花丸「部室からいい匂いが……」クンクン
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花丸「このお腹に染みるいい匂い、もしかして……」
ーーースクールアイドル部 部室
ガチャリ
花丸「やっぱり、クッキーのいい匂いだ!」
千歌「あぁ、まるふぁんふぃふぁっふぁい(あぁ、まるちゃんいらっしゃい)」モシャモシャ
曜「ふぁっふぉー、まるふぁん(やっほー、まるちゃん)」モシャモシャ
花丸「……2人とも、食べながら喋るなんて、はしたないずら……」 まるちゃんふぁんふぃふぁふぁふぁいモヒャモシャ
これ気に入った! 花丸「ねぇ千歌ちゃん、このクッキーって、もしかして……」
千歌「そう、そのもしかして。梨子ちゃんの作ったクッキーだよ!」
花丸「やっぱり! ふふっ、美味しそうずら……」
曜「ほら、マルちゃんも食べよ食べよ!」
花丸「それじゃ、遠慮なくいただくずら。……そういえば、梨子ちゃんは?」
千歌「梨子ちゃんはトイレに行ったよ」
花丸「そうなんだ、じゃあ、後でお礼を言わなきゃ。……お手を合わせて、いただきますっ」パチン アーン パクーッ
モグモグ
花丸「ふふふ……ふぉいひぃふふぁ……(おいしいずら……)」ニコニコ
千歌「マルちゃんってば、食べながら喋るなんてはしたなーい」ケラケラ
花丸「……!?」
ゴクンッ
花丸「……自分で言っておいて、ごめんなさい……///」
曜「まあ、でも美味しいからね、はしたなくなってもしょうがないよね」ケラケラ
千歌「だよねー」ケラケラ 花丸「梨子ちゃんって、すごいずら。だって、こんな美味しいお菓子をたくさん作れるし」
千歌「ねー、そうだよねー」
花丸「ピアノも弾けて絵も上手で、お裁縫だってルビィちゃんくらいできるし」
曜「手先が器用だもんねー」
花丸「おまけに綺麗で、いつもなんだかいい香りがして……おらに無いものをたくさん持ってて、憧れちゃうずら……」テレテレ
千歌「ほうほう」ニヤニヤ
曜「ほうほうほーう」ニヤニヤ 曜「マルちゃんが、梨子ちゃんに対してそんな思いを抱いてたなんてね。意外だよ」
花丸「うん。最初は東京の人だ、って理由でちょっと怖かったけど……今はもうそんな風に思わないし、むしろね……」
千歌「むしろ?」
花丸「……あんなお姉ちゃんがいたらな、とか思ったりするんだぁ……///」
千歌「ほえー、マルちゃん大胆だねぇ」
花丸「大胆、だなんて……。ここに梨子ちゃんがいないから、こんなこと言えるわけで……」 曜「で、それからそれから?」
千歌「もっと梨子ちゃんへの思いを聞かせてよ、マルちゃーん」
花丸「……千歌ちゃん、曜ちゃん。なんでそんなに興味津々なの?」
曜「そりゃあ、梨子ちゃんへの憧れをたくさん聞きたいんだよー」
千歌「そうそう、ちょうど梨子ちゃんも帰ってきたし」
花丸「……へっ、り、梨子ちゃん帰ってきたの!?」ドキッ
梨子「こ、こんにちわ……花丸ちゃん……///」テレテレ 花丸「え、あ、えっと……梨子ちゃん、い、いつの間に……戻ってきたの……!?」アセアセ
梨子「えーっと、その……」テレテレ
花丸「だって、部室のドアを開ける音、しなかったずら!?」
梨子「それはね……あの……」
千歌「梨子ちゃん、最近鞠莉ちゃんに、『コーガ流忍者のドアを静かに開ける方法』を教わったから、実践してるんだよねぇ」
梨子「最近クセになってるの……音を殺してドアを開けるの……」モジモジ
花丸「なんてことを梨子ちゃんに教えるの鞠莉ちゃんは……!!」 花丸「こ、これはね、梨子ちゃん……!!///」カオマッカ
梨子「……///」モジモジ
花丸「う、うぅ……」
りこまる「……///」テレッテレ
曜「……おやおや、千歌ちゃんや。お互い、顔真っ赤にしてなんにも喋らないよ」
千歌「そうだね曜ちゃんや。これはなんだかじれったいね」
曜「そうですなあ」 千歌「……ここは、若い2人に任せて、チカたちお邪魔虫は退散するとしますか」
曜「そうしましょか」
ガタッ
ようちか「それでは、ごゆ……」
花丸「ちょっと待って! 置いてかないで、というか『若い2人』って何なの!? オラと千歌ちゃんたち、そんなに年は離れてないずら!!」 千歌「じゃあね、マルちゃん……」
曜「健闘を、祈るっ!」ケイレイッ
ようちか「それでは、ごゆっくり〜♪」
ガチャリ
花丸「ああああ、千歌ちゃん、曜ちゃん……!」アワワ 花丸(……どうしよう、梨子ちゃんと本当に2人きりになっちゃったよ……)
梨子「……ねぇ、花丸ちゃん……」
花丸「はっ、はいっ!」ビクッ
梨子「さっきのお話なんだけどね……あれって……」モジモジ
花丸「あれはその、えーっと、あれは……」
梨子「……あれは?」
花丸「う、う……嘘、嘘ずら!」 梨子「……嘘?」
花丸「そう、そうずら、さっき言ったことは、まるっきり嘘であって……!」
梨子「そうなんだ、嘘なんだ……」シュン
花丸(なんでそんなに落胆するの……!?)
花丸「……ご、ごめんなさい! さっき言った嘘は、う、……嘘ずら! 」
梨子「嘘の嘘、ってことは裏返って……やっぱり本当なの……?」
花丸「そ、そうだよ。だって、嘘をついたら仏様に怒られるから……」
梨子「そっか、本当なんだ、ね……///」テレテレ
花丸(ああ、もうオラって墓穴を掘っちゃった……もう、後戻りできないずら……) 花丸(恥ずかしい……恥ずかしくて、穴があったら入りたい……さっき掘った墓穴に入りたいずら……)
梨子「……花丸ちゃん」
花丸「はいぃ!」ドキッ
梨子「俯いてないで、顔を上げて……ね?」
ムクッ
花丸「……梨子、ちゃん……?」
梨子「あんまり見つめないで、梨子も……恥ずかしいから……///」カオマッカッカ 梨子「……花丸ちゃんが、私に対してそんな思いを抱いてたなんて、知らなかった……」
花丸「……ごめんなさい……」
梨子「謝らなくていいの。あのね……梨子もね、その……花丸ちゃんと同じことを、思ってたの……花丸ちゃんみたいな妹がいたらな、って……」
花丸「……えっ」 _____
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ダイヤさんがこのスレに興味を持ったようです 梨子「だって花丸ちゃん、梨子の作ったお菓子を、いつも美味しそうに食べてくれるでしょ?」
花丸「それは、梨子ちゃんの作るお菓子は本当に美味しいから……」
梨子「美味しそうに、にこにこ満面の笑顔で食べる花丸ちゃんを見て……すごく嬉しいし、とても可愛いな、って思ってたの……」
花丸「……まさか、梨子ちゃんがそんなこと……///」カオマッカッカ
梨子「できたら、独り占めしたいくらい、って……嫌だな、私ったらなんてこと言ってるの……///」カオマッカッカノカー 梨子「とにかくね。……梨子はね、花丸ちゃんに『お姉ちゃん』って慕われるの……とても嬉しいの」
ギュッ
梨子「だから梨子もね、花丸ちゃんのこと、これからは……ね……」
花丸「り、梨子おねえちゃ……」ドキドキ
梨子「なあに、……マルちゃん?」フフッ
花丸「……あああ、や、やっぱりは、恥ずかしいずら……///」カオマッカッカッカー ーーースクールアイドル部 部室前
千歌「……ふーむ、どうやら」
曜「作戦成功みたいだね……」
ようちか「……」グッ
善子「ねぇ2人とも。部室の前で聞き耳立てて、何してるのよ」 曜「ああ、よっちゃん」
善子「どうしたの、一体全体」
千歌「ふふん、それは言えねえなあ。よっちゃん」
善子「なんでよ、そんな隠すようなことなの?」
曜「まあ、取り込み中というか、ね」
善子「取り込み中?」
クンカクンカ
善子「このいい匂い……もしかして……クッキーの匂い! 梨子ちゃんお手製のクッキーの匂いね!」 善子「さては千歌ちゃんと曜ちゃん……梨子ちゃんのクッキーを独り占めしようとしてるわね!? ヨハネの悪魔的勘がそう囁くわ!」
曜「ち、ちげーし!」ドキッ
千歌「そんなんじゃねーし!」ドキッ
善子「明らかに動揺してるじゃない、やっぱり図星ね!……そこを退きなさい、2人とも!」
グイッ
千歌「ダメダメ! まだここは通せないのだあ!」
善子「ヨハネだって梨子ちゃんのクッキー食べたいの!」
グイグイッ 千歌「曜ちゃん、このままだと……!」
曜「よっちゃん!」
善子「何よ!?」
シュッシュッシュッ
曜「……今この部室のドアの前にバリアー張ったよ、バリアー!」
善子「……バリアー、ですって?」
曜「そうバリアー! 堕天使は通ることのできない、特殊なバリアー!」
善子「な、なんですって……!?」
千歌「おお、曜ちゃんにそんなことができるなんて……!」 善子「くっ……ただの人間ごときがまさかそんな芸当を……!」
曜「このバリアーに触れたら、堕天使の体なんてもう……とにかく大変なことになるよ!」
千歌「説明が具体性にかけてる!」
善子「……甘く見てたわ、曜ちゃんのこと。……こうなったら斯くなる上は……」
曜「……何をする気……?」
善子「……最終手段よ!」
善子「ヨハネの堕天使設定を捨てるだけ! 押し通る!」
千歌「うわっ、着脱自由だ!」
曜「身も蓋もない!」 善子「さあ、そこを退きなさいっ!」
グイッ
ようちか「ああ、取り込み中なのに!」
ガチャッ
善子「……あらっ」
花丸「ふふっ、ふぃふぉふぁんふぉふっふぃーふぉふぃふぃふぃふふぁ……///(梨子ちゃんのクッキー美味しいずら……)」
梨子「食べながら喋るのははしたないよ、花丸ちゃん……///」 善子「梨子ちゃんとマルちゃん……まさか、2人でクッキーを独占してたなんて……!」
梨子「よっちゃん、何の話かわかんないけど……クッキーはまだあるから、安心して?」ニッコリ
花丸「ほら、よっちゃんも食べるずら」ニッコリ
善子「言われなくたっていただくわ、とにかく、全部食べられる前で良かった」フフッ
アーンッ
パクーッ
善子「あぁ、ふぉいひぃ。ふぉっふぇふぁふぁふぉふぃふぁうふぁ(あぁ、美味しい。ほっぺたが堕ちちゃうわ)」
梨子「そう、ありがとう。よっちゃん///」
花丸「よっちゃん、食べながら喋るなんてはしたないよ///」
ゴクンッ
善子「あらごめんなさい。ところで、梨子ちゃん、マルちゃん。……なんでそんなに顔が赤いの……?」
梨子「……なんでだろうね、マルちゃん」
花丸「どうしてだろうね、梨子ちゃん」
りこまる「……ふふっ///」カオマッカッカッカー
善子「……?」
終わり 導入部的りこまる
曜ちゃんのバリアーは小学生の「バリアー張った!」的モーションを想像して頂ければ >>36
やっぱり『お姉さま』の方が良かったかな。 >>37
すまんただの感想だと思ってください
個人的にはさん付けとか好きだけどこの流れならちゃん付けが1番しっくりくる >>38
ちょっと迷ったんだけど、そう言ってくれると嬉しい
とりあえず今日はこれだけだけど、思いつき次第このスレにりこまるSS投下したい >>40
そう言われたらそうですね、次からは気をつけます りこまる好き
>>1乙やん
余計なお世話かもしれないけどここにダイヤさん入れたらもう百合の嵐の気がする ーーー浦の星 校門前
千歌「うー、寒いねぇー」
梨子「うん、夕方になって、少し風が吹いてきたね」
千歌「寒い時こそ……体を動かして温めるのだ! うぉっしゃー!」
梨子「千歌ちゃんは、寒くても元気一杯だね」フフッ
花丸「まさしく、『千歌ちゃん風の子元気な子』ずら」フフッ
千歌「曜ちゃん! ほら、いっくよー! 走るよ!」
梨子「それに比べて……」
曜「……ぇ、嫌だよ、寒いもん……」
梨子「寒いから曜ちゃん不機嫌になってる……」
花丸「千歌ちゃんと対象的ずら……」 千歌「曜ちゃん! 寒いの嫌いだから不機嫌になるのはわかる!」
曜「わかってるなら放っておいてよ……」
千歌「だから体を動かして、あっためるんじゃない! さぁ、あの夕日に向かってダーッシュッ! ダーッシュッ!」
グイッ
曜「ちょっと、引っ張らないでよ……」
千歌「ダンダンダダーン!」
曜「あー、助けてー梨子ちゃーんマルちゃーん……」
シュタタタタタッ
花丸「……行っちゃった……」
梨子「ダンダンダダーン、って何の掛け声なの……?」 梨子「……私たちも行こうっか。マルちゃん」ニッコリ
花丸「うんっ」フフッ
ヒュールリー ヒュールリーララー
梨子「……寒い……」ブルッ
花丸「大丈夫? 梨子ちゃん」
梨子「う、うん、大丈夫。……今日はマフラーを巻いてくるの忘れたから、いつもより少し寒いだけ……」ブルッ 梨子「……ひっくし」クシュンッ
花丸「あぁっ、梨子ちゃんくしゃみした……」
シュルシュル
花丸「梨子ちゃん。……オラのマフラー、巻く?」
梨子「えっ?それだと、マルちゃんが肌寒くなっちゃうんじゃ……」
花丸「オラは、大丈夫ずら。だから、梨子ちゃん、マフラーを巻いて?」
梨子「本当に、いいの……?」 梨子「それじゃあ、お言葉に甘えて。ありがとう、マルちゃん」
マキマキ マキマキ
梨子「ふふっ、暖かい……」ヌクヌク
花丸「それなら、良かったずら」ニコニコ
梨子「マフラーから、マルちゃんの甘くて優しい匂いがしてる……」フフッ
花丸「……そう言われると恥ずかしくなっちゃうから、やめて梨子ちゃん……///」 梨子「でも、本当に良かったの?」
花丸「大丈夫ずら、だってマルは健康だもん。ちょっとやそっとの冷たい風なんて……」
ヒュールリー ヒュールリーララー
花丸「……へくちゅん」クシュンッ
梨子「あら、くしゃみ。……マルちゃん、やっぱり寒いんじゃ……?」
花丸「平気、平気ずら。……うさぎさんが身を呈して旅人を救ったように、オラだって……」ブルッ 梨子「……マルちゃん。やっぱりこのマフラー、返すね」
シュルシュル
花丸「でも、それだと梨子ちゃんが……」
梨子「梨子のせいでマルちゃんが風邪ひいちゃったら、それこそ意味無いよ。……梨子は大丈夫、だってマルちゃんの……『お姉ちゃん』だもの」テレテレ
花丸「梨子ちゃん……」 マキマキ マキマキ
花丸(……マフラーから微かに、梨子ちゃんの匂いがする……///)
梨子「……ひっくし」クシュンッ
花丸「またくしゃみ……あのね、梨子ちゃん。……マルにね、寒さを和らげる名案があるんだけど……」モジモジ
梨子「……名案?」
花丸「……梨子ちゃんにマルがピッタリくっつくの。人肌で、温めるって言うと……ちょっと違うかもしれないし、恥ずかしいけれど……///」 花丸「ほ、ほら! おしくらまんじゅう、これはおしくらまんじゅうの理論ずら!だから……」アセアセ
ピタッ
花丸「……ねっ。……マルの体、湯たんぽみたいに暖かいでしょ……///」カオマッカッカ
梨子「すごく、暖かいよ、マルちゃん……///」カオマッカッカ
花丸「それじゃあ、帰ろ、……梨子ちゃん」
梨子「……うん、……マルちゃん」
終わり 1人で巻く用のマフラーを2人で巻くと長さ的に寸足らずになりそう
それはそれでロマンあるんだけど ーーースクールアイドル部 部室
ガチャリ
花丸「あっ、梨子ちゃん」
梨子「あら、こんにちわ、マルちゃん」
花丸「こんにちわ。まだ、誰も来てないんだね」
梨子「うん、私が一番乗りだよ」
花丸「ふふっ。なら、オラは二番乗りずら。千歌ちゃんと曜ちゃんは?」
梨子「2人は居残りで補習授業中。……小テストの点数、悪かったから……。よっちゃんと、ルビィちゃんは?」
花丸「……同じく、補習授業中ずら。ルビィちゃんは小テスト、あと1点足りなくて居残りになっちゃって。よっちゃんは……テストの回答が全部ズレてて……」
梨子「それは……2人とも残念だったね……」 花丸「ところで、梨子ちゃん。机にお裁縫道具が広がってるけど、何を繕ってるの?」
梨子「まだ人が来なくて時間があったから……これを、直してたの」
花丸「……クマの、ぬいぐるみ?」
梨子「そう。この子はね、ジャッキーちゃん、っていうの」
花丸「ジャッキーちゃん! 外人さんずら!」
梨子「いや、外人さん、ってわけでもないんだけどね……。日本生まれのキャラクターだから……」 梨子「腕のところがほつれかけてたから、補強も兼ねて、直してたの」
花丸「そうなんだ。……その、ジャッキーちゃん、なんだか随分年季が入ってる、っていうか……」
梨子「……やっぱり、くたびれて見える?」フフッ
花丸「お、オラ、別にそういう意味で言ったんじゃ……!」アセアセ
梨子「ふふ、ごめんなさい。……でも、マルちゃんの言う通り。だってこの子、梨子が小さな頃に買ってもらったぬいぐるみだもの」 花丸「……小さな頃、ってどのくらい?」
梨子「うーん、梨子が5歳の時に、おばあちゃんに買ってもらったものだから……10年以上前に、なるかな?」
花丸「10年! 長い年月ずら。なるほど、道理で……」
梨子「……私ね、子供の頃あんまりお友達がいなかったから……ジャッキーちゃんとよく遊んでたの。一緒におままごとしたりとか、お絵かきのモデルにしたりとか。寝るときも、抱えて一緒に寝たりとか、ね」
花丸「ぬいぐるみと一緒に寝るなんて、可愛いずら、梨子ちゃん」クスクス
梨子「い、今はもちろん、そういうことはしてないからね……本当だから、ね?///」 梨子「本当はね、内浦に来る前に、手放そうかと思ったの。くたくたになってきてたし、私もぬいぐるみ遊びをするような歳でもなくなったし、ね」
花丸「でも、最終的に……」
梨子「……内浦まで連れてきちゃった。だって、小さな頃からずっと一緒だったから、今更手放すのも可哀想に思えちゃって……」
花丸「……優しいずら、梨子ちゃんは」
梨子「優しくなんてないよ。……本当は、捨てる勇気がなかっただけだもの……」 花丸「……梨子ちゃん。このジャッキーちゃんのぬいぐるみは、きっと……付喪神になるずら」
梨子「つくもがみ?」
花丸「付喪神って言うのは、長い間使われた道具や物に魂が宿って、妖怪みたいな存在に変化したものを言うんだけど……」
梨子「よ、妖怪? ……なんだかそれ、ちょっと怖い……」
花丸「確かに妖怪って聞くと、怖かったり、人間を驚かしたりする悪い方を想像しちゃうけど……でもね、中には人間に優しい付喪神だっているんだよ?」
梨子「怖い存在ばかりじゃ、ないの?」
花丸「うん。……梨子ちゃんは優しいもの。ジャッキーちゃんのぬいぐるみは、持ち主に似た優しい付喪神になるずら」フフッ 梨子「……怖い方じゃなくて、人間に優しい妖怪になってくれるなら……これからも、大事にしなくちゃね」フフッ
花丸「うん、これからも大事にしてあげてね」ニッコリ
梨子「ちなみに長い間使われた、って言ってたけど……どれくらいの年月ことを指してるの?」
花丸「えっとね、確か……100年ずら」
梨子「……私の方が先に死んじゃうね、それ……」
花丸「子々孫々、代々受け継いで大事にするずら」
梨子「遺言で、『ジャッキーちゃんのぬいぐるみを、大切になさい』って遺さないといけないね……」 花丸「……あのね、梨子ちゃん」
梨子「なあに、マルちゃん」
花丸「そのジャッキーちゃんの補修が終わったら、後でマルに……お裁縫を、教えてほしいずら……」
梨子「それはいいけれど、どうして?」
花丸「今度、家庭科の授業でお裁縫の時間があるんだけど、マルぶきっちょだから、お裁縫苦手なんだ……」
梨子「……それなら、ルビィちゃんに教わった方がいいんじゃないかな? 私よりルビィちゃんの方が上手だし……」 花丸「ルビィちゃんにはいつも手伝ってもらってばっかりだから……だから、オラ1人で頑張ってルビィちゃんを驚かせたいの、……サプライズずら!」
梨子「サプライズかぁ……。ええ、それなら協力するよ。一緒に、ルビィちゃんを驚かせましょ」フフッ
花丸「……うんっ!」ニッコリ
梨子「あともうちょっとだから、ここが終わったら教え……」
チクッ
梨子「あ痛っ!」 梨子「痛た……針で人差し指指しちゃった……」
花丸「梨子ちゃん大丈夫!? あぁ……血溜まりがふっくら出てきた……!」アセアセ
梨子「大丈夫大丈夫、そんな大したことじゃないから……えっと、絆創膏どこだっけ……」
花丸「あわわ、し、止血しなきゃ……!」アセアセ
梨子「そんなに慌てないで、マルちゃん……」 ガサガサ
梨子「あれ、救急箱の中に絆創膏が無い。……切らしちゃったのかな……?」
花丸「大変だ大変だ……そうだっ、梨子ちゃん、指貸して!」
梨子「えっ? ……一体何をするの?」
花丸「血を……血を止めるずら!」
カプッ
梨子「……マルちゃん、なんで私の指を、咥えるの……///」
花丸「……」チウチウ
梨子「指を、指を……す、吸わないで……///」
花丸「……」チウチウ 花丸「……ぷはっ。……これでなんとか、血も止まったよね……?」
梨子「……あのぉ、マルちゃん。血は止まったけど……けど、いきなり指を咥えるのは、ちょっと……///」カオマッカ
花丸「だって、だって……血が出てきてたから……///」カオマッカ
梨子「気が動転してたかもしれないけど、もし人が見てたら……変な誤解されちゃうよ……」
カプッ
花丸「あっ、さっきオラが咥えた人差し指……」
梨子「……///」カオマッカッカ
花丸「か、か、か間接キ……///」カオマッカッカノカー
梨子「い、い……言わないで……!」カオマッカッカノカー
終わり スレタイ、もうちょっとりこまる要素を匂わせるべきだったかな……? ダイヤちゃんを救う会
┏━━━━━━━━━━┓
┃ _____ ┃黒澤ダイヤちゃんは
┃ /:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ .┃生まれつき愛に恵まれず
┃ ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ. ┃このスレが落ちる前に|c||^.-^||が必要です。
┃ /:::::/l_/l__l_l/l_l_l::::l::::::::::l ┃
┃ lヽ/ / \ l<l::::::/ ┃しかし|c||^.-^||するには
┃ l/l "" _ """l::::lヽ:::l ┃濃厚な百合が必要です。
┃ l:lヽ ___・________,,l::::l_/:::l ┃ダイヤちゃんを救うために
┃ ヽ:/:/ ,ヽ▽_/ l:/ヽ:::::l. ┃どうか協力をお願いします。
┗━━━━━━━━━━┛
黒澤ダイヤちゃん 17歳 ーーー浦の星 中庭
花丸(ふふっ、お昼ご飯を食べ終えて、陽の当たるベンチに座って本を読む時間は、まさに至福のひととき……)ニコニコ
花丸「……」ペラッ
花丸(さぁ、どんどん読み進めるぞぉ……)
花丸「……」ペラッ
千歌「おっ、あんなところにマルちゃんが。おーい!」 千歌「マルちゃーん、もしかして読書してるのー?」
花丸「……」ペラッ
千歌「何読んでるのー?」
花丸「……」ペラッ
千歌「んー、へんじがない、ただのしかばねの……じゃない。ただの本の虫のようなのだ……」
花丸「……」ペラッ
千歌「……そうだっ」ニヤリ トントン トントン
千歌「マールちゃん、こっちむーいて」
花丸「……ん? 何か用……」
プニュ
花丸「……あうっ……」
千歌「へへへ、作戦成功。マルちゃんほっぺプニプニなのだ……」フフッ
花丸「千歌ちゃん、いたずらはやめてほしいずら!」ムスッ 千歌「あはは。めんご、めんご」ペコリ
花丸「その謝り方、全然謝る気ないずら!」
千歌「だって急になんか、マルちゃんのほっぺ突きたくなっちゃったんだもん」
花丸「オラの読書の時間を邪魔しないで!」
千歌「あははは、すんまそん、すんまそん」ペコリ
果南「……」ジーッ 花丸「……さて、千歌ちゃんを追い払ったことだし、読書を再開しよう……」
花丸「……」ペラッ
果南「おーい、マルー」
花丸(……今度は果南ちゃんだ……)
果南「ちょっと、放課後のことで相談が……」
