髪はちょっと寝癖ついてボサボサだし、おまけにメガネだし……普段のマルちゃんのイメージと真逆すぎて……」
花丸「オラ、あんまり視力は良くないんだ。だからお家ではメガネなの」
梨子「メガネのところだけ抜き取って理由を説明されても、他の部分の思考が追いつかないよ……」
花丸「今日は一日、ぐうたらするんだよ? ぐうたらするのにお洒落は不要ずら。だから、格好も過ごしやすいジャージで充分だし、髪の毛だってとかなくたっていいずら」
梨子「……そう言われたら、確かにぐうたらするだけだしね……。マルちゃんがジャージにこだわった理由がわかったよ……」
花丸「さっ、早く中へ上がって? お部屋にどうぞ」
梨子「お、お邪魔しまーす……」 ーーー花丸の部屋
ガチャリ
梨子「ま、マルちゃんこれ……」
花丸「ふっふふ。もう、ぐうたらする準備は整ってるよ」
梨子「……こたつの上に、急須と湯飲みと、お茶菓子が既に用意してある……」
花丸「飲み物も食べ物も、抜かりなしずら。さぁ、梨子ちゃんもこれを羽織って?」
梨子「これ、マルちゃんも羽織ってる半纏……」
花丸「オラのお古だけどね。ばあちゃんの手作り半纏だから、とっても暖かいよ」ウフフ
梨子「あら、裾のところに肉球のアップリケが。ワンポイントになってて可愛い」クスクス
花丸「それね、今オラが羽織ってる半纏にも、付いてるんだよ。ほら、ここ」
ヒラッ
梨子「本当だ。マルちゃんのおばあちゃんのこだわりと優しさが、半纏から伝わってくるね」フフッ 花丸「さて半纏を羽織ってもらったところで……これより、一日ぐうたらをしてもらうわけだけど……」
梨子「何かまだあるの?」
花丸「うん。携帯電話の電源もね、切ってほしいの」
梨子「……ぐうたらするために、そこまでするんだ……」
花丸「電話のベルが鳴ると、ぐうたらに集中できなくなるからね」
梨子「ぐうたらに集中とかあるんだ……」
花丸「とにかく、携帯電話の電源はお切りください!」
梨子「そんな車掌さんのアナウンスみたいに言わなくても……。わかったよ……」
ポチッ
花丸「それでオッケーずら」ニコニコ 花丸「さぁ、こたつに入ったら、いよいよぐうたらスタートずら!」
梨子「よ、よーし……今日はぐうたら、頑張るぞー……」
花丸「……梨子ちゃん、ぐうたらは頑張るものじゃないよ。ぐうたらは、ぐうたらするためにぐうたらするんだから」
梨子「『ぐうたらするためにぐうたら』ってどんな言葉なの……。ぐうたらがゲシュタルト崩壊しちゃうよ……」 ーーーこたつに潜り込み、座椅子に腰をかけた梨子と花丸
ーーーそれぞれ、ぐうたらするための用意を机の上に持ち出して
ーーーぐうたら日和のスタートです
梨子「マルちゃんは、今日は本を読んでぐうたらするの?」
花丸「うん。前に沼津の本屋さんで買った小説なんだけど、まだ手をつけれてなかったから。梨子ちゃんは……編み物するの?」
梨子「そうだよ。前から少しずつ進めてたんだけど、途中で止めてて……。今日で完成できたらいいな、って」
花丸「黄色の毛糸で、何を作ってるの?」
梨子「ふふっ、内緒。出来てからのお楽しみ」
花丸「それは気になるずら。ぜひ、完成させてほしいな」
梨子「うん、ぐうたら編みながら、頑張るよ」 梨子「……」アミアミ アミアミ
花丸「……」ペラッ
ーーー梨子は両手に持った編み棒を、細かく動かして黄色の毛糸を編み込んでいき
ーーー花丸は視線を文章に落として、じっくり読み込んで、小説の世界に深く浸っています
ーーー花丸の部屋は、とても静かな時間が流れていました
梨子(……静かだなぁ。そもそもマルちゃんのお家はお寺だから、閑静な場所にある、っていうのもあるけれど……)
梨子(……それにしたって、マルちゃんのお部屋は静か。さっきから聞こえるのは本のページをめくる音と、お茶をすする音ぐらい……時計の針の音すら聞こえないや……) 梨子「……ねぇ、マルちゃん」