花丸(そうやって理由をつけて、果南ちゃんもオラの読書を邪魔しに……) トントン トントン
果南「ねぇ、聞いてるのマル?」
花丸(右肩を叩かれた……さっきはそのまま右に振り向いて、ほっぺを突かれたから……)
フリッ
花丸(今度は逆を突いて、左に振り向……)
モニュッ
花丸「……おふっ……」
果南「あっはは、なるほど確かに柔らかいね。千歌が突っつきたくなるわけだ」フフッ
花丸「果南ちゃんもやめて! オラのほっぺはおもちゃじゃないずら!」
果南「いやぁ、ごめんごめん……」
モニュモニュ
花丸「謝りながら連打しないで!」
梨子「……」ジーッ 花丸「……果南ちゃんもあっちに行ったし、読書を続けようっと。もう誰も邪魔しないでほしいずら……」
花丸「……」ペラッ
梨子「あのぉ……マルちゃん?」
花丸「……」ムッ
梨子「おーい、マルちゃん……」
花丸「……」プルプル
梨子「マールちゃ……」
花丸「……仏の顔も三度までずらーっ!」
梨子「!?」ビクッ 花丸「梨子ちゃんまで、オラの読書の邪魔をするの!? オラの至福の時間なのに!」プンスコ
梨子「だって……私もその、マルちゃんのほっぺを触りたくって……」モジモジ
花丸「……千歌ちゃんや果南ちゃんに感化されすぎずら。とにかく、もうやめてほ……」
梨子「……ごめんね、悪乗りが過ぎたよね。……マルちゃんが嫌がってるのに、触ろうとしたらダメだよね……」シュン
花丸(そんな、世界が終わりの時を迎えるような、悲しい顔をしないで梨子ちゃん……)
梨子「……私ってば、本当馬鹿。マルちゃんの気持ちも分からないで。……じゃあね、私教室に戻るから……」
花丸「……ちょ、ちょっと待って。梨子ちゃん」 花丸「もう読書はいいよ。本はお家に帰ってからでも読めるから……」
梨子「マルちゃん、……本当にいいの?」
花丸「……梨子ちゃんに悲しい顔をされるくらいなら、オラはほっぺを差し出すずら……」
梨子「そんな生贄みたいに言われると、複雑なんだけど……」
花丸「……ほら触って、梨子ちゃん……」
梨子「恍惚とした表情でそんな風に言われると……なんだか背徳感が出るんだけど……」 モニュッ モニュッ
フニッ フニッ
花丸「……」
梨子「ああっ、柔らかい……。モチっとしたこの肌触り……まるでタピオカ入りのお菓子みたいな……触ってるだけで幸せな気分になってくる……」フフッ
花丸(……菩薩様のような笑顔で、オラの頬をつまむ梨子ちゃんを見てると、本当に幸福に満ち足りてるんだっていうのが分かるけど……)
よしみ「ねぇねぇ、あれってもしかして……」ヒソヒソ
いつき「所謂ひとつの、『キマシ案件』だね」ヒソヒソ
むつ「キマシレベルたっけーな、おい」ヒソヒソ
花丸(……せめて人の見てないところで触ってもらうべきだったかも知れない……///)カオマッカッカ
終わり 花丸ちゃんがプンスコ怒るイメージというのが微妙に湧かない マルちゃんのぷにぷにほっぺをすりすりしたい…
マルちゃんはイタズラされても怒らずに困りつつ次第に涙目になりそう >>104
やっぱり怒るイメージが湧かないよね
仏の花丸、というベテラン刑事みたいな二つ名がよく似合う(謎) >>106
その二つ名だと逆にめっちゃ怖くなりそう ーーー浦の星 音楽室
ーーー鞠莉と花丸は2人
ーーー梨子の奏でるピアノの音色を
ーーーしばし、聴き入っていました
〜〜〜〜♪
〜〜〜♪
〜〜♪
鞠莉「んー……ブラボーね、梨子」パチパチ
花丸「名演ずら……」パチパチ
梨子「ありがとう、鞠莉ちゃん、花丸ちゃん」ペコリ
鞠莉「私ね、初めて梨子のピアノを聴いた時から、『センスを感じる弾き方だ』って思ってたの」
梨子「そんな、センスだなんて……」テレテレ
鞠莉「謙遜しないの、私は本当のことを言ってるんだもの。ねぇ、あなたもそう思うでしょ、マル?」
花丸「うん、梨子ちゃんの演奏はね……お金がもらえるレベルずら!」
梨子「お、お金?」
鞠莉「あー、なるほどー。確かにお金をもらってもいいかも知れないわ」
梨子「それはいくらなんでも、大袈裟じゃ……」
鞠莉「……そうだ。今度、うちのホテルでディナーショーやらない?」フフフッ
梨子「お断りします、やらないです……」 鞠莉「あらそう。『現役スクールアイドルのピアノ演奏が楽しめるディナーショー』、ナイスアイディア&ビジネスチャンスと思ったのに……残念、フラれちゃったわ」
梨子「全然ナイスでもなんでもないよ……」
鞠莉「まっ、気が変わったら、いつでもマリーに教えてね。ディナーショーのプロデュースは、マリーにお任せアレ、よ♪」フフフッ
梨子「絶対気が変わらないので安心してください、鞠莉ちゃん……」
ブルブル ブルブル
花丸「……あれ、鞠莉ちゃんのカバンの中で何か震えてるよ?」
鞠莉「私の携帯ね。梨子の演奏を聴くために、サイレントモードにしてあったから……」
ガサガサ ゴソゴソ
鞠莉「誰からの着信かしら……ん、『非通知』?」
梨子「非通知って、……怪しい電話には出ない方がいいよ鞠莉ちゃん……」
鞠莉「うーん……でも、とりあえずかけ直してみるわ。もしかしたら間違い電話かも知れないし」
ガララッ
鞠莉「というわけで、ちょっと席を外すわねー」
りこまる「行ってらっしゃーい」 梨子「……鞠莉ちゃんったら、言うことのスケールが大きいしオーバーだよ……。私なんて、別に有名なピアニストとかそういうのでもないのに、ディナーショーやろう、だなんて……」
花丸「……でもマル、『お金がもらえる』っていうのは言い過ぎたかも知れないけど……さっきの演奏はね、華麗だったずら」
梨子「……華麗?」
花丸「あのね、演奏中、梨子ちゃんの指先がね、マルには鍵盤の上で踊ってるように見えたずら」
梨子「私の演奏が、踊ってるように見えたの?」 花丸「よくピアノを弾くことを、『鍵盤を叩く』って言う表現をするけど……梨子ちゃんの場合はね、『鍵盤を跳ねる』って感じだったよ」
梨子「叩くんじゃなくって?」
花丸「指が鍵盤の上を軽やかに跳ねて、ステップをしながら音階を移動して、まるで舞い踊るように動いてたの。音楽室のグランドピアノがね、舞踏会の会場になってたずら」
梨子「……面白い例え方をするのね、マルちゃん」クスクス
花丸「本当にオラにはそう見えたの! 笑わないでほしいずら!」カオマッカ
梨子「ごめんなさい……でも、そう褒められると……なんだかちょっと嬉しいかも」フフッ
花丸「ちょっとじゃなく、もっとたくさん喜んでほしいよ……嘘じゃないんだから」 花丸「……オラも、こんな上手にピアノが弾けたらなあ……」
梨子「マルちゃんも、ピアノを弾いてみたいの?」
花丸「うん。もしもピアノが弾けたらね……マルの思いの全てを歌にしてみたいずら……」
梨子「それじゃあ、私と一緒に練習してみる? 偉そうなことはあんまり言えないけど、少しは私も力になれるよ」
花丸「……でも無理。前にもね、試しにピアノの前に座って弾いてみたことがあったんだけど……指がもつれて、全く弾けなかったの……。梨子ちゃんのさっきの演奏を『華麗な社交ダンス』と例えるなら、マルは……『どじょうもすくえないどじょうすくい』ずら……」シュン
梨子「……それはいくらなんでも、自分を卑下しすぎじゃ……」
花丸「オラには、みんなや梨子ちゃんに聴かせる腕もないずら……」グスン 梨子「……マルちゃん。無理だと決めつけずに、やってみようよ、ね?」
花丸「……オラ不器用だからダメだよ……」
梨子「上手く弾くことより、楽しむことから始めましょ? 『音楽』って、名前の通り『音を楽しむ』ことが大事だから……」
花丸「……」
梨子「……そうだ、マルちゃん。今から鍵盤の前に座って、一曲弾いてみない? 私も手伝うから」
花丸「……うん」 花丸(……梨子ちゃんに促されて、いざ椅子に座って鍵盤を目の前にすると、あの時の記憶がフラッシュバックしてくる……あぁ嫌だなあ……)
梨子「マルちゃん。ほら、鍵盤に指を軽く乗せて?」
花丸「……ところで梨子ちゃん、『私も手伝うから』って言ったけど、……教えるとは違うの?」
梨子「違うよ。……さっきマルちゃん、『指がもつれて』って言ってたから……まずは、きちんと弾けるように、もつれないようにアシストしてあげないと」
花丸「アシスト……?」
スッ
梨子「うん……マルちゃんの手に、私の手を添えて……一緒にピアノを弾くの。そうすれば、指ももつれなくなるでしょ?」 花丸(マルに添えられた梨子ちゃんの手、温かい……なんだか、ドキドキしてくる……///)
梨子「……それじゃあ、ドレミの音階を順に弾いていこう?」
花丸「うん……///」
梨子「まずは……ド」
花丸「ド……///」
ドー♪
梨子「次は、レ……」
花丸「レ……///」
レー♪
梨子「ミ……ファ……」
ミー♪
ファー♪
花丸(……マルのこの胸のドキドキ、手と手を通して梨子ちゃんに伝わってるのかな……///)カオマッカッカ
梨子(……勢いでこんなことしちゃってるけど……私のこの胸の高鳴り、マルちゃん気づいてるのかな……///)カオマッカッカッカー ーーーそして
鞠莉「はぁー、電話をかけ直したのも結局骨折り損だったわー。まさか非通知の相手が『ヘンタイさん』だったなんて……」
鞠莉「『はぁはぁ、キミの今履いてる下着の上下何色?』って……私初めての体験だったわ……」
鞠莉「あーあ……『正直者はバカを見る』って言うらしいけど、本当ね。動揺して馬鹿正直に答えるんじゃなかったわ。おかげで長々と捕まっちゃった……」
〜〜〜♪
〜〜〜♪
鞠莉「あら、これってさっき梨子が弾いてた曲……にしてはさっきよりもテンポが遅いわ……なんていうか、スローなブギ、って感じ」 ーーー浦の星 音楽室
鞠莉「このスローなブギ、誰が弾いてるのかしら。ドアからチラッと覗いてみてましょう……」
チラッ
花丸「……///」カオマッカッカ
梨子「……///」カオマッカッカ
鞠莉「ワーオ、誰かと思ったらマル……というか梨子と2人で手を取り合って弾いてる、って様子ね……」
鞠莉「……なんだか今音楽室に入るのも悪いわ。2人の邪魔をしてしまいそうで」クスクス
鞠莉「オッケー。ここはまた改めて出直すとしましょう。……オハラマリーはクールに去るわよ……」フフフッ
鞠莉「まっ、マリーはスマイルだけどね♪」
終わり もしもピアノが弾けたなら…
今回のお話にピッタリでいい曲ですね
梨子ちゃんに優しくピアノの弾き方教えてもらいたい… ーーー浦の星 中庭
ーーー梨子と花丸は並んでベンチに腰をかけ
ーーーお弁当の包みを広げていました
花丸「わぁ、梨子ちゃんのお弁当、サンドイッチだぁ!」
梨子「マルちゃんのお弁当は、おにぎり弁当だね」
花丸「今日の梨子ちゃんとオラのお弁当、対称的ずら」
梨子「和と洋、だもんね。マルちゃん、梨子のサンドイッチと、マルちゃんのそのおにぎり、交換してもらってもいい?」
花丸「もちろんずら!」 モグモグ
花丸「むふふ、梨子ちゃんのサンドイッチ、美味しいずら……」ニコニコ
モグモグ
梨子「このおにぎりの具の梅干し、す、す、すごく、すっぱぁ……」ヒーッ
花丸「だって、ばあちゃんお手製の梅干し入りおにぎりだもん、ばあちゃんの漬ける梅干しはよだれがいっぱい出るんだぁ……」ンフフ
梨子「た、確かによだれたくさん出てくるけど……」ヒーッ
花丸「ふふ、すっぱさで梨子ちゃん顔がくしゃくしゃになってるずら」クスクス 梨子「……うぅ、まだ口の中にすっぱいのが残ってる気がする……」
花丸「梨子ちゃん、お口直しに、オラの卵焼き食べる?」
梨子「ありがとう、じゃあいただくね……」
アーンッ
モグモグ モグモグ
梨子「……ふふっ、甘い卵焼きね、だんだんすっぱさが中和されていくよ」フフッ
花丸「ばあちゃんの卵焼きはね、すっごく甘いの。伊達巻と同じくらい甘いんだぁ」ニコニコ
梨子「この卵焼きも、マルちゃんのおばあちゃんが作ったの?」
花丸「うん。おにぎりも、卵焼きも、煮豆も、あとこのレンコンのお煮しめも……全部ばあちゃんが作ったずら」 梨子「へぇ……。このお煮しめも、もらっていい?」
花丸「どうぞ、どうぞ」
アーンッ
モグモグ モグモグ
梨子「……いいお味。甘さと辛さのバランスが絶妙で、食感もレンコンの固さがちょうどよく残って歯ごたえが良い……」
花丸「でしょ? ばあちゃんの作るお煮しめはね、食べた人みんなが絶賛するんだよ!」ニコニコ
梨子「へぇ……そうなんだ……」
花丸「マルのばあちゃんは、沼津一の料理自慢ずら!」
梨子「……」 花丸「ごちそうさまでした、あぁ、美味しかった!」フフフッ
梨子「……ねぇ、マルちゃん。今度……マルちゃんの分も、お弁当作ってきてあげる」
花丸「えっ、そんな……なんかそれは悪いずら……」
梨子「いいの、いいの。1人分も2人分も、作り出したら変わらないから、ね?」
花丸「……じゃあ、オラ楽しみにしてるずら!」フフッ
梨子「うん、楽しみに……しててね?」 ーーーそして
ーーー浦の星 中庭
梨子「マルちゃん、この間の約束通り、お弁当……作ってきたよ?」
花丸「わぁー、ありがとう梨子ちゃん! 早速お弁当の蓋、開けてもいい?」ワクワク
梨子「えぇ……どうぞ」
花丸「んふふ、どんなお弁当かなあ……」ドキドキ
パカッ
花丸「おにぎりと、卵焼きと、煮豆と、それとレンコンのお煮しめ……」
梨子「……マルちゃん。卵焼きから、食べてみて?」 花丸「卵焼きから? それじゃあ、お手を合わせて、いただきまーす……」パチン
アーンッ
モグモグ モグモグ
花丸「……この卵焼き、なんだなすっごくふわふわ! まるでわたあめを食べてるようずら……」
梨子「食感がふわふわになるようにね、卵をよく濾してみたの、あと焼き方も気をつけてね……」
花丸「ばあちゃんの卵焼きとは違った感じで、美味しいずら」ニコニコ
梨子「……お煮しめはどうかな?」 花丸「この人参、お花の形になってる!」
梨子「それはね、人参をクッキー用の型抜きでくり抜いたんだよ?」
花丸「じゃあこのレンコンも、型抜きでくり抜いてお花の形にしたの?」
梨子「そのレンコンは……花形蓮根っていって、お花の形に飾り切りをしたレンコンなの」
花丸「へぇー。……ここまで形が可愛いと、なんだか食べるのがもったいないずら……」
梨子「……そう言わずに食べて? マルちゃん」
花丸「……うん、もちろん食べるよ!」
アーンッ
モグモグ モグモグ
花丸「んふふ……美味しい……美味しいずら……」ニコニコ
梨子「……」 花丸「ごちそうさまでしたっ」パチンッ
梨子「はい、お粗末さまでした」
花丸「梨子ちゃん、美味しいお弁当、ありがとう。お腹いっぱいずら……」
梨子「お腹いっぱい食べてくれて嬉しいよ……、あのね、マルちゃん……」
花丸「どうしたの?」
梨子「……えっと……」モジモジ
花丸「何を聞きたそうに、してるの? 梨子ちゃん……」
梨子「……梨子の作ったお弁当と、マルちゃんのおばあちゃんの作ったお弁当……どっちが美味しかった?」
花丸「……えっ?」 花丸「どっち、って言われても……」オロオロ
梨子「……どっちが、美味しかった? やっぱり、おばあちゃんが作った方が……」
花丸「えっと……どっちも美味しかったよ……?」
梨子「……味付けとか、食感の出し方とか……色々工夫してみたんだけど……ねぇ、どっちが……」
花丸「り、梨子ちゃん! ……なんでそんなこと……聞くの?」
梨子「……なんで、って……」
花丸「だってどっちも美味しかったんだもん、どっちがなんて、そんなの決められっこないずら……」 付け足し
花丸「だって、本当にどっちも美味しかったんだもん、どっちがなんて、そんなの決められっこないずら……」 梨子「……」
花丸「俯かないで、梨子ちゃん。……なんでそんなこと聞いたの?」
梨子「……ごめんね、マルちゃん。実はね……マルちゃんのおばあちゃんに、対抗心を燃やしちゃったの」
花丸「……対抗心?」
梨子「だってマルちゃん、この間、おばあちゃんは沼津一の料理自慢だ、って自慢してたでしょ? 」
花丸「うん……」
梨子「それを聞いてね……『梨子ちゃんの作ったお弁当の方が、美味しい!』ってマルちゃんに言ってもらいたくって……だからね、マルちゃんのおばあちゃんが作ったお弁当と同じメニューにしてみたの……」
花丸「……そうだったの……」
梨子「……ごめんね、変なこと聞いて……戸惑わせちゃって……」 花丸「……梨子ちゃんは、沼津一の料理自慢ずら!」
梨子「……マルちゃん、無理に答えなくてもいいんだよ……?」
花丸「本当のことだもん!ばあちゃんの作ったお弁当も、梨子ちゃんの作ったお弁当も、どっちも同じくらい美味しかっただもん、だから、オラにとっては2人とも沼津一ずら! 一位が2人いたらいけないなんて、そんなことないずら!」
梨子「……マルちゃん……」
花丸「沼津一の料理自慢が、身近に2人もいるなんて……オラはなんて幸せ者ずら……」ニコニコ 梨子「……」グスン
花丸「泣かないで、梨子ちゃん……」
梨子「だって、私変なこと聞いたのに……嫌われたって、おかしくないのに……」
花丸「……嫌いになんてならないよ。だって梨子ちゃんは、オラをこんなに幸せにしてくれる存在だもん。そんな菩薩様みたいな人を嫌ったら、罰が当たるずら」
梨子「菩薩様って……マルちゃんらしいね……」フフッ
花丸「……これからも、オラを幸せにしてね。……梨子ちゃん」テレテレ
梨子「……うん」
終わり マルちゃんのおばあちゃんに嫉妬して対抗心燃やす梨子ちゃんが可愛いですわゾ^〜 やっぱ基本的に静かな感じの子の組み合わせって流行らないのかな? (・8・) チュンチュン チュンチュン
梨子「おはよう。……いつもは目覚ましのアラームでも起きないのに。今日は早起きだね」クスクス
花丸「きっと、朝ご飯のいい匂いで目が覚めちゃったんだよ」クスクス
梨子「ふふっ、そうかもね。……今日はね、マルちゃんも朝ご飯を作るの手伝ってくれたの」
花丸「マル、朝からたくさん頑張ったんだよ」
梨子「おかげで……今日はたくさん、作りすぎちゃって」
花丸「いっぱい食べて、朝から元気に頑張ろ?」
りこまる「たーんと朝ご飯、召し上がれ」ニコニコ
というりこまる姉妹を軽く妄想して、お仕事頑張ってくる >>164
沼津のことぱな、それがりこまるだと思います >>165
_ /
|T ̄て ̄ ̄`ー-<
||  ̄\ ヽ
|/ \\ _|
_|\__ 、\\)/L|/
(_(_\_)_)ノ お昼休み、ご飯を食べ終えていい気持ちになったところで、突然の眠気が
お互いの体を寄せ合って、お昼寝するりこまるを妄想して昼からもお仕事頑張ろう >>168
ーーー浦の星 中庭
花丸「ごちそうさまでしたっ」パチンッ
梨子「はい、お粗末さまでした。……いつも綺麗に食べてくれて、ありがとう。マルちゃん」ニコニコ
花丸「こちらこそ、いつも美味しいお弁当作ってくれて、ありがとう。梨子ちゃん」ニコニコ
りこまる「……ふふふっ」クスクス
花丸「それにしても、今日は日差しがポカポカ暖かくて過ごしやすいずら……」
梨子「うん。今座ってるこのベンチも、陽当たりがすごく良くってなんだか……」
りこまる「……ふわぁ……」
りこまる「……あっ」 梨子「同じタイミングで、あくびしちゃったね……///」
花丸「息ぴったりだったね……///」
梨子「もしかしてマルちゃん、寝不足?」
花丸「昨日夜遅くまで、この間買った小説を読んじゃって……」
梨子「夜更かしをしちゃったのね。……ふふっ、悪いマルちゃんね」クスクス
花丸「だって読み進めたら止まらなくなって……そういう梨子ちゃんも、寝不足なんでしょ?」
梨子「パッチワークの続きをしてたら、つい熱中しちゃって……」
花丸「それで夜更かししちゃったんだね。梨子ちゃんも悪い子ずら」フフッ 梨子「……ちょっと、このベンチでお昼寝しちゃおっか?」
花丸「お昼寝は大賛成だけど、休み時間が終わるまでに起きられるかな……このまま放課後まで寝ちゃったら……」
梨子「大丈夫、携帯のアラームをセットしておくから」
花丸「それなら安心ずら」 ポチポチッ
梨子「……休み時間が終わる5分前にアラームが鳴るようにセットしたから、これで問題無し」フフッ
花丸「心置きなくお昼寝ができるずら!」
梨子「それじゃあ、おやすみ。マルちゃん」
花丸「おやすみなさい、梨子ちゃん……」
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ ーーーしばらくして
曜「おやぁ?」
千歌「おやおやぁ?」
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
千歌「おやおやおやぁ……」ニヤニヤ
曜「おやおやおやおやぁ……」ニヤニヤ 千歌「見てごらん、曜ちゃん。梨子ちゃんとマルちゃんが、お昼寝をしているよ」
曜「見ているよ、千歌ちゃん。ベンチにもたれて、寝顔を晒しているね」
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
曜「……可愛いねぇ」ニヤニヤ
千歌「可愛いねぇ……」ニヤニヤ 千歌「でもさぁ、ただベンチにもたれて寝ている絵面って言うのもさ……正直味気ないよね」
曜「うーん、それは確かに。もっとこう……ハプニング的なものがあってもいいよね……」
千歌「……ハプニングかぁ……」ウーム
ピコーン
千歌「ピッカリ閃いた! あのね、曜ちゃん……」
ゴニョゴニョ
曜「……ほほう、それは最高のハプニングですなぁ」ニヤニヤ ーーーそして
千歌「……曜ちゃん! もっとそっと動かしなって! 梨子ちゃんが起きちゃうよ!」
曜「千歌ちゃんこそ声が大きい! マルちゃん起きる!」ボソボソ
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
曜「……こうやって、梨子ちゃんとマルちゃんの距離を、近づけて……」ヨイショ
千歌「マルちゃんの頭を、梨子ちゃんの肩に載せるように当てて……っと」ヨイショ
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
千歌「……うーん、いい絵面だぁ……」
曜「お互い寄り添うように眠る梨子ちゃんとマルちゃん……これはハプニングだねぇ……」 千歌「そうだ、もっとハプニングを起こそう!」
曜「これでも充分ハプニングなのに、さらに一手間加えますか、千歌ちゃん」
千歌「ここで手間を惜しんだら、最高のハプニングは遠のいてしまうのだよ、曜ちゃん」
曜「妥協を許しませんなぁ、千歌ちゃん」
千歌「ふふふ、梨子ちゃんの左手と……マルちゃんの右手を……」
梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ
千歌「握らせて……指を絡ませて……っと……」
ギュッ
曜「おおっ、これは最高最強のハプニング……!」
千歌「くっくっくっ、恋人繋ぎさせてやったのだ……」ニヤリ りこまる「……」スヤーッ クーッ
千歌「起きた時、2人は一体どんな反応するかなぁ……」
曜「きっと顔真っ赤にして、あわわと慌てふためくだろうね」
千歌「いや、顔は真っ赤にしても、意外と黙ったまま動かないかも知れないよ」
曜「うーん、それもあるかも」
千歌「とりあえず、起きるまで物陰に隠れて観察してようか」
曜「うん、私答え合わせしないとね」
ようちか「おっと、コソコソ隠れるその前に……」
パシャリ パシャリ
千歌「写メ撮って現場保存しておかないと」
曜「あとで梨子ちゃんとマルちゃんに見せびらかさないとね」
ようちか「ふっふっふっ……」ニタニタ
りこまる「……」スヤーッ クーッ
ギュッ
終わり 自分の妄想をSSにしていくスタイル
ていうかこの子達食ってばっかだな りこまるをいたずらしながら暖かく見守るようちかもいいね 曜ちゃん千歌ちゃんナイス!
起きたときの二人のリアクションが楽しみ ピピピッ ピピピッ
梨子「……アラーム鳴ってる……」ムニャ
ピピピッ ピピピッ
梨子「……マルちゃん起こさなきゃ、……ん?」
ギュッ
梨子「……なんで私、マルちゃんの手を握ってるの……?」
チラッ
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……え、えっ、えっ……えーっ!?」カオマッカッカ 梨子「ま、マルちゃんが近い……! さっきまでこんなに近くなかったのに……///」
梨子「な、な、なんで!? え、もしかしてマルちゃんの方から近づいてきたの!? マルちゃんの方から……手を握ってきたの……///」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……それとも、私の方から……無意識に近寄っちゃったのかな……つい手も、握っちゃったのかな……///」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……無意識にやっちゃったのなら、仕方ない、よね……だって、こうしたかったのは……事実だから……///」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……あともうちょっとだけ、このままで居させて……? マルちゃん……///」
コソコソ コソコソ
千歌「うっそでしょ、まさかこの状況をそのまま受け入れちゃうなんて……」キャーッ
曜「梨子ちゃんも大胆ですなぁ……」イヤーン
終わり まるちゃんも起きちゃってお高い顔真っ赤でどうしたら良いかわからず見つめ合う二人とか想像してた >>190
どう妄想してもらっても自由です
各々キュンキュンする方でいいと思います ーーー浦の星 図書室
花丸「梨子ちゃんが手伝ってくれたおかげで、貸し出し用の本の修理が早く片付いたずら。ありがとう、梨子ちゃん」
梨子「どういたしまして。でも、まだ作業が残ってるんでしょ?」
花丸「そうなんだ。では間髪入れず、次の作業に移るよ。……よいしょっと」
ドサッ
花丸「次は、内浦の保育園や小学校に寄贈するために集めた、みんなの家の読まなくなった本の修理ずら」
梨子「へぇ……読まなくなった本の寄贈、なんてこともしてるんだ」
花丸「これも図書室ボランティアのお仕事ずら」 ーーー2人は、黙々と
ーーー集めた本の修理作業に勤しみます
梨子「落書きを、消しゴムで消して……と」ゴシゴシ
花丸「これページが落丁しかけてる。糊づけしなきゃ……」ペタペタ
梨子「あっ、裏表紙にマジックで名前が書いてある。どうしようマルちゃん……」
花丸「うーん、裏表紙と同じ色のテープを貼って、隠すしかないかなぁ……」
梨子「……嫌だこれ、虫の死骸が挟まってる……」
花丸「お、オラに見せないでほしいずら……」 ーーーしばらくして
花丸「ふぅ……少し休憩しよう。梨子ちゃん」
梨子「うん。集めた本の修理も、大方終わったしね」
花丸「やっぱり梨子ちゃんがいると、全然違うずら。大変なお仕事もあっという間に終わっちゃう」フフッ
梨子「大した力じゃないけど、それでもマルちゃんのお役に立ててるなら、何よりだよ」フフッ
花丸「大した力じゃない、なんて……。梨子ちゃんがいれば、百人力ずら!」
梨子「お世辞なんか言っても、梨子からは何にも出ないよ?」
花丸「お世辞じゃなくて、本当のことずら」 梨子「それにしても……みんなから集めた本、懐かしいものばかりだね。梨子が小学生の頃に読んだことのある本もあったよ」
花丸「『ゾロリ』とか『ズッコケ三人組』とか……大きくなった今だと、なかなか読まないよね。……今読んでも面白いんだけどね」
梨子「あと懐かしいな、って思ったのが、これ」
花丸「それ、なぞなぞがたくさん書かれた本だ」
梨子「修理がてらページをめくってんだけど……見てたら、面白いなぞなぞがいっぱいあって。友達となぞなぞの出し合いっこしたの、思い出しちゃった」フフッ
花丸「オラも昔、ルビィちゃんとなぞなぞの本を読んで、なぞなぞの出し合いっこしたことあったよ」フフッ 梨子「ねぇ、今から久しぶりに、この本を読んでなぞなぞの出し合いっこをしない?」
花丸「いいよ、望むところずら」
梨子「それじゃあ、梨子から先になぞなぞを出すからね……うーん、どのなぞなぞを出そうかな……」
ペラッ ペラッ
梨子「……じゃあ、まずはこのなぞなぞから。『パンに塗ると倒れてしまうものってなんだ?』」
花丸「ふふふ、簡単簡単。答えは『バター』ずら? だって『バター』って、倒れるから」
梨子「正解。流石に簡単だったかな?」
花丸「ウォーミングアップ、ってことで最初だから簡単なのでも大丈夫だよ。次はオラの番だね」 ペラッ ペラッ
花丸「……『寝るときに邪魔になる服ってなんだ?』」
梨子「んー……わかった。『パジャマ』だ。パ『邪魔』になるから。……でしょ?」
花丸「正解。ふふっ、どんどん出してこうよ、梨子ちゃん」
梨子「じゃあ、次からはちょっとずつ難しくしていこうかなぁ……」 ーーーこうして2人のなぞなぞ合戦は
ーーーどんどん続いていきました
梨子「『アンパン、食パン、カレーパン、この中でしっかりお話を聞くことのできるパンはどーれだ?』」
花丸「……『食パン』! 食パンには『耳』があるから」
梨子「その通り、正解」フフッ
花丸「『世界の真ん中にいる虫ってなんだ?』」
梨子「……『蚊』かな? 『せかい』の真ん中だから」
花丸「ご名答ずら」フフッ 梨子「じゃあ次のなぞなぞ。『春、夏、秋、冬、一年、の中で、もっとも日数が長いのはどれでしょうか?』」
花丸「春、夏、秋、冬、一年の中でもっとも日数の長い日……? うーん、夏かなあ……夏至の日もあるから……」
梨子「もう一度、なぞなぞをよく聞いて? 『春、夏、秋、冬、一年、の中で、もっとも日数が長いのはどれでしょうか?』」
花丸「春夏秋冬、一年の中で、でしょ? やっぱり、夏じゃあ……」
梨子「……残念でした。正解は……『一年』でした」クスクス
花丸「えっ、どうして? 『春夏秋冬、一年の中で』って言ってたずら?」
梨子「『春、夏、秋、冬、一年、の中で……』だよ? その中だったら……『一年』が一番日数が長いよね?」クスクス
花丸「春と夏と秋と冬と……一年、五つ選択肢があった、ってこと?」
梨子「そういうこと」フフッ
花丸「……ず、ずるい! いじわる問題ずら!」
梨子「ちゃんと、梨子は一つ一つ区切って読んだよ? なぞなぞを早とちりしたマルちゃんが悪いよ」クスクス
花丸「あ、あぅ……///」 花丸「……じゃあ、次はオラがなぞなぞ出す番だね……」
梨子「うん。すごく難しいなぞなぞでもいいよ」フフッ
花丸(……梨子ちゃんがそういうなら……とっても理不尽な、いじわるななぞなぞを出してあげよう……)
花丸(……うーん、どんななぞなぞを出そうかな……)
花丸(……そうだ。『パンはパンでも固くて食べられないパンはなーんだ?』ってなぞなぞにしよう……)
花丸(梨子ちゃんはきっと『フライパン』って答えるだろうから、オラはそこでしたり顔で『正解は、とってもとーっても固くなったフランスパン』って答えてあげるんだ……)
花丸(ふふっ、梨子ちゃんきっと『そんなのずるい、いじわるだよぉ』ってごねるだろうけど……そんなの一切受け付けてやらないよ……)
花丸(なにせ、オラ魔が差しちゃったからね、仕方ないよね……)ニヤリ 花丸「……じゃあ梨子ちゃん。次のなぞなぞ言うね」ニヤリ
梨子「えぇ、どうぞ」
花丸「なぞなぞね。……『パンはパンでも……固くて食べられないフランスパンはなーんだ?』」ドヤァ
梨子「……えっ?」
花丸「……ん?」
梨子「『パンはパンでも固くて食べられないフランスパンはなーんだ?』ってそれ……」
花丸「あれ、オラ……あれ……まさか……」
梨子「……答え、『すごく固くなったフランスパン』じゃないの……?」
花丸「……なぞなぞの出し方、間違えて言っちゃった!……しまった、やっちゃった!」ガーン
梨子「あの、答えは……合ってるよね……?」
花丸「……正解です……」 梨子「……もしかして、さっきのお返しに……梨子にいじわるななぞなぞ、出そうとした?」
花丸「はいっ! あっ、いいえ!」フルフル
梨子「……どっちなの?」
花丸「……はい、その通りです……。ちょっと魔が差しちゃって……」
梨子「そうだったの。……ふふっ、マルちゃんったら、おっちょこちょいなんだから……」クスクス
花丸「う、うぅ……返す言葉がないずら……///」
梨子「……どうしようかな、みんなにも教えてあげようかな。さっきのこと」クスクス
花丸「!?」ドキッ 花丸「そんないじわるしないで欲しいずら……!」
梨子「だって、なんだか面白おかしかったんだもの。みんなにも教えたいじゃない」フフッ
花丸「……それはやめて……お願い……」シュン
梨子「……そうだ、それじゃあ、今から梨子が出すなぞなぞに、マルちゃんが答えられたら、さっきのことは誰にも言わない、って約束するよ」
花丸「ほ、本当?」
梨子「うん、嘘は言わないよ。嘘を言ったら仏様に怒られちゃうからね」 梨子「それじゃあ、なぞなぞね。……『歌うことと、本を読むことが大好きで、それと同じくらい食べることも好きで』」
梨子「『……今日も図書室でみんなのために本の修理を頑張る……心優しくてとっても可愛い女の子の名前は……なんと言うでしょうか?』……ヒントは、梨子の目の前にいる……女の子だよ///」
花丸「……梨子ちゃんの目の前の女の子って……そ、それってつまり、お、お、オラ……///」
梨子「……ちゃんと名前で答えないと。……名前を聞いてるのに……///」
花丸「い、言えるわけないずら! 自惚れ屋さんでもない限り、そんなこと……!」
梨子「……しょうがないなあ。……正解は……『国木田 花丸ちゃん』……だよ?」
花丸「……恥ずかしいならそんな問題出さないでほしいし……答えだって、わざわざ言わなくていいのに……///」
梨子「……だって、本当のことだから……///」
花丸「……梨子ちゃんのいじわる……///」
終わり 意地悪しようとして失敗しちゃうマルちゃんが可愛い… ラブライブファンにもおすすめのもうかるぶろぐ
グーグル検索⇒『稲本のメツイオウレフフレゼ
PEHTD 小さな小さな喫茶店の看板娘を務めるりこまる
という未知の可能性を探りたい 看板娘の梨子ちゃんと毎日お店に通って静かな店内で読書を楽しむマルちゃんってのもなかなか… >>218
小さな小さなパン屋さんを営むりこまる
お揃いのエプロンつけてパンを焼く姿はエモい 喫茶店りこまるもパン屋りこまるも、うまく料理できれば最高の素材になり得る……
とりあえずこの2つのネタは温めよう ーーー今日は珍しく、Aqoursの練習もお休みです
花丸「……今日みたいに何にも用事が無くて、尚且つ寒い寒ーい日は……」ヨイショ
ドッサリ
花丸「部屋に篭って、日がな一日本を読むに限るずら……」ウフフ
花丸「どうせお出かけする予定もないし、今日は着替えるのも面倒臭いから、パジャマに半纏のまま過ごそう、っと……」
ペラッ
花丸「……さぁ、早速読み進めるずら」 ペラッ
花丸「……」モクモク
ペラッ
花丸「……」モクモク
「……まるちゃん。花丸ちゃん……」
花丸「……ん? ばあちゃんが呼んでる……?」
ガチャリ
花丸婆「花丸ちゃん、お友達が来てるずら」
花丸「お友達……?」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f) 花丸婆「玄関でお待ちになってるからね」
花丸「わかった、今行くよ」
ヨッコイショ
花丸「……お友達って誰だろ……ルビィちゃんだったら、ばあちゃんちゃんと名前を言うし……」
トタトタ
花丸「はーい、どなたずらー……?」 梨子「おはよう、マルちゃん」
花丸「……り、り……梨子ちゃん……!」
梨子「もしかして、寝起きだったかな……?パジャマのまんま……」
花丸「い、いやこれは違うずら! これはその、着替えるのが面倒臭くて……///」モジモジ
花丸(……ばあちゃん、そういえば梨子ちゃんのこと知らなかったっけ……どおりで名前を呼ばなかったはずだぁ……)
梨子「……ふふっ、半纏姿のマルちゃん、珍しいもの見れちゃった」クスクス
花丸「……用件はなあに?」カオマッカッカ
梨子「……もし何にも用事が無かったら、一緒に沼津まで行かない?」 花丸「……それって、つまりデ……///」
梨子「……そうなるの、かな……///」
花丸「……ちょっと着替えてくるから、待ってて!」
ドタドタ
ドタドタ
花丸婆「どうしたね、そんな慌てて」
花丸「……ちょっとお出かけしてくる!」
花丸婆「今日は一日家に居るんじゃなかったずら?」
花丸「気が変わったの!」
花丸婆「……そりゃまあ、ええこったけど……なんであんな顔が赤いんかね……?」
終わり 可愛い
ちょっと気が抜けてだらしない格好のマルちゃん見てみたい >>234
マルちゃんはオシャレするときは可愛くきめるけど、だらしないときはとことんだらしなさそう
浦女の芋ジャージに半纏を羽織る姿がよく似合う >>235
芋ジャー+半纏+メガネ+ちょいボサ髪+本
休日のマルちゃんの格好ってのもいいですな…
お婆ちゃん手作りの半纏着ておこたに入りながらのんびり読書してるりこまるも浮かんできたぞ……! >>236
ーーー浦の星 中庭
梨子「……ふぅ……」
花丸「梨子ちゃん、もしかして……お疲れ気味?」
梨子「……ちょっとだけ、ね。最近作曲とか色々忙しくって……」
花丸「……ねぇ、今度のお休みの日、予定は空いてるずら?」」
梨子「今度のお休み? うん、暇だけど……」
花丸「それなら、オラと一緒に……ぐうたら、しよ?」
梨子「……ぐうたら?」 花丸「そう、ぐうたら! 一日お部屋で、ダラダラ好きなことをして過ごすの」
梨子「お部屋で、ダラダラ……。言葉だけ聞くと、すごく休日の無駄遣いみたいだけど……」
花丸「一年は長いんだよ? たまにはこんな日があったっていいずら。……それで、梨子ちゃ一緒にぐうたらするの? しないの? どっちずら?」グイグイ
梨子「……随分、ぐいぐいくるね。そうだなぁ……。何にも用事は無いし、マルちゃんと一緒にぐうたら、しようかな?」ニコッ
花丸「ふふっ、決まりだね。今度のお休みは、マルと一緒に『ぐうたら日和』ずら」ニコニコ
梨子「『ぐうたら日和』……、なんだかエッセイのタイトルみたいだね」クスクス
花丸「それじゃあね、その時に用意してもらうものを、教えるよ?」
梨子「……用意するもの?」 ーーーそして、ぐうたら日和当日
ーーー花丸の自宅 玄関前
梨子「……マルちゃんに指示されたとおり、ダラダラ過ごすための持ち物と、あと……浦女のジャージで来たけど……。ジャージって、何か意味があるのかな?」
梨子「『絶対ぜーったい、浦女のジャージ着てきてね?』って念押しで言われたから……ちょっと脅迫じみて怖かったけど……」
ピィィンポォォン
梨子「こんにちわー」
「はーい」
梨子「マルちゃんの声だ」
トタトタ トタトタ
ガララッ
花丸「こんにちわ、いらっしゃっい梨子ちゃん」ニコニコ
梨子「こ、こんにちわ……マ、ルちゃん……」 花丸「どうしたの? なんで言葉に詰まってるの?」
梨子「……いやね、マルちゃんの格好がね……」
花丸「オラの格好、そんなにおかしいずら?」
梨子「……浦女のジャージに、半纏を羽織って……髪はちょっと寝癖ついてボサボサだし、おまけにメガネだし……普段のマルちゃんのイメージと真逆すぎて……」
花丸「オラ、あんまり視力は良くないんだ。だからお家ではメガネなの」
梨子「メガネのところだけ抜き取って理由を説明されても、他の部分の思考が追いつかないよ……」
花丸「今日は一日、ぐうたらするんだよ? ぐうたらするのにお洒落は不要ずら。だから、格好も過ごしやすいジャージで充分だし、髪の毛だってとかなくたっていいずら」
梨子「……そう言われたら、確かにぐうたらするだけだしね……。マルちゃんがジャージにこだわった理由がわかったよ……」
花丸「さっ、早く中へ上がって? お部屋にどうぞ」
梨子「お、お邪魔しまーす……」 ーーー花丸の部屋
ガチャリ
梨子「ま、マルちゃんこれ……」
花丸「ふっふふ。もう、ぐうたらする準備は整ってるよ」
梨子「……こたつの上に、急須と湯飲みと、お茶菓子が既に用意してある……」
花丸「飲み物も食べ物も、抜かりなしずら。さぁ、梨子ちゃんもこれを羽織って?」
梨子「これ、マルちゃんも羽織ってる半纏……」
花丸「オラのお古だけどね。ばあちゃんの手作り半纏だから、とっても暖かいよ」ウフフ
梨子「あら、裾のところに肉球のアップリケが。ワンポイントになってて可愛い」クスクス
花丸「それね、今オラが羽織ってる半纏にも、付いてるんだよ。ほら、ここ」
ヒラッ
梨子「本当だ。マルちゃんのおばあちゃんのこだわりと優しさが、半纏から伝わってくるね」フフッ 花丸「さて半纏を羽織ってもらったところで……これより、一日ぐうたらをしてもらうわけだけど……」
梨子「何かまだあるの?」
花丸「うん。携帯電話の電源もね、切ってほしいの」
梨子「……ぐうたらするために、そこまでするんだ……」
花丸「電話のベルが鳴ると、ぐうたらに集中できなくなるからね」
梨子「ぐうたらに集中とかあるんだ……」
花丸「とにかく、携帯電話の電源はお切りください!」
梨子「そんな車掌さんのアナウンスみたいに言わなくても……。わかったよ……」
ポチッ
花丸「それでオッケーずら」ニコニコ 花丸「さぁ、こたつに入ったら、いよいよぐうたらスタートずら!」
梨子「よ、よーし……今日はぐうたら、頑張るぞー……」
花丸「……梨子ちゃん、ぐうたらは頑張るものじゃないよ。ぐうたらは、ぐうたらするためにぐうたらするんだから」
梨子「『ぐうたらするためにぐうたら』ってどんな言葉なの……。ぐうたらがゲシュタルト崩壊しちゃうよ……」 ーーーこたつに潜り込み、座椅子に腰をかけた梨子と花丸
ーーーそれぞれ、ぐうたらするための用意を机の上に持ち出して
ーーーぐうたら日和のスタートです
梨子「マルちゃんは、今日は本を読んでぐうたらするの?」
花丸「うん。前に沼津の本屋さんで買った小説なんだけど、まだ手をつけれてなかったから。梨子ちゃんは……編み物するの?」
梨子「そうだよ。前から少しずつ進めてたんだけど、途中で止めてて……。今日で完成できたらいいな、って」
花丸「黄色の毛糸で、何を作ってるの?」
梨子「ふふっ、内緒。出来てからのお楽しみ」
花丸「それは気になるずら。ぜひ、完成させてほしいな」
梨子「うん、ぐうたら編みながら、頑張るよ」 梨子「……」アミアミ アミアミ
花丸「……」ペラッ
ーーー梨子は両手に持った編み棒を、細かく動かして黄色の毛糸を編み込んでいき
ーーー花丸は視線を文章に落として、じっくり読み込んで、小説の世界に深く浸っています
ーーー花丸の部屋は、とても静かな時間が流れていました
梨子(……静かだなぁ。そもそもマルちゃんのお家はお寺だから、閑静な場所にある、っていうのもあるけれど……)
梨子(……それにしたって、マルちゃんのお部屋は静か。さっきから聞こえるのは本のページをめくる音と、お茶をすする音ぐらい……時計の針の音すら聞こえないや……) 梨子「……ねぇ、マルちゃん」
花丸「……なあに、梨子ちゃん。おトイレなら部屋を出て……」
梨子「お手洗いに行きたいわけじゃないの。えっと、今何時かな? って思って……」
花丸「今何時? そうだね、大体ね……」
梨子「お決まりの返しだね、それ」
花丸「どういうこと? えっと、今大体ね……」
梨子「……なんでお腹を抑えるの?」
花丸「お腹の虫に、今の時間を聞いてるの」
梨子「……時計を見たらいいんじゃ……」
花丸「時計? 時計はね、電池抜いてあるから動かないの」 梨子「……時計、止めてるの?」
花丸「うん、だって、時計の針の音が耳障りになるずら? ぐうたらするための環境作りだよ」
梨子「……通りでこんなに静かなのね……。マルちゃんのぐうたらへのこだわりがすごいよ……」
花丸「……ぐうたらに時間なんか気にしたらダメずら。時間を忘れて、ダラダラ過ごすのがぐうたらだから」
梨子「……なるほど。なんか深いね……」
花丸「で、お腹の虫に尋ねたところ……まだお昼ご飯の時間じゃない、って。お腹が空いて、まだ鳴くような時間じゃない、って」
梨子「本当に大体なんだね……」 ーーーこの静かな部屋で、どれほど時間が経過したのでしょうか
ーーー突然、梨子と花丸は互いの手の動きを止め
ーーーお腹の方に手をやったのでした
りこまる「……あっ」
梨子「……」グゴゴゴゥゥ
花丸「……」クゥゥ
りこまる「……///」カオマッカ
梨子「……タイミングよく、お腹の虫が鳴いたね……///」
花丸「ってことは、もうお昼ご飯の時間だね……///」
梨子「あのっ、マルちゃん……さっきの私のお腹の虫の鳴き声、誰にも言わないでね……///」カオマッカッカノカー
花丸「……怪獣の呻き声みたいだったもんね……大丈夫、誰にも言わないから……」クスクス 何これヤバイですやん…
すっごい穏やかな時間の使い方… ーーー二人はこたつから、よいしょと上がると
ーーー花丸の家の台所に向かいます
ーーーそこでは、割烹着を着た花丸のお婆さんが
ーーーコンロの前でフライパンを振るっていました
花丸婆「ふふっ、花丸ちゃんの腹時計は正確ずら」
花丸「ばあちゃん、お腹空いちゃった……」
花丸婆「べっこ待ってな。んますこすで出来あがっから……」
梨子「……べっこ? んますこす……?」
花丸「ばあちゃん、東北生まれの人だから……今のは東北弁ずら」
梨子「へぇ、東北弁なんだ……」
花丸「長い間、お寺のお大黒さんもやってたから……東北弁とじいちゃんの遠州弁も混ざっちゃって……」
梨子「なるほど……」
花丸婆「ほいできた、ばあちゃん特製のチャーハンずら」
花丸「わーい!」 花丸婆「こんなもんしかできねぇで、ごめんなしてくない」
梨子「いえ、そんなお構いなく……」
花丸「ばあちゃんのチャーハンはね、お米がパラパラでとっても美味しんだよ」
花丸婆「これ花丸ちゃん、あんまこのばあをおがすんじゃね」フフッ
花丸「本当のことだもん、嘘をついたら仏様に怒られるずら?」
花丸婆「んだなあ、嘘つくと仏様にごしゃがれるなあ」
花丸&花丸婆「んふふ……」クスクス
梨子(……何言ってるのか全然わかんない……) ーーー梨子と花丸は食卓に向かうと
ーーー仲良く手を合わせて、花丸のお婆さんの作ったチャーハンを食べ始めました
アーンッ
パクーッ
梨子「……味付け、お醤油がベースの優しい味で、マルちゃんの言う通り、お米がパラッパラだ……。流石は沼津一の料理自慢、だね」フフッ
花丸「んふふー、美味しいずら?」モグモグ
梨子「……マルちゃん。ほっぺにお弁当、付いてるよ、ティッシュで取ってあげる」クスクス
ヒョイッ
花丸「あうっ……ありがとう……梨子ちゃん……///」 りこまる「ごちそうさまでした」パチンッ
花丸婆「お粗末さんずら」
梨子「食器片付けるの、手伝います」
花丸婆「気にすんな、気にすんな。オラがすべっとくから」
梨子「それではなんだか申し訳が……」
花丸婆「ええんだ、ええんだ。……花丸ちゃん、あとでおやつ作って持ってくからな」
花丸「ありがとう、ばあちゃん」ニコニコ ーーーお昼ご飯を食べ終えた二人はまた、花丸の部屋に戻りました
梨子「マルちゃんのおばあちゃん、素敵なおばあちゃんね。マルちゃんが自慢するのも、納得しちゃうな」
花丸「あとで、おやつも持ってきてくれるから、楽しみずら……」フフフッ
梨子「うん、私も楽しみ」フフッ
花丸「お腹いっぱいになったことだし……じゃあ、ぐうたらの続きを始めよう?」 ーーー梨子と花丸は再びそれぞれの手を動かして
ーーー自分の世界に没頭していきます
梨子「……」アミアミ アミアミ
花丸「……」ペラッ
梨子(そういえばマルちゃん、一体何を読んでるのかな……?)
花丸「……」ペラッ
梨子(サスペンス小説かな、それともロマンス小説なのかな?) 花丸「……」ペラッ
梨子(せっかくだから、聞いてみようかな……。でも、今すごく集中してるから、邪魔しちゃうかな……)
花丸「……」シクシク
梨子(あれ、マルちゃん泣いてる……)
花丸「……そんなのってないよ、せっかく生き別れのお兄ちゃんと再会したのに……お兄ちゃんの余命がいくばくもないなんて……」グスン
梨子(……マルちゃんの表情で、なんとなく読んでるストーリーがわかりそう……) 梨子(……ちょっと、観察してみよう……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……」ドキッ
梨子(……何かストーリーに変化があったのかな?)
花丸「お兄ちゃんの病気を治せるお医者様が、世界に一人だけ存在する、だって……!」ゴクリ
梨子(やったね、一筋の光が見えたよ!) 花丸「……そのお医者様は、どこにいるのかな……」
梨子(……一体どこにいるんだろう……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……」ワナワナ
梨子(……すごい驚いてる。もしかしてお医者様の居場所が判明したのかな……)
花丸「……まさか、宇宙にいるなんて……」
梨子(えっ、宇宙にいるの!?) 花丸「なんで宇宙にいるの……いきなり急展開ずら……」
梨子(本当にそうだよ……どうして宇宙に……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……腕は確かだけど、人間嫌いの偏屈者で、人の社会に嫌になって宇宙に移住しちゃったんだ……」
梨子(そういう一癖あるお医者さんなんだ。……っていうか、マルちゃんが読んでるのSF小説なのかな……宇宙が出てきたけど……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……そうだね、宇宙にいるから、って諦めちゃダメだよね。そのお医者様にお兄ちゃんを治してもらわないと……」
梨子(……でも主人公の子は、どうやって宇宙まで行くつもりだろう……) 花丸「……」ペラッ
花丸「……なるほど、JAXAの打ち上げシャトルにこっそり乗り込んで行くわけだね……」
梨子(当然宇宙に行くにはそうなるんだろうけど、こっそりと言う割には大胆よね……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……」ムスッ
梨子(……あれ、眉間に皺を寄せた……)
花丸「……なんで宇宙に行く妹の邪魔をするの、義理のお姉ちゃんは!」プンプン
梨子(主人公女の子だったんだ! 今更判明した!) 花丸「本当のお兄ちゃんを救うために宇宙までお医者様に会いに行くのに……お姉ちゃんは邪魔をしないで欲しいずら!」プンスコ
梨子(どうしてなの、どうして義理の妹の邪魔をするの!?)
花丸「……」ペラッ
花丸「……」ワナワナ
梨子(……また新しい事実が判明したのかな……?)