花丸「……なあに、梨子ちゃん。おトイレなら部屋を出て……」
梨子「お手洗いに行きたいわけじゃないの。えっと、今何時かな? って思って……」
花丸「今何時? そうだね、大体ね……」
梨子「お決まりの返しだね、それ」
花丸「どういうこと? えっと、今大体ね……」
梨子「……なんでお腹を抑えるの?」
花丸「お腹の虫に、今の時間を聞いてるの」
梨子「……時計を見たらいいんじゃ……」
花丸「時計? 時計はね、電池抜いてあるから動かないの」 梨子「……時計、止めてるの?」
花丸「うん、だって、時計の針の音が耳障りになるずら? ぐうたらするための環境作りだよ」
梨子「……通りでこんなに静かなのね……。マルちゃんのぐうたらへのこだわりがすごいよ……」
花丸「……ぐうたらに時間なんか気にしたらダメずら。時間を忘れて、ダラダラ過ごすのがぐうたらだから」
梨子「……なるほど。なんか深いね……」
花丸「で、お腹の虫に尋ねたところ……まだお昼ご飯の時間じゃない、って。お腹が空いて、まだ鳴くような時間じゃない、って」
梨子「本当に大体なんだね……」 ーーーこの静かな部屋で、どれほど時間が経過したのでしょうか
ーーー突然、梨子と花丸は互いの手の動きを止め
ーーーお腹の方に手をやったのでした
りこまる「……あっ」
梨子「……」グゴゴゴゥゥ
花丸「……」クゥゥ
りこまる「……///」カオマッカ
梨子「……タイミングよく、お腹の虫が鳴いたね……///」
花丸「ってことは、もうお昼ご飯の時間だね……///」
梨子「あのっ、マルちゃん……さっきの私のお腹の虫の鳴き声、誰にも言わないでね……///」カオマッカッカノカー
花丸「……怪獣の呻き声みたいだったもんね……大丈夫、誰にも言わないから……」クスクス 何これヤバイですやん…
すっごい穏やかな時間の使い方… ーーー二人はこたつから、よいしょと上がると
ーーー花丸の家の台所に向かいます
ーーーそこでは、割烹着を着た花丸のお婆さんが
ーーーコンロの前でフライパンを振るっていました
花丸婆「ふふっ、花丸ちゃんの腹時計は正確ずら」
花丸「ばあちゃん、お腹空いちゃった……」
花丸婆「べっこ待ってな。んますこすで出来あがっから……」
梨子「……べっこ? んますこす……?」
花丸「ばあちゃん、東北生まれの人だから……今のは東北弁ずら」
梨子「へぇ、東北弁なんだ……」
花丸「長い間、お寺のお大黒さんもやってたから……東北弁とじいちゃんの遠州弁も混ざっちゃって……」
梨子「なるほど……」
花丸婆「ほいできた、ばあちゃん特製のチャーハンずら」
花丸「わーい!」 花丸婆「こんなもんしかできねぇで、ごめんなしてくない」
梨子「いえ、そんなお構いなく……」
花丸「ばあちゃんのチャーハンはね、お米がパラパラでとっても美味しんだよ」
花丸婆「これ花丸ちゃん、あんまこのばあをおがすんじゃね」フフッ
花丸「本当のことだもん、嘘をついたら仏様に怒られるずら?」
花丸婆「んだなあ、嘘つくと仏様にごしゃがれるなあ」
花丸&花丸婆「んふふ……」クスクス
梨子(……何言ってるのか全然わかんない……) ーーー梨子と花丸は食卓に向かうと
ーーー仲良く手を合わせて、花丸のお婆さんの作ったチャーハンを食べ始めました
アーンッ
パクーッ
梨子「……味付け、お醤油がベースの優しい味で、マルちゃんの言う通り、お米がパラッパラだ……。流石は沼津一の料理自慢、だね」フフッ
花丸「んふふー、美味しいずら?」モグモグ
梨子「……マルちゃん。ほっぺにお弁当、付いてるよ、ティッシュで取ってあげる」クスクス
ヒョイッ
花丸「あうっ……ありがとう……梨子ちゃん……///」 りこまる「ごちそうさまでした」パチンッ
花丸婆「お粗末さんずら」