花丸「……お兄ちゃんは実は世界を滅ぼす生物兵器で……お兄ちゃんを改造した張本人こそ……宇宙にいるお医者様だって……」ゴクリ
梨子(えぇ、まさかまさかの超展開だ!) 花丸「……そうかぁ、お医者様がお兄ちゃんを改造したから、お兄ちゃんのことを唯一治せるわけなんだ……いや、この場合は『直す』って言うのかな。生物兵器だから……」
梨子(だから義理のお姉ちゃんは止めたんだね、世界平和のことを考えて……でも、それじゃあ主人公の子が不憫……)
花丸「……」ペラッ
梨子(このまま、引き下がるのかな……どうなっちゃうの……)
花丸「……なんてこった。人類の愚かさを憂いた宇宙のお医者様が、隕石落としを敢行しちゃった……」ゴクリ
梨子(もう先の展開が読めないよぉ!) 梨子(隕石を地球に落とされちゃったら、地球が滅亡しちゃう! そうなったらお兄ちゃんがどうこうなんて関係ないよ……!)
花丸「どうなるの、どうなるの……」
梨子(どうなるの、本当にどうなっちゃうの……)
花丸「……」ペラッ
花丸「……病魔に蝕まれた体を押して、お兄ちゃんが隕石を止めるべく出撃した……」ゴクリ
梨子(ここで生物兵器の設定が生きた!) 花丸「……」ペラッ
花丸「『兄は、最期こう呟いた』」
花丸「『妹よ、こんな悪魔の体になった俺を、人間のように愛してくれてありがとう』」
花丸「『だが俺はもう、兵器としてこの手を幾度も鮮血で染めた、重罪人だ。……罪は死によって贖わなければならない。だからこれは最後の人間孝行だ』」
花丸「『妹よ、お前は平和に暮らせ。素敵な恋人と結ばれ、元気な子を産んでくれ。俺は宇宙(そら)からお前を見守ってる』」
花丸「『だから、アバよ……達者でな』」
花丸「『こうして、死をもたらさんと地球を襲った巨大隕石は、一人の男の命を賭した活躍により、数多の流星群へと姿を変えたのだった』」
花丸「『人々は知らない、流星が降り注ぐその夜に、命を散らせた一人の英雄のことを』」
花丸「『知らなくたっていい、皆が流星に思いを馳せる中、命を散らせた一人の咎人の思いなど』」
花丸「『お兄ちゃん……』
花丸「『真実を知るのは、最愛の理解者一人だけでいい。それだけで、彼の魂は充分、報われるのだから』」
花丸「『……終わり』」
花丸「……お、お兄ちゃん……」グスン
梨子「……お兄ちゃあん!」ガタッ
花丸「!?」ビクッ 梨子「うっうっ……」グスン
花丸「あの、なんで泣いてるの……梨子ちゃん……」
梨子「……お兄ちゃんの、最期の思いに感動しちゃって……」
花丸「……もしかして、オラが読んでたこの小説のこと……?」
梨子「……うん」コクリッ
花丸「……オラ、声に出して読んでた?」
梨子「要所要所ね、表情も含めて。……クライマックスの方はほぼまる聞こえだった……」 花丸「……///」カオマッカッカ
梨子「マルちゃん、感情移入しすぎると、つい声に出ちゃったりするのね……知らなかった……」クスクス
花丸「……これは、たまたまずら……///」
梨子「……読み終わったなら、今度その本貸して? 一から読んでみるから……」
花丸「……どうぞ///」 ーーーさて、梨子と花丸が二回目のお腹の虫を鳴らした頃
ーーーそれを見計らったかのように
ーーー花丸のおばあさんが、おやつを持って部屋を訪ねたのでした
コンコンコン
ガチャリ
花丸婆「花丸ちゃん、おやつを持ってきたずら」
花丸「ばあちゃん、今日のおやつはなあに?」
花丸婆「今日も今日とて、おいもさんずら」
花丸「やった、ばあちゃんの大学芋ずら!」 花丸婆「ごめんなしてくない。あんまり洒落たもん作れんで」
梨子「いえいえそんな……私、大学芋好きですから、とっても嬉しいです」ニッコリ
花丸婆「ほうかいね。……ほんにまぁ、花丸ちゃんの言ったとおりずら」
梨子「……何が、ですか?」
花丸婆「花丸ちゃんがね、前に話してくれたんな。『梨子ちゃんはとってもめんこくて、優しいびでっこだ』ってな」
梨子「めんこ……びでっこ……?」
花丸婆「花丸ちゃんはまだまだめんちゃこいそべこさんだから、これからも、仲良くしたってな」
梨子「……あ、はい! もちろんです」
花丸婆「んじゃ、ゆっくりしてってな」
ガチャリ 梨子「……マルちゃん。さっきおばあちゃん、なんて言ってたの……?」
花丸「……ばあちゃん、色々と正直に言いすぎずら……///」
梨子「え、そんな赤面するようなこと、言ってたの……?」
花丸「……教えてあげない」
梨子「なんで、教えてよ……私、東北弁全然わからないんだから……」
花丸「……世の中には知らない方がいいこともあるずら……」
梨子「ね、ねぇ!? なんなの、ねぇ!」
花丸「……///」プイッ
梨子「赤面しながらソッポ向かないでよぉ……!」 ーーーおばあさん手作りの甘い甘い大学芋を堪能していたとき
ーーー突然の来客が、花丸の部屋を訪れたのでした
トタトタ トタトタ
コンコンコン
「ま、マルちゃん……!」
花丸「ん? その声は……」
ガチャリ
ルビィ「……」ハァハァ
花丸「ルビィちゃん、どうしたのそんな血相変えて!」
ルビィ「あ、あのね……」ハァハァ
花丸「息も絶え絶えに、一体何があったの?」
チラッ
ルビィ「あれ、梨子ちゃんもいる……」
梨子「こ、こんにちはルビィちゃん……」 ルビィ「浦女のジャージ着て、一体何をしてるの?」
花丸「梨子ちゃんと二人、ぐうたらしてたの」
ルビィ「ぐうたら? えぇ、いいなぁ……ぐうたら……」
花丸「よかったら、ルビィちゃんも今から参加する? ほら、おやつのおいもさんもあるずら?」
ルビィ「わっ、大学いもだぁ! ……でも、ダメなの、ルビィ今日はぐうたらできないの……」
梨子「どうして、そんな慌ててマルちゃんのお家に来たの? ルビィちゃん」 ルビィ「あっ、そうだった! マルちゃん! あのね、マルちゃんのカバンに、ルビィの数学と英語のノート、混ざり込んでない?」
花丸「数学と英語のノート? ちょっと待って、探してみるよ……」
ガサガサ
花丸「……あっ、このノート、ルビィちゃんの……」
ルビィ「やっぱり! あー、良かった……」
花丸「ルビィちゃん、一体全体どうしたの?」 ルビィ「……今度、数学と英語の実力テストがあるでしょ?」
花丸「……そういえば、そんなこと先生を言ってたような……」
ルビィ「赤点さえ取らなかったら大丈夫かな、って思ってたら……テストがあること、おねえちゃんにバレちゃって……それでね」
花丸「……それで?」
ルビィ「『赤点回避が目標なんて、意識が低すぎる! どうせならもっと高得点が取れるようになりなさい』って怒られて、これからおねえちゃんとお勉強なの……」
花丸「……なるほど」
ルビィ「……ノートを忘れてたことで既におねえちゃん、カンカンに怒ってるから……ルビィ急いで帰らないと」
花丸「それはご愁傷様というか、なんというか……」
ルビィ「じゃあね、マルちゃん、梨子ちゃん! ルビィも今度、ぐうたらするの、誘ってね!」
ピューンッ 梨子「……ルビィちゃんも大変だなぁ……」
花丸「……梨子ちゃん。ルビィちゃんみたいに、ぐうたらしたくてもできない人だっているずら。だからオラたちは、ルビィちゃんの分までぐうたらしないと……」
梨子「……ぐうたらの荷が重いね……」
花丸「とりあえず、ルビィちゃんの無事を祈願して……合掌」チーン
梨子「合掌……」チーン ーーールビィを合掌で見送って
ーーー二人はまた、こたつに潜り込みました
ーーーいつの間にやら、梨子の編み物もだいぶ形が出来上がっていて
ーーー編み物に疎い花丸でも、完成形がわかるようになっていました
花丸「……梨子ちゃんの編んでたそれ、もしかして……」
梨子「ふふっ、もう分かるかな?」
花丸「ミトンの手袋だ!」
梨子「そう、正解♪」ニコッ 梨子「……最後、ここの仕上げを整えて……」
花丸「これで、完成?」
梨子「うん、完成だよ♪」ニコニコ
ーーー黄色の毛糸で編み上がった一対のミトン
ーーーしっかり隙間無く編み込まれたそれは
ーーーどんな冷たい北風にだって、両手を寒さから守ってくれる
ーーーまさに、梨子の渾身の逸品でした 花丸「ふふっ、モフモフで暖かそう。これをはめてたら、どんな寒さだってへっちゃらだね」
梨子「うん。……ねぇ、マルちゃん」
花丸「なあに、梨子ちゃん」
梨子「マルちゃんに……このミトン、プレゼントするね」
花丸「……えっ」 花丸「このミトンの手袋、自分で使うために、編んでたんじゃないの?」
梨子「……最初はそのつもりだったよ。でもね、気が変わったの」
花丸「どうして?」
梨子「今日、ぐうたらするのを誘ってくれたお礼と……あと、私のわがままを、叶えたくって」
花丸「……わがままって?」
梨子「マルちゃんに……私が手作りしたものを使って欲しいなあ、ってわがまま」 花丸「……梨子ちゃんの作ったものなら、もちろん喜んで使うけど……でも、こんな綺麗に出来たもの、もったいなくてなんだかもらえないよ……///」
梨子「……お願い、もらってほしいな。……マルちゃんが私の手袋使うのを、見たいから……///」
花丸「……それなら、今年の冬はこのミトンの手袋、たくさんはめるよ。……今年だけじゃないよ、来年も再来年も……ずっとね……」
梨子「……ねぇ、手袋はめてみて?」
花丸「……うん」 ーーー梨子から受け取った黄色のミトンを
ーーー花丸はそっと、手にはめました
ーーーほんの少し、ぶかついてはいましたが
ーーー毛糸の肌触りの良さと、はめた瞬間にわかる暖かさに
ーーー自然と笑みがこぼれました
花丸「……これでオラはもう、寒さ知らずずら。だからね……今度、お出かけしよう?」
梨子「うん……お出かけしよっか」
りこまる「……ふふっ///」 ーーー照れながら二人は笑いあってると
ーーー花丸のおばあさんの声が
ーーードア越しから聞こえてきました
花丸婆「花丸ちゃん、梨子ちゃんは夕ご飯どうするね?」
梨子「えっ、もう、そんな時間?」
ーーー窓の方に目を向けると
ーーー辺りはすっかり暗くなっているのがわかりました
ーーー時間の過ぎることの、なんと早いことなのでしょうか 梨子「……時計が止まってると、時間の進みがわからないから、あっという間に一日が終わっちゃったね」
花丸「ひがな一日、ぐうたらするのも悪くないでしょ?」
梨子「うん。……なんだか、新鮮な体験だったよ」
花丸「人間みんな忙し過ぎずら。たまには、一日くらいぐうたらしたってバチは当たらないずら」
梨子「ふふっ。たまには、いいかもね」 花丸「ところで、夕ご飯はどうする?」
梨子「……ちょっと待って」
ーーーそう言って、梨子は自分のスマートフォンを手に取ると
ーーー電源を入れ直し
ーーー電話をかけ始めました
梨子「……もしもし、お母さん? ごめんなさい、ずっとスマホの電源切ってたから……」
梨子「あのね、今日……夕飯はいらない。うん、花丸ちゃんのお家でお呼ばれするから……」
花丸「……」パァッ
梨子「帰り? 帰りは……うーん……」 花丸「……お泊りしていっても、大丈夫だよ」ボソッ
梨子「……今日は、そのまま花丸ちゃん家にお泊りするから……」
花丸「……」ヤッタッ
梨子「えっ、着替え!? も、持ってきてないけど……」
花丸「……一日くらい、へっちゃらずら」ボソッ
梨子「い、一日くらい、大丈夫。うん、大丈夫だから……それじゃあね」
ピッ
梨子「……ということで、きょ……」
花丸「ばあちゃん! 梨子ちゃんの分のお布団用意するずら!」
花丸婆「わかったずら。夕ご飯の後、用意するな」フフッ
梨子「……伝わるの早いなあ……」 花丸婆「……じゃあ、梨子ちゃんの分も、お皿用意するからね、早う来るずら」
スタスタ スタスタ
花丸「……ふふふ、今日は梨子ちゃんとお泊りだぁ!」ワーイ
梨子「ふふっ、今夜はよろしくね、マルちゃん」
花丸「一緒にお風呂入ろうね、背中流し合いっこしよ?」
梨子「うん、いいよ」ニコニコ
花丸「あと、勉強も教えて。今度の実力テスト、実は数学が不安で……」
梨子「もちろん、喜んで」フフッ
花丸「あと、夜は二人で『がーるずとーく』もしようね」
梨子「意外とミーハーなのね、マルちゃん」クスクス
花丸「兎にも角にも、今日の夜は楽しみずら!」
終わり >>236のアイデアをくれた舞妓さんには、最大級の感謝を述べたい >>296
こちらこそあんなちょっとしたネタからりこまるの可愛さがここまで詰まった長編書き上げてもらって感謝感激雨あられです!
ありがとうございました!! >>297
可愛く見えてれば、なによりです
あとは少しくらいりこまるがわかる人が増えてくれたらな、っていうわがまま 電話の横でリアクションとってるまるちゃん可愛すぎない? ーーー浦の星 中庭
花丸「……梨子ちゃん、髪の毛にゴミが付いてるよ?」
梨子「あれっ、やだな……いつの間に付いちゃったんだろ……」
花丸「ふふっ、取ってあげるね」
スッ
梨子「……ありがとう、マルちゃ……」
花丸「……」ポケーッ
梨子「どうしたの、何を見つめているの?」
花丸「梨子ちゃんの髪……綺麗だなあ、って……」 梨子「そ、そうかな……?」
花丸「艶やかで、流れるようにサラサラで……羨ましいずら……」
梨子「……私はマルちゃんの髪の毛の方が、綺麗だと思うよ?」
花丸「お、オラの髪なんて……全然そんなことない……」
梨子「そんなことあるよ、マルちゃんの亜麻色の髪……梨子は好きだな」 ーーーそう言って彼女は優しく微笑んで、そっと近づき、私の髪に手をかけた
ーーー突然のことで不意を突かれた格好になった私は、体を固くしてしまい、近づいた彼女の顔に、思わず目を背けた
ーーー可憐な花のような香りが、一気に鼻をくすぐって、瞬間、顔が赤く染まってしまったのを、私は自覚した
「亜麻色の髪……淡く優しい光の色……私は好きよ……」
ーーー彼女は私の髪を撫でながら、耳元で囁く。その言葉は甘く、艶やかで、私の体温を更に上げさせたのだった 「亜麻色の、長い髪を、風が優しく包む」
ーーー突然彼女が歌い出したそれは、半世紀前に発表され、最近でも有名な歌手がカバーをし、今も広く親しまれる歌謡曲の一節だ
ーーー彼女は歌を続けた
「乙女は、胸に白い、花束を」
ーーーこの歌は、恋の歌だ。まだ初恋も知らなかった少女が、運命の人と出会い、恋を覚え、女性へと成長していく過程を歌った歌だ
ーーー彼女の歌声は、セイレーンのそれだ。聴くものを惑わし、誘惑させてしまう、魔性の歌声だ。聴いてしまえば最後、彼女の虜になってしまう
「羽のように、丘を下り、優しい彼の許へ」
ーーー私はふと、背けた目線を彼女の顔に戻してしまった
ーーーその微笑みは、聖母のように慈愛に満ちた、暖かい輝きを持った笑みだ。けど、今の私には、それは妖しく輝いて見えた ーーーダメだ、聴いてはならない、見てはならないと、意識を彼女から反らそうと足掻いてみたが、それはもう無駄であった
ーーーいや、無駄な足掻きというのは、間違った例え方だ。何故ならそれは、表面的にただ拒んでいただけだったからだ
ーーー本質的、私の心はもう、足掻くことなく既に彼女に囚われていた
「明るい、歌声は、恋をしているから」
ーーーそうだ、私は彼女に恋をしていたのだ
ーーーあの歌の、亜麻色の髪の乙女のように 花丸「……ぬああああああ!」カオマッカッカノカー
梨子「ど、どうしたのマルちゃん!?」
花丸「オラは何を考えてるのー!? は、破廉恥ずらあああ!」
シュバババババッ
梨子「ちょ、ちょっと待ってマルちゃん!? 何が破廉恥なの、ねぇ!」
終わり こういう詩的なのもいいですわゾ^〜
二人の周りが優しい光に包まれてそう 雨の日、お互い傘を貸してしまい、帰るに帰れなくなって、図書室で雨が止むまで待っているりこまる
時間が止まってほしい 雨音とページをめくる音しか聞こえないとても静かで穏やかな時間を過ごしてそう…
いい…… ーーー浦の星 校舎 昇降口
花丸「雨、本降りになってきちゃった……。オラも早く帰ろう、っと……」
「えー、どうしよ……私、傘忘れてきちゃったよ……」
花丸「ん……この声は……」
モブ子「めっちゃ降ってきたじゃん……」
花丸「あの子は、同じクラスのモブ子ちゃん……」 花丸「どうしたの、モブ子ちゃん。傘、忘れちゃったの?」
モブ子「ああ、花丸ちゃん。うん、そうなのよー。本当、どうしよー……」
花丸(モブ子ちゃん、すごく困ってる……。傘を貸してあげたいけど、オラもこの一本しか持ってないし……)
モブ子「……こうなったら、雨の中走って帰るしかないかなあ……」
花丸「そ、そんなことしたら風邪引いちゃうよ?」
花丸(なんとかしてあげたいなあ……でもこの傘を貸したら、オラがずぶ濡れになっちゃう……)
花丸(うーん……)
ポクポク ポクポク
花丸(……そうだ!)チーン スッ
花丸「モブ子ちゃん、良かったらマルの傘を……使って?」
モブ子「えっ? でも、そしたら花丸ちゃんがずぶ濡れになっちゃう……」
花丸「マルのことは気にしないで? なんとかするから」
モブ子「なんとかする、って……もしかして、誰かの傘を借りパクするつもりじゃ……」
花丸「そんなことはしないから! ……マルは本当の本当に大丈夫だから、ね?」
モブ子「そこまで言うなら……」 モブ子「ありがとう花丸ちゃん! それじゃあ遠慮なく借りてくね!」
花丸「どうぞ、使って下さいな」フフッ
モブ子「傘は明日必ず返すから! それじゃあねー!」
シュタタタタッ
花丸「さよーならー」フリフリ
花丸「……さてと」 花丸(オラがモブ子ちゃんに傘を貸したのは、もちろん善意に他ならないんだけど……)
花丸(……実は、その裏には真の目的が隠されていたのであった……)
花丸(……それは……)
花丸(……梨子ちゃんと相合傘をして帰るためである!) 梨子『あら、マルちゃん。どうしたの、まだ帰ってなかったの?』
花丸『あのね……傘を忘れて困ってたクラスメイトに……オラ、自分の傘を、貸してあげたの……』
梨子『そうだったの。……けどそれじゃあ、この雨の中、マルちゃんは傘も無しに帰ることになるんじゃ……』
花丸『でも、困ってる人はほおっておけなくて……』
梨子『えらいなぁ、マルちゃんは。……そうだ、梨子の傘に入っていく?』
花丸『……えっ、いいの?』
梨子『もちろん。良い子のマルちゃんを、ずぶ濡れにさせるなんてこと、できないもの』 ーーー下校途中
梨子『ほら、マルちゃん。もうちょっと体を寄せて入らないと……肩が濡れちゃうよ?』
花丸『でも、これ以上詰めると梨子ちゃんとピッタリひっついちゃう……///』
梨子『……梨子は別に、いいんだよ? ……マルちゃんと、くっついて帰っても……///』
花丸『……それじゃあ、もうちょっとひっつく……///』
ピタッ
梨子『……ちょっとマルちゃん、それはひっつき過ぎだよ……///』
花丸『……えへへぇ///』
ポワンポワンポワーン
花丸「……えへへ、我ながら名案ずら」 花丸(そういう訳で、オラは今浦の星の校舎に戻って、梨子ちゃんを探しているところなんだけど……)
花丸(……確か、梨子ちゃんも委員会かなにかのお手伝いとかで、まだ残ってたはず……)
花丸(……うーん、どこだぁ……?)
花丸(……あっ、前方に梨子ちゃんの後ろ姿を発見!)
花丸「お、おーい……梨子ちゃーん……!」
梨子「あら、マルちゃん……」 梨子「どうしたの? まだ、帰ってなかったの?」
花丸(よ、よし、作戦開始ずら!)
花丸「あ、あのね……お、オラ傘を忘れて困ってたクラスメイトにね……自分の傘を、貸してあげてね……」モジモジ
梨子「そうだったの……えらいなぁ、マルちゃんは。……良かったら、私と一緒に帰らない……」
花丸(やった、これはもう、梨子ちゃんの傘に入れてもらう流れだ……!)
梨子「……って言いたかったんだけど、ごめんね。実は私、今日傘持ってきてなくって……」
花丸「えっ」 花丸「……傘、持ってきてないの……?」
梨子「うん……まさかこんなに天気が崩れるとは思わなくって……」
花丸「……なんてこった!」
梨子「!?」ビクッ
花丸(しまったぁ! まさかの梨子ちゃんが傘を忘れるという、想定外の事態が起きるなんて! こんなことならモブ子ちゃんに傘を貸すんじゃなかった……)
梨子「……何落ち込んでるの、マルちゃん?」
花丸(……いや、違う。きっと仏様は見ていたんだ……。オラがやましい心で人に親切したから、罰を与えたんだ……) 花丸「……オラ、もうずぶ濡れで帰る! これは罰ずら!」
梨子「ちょ、ちょっとマルちゃん! 早まっちゃダメ!」グイッ
花丸「離して梨子ちゃん! やましい心で人に親切した、オラが悪いの!」
梨子「何があったかわかんないけど……! と、とりあえず……」
花丸「とりあえず……何!?」
梨子「……雨が止むまで、学校で雨宿りしない?」
花丸「……えっ?」 梨子「お互い傘を忘れたのなら……雨が止むか、小降りになるまで待ってるしかないよね?」
花丸「……そう言われたら……」
梨子「なら、図書室で雨宿りをしましょ? 今の時間なら誰もいないし……大丈夫だよね?」
花丸「多分、大丈夫だと思うけど……」 ーーー浦の星 図書室
梨子「やっぱり、誰もいないね」フフッ
花丸「……うん」
梨子「……あら、なんだか嬉しくなさそうね?」
花丸「……だって、オラ……梨子ちゃんとその、一緒に……相合傘して、帰りたかったから……」
梨子「……正直だね」
花丸「オラ、嘘はつけないずら……」 梨子「……私は、嬉しいよ? 相合傘なんかよりも、よっぽど」
花丸「どうして……?」
梨子「……雨降りの放課後、人のいない図書室って……まるで、人の住む世界から切り離された、別の世界みたいに思わない?」
梨子「そんな世界で、マルちゃんと二人きりになれたんだもの……こんな幸せなことって、無いと思うなぁ」
ーーーそう言って、悪戯っぽく笑ってみせた梨子に
ーーー花丸は、ただただ頬を赤らめたのでした
終わり 梨子ちゃんと相合傘したくて色々考えたけどちょっと抜けてるマルちゃん可愛い
そんなマルちゃんを優しく包み込む梨子ちゃんもたまらんです… ーーー吐く息も白くなる、そんなある日の朝
梨子「おはよう、マルちゃん」
花丸「うふふ、おはよう、梨子ちゃん」ニコニコ
梨子「その手袋、もしかして……」
花丸「この間プレゼントしてくれた、梨子ちゃんのお手製ミトンずら!」 花丸「すっごいよ、この手袋! 寒さ知らずでポッカポカだよ」ムフフー
梨子「そう?……それなら、良かった。作った甲斐があったよ」フフッ
花丸「……梨子ちゃん、寒さでほっぺが真っ赤ずら……」
梨子「今日は一段と寒いからね……」 梨子「ふぅ、寒いなあ……」ハァ
花丸「……梨子ちゃん、こっち向いて?」
梨子「ん?」フリッ
ペタッ
花丸「……どう? この手袋のモフモフでほっぺを触ったら、冷たくなくなった?」クスッ
梨子「……うん、とっても暖かいや……///」
ーーー花丸の両手に包まれた梨子の赤い頬は
ーーーより一層、赤みが増したのでした
終わり いつも保守すみませぬ
夜にでも書けたら書きたいです ーーーある日の休日
ーーーAqoursの9人は
ーーー沼津のスケートリンク場まで遊びに来ていました
曜「あっはははー! 待てー、果南ちゃーん!」スイーッ
果南「ほーら、ここまでおいで、曜!」スイーッ
スイーッ スイーッ
善子「……流石は曜ちゃんと果南ちゃんね。あん速く滑るなんて、ヨハネにはできないわ……」
千歌「二人とも運動神経おばけだしね。そもそも、ここのスケート場には昔からみんなでたまーに来てたりもしてたし」
善子「ふーん、なるほど。どおりで千歌ちゃんも滑るのが上手なわけね」
千歌「上手、って……。チカなんて、あの二人に比べたら……」
善子「あら、らしくないわね。謙遜なんかして」
千歌「あの二人が『宮原知子』と『本田真凜』なら、チカは『伊藤みどり』だから……」
善子「例えがわかりづらいわよ! それ謙遜してるの、してないの、どっちなの!?」 千歌「ていうかさ、よっちゃんも、なんだかんだ滑るの上手いよね。何回か滑ったことあるの?」
善子「いや、今日初めてなんだけど。なんか意外とできてるのよね」スイーッ
千歌「へぇー、初体験なの!? 流石は、よっちゃんだ!」
善子「ふふっ、まあ、ヨハネにできないことなんて、無いってことね……」フッフッフッ
千歌「普段から滑りまくってるもんね! 堕天使ネタが!」
善子「上手いっ! 千歌ちゃん座布団一枚!」
千歌「わーい、やったー! ありがとう山田くん!」
ちかよし「わはははは!」 「待てこらー! 誰が『滑り芸職人ヨハネ』だってー!?」スイーッ
「ひゃー! そこまで行ってないよチカはー!」スイーッ
「天国に昇天させてやるから、覚悟なさい千歌ちゃん!」スイーッ
「速い!速いよヨッハネーさん!」スイーッ
ダイヤ「全く、あの二人は何喧嘩をしてるのよ……」
鞠莉「まるで『トムとジェリー』の追いかけっこね」クスクス 鞠莉「……それにしても、ダイヤが意外と滑れるなんて、マリー驚いたわ」クスクス
ダイヤ「失礼ね。……まあ、最初は滑った時はわたくしも、生まれたての子鹿みたいに足がもつれたけど……。コツを掴めば、どうってことはないわね」
鞠莉「ダイヤが尻餅をドシーンと突く姿が見れないのは、本当残念っ」
ダイヤ「お生憎様。マリーの目論見通りには、いかないわ」フフッ
鞠莉「……まあ、でもその代わりに……」
ルビィ「……う、うわぁぁ……!」
ツンツルテーン
ドシーン
ルビィ「……お尻、痛い……」グスッ
鞠莉「ルビィの尻餅を突く姿を見れちゃった♪」 ダイヤ「ルビィ、大丈夫? ……本当、あなたは鈍臭いわね……」
ルビィ「……だって、氷で足が滑るんだもん……」グスッ
鞠莉「まあ、ここスケート場だから、滑って当然よね」クスクス
ルビィ「……もうヤダ。ルビィ、リンクの外で見てる……」ムスッ
ダイヤ「何を拗ねているの。せっかくみんなで滑りに来たのに」
鞠莉「そうよ。一人だけいじけて、外で見てるなんて……もったいないわよ?」
ルビィ「……どうせ、上手く滑れっこないもん……」 ダイヤ「はぁ……やれやれ……」
鞠莉「ほんと、困ったさんね……」
スッ
ダイまり「ほら、手を貸してあげるから、立ちなさい、ルビィ」
ルビィ「おねえちゃん……鞠莉ちゃん……」グスッ
ダイヤ「……息が合ったわね、マリー」フフッ
鞠莉「あーら、奇遇。考えることは、ダイヤも一緒ね」クスクス ダイヤ「今から、おねえちゃんがスケートの滑り方、教えてあげるわ」
鞠莉「マリーも、アメリカ仕込みのスケート、レクチャーしてあげる♪」
ルビィ「……うんっ!」
鞠莉「というわけで、ダイヤ。あなたはまず、氷の上での立ち方を教えてあげて? 私は速く滑る練習をレクチャーするから」
ダイヤ「はぁ? 速く滑る練習ですって? わたくしは華麗に滑る練習をしたいの」
鞠莉「ノー! 速く滑る練習よ!」
ダイヤ「いいえ、華麗に滑る練習!」
ルビィ「あ、あの、教え方で喧嘩しないで……!」アワワ ギャー ギャー
ギャー ギャー
花丸「……ダイヤちゃんと鞠莉ちゃんは、一体なんで喧嘩してるの……」
キョロキョロ
花丸「それにしても、梨子ちゃん遅いなあ……何してるんだろ……」 スイーッ
ズシャッ
果南「あれ? マル、滑らないの?」
花丸「うん。オラ、梨子ちゃんを待ってるんだけど……」
果南「そういえば、まだ来てないね。どうしたのかな?」
花丸「ところで、果南ちゃん。さっきまで曜ちゃんと追いかけっこしてたけど……曜ちゃんどこ行ったの?」
果南「あぁ、曜はあっちのリンクの隅でダブルアクセルに挑戦してる」 果南「どうしてこんなに遅いんだろうね、何か準備でもしてるのかな、梨子ちゃん」
花丸「……そういえば、梨子ちゃん一人だけ荷物が多かったような……」
果南「もしかして、フィギュアスケートの選手が着るような衣装を持ってきて、それを着るのに手間取ってたりして」クスクス
花丸「ええ、まさかそんなこと……でも、梨子ちゃんならそういう衣装似合いそうだし、あながち……」テレテレ
果南「まあ、こんなリンクでそんなの着てたら、目立ちすぎて梨子ちゃん顔真っ赤にしそうだけどね」クスクス 「お、おまたせー……!」
果南「おっ、梨子ちゃんの声だ」
花丸「遅いよ梨子ちゃ……」
ガシャン
ガシャン ガシャン
梨子「ごめんなさい、準備に手間取っちゃって……」
かなまる「」 花丸「……梨子ちゃん、その格好は……なに!?」
梨子「えっ、何って、スケート滑る格好だけど……?」
果南「……ヘルメット被って、プロテクター装着した格好が、スケート滑る格好なの……?」
梨子「……だって私、今回スケート初めて滑るから……怪我も怖いし、これくらいした方がいいかな、って……」
花丸「……やりすぎずら……」
果南「それは流石に……スタントマンみたいになってるよ……」 梨子「ま、マルちゃんは……プロテクター付けなくて、良かったの?」
花丸「えっ、どうして?」
梨子「ほ、ほら、転けたりするの、怖くない?」
花丸「転けるのは、そりゃあ怖いけど……」
梨子「私、プロテクター予備で何個も持ってきてるから、良かったら付ける?」
花丸「べ、別に大丈夫だよ?」 梨子「どうして? 遠慮しなくたって……たくさん転けた時のことを考えたら、付けておいた方が……」
花丸「オラ、そんなに転ばないよ」
スイーッ スイーッ
花丸「……ほら、普通に滑れるから」
梨子「えっ、嘘!?」
果南「マルは前に、曜と一緒に滑る練習してたもんね」
花丸「まだまだ果南ちゃんや曜ちゃんみたいには滑れないけど……もう、へっぴり腰のオラじゃないもんね」フフッ 梨子「えぇ……嘘ぉ……」
花丸「なんでそんなに驚いてるの? オラがスケート滑れたら、おかしい?」
梨子「……ごめんなさい、正直言うと、私と同じで滑れない人間かと思ってました……」ペコリ
花丸「……酷いっ! 心外だ! 人を見た目で判断したずら!?」プンスコ
梨子「ご、ごめんなさい! 本当にその通りだから、弁解のしようが……」
花丸「そりゃあオラ、鈍臭いのは自分でも認めてるけど……オラだって、ちょっとは出来ることはあるよ! いくらなんでも、酷いよ!」プンプン
梨子「ごめんね、マルちゃん……」ペコリ 花丸「嫌だ! ……許して、あげないっ!」プイッ
果南「マル……、そんなに膨れないの。梨子ちゃんも悪いけどさ、でも……逆に言えば、それだけマルのこと、心配してたわけなんだしね?」
梨子「……本当に、ごめんなさい……」ペコリ
花丸「……今度、梨子ちゃんのケーキが食べたい」ボソッ
梨子「……何のケーキが食べたいの?」
花丸「美味しいチョコレートのケーキが食べたい」ボソッ
梨子「チョコレートのケーキを作ったら、許してくれる?」
花丸「……オラだけにね」ボソッ
梨子「も、もちろんマルちゃんにだけ、ね?」
花丸「……じゃあ、許してあげる」
梨子「ほっ……ありがとう、マルちゃん……」
果南「今のやりとりは聞かなかったことにしておくね」 花丸「今日はオラが先生になって、全然滑れない梨子ちゃんのために、滑り方を教えてあげる」フフッ
果南「おっ、一気にご機嫌になったね、マル」
花丸「果南ちゃんも、一緒にコーチをお願いね」
果南「ふふっ、オッケー。マル先生」
梨子「よ、よろしくお願いします……!」ペコリ 花丸「……それじゃあ、オラの手に掴まって? まずは氷の上でしっかり立てる、歩けるようになろうね」
梨子「は、はい……!」
ギュッ
梨子「あのね、マルちゃん……本当にごめ……」
花丸「……もうそれはいいよ。オラ、許したんだから。今は、練習に集中しよう? オラ……早く梨子ちゃんと、一緒に滑りたいもん」
梨子「うん。……私、頑張るね」 ーーーそして
花丸「あんよはじょうず♪ ころぶはおへた♪」フフッ
梨子「あの、その掛け声はやめて……なんだか私、赤ちゃんみたい……///」
果南「赤ちゃんって言うより、そのへっぴり腰だとおばあちゃんみたいに見えるけどね」クスクス
花丸「背筋をピンと伸ばして。オラがきちんと梨子ちゃんの手を握ってるから、転ける心配はないずら?」
梨子「でもぉ、足がフラついて……」アワワ
花丸「あんよはじょうず♪ ころぶはおへた♪」
梨子「だからその掛け声は本当にやめて、恥ずかしいってば……///」
花丸「……あんよはじょうず♪ ころぶはおへた♪」フフッ
梨子「もおっ、マルちゃんのいじわるぅ……!」
終わり 着想はスクフェスのクリスマスマルちゃんURより(スケートのやつ)
……恐らく、梨子ちゃんもマルちゃんもどっちもスケート滑るの苦手っぽそうだけど、それもありきたりかな、って
※ちなみにリアル沼津にスケートリンクは無いです へっぴ梨子ちゃんかわいい
スポーツ関係で人に教えるってことがあまりなかっただろうからマルちゃんすっごい嬉しいだろうけどその掛け声は笑う 二人がお互いにスケッチし合って梨子ちゃんに絵の描き方をマルちゃんが手取り足取り教えてもらうってのもいいなぁ…(チラッ
スケートの時の仕返しと言わんばかりにマルちゃんを赤面させる梨子ちゃんとかね…(チラッ ーーーみんなでスケートをした翌日のお話
ーーー浦の星 校舎 廊下
梨子「あっ、あれは……」
梨子「マルちゃん、ルビィちゃん、よっち……」
善子「あら、誰かと思ったら『へっぴり腰のへっぴ梨子ちゃん』じゃない」クスクス
梨子「……よっちゃん。そのあだ名はやめてよ……///」
善子「だって、マルちゃんに子守される姿……滑稽だったもの」クスクス
花丸「子守じゃないよ、あれは滑り方を教えてただけずら?」
善子「はたから見たら、あれは赤ちゃんをあやすお姉ちゃんにしか見えなかったわよ」
梨子「……全部あの、『あんよが上手』って掛け声のせいなんだから……」 ルビィ「でも梨子ちゃん。マルちゃんに教えてもらって、スケート滑れるようになったんでしょ?」
梨子「……うん、マルちゃん先生の指導の賜物でおかげでなんとか、ね」
花丸「えへへ、オラもたまには、役に立つずら?」ドヤァ
梨子「……でもあの掛け声のせいで、他の人から、指を差されたりしたんだよ? 本当に恥ずかしかったんだからね……」
ルビィ「……結局おねえちゃんと鞠莉ちゃんの喧嘩に巻き込まれて、全然滑ることができなかったルビィより100倍マシだよ……」シュン
梨子「……それはごめんなさい、ちょっと贅沢言っちゃったかも……」 梨子「ところで、スケッチブックを持ってるけど……一年生は、次の授業は美術なの?」
ルビィ「うん、美術室でデッサンの授業なんだ」
梨子「へぇ、そうなの。それはとっても、楽しそうな授業ね」フフッ
善子「流石は元美術部員、食いつきがダンチね」
梨子「デッサンは何を描くの? 人? それとも、物?」
花丸「わからない。一体何を描くんだろう?」
善子「『堕天使ルシファー像』とかだったら、テンション上がるんだけどね……」クックックッ
ルビィ「ルビィそんなの描きたくない……もっと可愛いのがいい……」 キーンコーン
花丸「……あっ、もう予鈴が鳴ってる!」
善子「ヤバいっ! マルちゃん、ルビィ、急ぐわよ!」
ピューンッ
ルビィ「わぁぁ、よっちゃん待って! ルビィを置いてかないで!」
花丸「じゃあ、梨子ちゃんまた後でね! お、オラも置いてかないでー!」
ピューンッ
梨子「慌ただしいなぁ……」
梨子「……ふふっ、あとでマルちゃんに何のデッサンを描いたのか、聞いてみよ」クスクス
梨子「……って、私も教室に戻らなきゃ! 遅刻で怒られちゃう!」
ピューンッ ーーーそしてお昼の時間になりまして
ーーー浦の星 中庭
梨子「……そういえば。さっきの美術の時間、何のデッサンをしたの? マルちゃん、上手に描けた?」
花丸「……はぁ」
梨子「どうしたの? ため息吐いて」
花丸「……オラ、さっきの美術の授業で、恥をかいたの」 梨子「恥をかいた、って……?」
花丸「……あのね、先生の用意したデッサンのモデルが、のっぽパン、だったんだけどね……」
梨子「のっぽパンって、マルちゃんやみんながよく食べてる、あの細長いパンだっけ」
花丸「うん。でね……オラの描いたのっぽパンを、みんなの前で発表したら……クラスの子ほとんど全員に笑われて……」
花丸「先生も苦笑いするし、もう、顔から火が出るくらい恥ずかしくって……」
梨子「そんな、人の描いた絵を笑うなんて……ひどい……!」
花丸「笑わなかったのはルビィちゃんとよっちゃんくらいで……それでも二人とも笑うの堪えてたけど……」 花丸「……もうオラ、美術の授業嫌だ、デッサンなんてしたくないよ……」グスン
梨子「……ねぇ、マルちゃん。嫌かもしれないけど、私にそののっぽパンのデッサン、見せてくれない?」
花丸「……梨子ちゃんもどうせ、オラの描いたのっぽパン、笑うんでしょ?」
梨子「笑わないよ。人が真剣に描いたものを、笑ったりなんか絶対にしない」
梨子「……大きな顔でアドバイスできるような立場じゃないけど、マルちゃんの絵を見て、何か気づいたことは教えてあげたいな、って思ったの」
梨子「マルちゃんに、絵を描くことを、嫌いになってもらいたくないから……」
花丸「……わかった、そこまで言うなら、オラ……梨子ちゃんのこと、信じる」
花丸「……教室に行って、スケッチブック取ってくる」 ーーーそして
花丸「はい、これスケッチブック……」
スッ
梨子「ありがとう。それじゃあ、マルちゃんの描いたのっぽパン、見てみるね……」
ペラッ ペラッ
梨子「……」
ペラッ ペラッ
梨子「……」
ペラッ ペラッ
梨子「……あれ?」
梨子「……あの、マルちゃん。どこにのっぽパンのデッサン描いたの? さっきから探してるけど見つからない……」
花丸「……既に描いたページをめくり過ぎてるよ」
梨子「えっ」 梨子「めくり過ぎてる、って……大きなコッペパンのデッサンが描かれたページはあったけど……」
花丸「……それ」
ペラッ ペラッ
梨子「……これ?」
花丸「……パッケージを剥いた、のっぽパンのデッサン、それ」
梨子「……え……えっ、……えーっ……」
梨子「……これてっきり、コッペパンのデッサンかな、って……」
花丸「……やっぱり梨子ちゃんも馬鹿にするんだ!」ウワーン 梨子「ご……ご、ご、ごめんなさい! 」
花丸「酷いずら!昨日から人を見た目で判断して、オラのことスケート滑れないって認識するし……」
花丸「梨子ちゃんは人の皮を被った餓鬼畜生ずら!」ウワーン
梨子(ど、どうしよう、正直に思ったことを言っちゃったよ……!)アワワ
花丸「のっぽパンを、コッペパンだなんて……!」ウワーン
梨子(でもこのデッサン、明らかにのっぽパンの大きさじゃないよね!? この大きさだと、フランスパンって言っても通じるよ!?)
花丸「……そりゃあ、のっぽパンがコッペパンくらい大きかったらいいのになあ、って思いながら描いたけど……」グスッ
梨子「……え、なんですって」 梨子「今、なんて言った?」
花丸「……のっぽパンが、コッペパンくらい大きかったらな……って」
梨子「……マルちゃん。デッサンはね……モデルをそっくりそのまま、描くのがデッサンだから……」
梨子「もちろん、描く人の認識の違いで、陰の付け方とか線の描き方は、同じモデルでも違ってきたりするけど……」
梨子「……自分の願望を覗かせて、わざとオーバーに描いたらダメよ……」
花丸「……のっぽパンをコッペパンくらいあったらいいな、って思ったらダメ?」
梨子「それを思うのはいいけど、デッサンするのには不要だよ……」 梨子「……まだお昼休みも時間があるから、美術室でデッサンの練習、しましょう?」
花丸「でももう、モデルののっぽパンは食べちゃったから、描くものはないよ?」
梨子「別にモデルはなんでもいいから」
梨子「……ていうか、お弁当の前なのにのっぽパン食べちゃったんだ……」 ーーー美術室
梨子「……ちょうど、みかんのレプリカがあったから、これをモデルに練習してみましょ」
梨子「マルちゃん、このみかんのレプリカを、よーく見てね。隅々まで観察をして、どんな構図で描くか考えるの……」
花丸「隅々まで……」ジロリッ
花丸「……これがもう少し、大きいみかんだったら嬉しいなあ……あと、色も濃いみかん色だったら……」
梨子「率直な願望は持たないの」 梨子「観察できたら、大まかに形を描いていくの」
梨子「光の当たり方で、形が変わって見えるところはしっかり意識をして……」
ピトッ
花丸「……あの、あのね、梨子ちゃん……指導してくれるのは、嬉しいんだけど……」
花丸「あの、その……お顔が、近いよ……///」
梨子「……マルちゃん、手が動いてないよ?」
花丸「……梨子ちゃん、あんまり気にしてないのかな……教えるのに夢中で……」
花丸「……吐息がくすぐったくて、オラ集中できない……///」 カキカキ カキカキ
梨子「……うん、だいぶみかんの形になってきたね」ニコニコ
花丸「……あ、あの……この、みかんの光沢はどうしたらいいのかな……///」
梨子「……濃淡をつけて、光沢を表したらいいと思うよ?」
梨子「ここの部分を濃い目に鉛筆でね……」
ギュッ
花丸「ひゃっ、……指、握られちゃった……///」
梨子「シャッシャッと色を強くつける感じに塗っていくの……」
花丸「指が、こ、こそばゆくて……鉛筆に力が入らない……///」
梨子「……色が薄くて、濃淡の差が無いよ?もっと濃く描かないと……」
ギュッ
花丸「強く握らないで……余計に緊張しちゃうから……///」
花丸(もしかして、昨日のこと根に持ってわざとやってるのかな……?)
チラッ
梨子「余所見しないで。ほら、お手手を動かして?」
花丸(……うぅっ、やっぱりそうだ、昨日のお返しだ……///)
花丸(……スパルタな梨子ちゃん……いつもと違うけど……なんだか嫌いじゃないや……///)
終わり >>385をテーマに
この子たち赤面してばっかだな >>411
ネタ拾ってもらってありがとうございます!
日々のストレスが軽減される〜 (今更ながら果南ちゃんの花丸ちゃんの呼び方は『マルちゃん』だったことに気づいた私) おはりこまる
他のメンバーみたいに雪が降っても外ではしゃがずにこたつでぬくぬくとくつろぐことを考え始めるりこまる ーーー内浦 コンビニ
花丸(ふふ、雪見だいふく、食べたくなって買っちゃった)
アーンッ
モニューッ
花丸「んふふー……」モグモグ
梨子「あら、マルちゃんそれ……雪見だいふくだね?」
花丸「うん。冬に食べる雪見だいふくは格別ずら」
梨子「ふふ、わかるなぁ。私も、雪見だいふく好きだよ」
梨子「……なんだかお口が急に雪見だいふくになっちゃった、梨子も買ってこよう、っと」
花丸「あぁ、梨子ちゃん待って……」 梨子「……売り切れてた……」シュン
花丸「オラの買ったやつで、最後だったから……」
梨子「まあ、仕方ないよね。売り切れてたんじゃ……」
花丸「梨子ちゃん。……オラの雪見だいふく、食べる?」
ヒョイッ
梨子「えっ? それは悪いよ。……二つしかないに、一個もらうのはちょっと……」
花丸「オラはいいの。……雪見だいふくは一人で食べてももちろん美味しいけど……」 花丸「……梨子ちゃんと二人で分け合って食べたら、もっと美味しいもん」
梨子「……ありがとう、それじゃあ今度梨子が雪見だいふくを買った時は、マルちゃんにもあげるね」
花丸「ふふっ、いわゆる『しぇあはぴ』ずら」
梨子「そんな言葉知ってるの? ミーハーね、マルちゃん」クスクス
終わり 千歌「二つ入りのやつより、ファミリーパックの雪見だいふく買って独り占めして方が幸せだよね」
曜「千歌ちゃん、もしかして天才?」
千歌「ふはははっ」
……私も雪見だいふくシェアできる子が欲しい(涙) ーーーそれは、二年生が体育の授業で
ーーーグラウンドでサッカーをしている最中のことでした
曜「あっ……! 千歌ちゃん、空見て空! 雪だよ!」
千歌「えっ、うっそ! ほんとだ、雪降ってきた!」
曜「これ、このまま降ったら……積もるんじゃない?」
千歌「うわーっ、降れ降れー! じゃんじゃん降れー!」 梨子「千歌ちゃんったら、サッカーそっちのけで子供みたいにはしゃいでる……」クスクス
よしみ「まあ、千歌ちゃんがあんなにはしゃぐのも無理ないよ、沼津って雪滅多に降らないから」
梨子「えっ? そうなの?」
いつき「沼津っていうか、静岡県全体的に雪は全然降らないの」
むつ「沖縄以外で雪が全く降らない県は静岡県だ、ってテレビで言ってたよ」
梨子「そんなに降らないんだ……。じゃあ、千歌ちゃんのテンションが上がっちゃうのも、頷けるね」 千歌「曜ちゃんよぅ……このまま雪が降って積もったらよぅ……『スノハレ』ができちまうぜぃ」ヒヒヒ
曜「いやいや千歌ちゃんよぉ、『スノハレ』する前に、雪合戦だろぉ?」キヒヒ
千歌「おぅおぅ、それもあったんだぜぇ……でもよぅ、チカはよぅ、かまくら作って、中でお餅焼きたいんだぜぃ」グヒヒ
曜「曜ちゃんもよぉ、お餅食べたいんだろぉ?」グヘヘ
千歌「おぅよ、一緒に食べるんだぜぃ?」ゲヘヘ むつ「……あのテンションの上がり方はおかしいよね」
いつき「グヘヘとかゲヘヘとか、笑い方がキマってなくない?」
よしみ「この白い雪の結晶って、実はもしかして別の白いヤツの結晶じゃ……」
梨子「……そんな訳ないよ……」
ようちか「ひっひっひっ……」 ーーーお昼休み
ーーー浦の星 図書室
花丸「へぇ……。千歌ちゃんと曜ちゃん、さっきの雪でそんなにはしゃいでたんだ」クスクス
梨子「はしゃいでた、というかテンションがすごくおかしくなった、というか……とにかく、喜んでたのは確か……かな?」
花丸「オラのクラスも、窓から雪が降っているの見えたとき、授業を中断してみんな窓にかじりついてたずら」
梨子「わざわざ授業ストップして見てたんだ……」
花丸「そりゃあ、久しぶりの雪だもん。多分、オラの小学生の頃以来の降雪ずら」 梨子「よっちゃんやルビィちゃんは、雪を見たとき、どんな様子だったの?」
花丸「ルビィちゃんは、『積もったら、うさぎの雪だるま作りたいなあ』ってウキウキしてたよ」
梨子「ふふっ、ルビィちゃんらしい願望だね」
花丸「よっちゃんは『積もったらどうせ滑って転ぶだけだから、今すぐ降り止んで欲しいわ』って言ってたけど……なんだか、ソワソワしてた感じだった」
梨子「口では嫌がっても、やっぱり嬉しいんだね、雪が降るの」 梨子「マルちゃんも、久しぶりに雪が降って嬉しいんじゃない?」
花丸「うーん、嬉しいけど……雪が降るとシンと冷え込むから、複雑かなあ……。寒いのは嫌だから……」
梨子「そうだね、確かに雪が降るときって、特に冷えるから。……でもマルちゃんには暖かいコタツと、おばあちゃん特製の半纏があるから、それがあれば寒さなんてへっちゃらなんじゃない?」
花丸「ふふふ、確かに無敵の組み合わせずら」 梨子「梨子も、寒いのはあんまり得意じゃないから……雪の降る寒い日は、コタツで猫みたいに丸くなりたいかな」
花丸「それなら、マルのコタツで一緒に丸くなろ? ……梨子ちゃんと一緒にぬくぬくしたいずら」
梨子「……窓から見える雪を眺めながら、マルちゃんとコタツで丸くなる、かぁ……。ふふっ、ちょっとダジャレみたい」クスクス
花丸「コタツで、みかんを一緒に食べたりしてね」フフッ 梨子『はいっ、マルちゃん……あ、あーん///』
花丸『あーん……///』
ハムリッ
花丸『……んふふ……じゃあ次はオラが。はい、あーん……///」
梨子『あ、あーん……///』
ハムリッ
花丸『……今、オラの指まで咥えた……///』
梨子『ご、ごめんなさい……つい///』
ポワンポワンポワーン 梨子「……みかん、食べさせあいっこ、する……?」カオマッカッカ
花丸「……えっ?」
終わり 雪が降ってる日はまったりのんびりしてるのがほんとに似合う 最近奇をてらったりこまるしか書けてないように思える
どうすればええんや…… ただ二人が仲良くイチャイチャしてるだけで十分癒やされます 二人でお互いの服をコーディネートし合うとかいいなぁ…
テンション上がってきて下着まで選び始めて途中で冷静になって赤面するりこまる ーーー梨子の部屋
ガチャリ
梨子「マルちゃん、おまたせ。飲み物持ってきたよ」
花丸「ありがとう、梨子ちゃん。何持ってきたの?」
梨子「… ココアと紅茶、今切らしてて……これしか無かったんだけど……」
コトッ
花丸「わあっ、甘酒ずら!」
梨子「……甘酒、大丈夫だよね?」
花丸「オラ、ココアも紅茶も、甘酒も大好きだよ!」ニコニコ
梨子「それなら良かった」フフッ ズビッ
花丸「ふふっ。……甘酒を飲むと、体がポカポカしてくるずら」
梨子「うん、体の芯から温まってくるよね」
ズビッ
花丸「ねぇ、梨子ちゃん。甘酒、って……お酒の仲間になるの? 子供でも飲めちゃうけど」
梨子「甘『酒』って名前だけど、甘酒に含まれるアルコールはほんのちょっぴりだけだから、法律的にはアルコール飲料じゃなくて、清涼飲料の仲間になるの」
梨子「……更に言うと、米麹から作るものと酒粕から作るもので、アルコールの含有量も違ってね」
梨子「今飲んでる甘酒は米麹から作られたものだから、アルコールはほとんど無いに等しいの」
花丸「へえー、お酒なのにお酒じゃないんだ……。不思議な感じずら」
ズビッ
花丸「……梨子ちゃん、おかわり欲しい!」
梨子「はいはい、今すぐ作ってくるからね」クスクス ズビッ
花丸「……ぷはっ」ニコニコ
梨子「良い飲みっぷりだね。ゴクゴク……とは熱くていかないけど、ズビズビ飲んでる」フフッ
花丸「だってこれ美味しいんだもーん」ニコニコ
梨子「そう? 気に入ってもらえて、嬉しいよ」
花丸「えへへぇ、もっとちょうだいよぉ///」
梨子「……マルちゃん?」 花丸「ねぇ、はやくつくってよぉ、梨子ちゃぁん///」
梨子「顔が赤いよ? もしかして、暖房効きすぎて暑いかな……?」
花丸「熱くなーいよ? 熱くない……じゅらぁ///」
梨子「じゅ、……じゅら!?」
花丸「もーいっぱい! もーいっぱい///」
梨子「テンションもなんだかおかしい……もしかしてマルちゃん、……酔っ払ってる!?」
花丸「じゅらぁー///」 梨子「この甘酒、アルコールは入ってないはずなのに……」
梨子「……パッケージ、確認しなきゃ」
ガチャリ
花丸「どぉこいくのー、梨子ちゃぁん///」 梨子「……えっと、成分表成分表……」
チラッ
梨子「……米麹、砂糖、酒粕……酒粕!?」
梨子「これ、酒粕も入ってたの!? ……だから、マルちゃん酔っ払って……」
梨子「……っていやいや、酒粕が入っててもアルコール度数なんて、そんなに高くは無いはずなのに……」
梨子「……マルちゃん、お酒にすごく弱いのかな……」
梨子「……どうしよう」 梨子「……とりあえずこれ以上、酔いが悪化するのもいけないから、飲ませるのは止めよう……」
ガチャリ
花丸「あー、梨子ちゃぁんおかえりぃー///」
梨子「……ごめんね、もう甘酒はさっきのでおしまい、おしまいなの……」
花丸「えー、無くなっちゃったのぉ、残念じゅらぁ///」
梨子「残念よね、美味しい甘酒だったのにね。さっ、マルちゃんちょっと落ち着こ……」
花丸「梨子ちゃぁん、オラと遊んでぇ///」 花丸「んふふふー///」
スリスリ
梨子「え、あっ、マルちゃん!? いきなり体を擦り寄って……///」
花丸「オラとぉ……今から一緒に遊ぶじゅら……にゃん!」
梨子「じゅら、にゃん!?」
梨子(方言に猫みたいな語尾を重ねてきた!?) 梨子(酔っ払うと人格が変わる、ってよくある話だけど……マルちゃんもそうタイプなの!?)
梨子(……それにしたって、なんか安易な変わり方というか……『ずらにゃん』って……)
スリスリ
花丸「梨子ちゃぁん、聞いてるぅー///」
梨子「あ、あんまりスリスリしないで……その……私の理性が……///」
花丸「じゃぁあ、遊ぶじゅら、にゃん!」
梨子「わかった、わかったから、……遊ぼう……///」
花丸「わーい///」 梨子(勢いで遊ぶ、って言っちゃったけど……遊ぶって……何をすればいいの……?)
チラッ
梨子(……ミ◯キーマウ◯のぬいぐるみ……)
梨子(まさか、これに反応するなんて……)
スッ
梨子「ほ、ほらぁ……マルちゃーん……ネズミさんだよぉ……ミッ◯ーが遊びたがってるよー……」ヒラヒラ
花丸「……!!」
梨子「あっ、物凄い反応」 花丸「にゃーん!」
梨子「わっ、飛びかかってきた!」
ヒョイ
花丸「……」ムッ
梨子(……◯ッキーちゃん、捕まえる寸前に避けたらちょっとマルちゃんの顔つきが変わった……)
花丸「……にゃーん!」
梨子「また来た!」
ヒョイ
花丸「……」ムスッ
梨子「……また避けたから、もしかして怒ってるの……?」
花丸「……にゃーんっ!!」
梨子「……えいっ」
ヒョイ
花丸「……むぅ」ムッスーッ
梨子(捕まえられなくて不機嫌になってる! ……えっやだ、表情に出てて可愛い///) 花丸「……」ムッスーッ
梨子「……ごめんね、からかって遊んで。ほら、ミッキ◯ちゃんあげる……」
花丸「……!!」
シュバッ
花丸「んふふー///」
梨子「……ミッキー◯ちゃん渡したら、機嫌良くなった」
花丸「んふふふー///」 梨子(……語尾でなんとなくわかってたけど、仕草や行動がとても、猫っぽくなってる……)
梨子(酔っ払うと、猫っぽくなっちゃうのね、マルちゃん……)
梨子(……猫っぽい、ってことは……)
梨子「マルちゃん、ちょっと……」
花丸「んー……なあに? 梨子ちゃぁん///」
梨子「……喉、撫でてもいい?」
花丸「もちろんいいじゅら、にゃん!」 花丸「……ほらっ、撫でて撫でてー///」クイッ
梨子「……それじゃ」
ナデナデ ナデナデ
花丸「……んっ///」
ナデナデ ナデナデ
花丸「んんっ……///」
梨子「変な声出さないでよぉ///」
ナデナデ ナデナデ
花丸「……ゴロゴロ、ゴロゴロ///」
ナデナデ ナデナデ
花丸「ゴロゴロ、ゴロゴロ……///」
梨子(ゴロゴロ言ってる! 撫でられて嬉しいんだね、マルちゃん!) 梨子「ふふっ、ちょっと満足……」ホクホク
花丸「……むふっ///」
梨子「……マルちゃんも、嬉しいの?」
花丸「もちろんじゅら、にゃん! ねえねえ、もっと遊んでよぉ///」
梨子「何をして、遊びたいの?」
花丸「……あのねぇ///」
コロンッ
花丸「……オラのお腹、撫でて///」
梨子「……!?」 梨子「あの、それはちょっと……」アワワ
花丸「ダメなのぉ? 嫌なのぉ///」
梨子「そういうのは、一線を越える的なアレであって……」アセアセ
花丸「……お願ぁい///」
ペラッ
花丸「……オラは大丈夫じゃら、にゃん?」
梨子「う、上着めくっておへそなんか見せちゃダメよ……///」 間違えた
花丸「……オラは大丈夫じゅら、にゃん?」 梨子(ううっ……でもマルちゃんのお腹……なんだか柔らかそう……ちょっと触ってみたい気も……///)
花丸「……お願ぁい///」
梨子「……縋るような目で、私を見ないで……///」
梨子(……こうなったら、もうこの場の雰囲気に任せるしか……ないっ!)
梨子「……わかった、マルちゃんのお腹……撫でてあげる、ね?」 ソロォーッ
花丸「……んん///」
ナデナデ ナデナデ
梨子「どう……気持ちいい?」
花丸「んふ……///」
フニッ
花丸「あぁん……っ……あんまりお腹 途中で送信しちゃった
ソロォーッ
花丸「……んん///」
ナデナデ ナデナデ
梨子「どう……気持ちいい?」
花丸「んふ……///」
フニッ
花丸「あぁん……っ……あんまりお腹は触らないでぇ///」
梨子「だって、柔らかそうだったから……つい……///」
フニッ フニッ
花丸「ダメなのぉ、オラのお腹触っちゃあ///」 ムニッ ムニッ
花丸「んっ、やぁ……だぁ、お臍の近く触らないでぇ///」
ムニッ ムニッ
梨子「へぇー……どうしてなの?」フフッ
ムニッ ムニッ
花丸「そ、こぉ……くす、くすぐったいのぉ……///」
ムニッ ムニッ
梨子「……可愛いお臍ね……私が雷様なら、取っちゃいたい、くらい」クスクス
花丸「やぁ、やぁ……と、取らないでぇ……オラのお臍ダメぇ///」 ーーーそして
梨子「……あれから私は一心不乱にマルちゃんのお腹を触り、撫で続けた……」
梨子「恍惚とした顔で心も体も満足したマルちゃんは、甘酒の酔いが回り……」
梨子「……短い暴走に終止符を打った」
梨子「そして今……」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……私の膝の上で寝ています……///」 花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……腰に手を回されて、膝の上で寝られたら……私身動き取れないよ……///」
梨子「……でも、まあいっか。マルちゃんの可愛い寝顔を間近で見れるし……」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……それにしても驚いたなぁ。マルちゃんがお酒にとっても弱いなんて……」
梨子「……これじゃあ、大人になった時に、一緒にお酒飲めないね……」フフッ
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……でも、いっか。お酒なんて飲まなくったって、いいの」
梨子「……マルちゃんと一緒に居られれば、ね……///」
花丸「……梨子ちゃん……」ムニャ
終わり 魔が差しました、以上です
>>444はまた別の時に書ければ 酔っ払って猫になっちゃったマルちゃん可愛すぎか…!
いちいちエロ可愛くてたまんないです……!! いつも保守して頂き、ありがとうございます。
今日は休憩…… ふぅ、と小さく息を吐く。
主人公の新たな決意と共に、長かった物語の旅路も、今ここで終着駅を迎えーーー
マルはパタリと、本を閉じた。
「あぁ、面白かった。最後の最後まで、ハラハラドキドキだったけど、ハッピーエンドずら」
読後の満足感が胸いっぱいに満ち溢れて、思わず笑みがこぼれてしまう。
どんなに長い物語であっても、途中で目も背けたくなるような展開が待ち受けていたとしてもーーー
読み終えた後の充足した幸福感が病み付きになるから、マルはいつも物語の世界に飛び込む。
時間も忘れて、文字が織りなす鮮やかな海の中をゆっくり泳いでいるとーーー
現実世界の時間の早さに、いつも驚いてしまう。
「もう、こんな時間……」
ーーー壁掛け時計の針は、もう一〇時半を指していた。 「そろそろお風呂に入らなきゃ……」
読み終えた本を机に置いて、マルは椅子から立ち上がって大きく伸びをした。
ふと、窓の方に目を向けた。
淡い黄色のカーテンの少し空いた隙間から、黒色が長細い線状に見えていてーーー
何気なく窓に近づいて、マルはカーテンをゆっくりと開けた。
窓の外は、隅から隅まで真っ暗闇で、星の光一つ煌めくことも無くてーーー
ただぽっかり穴が空いたように、まん丸の満月が夜闇の彼方に輝いていた。 敷き詰めた周りの黒色とは対照的に、白い光を放ってポツンと輝く満月。
そのコントラストの美しさに思わずマルは息を飲んでしまった。
あまりにも綺麗で、これをマルだけのお宝の発見にはしたくなくってーーー呟いてしまった。
「……このお月様、一緒に見たいなあ……」
マルは振り返って、机の隅に放りっぱなしにしていた携帯電話を取ると、電話帳を検索していた。 ーーーマルはメールは苦手だ。
携帯電話を買ってもらってから、ルビィちゃんやよっちゃんに色々と使い方を教えてもらった。
写真の撮り方だとか、インターネットの使い方だとか、便利な『あぷり』の取り方だとか。
当初は四苦八苦の連続だったけど、最近ようやく使うのにも慣れてきた。
けれど、メールだけはどうにもダメだ。
小さなキーボードを、指の先を使って文字を選んで打つことが、未だに難しい。
だから短い文章を作成するのに、相当な時間を要してしまう。
思いがけず違う文字を打ち込んでしまい、間違いを削除するのに今まで打ち込んだ全文を消去してしまって、もう一度同じ文章を打ち込んでまた同じ箇所で打ち間違いをして、とーーー堂々巡りをしてしまうのだ。 だから、連絡をするときはいつも、電話をしている。
大事な連絡事項のやり取りはもちろん、遊ぶ約束や些細な伝言だって、全て電話で行なっている。
口頭で伝える方が、マルにとっては確実で最速最良の方法なのだ。
よっちゃんは「メールが苦手なんて、今時のJKじゃないわね」と呆れていたけれど、マルは気にしていない。
『携帯電話』なのだから、マルはその名前通りの使い方をしているのだ。 だから、今夜も電話をかける。
電話帳の『さ』行を検索して、マルはある人の名前を見つけて、選択した。
「『さくらうち りこ』ちゃん……」
ーーー今宵、一緒に満月を見たい相手。
ダイヤルボタンを押して、マルは耳元に電話を近づけた。 まずは一回、呼び出し音が鳴る。
一回目の呼び出しでは、梨子ちゃんは出なかった。
間髪入れず、二回目の呼び出し音が聴こえてくる。
二回目の呼び出しでも、応答はなく。
三回目の呼び出しに移る。
三回目の呼び出し音も、梨子ちゃんに繋がることなく終わってしまった。
ーーーもしかして、もう寝ちゃったのかな?
そんな心配が頭をよぎる中、四回目の呼び出し音が鳴り始めた。 ーーー結局、十回程呼び出し音を鳴らしても梨子ちゃんは出なかった。
「やっぱり、もう寝ちゃったのかな……」
時間も時間だし仕方ないよねと思って、梨子ちゃんのことをおもんぱかんでも、マルの気持ちは寂しくなって。
矛盾したわがままな感情が、マルの心を覆い包んで、離さなかった。
「……お風呂、入ってこよう」
携帯電話を机に置いて、部屋の扉を開け、外に出ようとしたとき、突然着信音が鳴り響いた。 振り返って、マルは自分の携帯電話に飛びついて、画面に表示された着信の相手を確認する。
その名前を見て、さっき感じた寂しさがどこかに吹き飛んでいって、顔が綻ぶのが自分でもわかった。
「……梨子ちゃんっ!」
応答ボタンをすぐに押して、マルは耳に電話を引っ付けた。 「もしもし、マルちゃん? ごめんね、さっきまでお風呂に入ってて、電話に出られなくって」
「ううん、いいの。オラてっきり、もう寝ちゃったのかな、って思って」
「どうしたの? こんな時間に。何か緊急の連絡でもあった?」
「違うの、そういうのじゃなくてね。あのね……お月様、一緒に見よ?」
「お月様……?」 「窓から外を見てみて?」
マルがそう言うと、電話越しの梨子ちゃんはしばらく無言になって、パタパタと床を歩く足音が聞こえてきた。
足音が止まると、ガラッと大きな窓を開けるような音が続いて聞こえた。
どうやら、ベランダに出たみたいだ。
「わあ、綺麗な満月……!」
ややあって電話から、再び梨子ちゃんの声が聞こえてきた。
その声は、マルが今夜の満月を見つけた時と同じように、美しさに魅了された感嘆の声だった。 「すごい満月でしょ? 梨子ちゃん」
「うん、こんな満月が出てたなんて、気づかなかったよ、私」
「オラもね、なんとなく窓の外を見て、気づいたの」
「マルちゃん、教えてくれてありがとう」
「どういたしまして」
「本当に見事な満月……なんだか、吸い込まれちゃいそう……」 「ねぇ、マルちゃん。なんだか、あの満月……まるで別世界への入り口みたいね」
「別世界って、地球とは全く違う世界ってこと?」
「うん。もしかしたらお菓子の国の世界への入り口かもしれないね」
「それだったら、オラその世界に行ってみたいずら」
「私も、行ってみたい」
ーーー今、マルと梨子ちゃんは同じお月様を見ている。
けど、見ている場所はお互い離れていて全く別々。
なのに、二人で同じ場所で見ているように感じるのはーーー
電話をしながら、お月様を見ているから?
会話をやりとりしている電波が、場所という概念を飛び越えて、マルと梨子ちゃんを繋げさせたのかな? ーーーいや、きっとこれはお月様の力だ。
お月様の持つ不思議な力が、マルと梨子ちゃんを、繋げさせたんだ。
だから、電話の向こうでお月様を眺める梨子ちゃんの顔がーーー
月明かりに照らされた、優しい眼差しの梨子ちゃんが見えるんだ。 「あ、あの……梨子ちゃん」
「ん? どうしたの?」
「あの、その……つ……」
「……つ?」
「……月が、綺麗ですね……」 「……ごめん、今のはその、お月様の不思議な力のせいで、つい……」
「……つい、言っちゃったの?」
「……恥ずかしいから、聞かなかったことにして欲しいずら……」
「……それじゃあ、マルちゃん。梨子も……恥ずかしいけど、お月様の不思議な力のせい、ってことで、言うね」 「あなたとなら……死んでもいいわ」
ーーーマルは今、顔が燃えるように、真っ赤っかだ。
恐らく、電話の向こうの梨子ちゃんも、同じくらい赤面してるだろう。
なら、言わなければ良かったのだろうけどーーー
満月は昔から、時に人を狂わせる力を与える。
ーーーそう、これは全て満月のせいなのだ。
ーーーそういうことに、しておいて欲しい。
終わり この雰囲気すっごい好き…たまらんです……
離れた場所でも一緒に月を眺めながら時間を忘れてお話してる二人……いいですね! >>512
(それって褒められてるんですかね……?)
でも正直、臭いのは練習をしたいので、思いつき次第またやります
そんなわけで保守 甘々でキュンキュンくるやつ大好きだからどんどん来てほしいです!
楽しみにしてます これって臭いのか…?
りこまるにぴったりな雰囲気で大好きなんだが… >>515
梨子ちゃんと花丸ちゃんはこういう、純粋で文学的なやりとりというのが一番似合うかな、と思ってはいるんですが、もしかしたらこういうの「くっさ」とか思われたりしてないかな、って……
好んでもらえてるのなら、本当嬉しいです。
そして自ら保守するスタイル
舞妓さんにはいつも保守してもらい、申し訳ないので ここのSS大好きだから落ちてほしくないですし好きでやってるので気にしないでくださいな >>518
ありがとうございます、色々な形のを考えて、書ければと思ってます
そういうわけで自ら保守するスタイル りこまるSSはレアだからどんどん自由に書いて欲しいね 週末にAqoursで遊園地で遊びに行った時、自然と二人で手とか繋ぎながらゆっくりのんびりまわってるところを陰から写真撮られて学校の校内新聞にデカデカと載せられて全校生徒からひゅーひゅーされちゃうりこまる
とか見たいなぁ…(チラッ 二人の世界もいいけど周りからやいやい言われて顔真っ赤の二人もいいかもね 色々言ってもらえるのに、書けなくて申し訳ないです…… 今から正座待機されても困るずら……
ということで自分で保守するスタイル ーーー浦の星 中庭
花丸「ねぇねぇ、梨子ちゃん。梨子ちゃんはいつも、料理を作るときに気をつけてることってなあに?」
梨子「どうしたの、いきなり?」
花丸「いいから、オラに教えてほしいずら」
梨子「料理を作るときに気をつけてること、かぁ……」 梨子「そうだなぁ。当たり前だけど、材料や調味料を、目分量じゃなくてきちんと測って用意すること、かな?」
花丸「他には?」
梨子「他には……野菜やお肉を切るときに、その料理に合った切り方をすること、かな? 切り方一つで、味のつき方や、火の通りも変わってくるから……」
花丸「他には、他には? まだあるずら?」
梨子「どうしたの? 今日は随分、グイグイくるね」 梨子「あとは……。ふふっ、一つ大事なことを忘れてた」
花丸「なになに? それはなあに?」
梨子「……食べた人に美味しい、って言ってもらえるように作ること、だよ」
花丸「美味しい、って言ってもらえるように作ること……」
梨子「食べた人が笑顔で美味しい、って言ってくれたら、それだけで嬉しいから。だから、それが一番大事」
花丸「そっか……。そうだよね、食べた人が嬉しくないと、ダメだもんね」 花丸「ありがとう梨子ちゃん! 色々教えてくれて!」
梨子「どういたしまして。だけど、一体なんでそんなこと聞いたの……?」
花丸「ふふ、それは内緒ずら」
キーンコーン カーンコーン
花丸「あっ、予鈴が鳴り始めた!」
梨子「いけない、急いで教室に戻らなきゃ!」
花丸「それじゃあね、梨子ちゃんまた後でね!」
梨子「うん、また後で」 梨子「……マルちゃん、一体どうしたのかな……?」
花丸「よぉし、明日は頑張ろう……!」 ーーーそして翌日
ーーー浦の星 中庭
花丸「梨子ちゃん……」
梨子「あら、そのタッパーはなあに……?」
花丸「あのね、三限目の授業がね、家庭の調理実習だったんだけど……」
梨子「へぇ、そうだったの」
花丸「……これ、梨子ちゃんに食べて欲しいの」
梨子「……このタッパーに、調理実習で作ったお料理が入ってるの?」
花丸「……うん」 花丸「いつも、梨子ちゃんにお弁当とか、お菓子とか作ってもらってばかりだったから……オラ、頑張ったの」
梨子「……だから、昨日あんなことを梨子に聞いてきたのね」
花丸「こんなので、恩返しができるわけじゃないけど……けど、梨子ちゃんに美味しい、って言ってもらえるように、作ったから……」
梨子「……マルちゃんったら……」
花丸「どうぞ、マルのお料理……召し上がれ?」 梨子「……ありがとう、マルちゃん」
ナデナデ
花丸「……褒めるなら、お料理食べてからにしてほしいずら///」
梨子「それもそうだね。……何を作ってくれたの?」
花丸「タッパーの蓋、開けてみて?」
梨子「どれどれ……」
パカッ 梨子「……これは……」ゴクリ
花丸「調味料もちゃんと測って入れたし、お肉もお野菜も、なるべく綺麗に、気をつけて切ったんだよ?」
梨子「う、うん……」ゴクリ
花丸「さあ、食べてみて梨子ちゃん!」 梨子(え、えぇ……。まさかの青椒肉絲……よりにもよって、梨子の嫌いなピーマンをたっぷり使ったお料理なんて……)
花丸「どうしたの、梨子ちゃん? なんで固まってるずら?」
梨子(マルちゃんが一生懸命、作ってくれたのは嬉しいけど……でも、ピーマンかぁ……ピーマン死ぬほど嫌いなのに……)
花丸「……顔も引きつってるけど……」
梨子(……マルちゃんに日頃からそれとなくアピールしておくべきだったかな。『ピーマンは苦手』って……) 花丸「……もしかして、ピーマン苦手?」
梨子「えっ、あ! と、とんでもない! ピーマン好きだよ! 青椒肉絲とか、もう大好物!」
花丸「でも、反応がなんだか嫌いなものに直面したような感じだったずら……」
梨子「違うの! マルちゃんのお料理の出来栄えに感動しちゃって! ちょっと絶句してたの!」
花丸「そうだったんだ、オラてっきりピーマン嫌いで食べられないものかと……」
梨子(その通り! その通りなの! でも嘘ついちゃったの!マルちゃんの悲しむ顔が見たくなかったから!) 花丸「大好きなら早く食べてみて? 感想が聞きたいずら」
梨子「う、うん……」ゴクリ
梨子(んんん……食べなきゃ……せっかくマルちゃんが作ってくれたんだもの……)
梨子(……これはピーマンじゃない、そうこれはピーマンじゃなくてピーマンっぽい見た目の新種のお野菜、そう思い込んで口に入れよう……)
梨子「……ピーマンじゃない、これはピーマンじゃない……これはピーマンじゃ……」ブツブツ
花丸「なにブツブツ言ってるの?」 ヒョイッ
梨子(これはピーマンじゃない、ピーマンじゃない何か……)ゴクリ
梨子(……いきますっ!)
アーン
パクーッ
花丸「どう? 美味しい? 美味しい? 美味しいずら?」ワクワク
梨子(あーん、やっぱりピーマンだこれぇ……)モグモグ 梨子(うぅ、苦い、苦いよぉ……)モグモグ
花丸「ねぇねぇ、感想聞きたいから早く飲み込んでよお」ワクワク
梨子(う、うぅぅ……)モグモグ
ゴックン
梨子「……うぅ」
花丸「どう? 美味しかった?」
梨子「……う、うん……」ニィッコォリ
花丸「やったー!」ワーイ
梨子(味付けは美味しいよ、お肉も柔らかかったよ。けど、けどピーマンの苦味がぁ……)ヒーン ーーーそのまま梨子は
ーーー口内でピーマンの苦味と格闘しつつ
ーーー表情は笑みを絶やさないよう
ーーー花丸の作った青椒肉絲を食べきりました
梨子「……ごちそう、さま、でした……」パチン
花丸「お粗末さまでした!」ニコニコ 梨子(……口の中に苦いのが残ってる……)
花丸「完食してくれた! あー、良かった!」ニコニコ
梨子(……これで私は、マルちゃんにピーマンが大好きな女の子として認識されちゃった……もしかしたら、これからピーマン料理とか作ってくるのかな……)ウプッ
花丸「梨子ちゃんがそんなにピーマン大好きとはオラ知らなかった! 今度はピーマンの肉詰めにチャレンジしてみるずら!」
梨子(ああ、やっぱり……) 梨子(……でも、今日からピーマン嫌い、克服していこうかな……)
梨子(だって……)
花丸「えへへぇ、梨子ちゃんに『美味しい』って言ってもらっちゃった///」
梨子(こんな可愛いマルちゃんの笑顔が見れたんだもの……この笑顔を裏切る真似はできないから……)
梨子「……また、梨子のためにお料理作ってね、マルちゃん」
ナデナデ ナデナデ
花丸「……んふふ、もちろんずら///」
梨子(でもできればピーマン以外のお料理にしてね)
終わり 色々リクエストもくださってるけど、とりあえずこんなのでごめんなさい 乙です!
梨子ちゃんの優しさとマルちゃんの大好きな人に何かしてあげたいっていう気持ちが伝わってきて癒される… マルちゃんの笑顔を守るために苦手なピーマン食べきる梨子ちゃんマジ聖母 ーーースクールアイドル部 部室
メイ*σ _ σリ 「私ね、一つ疑問に思ってたことがあるの」
ノcノ,,・o・,,ノレ「疑問? 疑問ってなあに?」
メイ*σ _ σリ「……あなたのね、その……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 👈
ノcノ,,・o・,,ノレ「……オラを指差して、どうしたの?」
メイ*σ _ σリ「……ここ」
ノcノ,,・o・,,ノレ
🖕
メイ*σ _ σリ「ここって、口? それとも鼻?」 ずれた
ノcノ,,・o・,,ノレ o👈
メイ*σ _ σリ「ここって、口?それとも鼻?」 ノcノ,,・o・,,ノレ「な、なな……」
ノcノ,,`o´,,ノレ「……ここは口ずらー! オラ、こんなピエロさんみたいなお鼻じゃないよ!」
メイ*> _ <リ「ご、ごめんなさい! てっきりお鼻かと……」
ノcノ,,`o´,,ノレ「じゃあオラ、どうやってご飯食べるの!?」
メイ*> _ <リ「そ、それもそうだよね……」 ノcノ,,`o´,,ノレ「堪忍袋の尾が切れたずら! 怒髪天を衝くずら!」
ノcノ,,`o´,,ノレ プンプンスコスコ
メイ*σ _ σリ「……あの、ケーキ作ってきたんだけど……」
メイ*σ _ σリ 🍰
メイ*σ _ σリ「……食べる?」
ノcノ,,`o´,,ノレ「……」
ノcノ,,・o・,,ノレ「……食べる」
メイ*σ _ σリ(あっ、機嫌直してくれた) ノcノ,,・o・,,ノレ 🍰 モグモグモグモグ
メイ*σ _ σリ「……美味しい?」
ノcノ,,^o^,,ノレ 「……うん、とっても美味しい!」
メイ*^ ᴗ ^リ 「ふふっ、それなら良かった。腕によりをかけた甲斐があったよ」 ノcノ,,^o^,,ノレ 「クリームが甘々で、スポンジケーキがフワフワずら……」
メイ*^ ᴗ ^リ 「うふふ……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「……ねえねえ、なんでオラのこと、そんなニコニコ笑顔で見つめてるの?」
メイ*σ _ σリ「……えっ?」 ノcノ,,・o・,,ノレ 「なんだか気になるずら」
メイ*σ _ σリ「……だって、私が作ったお菓子やお弁当を食べてる時……」
メイ*σ _ σリ「……たくさん頬張って食べるから、リスさんとかハムスターさんみたいで……」
メイ*^ ᴗ ^リ 「とっても可愛いから」
ノcノ,,*o * ,,ノレ 「……うぅ……///」
メイ*σ _ σリ「……どうしたの? 食べる手が止まったけど……」
ノcノ,,*o * ,,ノレ 「そんなこと言われたら、恥ずかしくって食べられないよぉ……///」
終わり 顔文字SSやってみたくなったので
古き良きブーン系小説みたいでとっても愛らしくて好きなんですよ おはりこまる
梨子ちゃんがよくマルちゃんの頭なでなでしてるけどマルちゃんの髪ってすっごいサラサラしてて撫で心地めっちゃ良さそう…
梨子ちゃんの髪もだけど髪のきれいな女の子っていいよね…… >>573
マルちゃん髪の毛サラッサラには完全同意
ただ撫で撫でしたい
そして自分で保守するスタイル >>573
|c||^.-^|| ワタクシもサラっサラサーティですわよ。 梨子ちゃん、マルちゃん、善子ちゃん、ルビィちゃん、千歌ちゃん、ダイヤちゃん、果南ちゃんはサラサラヘアー
曜ちゃん、鞠莉ちゃんはフワフワヘアー
Aqoursメンバーの髪の撫で心地めっちゃ良さそう 今月号のG'sを読んで、花丸ちゃんとゴロゴロの親和性の高さを改めて感じました
梨子ちゃんと花丸ちゃんがゴロゴロしてるだけの光景を見たい(見たい)
というわけで保守 おはりこまる
ごろごろ大会第二回目の開催が急がれる…! 前にマルちゃんが酔っ払ったら猫っぽくなったけど梨子ちゃんがもし酔っ払ったらどうなるだろう?
笑い上戸?泣いちゃう系?誘惑系ってのも捨てがたい… 酔っ払いネタは想像が膨らみますよね……
梨子ちゃんはどうなるんだろ……
……とりあえず、別のネタになりますけど、夜にでも書ければ 女豹のように妖艶にマルちゃんを誘惑して顔真っ赤にさせる梨子ちゃんか…
幼児退行してめちゃくちゃ甘えん坊になるか…
妄想が膨らみますね〜
待ってます! ヘアアレンジ梨子ちゃん可愛すぎか…
二人でヘアアレンジし合いっこしてたら普段見えないうなじを見たり、髪の匂いに頭クラクラになるりこまる ーーー雪の滅多と降らない沼津ですが
ーーー冬は思わず体を縮こませてしまうような、強い空っ風がよく吹きます
ーーー昨日も一昨日も、身を凍えさせる寒風が海沿いの町、内浦を吹き荒れていました
ーーーですが、今日はその寒風もなりを潜め、珍しく風もなく、冬の太陽が柔らかな日差しを町全体に届ける一日となっていました
ーーー花丸と梨子は、花丸のお寺の本堂の縁側に座布団を敷いて
ーーー日向ぼっこをしていました 花丸「今日は良いお天気ずら」
梨子「昨日あれだけ吹いてた冷たい風も、嘘みたいに止まってるね」
花丸「ほら見て。お天道様も、なんだかご機嫌だよ?」
梨子「うん、最近はずっと灰色の雲がかかって、霞んでたからね。太陽の光も、なんだか優しい」 ーーー日差しを積極的に取り入れ
ーーー柔らかな暖かさが梨子と花丸の体を包み込みます
ーーー粗茶の入った湯呑みに手を添え
ーーーほぼ同時に口をつけ、ゆっくりと飲む二人
ーーーあまりにぴったりのタイミングだったので
ーーー梨子と花丸は、顔を見合わせてクスクスと笑い合いました 花丸「梨子ちゃん、この羊羹美味しいよ?」
梨子「それじゃあ、いただきます」
アーンッ
パクッ
モグモグ
梨子「……ふふっ、餡がとっても甘い」ニコニコ
花丸「この羊羹と、今飲んでるお茶がとっても合うんだよ?」
梨子「うん、確かにこの餡の甘さとお茶の苦味が、ちょうどいい塩梅になるね」 花丸「オラ、ここの縁側で日向ぼっこするの、大好きなんだ」
花丸「座布団に座りながら、本を読むのもいいし……」
花丸「お茶を啜りながら、羊羹を食べて過ごすのもいいの」
梨子「うん、私も始めてここで日向ぼっこをするけど……マルちゃんの言うことがわかるよ」
梨子「なんだか、心が落ち着いて……時間がゆったり感じるもの」
花丸「いつでも、日向ぼっこしに来ていいんだよ?」
梨子「ありがとう、マルちゃん」 ーーー二人が談笑していると
ーーー突然、花丸が何かに気づいてお喋りを止めました
梨子「……どうしたの、急に?」
花丸「ねぇ、梨子ちゃん。突然だけど……縁の下には、何がいると思う?」
梨子「……縁の下、には? ……なんだかそれ、『桜の樹の下には』みたいな質問だね」
花丸「そうだね。桜の樹の下には、屍体が埋まっているけど……縁の下には流石に屍体はないずら」
梨子「じゃあ、何がいるの?」
花丸「ふふっ、それはね……猫ちゃんずら」 ーーー花丸が縁側から身を乗り出して、床下を覗き込みます
ーーーそれに続いて、梨子も一緒に床下を覗き見ると
ーーー逆さまになった視界の、暗闇の奥の方で
ーーー目を光らせた一匹の猫が
ーーー身を屈めて、うずくまっていました 梨子「もしかしてマルちゃん、この猫ちゃんに気づいてたの?」
花丸「うん。さっき、微かに鳴く声が聞こえたんだ」
ーーーおいで、おいでと花丸が優しく声を掛けると
ーーーうずくまっていた猫の体がむくり、と起き上がり
ーーーのそのそとゆっくり、床下から出て来たのでした ーーー床下から現れた猫を、花丸はよいしょ、と胴を抱いて、持ち上げました
ーーー額の黒い毛が顔の半分を覆う、白黒の斑模様のハチワレ猫は
ーーー花丸に抱き抱えられても嫌そうに抵抗もせず
ーーー大人しく、花丸の腕の中に収まっていました
梨子「すごく大人しいね。もしかして、マルちゃんの家の飼い猫ちゃん?」
花丸「違うよ。この子は野良猫ちゃん。けど、このお寺の床下を間借りしてて、じいちゃんも、お父さんもみんな可愛がってるから……。半分くらいマルのお寺の飼い猫ちゃんみたいなものかな?」
梨子「名前は、ついてるの?」
花丸「じいちゃんもお父さんも、特に名前なんて呼ばずに可愛がってるけど……オラはこの子のこと、『ワガハイ』って呼んでるよ」
梨子「……『ワガハイ』?」
花丸「そう、『ワガハイ』は猫の名前である、ずら」
梨子「なるほど、夏目漱石ね……」 ーーー花丸は猫のワガハイを膝の上に置くと
ーーーワガハイは安心した様子で体を落ち着かせて、くるりと背と尻尾を丸めて、収まりました
ーーー花丸が優しくワガハイの頭を撫でると
ーーーゴロゴロと喉を鳴らして、目を細めました
梨子「人間慣れしてるね」
花丸「ハチワレの猫ちゃんは、人懐っこい性格なんだって。じいちゃんが言ってたよ」
梨子「へぇ……じゃあ生まれつき人見知りしない子なのかな。……羨ましいなあ」
花丸「梨子ちゃんも、ワガハイちゃん、抱いてみる?」
梨子「……この子と初対面だけど、大丈夫かな? 引っ掻かれないかな……」
花丸「大丈夫、この子はそんな荒っぽいことはしないから。心配無用ずら」 ーーー花丸は膝上のワガハイを抱いて上げ
ーーー梨子の方に差し出しました
ーーー恐る恐る、梨子は花丸からワガハイを受け取ると
ーーーこれまた恐る恐る、膝の上にゆっくりと置きました
ーーーワガハイは、初対面の梨子に対し特に何も警戒するそぶりを見せず
ーーーさっきと同じように、背を丸めてすっぽりと収まりました
ーーー梨子はホッとして、花丸の方を向いて微笑むと
ーーー花丸も微笑みを返しました 梨子「良かった、引っ掻かれなかった……」
花丸「ワガハイちゃんは優しい猫ちゃんだから、梨子ちゃんみたいに優しい人が大好きなんだ」
梨子「……じゃあ、マルちゃんのおじいちゃんやお父さん、それにマルちゃんに懐いて当然だね」
花丸「……えへへ」
ーーー梨子の言葉に、花丸も照れを隠せず、頭を掻きました 花丸「梨子ちゃん。ワガハイちゃんはね、喉を撫でられるととっても喜ぶんだよ?」
梨子「そうなの?」
花丸「優しく、やさーしく、撫でてあげてね?」
梨子「……この間の、マルちゃんみたいに?」クスクス
花丸「……なんのこと?」
梨子「ううん、なんでもない。私だけの話」クスクス
花丸「……?」 ーーー梨子は指をワガハイの喉元に近づけると
ーーー花丸の言葉通り、優しくやさーしく、喉を撫でてあげます
ーーーすると、ワガハイの顔は目尻が下がったようになり
ーーー普通、無表情で分かりにくい猫の顔が、誰が見てもわかるような破顔した表情で
ーーーゴロゴロと喉を鳴らす音も、先程よりも一段と大きく聞こえました
ーーー喉を撫でられるのが余程気持ちいいのか
ーーー丸めていた体を、梨子の膝の上で踊るようにウネウネと動かします
ーーー思いがけない反応に、梨子もなんだか面白くなってしまい
ーーーそのまま喉を指で撫で続けていると
ーーーワガハイの体はゴロンと仰向けになって、無防備なお腹を二人に見せました 梨子「……あら、ワガハイちゃんって……オスなの?」
花丸「うん、そうだよ。だってほら、尻尾の付け根の近くに……」
ポロン
花丸「……キンタマがついてるずら?」
梨子「……女の子がき、き……キン、タマとか言っちゃダメよ……///」
花丸「ええ? でもキンタマはキンタマだし……」
梨子「それは、そうだけどぉ……」
花丸「梨子ちゃん、この歌歌ったことない? 『たんたんたぬきのキンタマはー♪ かーぜにゆーられてぶーらぶらー♪』って……」
梨子「知ってるけど……その、はしたないというか……///」
花丸「……多分、はしたないと思う梨子ちゃんの心がはしたないと思うずら……」 ーーーワガハイを膝の上に乗せて、梨子と花丸は日向ぼっこを続けていると
ーーー庭の隅に植えられた、赤い花を何個かつけた椿の木の根元の影から
ーーー猫が一匹、こちらの様子を伺っているのを
ーーー梨子が発見しました
梨子「マルちゃん、あの椿の木の影にいる猫も、ここのお寺を間借りしてる子なの?」
花丸「あの子は……見たことの無い子ずら。もしかして、新しい同居猫ちゃんかな……?」 猫になってマルちゃん、梨子ちゃんに抱っこされたり喉とかお腹とかなでなでされたりタマタマ見つめられたりしたい… ーーー二人が新たに現れた猫の素性を想像していると
ーーーその気配を察知した梨子の膝上のワガハイが突然
ーーー寝かしていた耳をピンと立て、丸めていた体を起こして
ーーー梨子の膝から飛び退いて、椿の下に佇んでいた猫の元に近づいていきました ーーー椿の木の影から現れた三毛猫は
ーーー近づいてきたワガハイの顔を見るや否や
ーーーその体をワガハイにすりすりと擦り寄せました
ーーーペロペロとワガハイが三毛猫の顔を毛繕いするように舐めると
ーーー三毛猫の方も同じようにペロペロ舐め返します
ーーーにゃーお、と甘い猫撫で声を上げ合い、仲睦まじく戯れ合う二匹の姿を見て
ーーー梨子と花丸は、二匹の関係性を全て理解しました 花丸「……あの二匹は、恋人同士だったんだね……」
梨子「うん、そうだね……」
花丸「こんな天気の良い日なんだもの、猫だって、日向ぼっこデートがしたくなるよね……」
梨子「人間も猫も、好きな人と一緒にいたくなるよね……」 ーーー二匹の戯れ合う光景に
ーーー何故か二人は気まずくなって、梨子と花丸は口を噤んでしまいました
ーーー静寂が暖かな縁側を覆って包んで、梨子はこの空気を少々重く感じました
ーーーどうしようかと、梨子が思案していると
ーーー花丸が、口を開けました
花丸「……まるで、梨子ちゃんと……オラみたい、ずら……」
ーーー静寂をぬぐい払うように、弱々しく、照れながら呟いた
ーーー花丸の恋慕の例え
ーーーそれを聞いた梨子は、顔が紅潮するのを感じながらも
ーーー振り絞った声で
梨子「……うん」
ーーー肯定の返事を紡ぎました 花丸「……隣、もうちょっと近づいても、いい?」
梨子「……いいよ、おいで」
ーーー花丸は梨子の隣にそっと近づいて寄り添うと
ーーーその肩に、自分の頭を乗せて、梨子に自分の体を委ねました
ーーー上目遣いで梨子の方を見つめる花丸の顔は
ーーー梨子と同じように紅潮していて、少し瞳も潤んでいました
ーーーその顔がたまらなく愛おしくて、可憐しく、守りたいと思った梨子は
ーーー優しく目を細めて、そのままゆっくりと
ーーー二人の影は、一つに重なりました
終わり 色々ご想像にお任せします
ていう風な想像ができる感じになってればいいな これは実はマルちゃんが夜な夜な書き続けてきてた小説でそれを梨子ちゃんに見られてしまってマルちゃん大爆発しちゃうっていう展開を妄想してよろしいですか? >>621
その発想は無かった……そういうのもありか…… ーーー浦の星 中庭
花丸「あの、梨子ちゃん。さっき家庭科の調理実習でね……アップルパイを、みんなで作ったんだ」
花丸「良かったら……食べてくれる?」
梨子「へえ、アップルパイを。……もちろん、いただくよ」
花丸「えへへ、ありがとう……」
ヒョイ
パクッ
梨子「んむんむ……」モグモグ
花丸「ちょっと時間が経っちゃったから、食感は少しサクサクしてないかもしれないけど……どうかな?」
梨子「うん、美味しいよ。りんごが甘く煮詰めてあって、パイ生地もサクサクしてる」フフッ
花丸「はぁー、良かった。梨子ちゃんに喜んでもらえたずら……」 梨子「……そういえば、その指の絆創膏はどうしたの?」
花丸「ああ、これ? ……実はこれ、りんごを切るときに指も切っちゃって……」
梨子「そうだったの? 大丈夫……?」
花丸「大丈夫。幸い傷は浅いし、血もすぐに止まったし……」
梨子「……マルちゃん、指に傷を負うくらい、頑張って作ってくれたんだね」
花丸「ちょっと仰々しくない? 確かに、梨子ちゃんに美味しい、って言ってもらいたくて、頑張ったけど……」
梨子「……じゃあ、その傷は名誉の負傷、ってわけだね」
花丸「やっぱり仰々しいずら。……そう言われたら、そんな気もしなくはないけど……」 梨子「……名誉の負傷を負ったマルちゃんに、勲章を授けないと、ね……」
花丸「お、オラの手を握って、何するの……?」
ペリッ
花丸「指の絆創膏を剥がして、どうするの……」
梨子「……花丸二等兵に、勲章の授与を」
チュッ
花丸「……! き、き、傷口に……キスは不衛生ずら……///」
梨子「……マルちゃんの手だもの、汚くなんか、ないよ……」
花丸「だ、誰かが見てたらどうするの……///」
梨子「……誰かが見てたって、誤魔化せばいいし……梨子は別に、その……見られてたって構わないから……///」
花丸「……見られて大丈夫なら、そんな赤面しないでほしいずらぁ……///」
ーーー幸い、誰も見てなかったとさ
終わり 仕方ない…
これは仕方ない……
甘々いいですわゾ^〜 昨日のスクフェスストーリーみて思ったけど雪降ってお家でゴロゴロもいいけどテンションマックスになったまるちゃんに振り回される梨子もいいかもしれないと思った >>628
積雪に対してテンション上がるマルちゃんも可愛いかも……
どうせなら二人で雪見旅行とかしてもらいたいですね…… >>630
僕そんなポンポン書けるタイプじゃないので……だいぶお待ちいただくことになるかもしれませんが >>629
当然雪見温泉・雪見露天風呂も…
あるいは、ひなびた温泉宿に二人して投宿、ちょっと大人の味を
試してみる?とばかりにどこからか調達した地酒一合でほろ酔いになり…
まぁスクールアイドルに飲酒なんぞもっての外、ですがね >>632
お酒を飲み交わすなら、やっぱり大人の方がいいですね……
駅のホームで二人きりで雪国行きの電車を待つりこまるとか絵になる(確信) >>633
>雪国行きの電車
それは良さそうだなぁ
川端康成『雪国』の聖地巡礼(上越国境越えた湯沢温泉)とか絡めると
花丸さんも乗ってきやすいw >>634
「国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった」
って情景にすごい憧れは持ってそうではありますね笑
でももし高校生が北陸まで行こうとするとお金が沢山かかるから……
沼津から行ける雪国だと、やっぱり長野とか、山梨かな……? >>636
静岡でも箱根や御殿場は雪も降りますかね
それだと近い気もするけど……お金はかからなさそう笑 >>637
あの辺りは雪降りますよ〜
まぁ雪国というほどではありませんが、北の方で標高も高いので、
都心や沼津三島伊豆付近よりは… おはりこまる🌸💮
二人で仲良くのんびり旅行ってのもいいですね〜 >>638
確かに箱根駅伝の時に道脇に雪が積もってる映像が流れてたり、御殿場でも積雪があったことをニュースで報じたりしますものね
高校生二人がなけなしのお金を出し合って、秘密の旅行をするってセカチューみたいだな……笑
というわけで保守 自分の部屋の鏡の前で
何度も何度も、目を配らせてチェックをする
形、良し
バランス、良し
二房に束ねた、マルの髪
手で持ち上げて、出来栄えを確認する
ーーーふふふ、完璧に結べたずら
ピンクのシュシュで束ねたツインテール
梨子ちゃんのと色違いのシュシュで束ねた
ーーーツインテール それは、梨子ちゃんの提案
ーーー二月二日って、ツインテールの日なんだって
ーーーだからその日、二人でツインテールにして
ーーーデート、しよっか
自分で言ったことなのに
梨子ちゃんは顔を赤くして、恥ずかしがってたから
オラはつい、クスリと小さく吹き出しちゃって
梨子ちゃんはそれを見て、ほっぺを小さく膨らましたから
ーーーうん、二人でお揃いの髪型にしよう
って快諾すると
梨子ちゃんはーーー小さく微笑んで頷いた 沼津の雑貨屋さんで買った
一組のシュシュ
梨子ちゃんとマル
お互いの好きな色のシュシュを入れ替えっこして
結ぶシュシュ
ーーーいつだって、好きな人が隣にいるようにと
そんな思いの入れ替えっこ
ーーーそれはマルと梨子ちゃんを結ぶシュシュ
ーーー二つが一つに結ぶシュシュ 足取りをスキップさせて
オラはバス停に向かうの
ツインテールをピョンと弾ませて
オラはバス停まで向かうの
そこには梨子ちゃんが待ってるの
同じ髪型をした梨子ちゃんが
ーーー色違いのシュシュで髪を束ねた梨子ちゃんが
ーーーふふふ 黄色のシュシュでツインテールを結んだ梨子ちゃん
いつもと違う、髪型の梨子ちゃん
今日はいつもより特別な梨子ちゃん
オラだけに見せてくれる、特別な梨子ちゃん
ついつい、にやけて笑ってしまう
ーーーそんなに似合ってない?
不安そうに尋ねる梨子ちゃんに
ーーーううん、バッチリずら
オラは不安を吹き飛ばす笑顔で答える
ーーーそれなら良かった
梨子ちゃんはやっぱり、優しい笑顔が似合うよ バスがやってきて、マルと梨子ちゃんは乗り込んだ
いつもは沼津までお出かけだけど
今日はいつもと違う場所
今日は全然知らない場所
ーーーいつもと違う髪型にするなら
ーーーいつもと違う場所に行こう?
これも梨子ちゃんの提案
いつもと少しだけ違うだけで
胸がなんだか高鳴るの
ドキドキ、ドキドキ
バスの中は、梨子ちゃんとオラと、疎らに数人お客さん
ーーーこのときめきが、どうかどうか梨子ちゃん以外にはバレませんように バスを降りたらそこは知らない街
オラも行ったことのない、初めての街
当然、梨子ちゃんも初めての街
でもね、不思議と不安は無かったの
だって隣に梨子ちゃんがいるんだもの
梨子ちゃんも、オラがいるから怖くないのかな?
もしそうだったなら、オラ嬉しいな
ーーー行こっか、マルちゃん 知らない街並みを、ずんずんと歩んで行く
知らない道
知らない看板
知らないお店
どの景色もみんな新鮮で
オラは思わず指を指して梨子ちゃんに尋ねるの
ーーーあれ、なんのお店かな?
ーーーうーん、一体なんだろうね
そんなやり取りがただ楽しくて
何度も何度も、聞き返す
何度も何度も、指を指す その時見つけてしまった
蹲って泣いている一人の女の子
知らない街だからといって
そういう子を見かけたら放っておけなくって
マルと梨子ちゃんは、その子に近寄っていったの
ーーーどうしたの? なんで泣いてるの?
オラはその子の肩を叩いて呼びかける
すると、泣きすぎて目を腫らせた
うさぎの目みたいになった女の子の顔が振り返った ぐすり、ぐすりと鼻をすすり
嗚咽を漏らしながら、女の子はたどたどしく漏らし始めた
ーーーあ、の、ね
ーーーうん、なあに?
ーーー手首に巻いてたシュシュをなくしちゃったの
ーーーどんな、シュシュ?
女の子は、オラの髪を束ねるシュシュを指差した
ーーーお姉ちゃんがつけてるのと同じやつ ピンク色のシュシュなら
割と目立つから、もしかしたら見つけられるかも
オラと梨子ちゃんは、その女の子と一緒に探し始めたけど
けど、そう簡単に見つからなくって
下を向いて、歩道のあちこちを探したけれど
結局見つからなくて
女の子はますます泣いてしまったの
ーーーどうしよう、お気に入りだったのに 女の子の泣き声と、さっきの一言が妙に耳に残って
オラは思わず、片方の髪を束ねていたシュシュを外して
女の子に渡したんだ
ーーー泣くのはやめて? お姉ちゃんのシュシュをあげるから
ーーーいいの? お姉ちゃん
ーーーうん、いいよ。お姉ちゃんは大丈夫
女の子は涙を手で拭って
オラのシュシュを受け取って、自分の手に巻くと
途端にその子に笑顔が戻って
ーーーありがとう、お姉ちゃん
お礼を述べて頭を下げると、女の子は去っていった ーーーふふっ、よかったずら
ーーーマルちゃん、よかったの?
ーーー女の子が泣き止んでくれたなら、それでいいの
うん、それでいいの
それでよかったの
せっかくお揃いにしたけれど
困った人は見過ごせないから
誰かの笑顔が見れるなら
オラは、自分のことは厭わないから
ーーー善行をしたはずなのに
ーーーなんだか心はチクリと痛む 二人でお揃いツインテール
今は梨子ちゃんだけツインテール
今のオラは片方だけのツインテール
二人でお揃い色違いのシュシュ
今は梨子ちゃんだけ揃ってる
今のオラは片方だけ色違いのシュシュ
お揃いは不揃いに
完全は不完全に
気づいた時には遅かった
ーーーオラの善行は、梨子ちゃんにとっては悪行になってしまった ーーーごめんなさい
ーーーどうして謝るの?
ーーーだって、梨子ちゃんとお揃いにしてたのに、オラ
ーーーマルちゃんは優しい子だもの。泣いてる子を放っておけなかったんだよね
ーーーでも、その優しさで、梨子ちゃんを傷つけちゃった
ーーー私は傷ついてないよ? むしろなんだか誇らしいというか
ーーーけど、もうこれでお揃いじゃなくなっちゃった オラが俯いて目を背けてると
梨子ちゃんも、片方の髪を束ねていたシュシュを解いて
左腕に巻いて、オラに見せた
ーーーほら、梨子もこれでマルちゃんの同じ髪型だよ?
ーーーオラにあんまり気を使わないでほしいずら
ーーー気を使ってなんかないよ?
ーーー嘘ずら。だってそれだと、ツインテールじゃないし。本末転倒ずら
ーーー本末転倒じゃないよ、ちゃんと、ツインテールになるよ?
ーーーどういうこと? オラが聞き返すと
梨子ちゃんはゆっくり目を細めて
シュシュを巻いた左手で、オラの右手を握った
ーーー私とマルちゃん、二人で一つのツインテールになっちゃ、ダメ?
ギュッと指を絡めて繋がれた左手と右手が
なんだか面映ゆく、手をほどきそうになったけど
ーーーそれでも、梨子ちゃんの優しさが嬉しくって
いつのまにか、オラは笑っていた
ーーー良かった、マルちゃんに笑顔が戻った マルと梨子ちゃん
片方ずつの不揃いツインテール
だけど、手を繋げば
二人が結ぶ、一つのツインテール
髪の色も
背の高さも
全然違う、非対称ツインテール
けれど、世界に一つのツインテール
マルと梨子ちゃんにしか作れない、たった一組のツインテール
ーーーさあ、デートの再開ずら
終わり 日付変わったけど、二月二日はツインテールの日なので、それをテーマにちょっとポエミーなのを目指してみました 何だか歌というかミュージカルみたい
マルちゃんと梨子ちゃんの優しさに溢れたいいお話でした
二人が結ぶ一つのツインテールってフレーズが素敵です ーーー梨子の部屋
花丸「……梨子ちゃんのお部屋、床がポカポカしてゴロゴロしてると気持ちいいずら……」
梨子「床暖房、そんなに珍しい?」
花丸「オラのお家は、暖房器具と言えばこたつとストーブしかないから……床暖房、憧れちゃうずら」
梨子「憧れるのはいいけれど、そのまま気持ちよくなって、寝ちゃうのはダメだよ? いくら暖かくても、かけるものも無しに寝たら風邪ひいちゃうから……」
花丸「大丈夫、眠くなったら……」
コテンッ
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……言ったそばから早くない? のび太くん並みの寝付きの良さだ……」 花丸「……」クーッ クーッ
梨子「マルちゃんったら、ぐっすり寝ちゃって……。とりあえず、毛布かけてあげなきゃ……」
パサッ
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「これで、良し、と」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……それにしても、マルちゃん寝顔が可愛いなぁ……」 梨子「口角が少し上がって、まるで笑ってるみたいに寝てる……」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「ふふっ、こんな天使の笑顔を見ることができるなんて……私って、運がいいや」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……どうしよ……マルちゃんの顔見てたら……なんだか……///」ドキドキ
花丸「……」クーッ クーッ 梨子「……そおっと、そおっと顔に近づいて、こっそり……ほんの少しだけ、触れるだけなら……バレない、よね?」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……マルちゃん……///」
ソオーット ソオーット
梨子「……///」ドキドキ ドキドキ
花丸「……」フゴゴッ
梨子「……!?」ビクッ 梨子「い、今なんの音がしたの!?」
花丸「……」フゴゴッ
梨子「また鳴った!」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……もしかして、マルちゃんの……いびき? 今の音……」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……そんなまさか……」
花丸「……」フゴゴッ
梨子「……そんなまさかだよ……」 梨子「マルちゃん、こんないびきをかくんだ……。梨子、知らなかったよ……」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「どうしよう……。とりあえず、マルちゃんに教えてあげなきゃ……寝てる時、たまに大きないびきかいてること……」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「スマホの中に、録音のアプリがあったから、それでいびきを録音して……」
チラッ
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……やっぱり、録るのやめよう」 梨子「だってマルちゃんのいびきを録音して、聞かせたら……恥ずかしがって絶対私の前で居眠りしてくれなくなるから……そうなると、マルちゃんの天使の寝顔が、見れなくなっちゃう……」
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「……あばたもえくぼ、って言うもんね。マルちゃんが、いびきをかいて寝ることがある、ってなんだかギャップがあって可愛いや」クスクス
花丸「……」クーッ クーッ
梨子「その天使の笑顔、梨子にもうしばらく独り占めさせてね、マルちゃん」フフッ
花丸「……」フゴゴッ
梨子「……でもやっぱりちょっと、うるさいかも……」
終わり 中の人ネタになるんですけど、名古屋ファンミで、きんちゃん寝る時笑ってるような顔して眠るけど、たまにいびきをかく時がある、って言ってたもんで
もしマルちゃんがいびきとかかいたら……それも可愛いかな? とか思って……
中の人ネタ苦手な人はすみません…… かなこさんとマルちゃんが並んで寝てたらって想像すると幸せな気持ちになる ノcノ,,・o・,,ノレ 「……」
メイ*σ _ σリ「……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「えいえい」
ドカドカ
メイ*σ _ σリ「……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「おこったずら?」
メイ*σ _ σリ「おこってないよ♡」 ノcノ,,・o・,,ノレ 「……」
メイ*σ _ σリ「……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「えいえい」
ドカドカ
メイ*σ _ σリ「……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「おこったずら?」
メイ*σ _ σリ「おこってないよ♡」 ノcノ,,・o・,,ノレ 「……」
メイ*σ _ σリ「……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「えっ」
メイ*σ _ σリ「……」ピクッ
ノcノ,,・o・,,ノレ 「……」
メイ*σ _ σリ「……」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f) ノcノ,,・o・,,ノレ 「……」
メイ*σ _ σリ「……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「えいえい」
ドカドカ
メイ*σ _ σリ「……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「おこったずら?」
メイ*σ _ σリ「おこってないよ♡」 ノcノ,,・o・,,ノレ 「……」
メイ*σ _ σリ「……」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「えいえい」
バッキドカ
メイ*> _ <リ「きゃっ!」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「しまった、本気の拳が入ったずら……」 ノcノ,,・o・,,ノレ 「だ、大丈夫ずら……?」
メイ*> _ <リ「えーん、痛いよぉ……」グスン
ノcノ,,・o・,,ノレ 「あわわわ……」
メイ*> _ <リ「もおっ、なんで本気で殴るの……!?」
ノcノ,,・o・,,ノレ 「……ご、ごめんなさい……!」 メイ*> _ <リ「……」ヒリヒリ
ノcノ,,・o・,,ノレ 「……もしかして、オラのこと嫌いになった……?」
メイ*> _ <リ「……」
メイ*σ _ σリ「……ううん、ちゅき♡」 ノcノ,,・o・,,ノレ 「オラのこと、どれくらいすき?」
メイ*σ _ σリ「……」
メイ*σ _ σリ「……いっぱいちゅき♡」
ノcノ,,///o///,,ノレ 「……♡」
メイ*/// _ ///リ「……♡」
終わり たまには、緩急をつけるのも大事かな、って思って……今流行りのやつ、取り入れてみたんですけど それもこれも、毎日保守してくださったり、感想のレスくださったりする皆々様のおかげです……
あんまり書けずに本当にすみません…… ゆっくり自分のペースで書いてくださっていいんですよ〜
楽しみに待ってます ーーー浦の星 中庭
梨子「……蚤の市?」
花丸「そう、蚤の市。今度の日曜日に、沼津の狩野川公園で開かれるの。……一緒に、行かない?」
梨子「フリーマーケットかあ……。私、フリーマーケットって行ったことないから……おもしろそう」
花丸「梨子ちゃん、フリーマーケットじゃないずら。蚤の市、ずら」
梨子「そうなの? 蚤の市とフリーマーケットって、同じような意味じゃなかった?」
花丸「……フリーマーケットって横文字の名前で呼ばれると、なんだかオラ……気分がかしこまって行き辛くなっちゃうから……」
梨子「マルちゃんの語感の問題なのね……」 花丸「梨子ちゃん。一緒に蚤の市、来てくれる?」
梨子「もちろん。フリー……じゃなくて、蚤の市、一緒に回りましょ」
花丸「やったっ!」ワーイ
梨子「ふふっ、子供みたいな喜びようね」クスクス
花丸「いつもばあちゃんと行ってたから……梨子ちゃんと行けると思うと、嬉しいの」フフッ
梨子「そうなんだ。……私も、マルちゃんと一緒に蚤の市、回れるの思うと、嬉しいよ」
りこまる「……ふふっ」 ーーーそして日曜日
ーーー二人は蚤の市が開かれる公園にやってきました
ワイワイ ガヤガヤ
梨子「すごい。たくさんの人がお店を出してる……」
花丸「もう早速、お客さんで繁盛してるずら」
梨子「いつも、こんな感じで賑わってるの?」
花丸「うん。半年に一回、沼津で開かれる大きな催し物の一つだから」
梨子「それじゃあ……この人混みではぐれないように……手を繋ごうっか?」
花丸「……うん」
ギュッ 梨子「マルちゃんはこの蚤の市で欲しいものは……やっぱり、本とか?」
花丸「うん。古本屋さんでもなかなか売ってない本とか、絶版になった貴重な本とか、並んでたりするからね」
梨子「なんだか、お宝探しみたいだね」
花丸「梨子ちゃんの、欲しいものはなあに?」
梨子「私は特に決めてないの。ぐるぐるお店を見て回って、良さそうなものを買ってみようかな、って」
花丸「きっと良いもの、見つかるずら」
梨子「見つかるといいな、運命の品物」 花丸「あっ、見て見て梨子ちゃん! 早速良いもの見つけたずら!」
梨子「えっ、なになに?」
花丸「ほら見て、あそこに……」
おばさん「いらっしゃい、いらっしゃーい。揚げたての豆腐ドーナツ、美味しいよー」
梨子「お豆腐のドーナツだ、美味しそう……」
花丸「ねぇねぇ、ドーナツ食べようよ、梨子ちゃん」
梨子「ふふっ、じゃあ、まずはあのお店に行こうか、マルちゃん」 おばさん「こんにちわ、あら可愛いお客さんね」フフッ
梨子「お豆腐のドーナツ、二つもらえますか?」
おばさん「毎度あり、今揚げたばっかりのドーナツだから、アツアツで美味しいよ?」
花丸「わあ、楽しみずら!」
おばさん「仲良く手を繋いでるけど、今日はデートかね、お嬢ちゃんたち」
りこまる「……///」
おばさん「否定も肯定もしないで、黙っちゃうあたりガチのようだね」 おばさん「蚤の市楽しんでおいでー、お嬢ちゃんたちー」フリフリ
テクテク テクテク
花丸「アツアツの豆腐ドーナツ、美味しいずら……」ムグムグ
梨子「揚げたてのサクサク感とお豆腐のふわふわ食感のマッチングが癖になるね……」ムグムグ
花丸「オラ、梨子ちゃんの作ったお豆腐のドーナツ食べてみたいなあ……」
梨子「ふふっ、マルちゃんは甘えんぼさんね」
花丸「……本心だから否定はしないずら……///」
梨子「いいよ。また今度、作ってあげる」
花丸「やった! じゃあその時オラも手伝うね」
梨子「ありがとう、そうしてもらえると、すごく嬉しいな」 花丸「あー、あれ見てよ梨子ちゃん!」
梨子「今度はどんな良いものを見つけたの? マルちゃん」
花丸「あれは珍しいずら! 沼津じゃなかなか見かけないよ」
おじさん「らっしゃーい、五平餅、焼きたてだよー」
梨子「ご、へ、い……もち?」
花丸「ともかく食べてみようよ、梨子ちゃん。オラも初めてだから」 おじさん「らっしゃい。おや、こりゃまたべっぴんさんだね」
花丸「あのっ、五平餅二つくださいな」
おじさん「あーいよっ。ほれ、焼きたてだからうんめぇぞぉ? 割り箸、喉に刺さないようになっ」
梨子「ありがとうございます。わぁ、小判の形の焼きおにぎりみたいだ」
おじさん「嬢ちゃんたち、手なんか握ってラブラブだねぇ、ラブ、ラブ!」
りこまる「……///」
おじさん「ははっ、青春だねぇ青春!」 おじさん「幸せになー、嬢ちゃんたちー!」フリフリ
テクテク テクテク
梨子「このお味噌のタレ、少し甘口で、このご飯にとってもあう……、なんだか優しくて懐かしい味」フフッ
花丸「梨子ちゃん梨子ちゃん、お口の周りにお味噌がついてるずら?」
梨子「えっ、嘘……」
ペトッ
梨子「本当だ。嫌だなぁ、恥ずかしい……///」
花丸「オラが拭いてあげる、ティッシュ出すから、ちょっと五平餅持ってて」
フキフキ
花丸「ふふっ、取れた取れた。梨子ちゃんってば、小さな子供みたいだったずら」クスクス
梨子「あ、ありがとうマルちゃん……///」 花丸「おおっ、あそこあそこ! ほら、あそこ見て!」
梨子「マルちゃんは良いものを見つけるのが得意だなあ。今度はなあに?」
花丸「お、オラ……あれ初めて見た……15年生きてて生まれて初めてずら……」
お兄さん「ソーセージマルメターノ、いーかがっすかー」
花丸「グルグル巻きのソーセージ、食べてみたいなあ、梨子ちゃん……」チラッ
梨子「……なんだかさっきから食べてばっかりな気がする……」 お兄さん「らっしゃっせー。おっ、なかなかマブいっすねー」
梨子「そ、ソーセージマルメターノの、一つ……」
花丸「梨子ちゃんは食べないの?」
梨子「私は、もうそんなには食べられないから……」
花丸「そうなの? じゃあ、もし食べたくなったらオラの一口、分けてあげるね」
梨子「……うん、そうするね」
お兄さん「ねえねえ彼女たちー。これ終わったらさー、僕と一緒に遊び行かなーい?」
りこまる「……」
お兄さん「お、照れてる照れてる? きゃわうぃーっすねー。もしかしてオッケーな……」
「てめえ何やってんだゴラァ!」
りこまる「!?」ビクッ バキッ
お兄さん「痛゛っ! なにすんだよぉ……!」
親父さん「なぁに、お客さんに手ぇだしてんだコラぁ! わきまえろや!」
お兄さん「だってよぉ、あまりにもマブくてよ……」
親父さん「お客さんナンパすんじゃねぇ! ……ごめんなぁ、お嬢さんたち。ウチの若いモンが。あっ、お代金いらないから」ペコペコ
梨子「いえっ、あのお代金はちゃんと……」
親父さん「いいから、いいから。お詫びってことで一つ……。おい、てめぇちょっと裏に来い、説教してやらぁ!」
グイグイ グイグイ
お兄さん「痛でで……耳引っ張んじゃねえって……!」
梨子「……すごい光景に遭遇しちゃったね……」
花丸「……修羅場ずら……」 テクテク テクテク
花丸「ソーセージ、肉汁ジュワジュワずら……」ムグムグ
梨子「……よく食べるね、マルちゃん」
花丸「食べることと、寝ることと、そして自分の好きなことをすること。これが、幸せに生きるために必要な三か条ずら」
梨子「それ、もしかしてマルちゃんのおじいちゃんの金言?」
花丸「そうだよ、だからオラはね、ご飯を食べて、よく寝て、本をいっぱい読むの!」
梨子「……梨子も、その金言通り生きてみようかな?」
花丸「ふふふ、きっと梨子ちゃんも幸せに生きれると思うずら」
梨子「なんとなく、マルちゃんを見てたらわかるよ」フフッ テクテク テクテク
花丸「ほあっ、あ、あ、あそこ! あそこ見て!」
梨子「……もう私、食べ物お腹に入らないよ……」ウプッ
花丸「ほ、本だ、古本並べてるずら! 見ていってもいいよね?」
梨子「ようやく、食べ物以外で良いものが見つかったね……。私も、覗いてみようかな……」 花丸「すみません、ここに並んでる古本、見ても良いですか?」
おじいちゃん「はい、いいよ。ゆっくり見ていって?」
花丸「ありがとうございます! わぁぁ、本がたくさんある……どれから見ていこう……」
梨子「マルちゃん、目がキラキラ輝いてる……。お宝な本が見つかるといいね」
おじいちゃん「嬢ちゃんも見ていって構わんからね」
梨子「はい、そうさせてもらいます」 梨子「『此処にある本、全部五十円』……。ずいぶん、お安いですね……」
おじいちゃん「ほっほっ、古本屋に売っても二足三文にしかならんからね、それなら、こういうところで売った方がいいんだよ」
梨子「えっと、『ドグラ・マグラ』……? なんだろうこの本……」
おじいちゃん「お目が高いね。それ、面白いよ」
梨子「これは……『黒死館殺人事件』。なんだかタイトルから怖そうな……」
おじいちゃん「それも名著じゃて」
梨子「『人間椅子』、『芋虫』……あんまり、私が気になるような本は無いですね……」
おじいちゃん「ありゃ、そうかい? まあっ、嬢ちゃんはまだ若いからな、もうちっと歳を取ったら、嗜好も変わってこようて」 梨子「マルちゃんは、どう? 欲しい本見つかった……?」
チラッ
花丸「……///」ペラッ
梨子「立ち読みしながら、赤面してる……」
おじいちゃん「そこの嬢ちゃん、いい本選んだね」ニヤニヤ
花丸「……ちょ、ちょっとこれはオラには刺激が……///」ペラッ
おじいちゃん「そこの嬢ちゃんはイケる口だと思うだけどねえ……」ニヤニヤ
パシンッ
花丸「……い、行こう梨子ちゃん……///」
グイッ
梨子「ああっ、待ってマルちゃ……あ、えっと……お邪魔しましたっ」
おじいちゃん「はいよ、ゆっくり楽しんでおいで。……まだまだ青いのぉ」ニヤニヤ 花丸「……///」
グイッ グイッ
梨子「か、顔が赤いよマルちゃん……大丈夫……?」
花丸「大丈夫……ただちょっと、読んでて身体が火照っただけ……///」
梨子「一体……どんな本だったの?」
花丸「……官能、小説……。未亡人が躰の渇きを、若い男の子の溢れ出る欲望で満たすような……そんな内容の……///」
梨子「……わざわざ内容まで教えてくれなくていいよぉ……///」 テクテク テクテク
梨子「あっ……。ねぇ、ちょっと止まって? 私、気になるお店見つけたから」
花丸「絵画がたくさん売ってる……画廊の人の出してるお店かな?」
梨子「すみません、ちょっと見ても大丈夫ですか?」
お姉さん「えぇ、どうぞゆっくりご覧ください」
花丸「なんだか、凄い絵が並んでるなぁ……素人目に見てもわかるずら……」
お姉さん「あら、そうですか?」
花丸「こういう絵って、前衛芸術、って言うんですよね? ピカソとかに影響されてるような……」
お姉さん「……ピカソは関係ないです。これただの風景画……」
花丸「なんてこった……」 梨子「……」ジーッ
花丸「梨子ちゃんは何を真剣に見てるの……絵筆?」
梨子「……筆先の毛が整って、柔らかい……いい絵筆ですね」
お姉さん「ありがとうございます。それ、亡くなった祖父の遺品なんです」
梨子「そうなんですか?」
お姉さん「祖父の死後、遺品整理をしてたら出てきて……。この絵も全部、祖父の描いたものなんですよ」
梨子「……そんな大事なもの、売ってしまっていいんですか?」
お姉さん「私は絵を描かないから、家で保管していても、押入れの肥やしになってしまうだけですし……。祖父は絵を描くのが好きな人でしたから、使われず放置されるよりは、価値のわかる人に使ってもらった方が、天国で喜ぶかな、って……」
梨子「……それじゃあ、この絵筆を頂けますか? ぜひ、使ってみたいんです、これ」
お姉さん「ありがとうございますっ!」ペコリ 花丸「梨子ちゃん、良いものを見つけれて良かったね」フフッ
梨子「うん、これは掘り出し物だよ……特上のね」フフッ
お姉さん「あの、あとついでにこの絵もどうですか? 今なら祖父の描いた絵画3点、セットで付けてドドーンとお得に……」
梨子「そんなテレビショッピングみたいな売り方されても……」
お姉さん「だってキャンバスとか、イーゼルとかの画材は売れたのに、この絵たちはちっとも売れなくて……」
梨子「私、前衛芸術には疎くて、あまりこの価値がわからないので……」
花丸「梨子ちゃん、それ言い訳になってないずら……」 テクテク テクテク
梨子「ふふっ、この絵筆で絵を描くのが楽しみになっちゃうな」
花丸「その絵筆で、オラのこと描いてほしいずら……。ん、見て梨子ちゃん。創作雑貨のお店だよ」
梨子「あら、色々な雑貨が並んでるね。見てみましょ?すみませーん……」
オネェ「あーら、いらっしゃい。ンマー、可愛い女の子ね♡」
梨子(女の人だと思ったら女装した男の人だった……!)
花丸(よく見たらうっすら青髭が生えてる……こんなこと言いたくないけど、不気味だ……) 花丸「……見た目はちょっと不気味だけど、並んでる雑貨はみんな可愛いずら……」ボソッ
梨子「そんなこと言っちゃダメよ、見た目に惑わされちゃ……。確かに見た目はちょっとね、ちょっと……うん、ちょっとね、ちょっと……」ボソッ
花丸「ちょっと、ちょっとで有耶無耶にしすぎずら……」ボソッ
梨子「……あら、このマグカップの猫の絵柄……」
オネェ「気づいちゃった? それ、そこに置いてあるマグカップとペアーになっててね……」
カチャン
オネェ「こうやって、お互いの猫の絵柄をくっつけると……」
花丸「尻尾がハートの形になった!」
オネェ「どう? この遊び心、会心の出来でしょ♡」 花丸「梨子ちゃん、オラこれ欲しい……」
梨子「私も、欲しくなっちゃった……」
りこまる「すいません、このマグカップくださいな」
オネェ「あーら、お買い上げありがとうねー♡ あなたたち二人とも可愛いから、この猫のお人形もオマケしちゃう♡」
梨子「悪いです……オマケなんて……」
オネェ「ンマー、遠慮しちゃって益々可愛いわ♡ 更に猫の肉球ヘアピンもセットしちゃう♡」
花丸「そ、そんなに付けられても困るずら……」
オネェ「いいの、いいの♡ 持ってけドロボーなんだから♡ なんだったらこれも……」
梨子「も、もう結構です、充分頂きましたから!」
花丸「失礼しましたっ、オマケありがとうございました!」
ピューンッ
オネェ「あーら、つれないわねぇ……。まあでも、可愛い女の子たちだったわ……。私もあんな風になりたかったわね……」シュン 梨子「……見た目はちょっと、ちょっと……ちょっとね、だったけど……」
花丸「優しい人だったずら。こんなにオマケくれたし……」
梨子「早速このもらったヘアピン、付けてみる?」
花丸「……うんっ」コクリッ
パチンッ
花丸「えへへ、前髪、梨子ちゃんと同じようにしてみたずら」
梨子「本当だ、ピョンと跳ねて、……鏡写しの私みたい」フフッ
花丸「……似合う?」
梨子「うん、とっても似合ってる」
りこまる「……ふふふ」クスクス 花丸「オラ、このマグカップでなら牛乳も飲めそうな気がするよ」
梨子「マルちゃん、そういえば牛乳苦手だったもんね」
花丸「牛乳毎日グビグビ飲んで、身長もグングン伸びて……梨子ちゃんを見下ろせるくらい、大きくなるからね」フフッ
梨子「ふふっ、でももしそうなったら……私、マルちゃんの頭撫でられなくなっちゃうね」
ナデナデ
花丸「あぅ……や、やっぱり牛乳は嫌いなままでいいや……///」
梨子「……別に牛乳は好きになってもいいんじゃない?」 〜〜♪
梨子「あっ、マルちゃん。あっちの広場から音楽が聴こえてくるよ」
花丸「そうだね。なんだろ、この音楽……行ってみよう」
梨子「マルちゃん、はぐれるといけないから。ほら……手」
ギュッ
梨子「……行こっ?」
花丸「……うんっ!」
終わり 隠れ家のような、安心感のあるスレッド。いつもありがとう。 一日の疲れが癒される…
心穏やかになる……
いつもありがとうございます 一度メモ帳に書き溜めてから、投稿をしてみようかと思います。
ので、とりあえず保守 梨子の通う浦の星女学院はーー。
みかん畑が並ぶ長い坂を登りきった丘の上ーー。
広い駿河湾の水平線と、遠くに聳える富士山を一望できる岬にある、小さな女子校です。
内浦のこの町に、昔から存在するこの学校は、近隣の町の人たちや、女生徒さんたちに親しまれてきた、由緒正しいミッションスクールです。 そんな歴史あるこの学校には、浦女の創立時から長い間、在校生や内浦の町の人に親しまれるグループが存在するの。
それはーー浦の星聖歌隊。 映画やドラマでも題材にされたりする、クリスマスやミサなどの行事の時、透き通った歌声で聖歌を披露する合唱団はーー。
カトリック系のミッションスクールだけあって、この学校にも設立されています。 まだ千歌ちゃんたちが小学生だった頃は、聖歌隊の人数も多くいて、定期的に開かれるコンサートには、ステージを広く使って、歌声を重ねていたそうだけどーー。
少子化の影響で、在校生の数も少なくなった今、それは聖歌隊の人数にも及んでいて、現在は全盛期の半分にも満たない、十五人ほどしかいないそうです。 そんな希少になった聖歌隊のメンバーの中に、私たちAqoursのメンバーも、一人在籍しています。
その名前はーー国木田花丸ちゃん。 Aqoursの中で体が一番小さな彼女だけど、その歌声は優しくて、力強くてーーとても綺麗で。
梨子ね、初めてマルちゃんの歌を聴いたとき、思わず驚いちゃったの。
だってこんな小さな女の子から、あんな歌声が発声されるなんて、思いもよらなかったから。 クスクスーー♡
今思い返したら、すごく失礼なことを思ったよね。
でも、その時はまだ、マルちゃんが浦女の聖歌隊に所属してるなんて、知らなかったから。 毎日の発声練習と、聖歌を歌うことで鍛えあげられた、マルちゃんの美声。
だけど、マルちゃんの美声の理由は、なんだかそれだけじゃないように思えてーー。
心の中で引っかかった理由が何なのか知りたくて、私は聖歌隊主催の定期コンサートを聴きに行ったの。 浦女の校舎の隣に建てられた、御聖堂はーー。
月一回の定例ミサ以外で、人の出入りはほとんど無いのだけれど、こうやって聖歌隊のコンサートが開かれる時は一般開放されて、町の人たちが集まってくるんです。
今日も、聖歌隊のコーラスを楽しみにやってきた親子連れや、仲睦まじい老夫婦など、人の姿が沢山あってーー。 私は、御聖堂の入り口から見て右側の、正面の祭壇に近い長椅子に座