梨子「食器片付けるの、手伝います」
花丸婆「気にすんな、気にすんな。オラがすべっとくから」
梨子「それではなんだか申し訳が……」
花丸婆「ええんだ、ええんだ。……花丸ちゃん、あとでおやつ作って持ってくからな」
花丸「ありがとう、ばあちゃん」ニコニコ ーーーお昼ご飯を食べ終えた二人はまた、花丸の部屋に戻りました
梨子「マルちゃんのおばあちゃん、素敵なおばあちゃんね。マルちゃんが自慢するのも、納得しちゃうな」
花丸「あとで、おやつも持ってきてくれるから、楽しみずら……」フフフッ
梨子「うん、私も楽しみ」フフッ
花丸「お腹いっぱいになったことだし……じゃあ、ぐうたらの続きを始めよう?」 ーーー梨子と花丸は再びそれぞれの手を動かして
ーーー自分の世界に没頭していきます
梨子「……」アミアミ アミアミ
花丸「……」ペラッ
梨子(そういえばマルちゃん、一体何を読んでるのかな……?)
花丸「……」ペラッ
梨子(サスペンス小説かな、それともロマンス小説なのかな?) 花丸「……」ペラッ
梨子(せっかくだから、聞いてみようかな……。でも、今すごく集中してるから、邪魔しちゃうかな……)
花丸「……」シクシク
梨子(あれ、マルちゃん泣いてる……)
花丸「……そんなのってないよ、せっかく生き別れのお兄ちゃんと再会したのに……お兄ちゃんの余命がいくばくもないなんて……」グスン
梨子(……マルちゃんの表情で、なんとなく読んでるストーリーがわかりそう……) 梨子(……ちょっと、観察してみよう……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……」ドキッ
梨子(……何かストーリーに変化があったのかな?)
花丸「お兄ちゃんの病気を治せるお医者様が、世界に一人だけ存在する、だって……!」ゴクリ
梨子(やったね、一筋の光が見えたよ!) 花丸「……そのお医者様は、どこにいるのかな……」
梨子(……一体どこにいるんだろう……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……」ワナワナ
梨子(……すごい驚いてる。もしかしてお医者様の居場所が判明したのかな……)
花丸「……まさか、宇宙にいるなんて……」
梨子(えっ、宇宙にいるの!?) 花丸「なんで宇宙にいるの……いきなり急展開ずら……」
梨子(本当にそうだよ……どうして宇宙に……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……腕は確かだけど、人間嫌いの偏屈者で、人の社会に嫌になって宇宙に移住しちゃったんだ……」
梨子(そういう一癖あるお医者さんなんだ。……っていうか、マルちゃんが読んでるのSF小説なのかな……宇宙が出てきたけど……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……そうだね、宇宙にいるから、って諦めちゃダメだよね。そのお医者様にお兄ちゃんを治してもらわないと……」
梨子(……でも主人公の子は、どうやって宇宙まで行くつもりだろう……) 花丸「……」ペラッ
花丸「……なるほど、JAXAの打ち上げシャトルにこっそり乗り込んで行くわけだね……」
梨子(当然宇宙に行くにはそうなるんだろうけど、こっそりと言う割には大胆よね……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……」ムスッ
梨子(……あれ、眉間に皺を寄せた……)
花丸「……なんで宇宙に行く妹の邪魔をするの、義理のお姉ちゃんは!」プンプン
梨子(主人公女の子だったんだ! 今更判明した!) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています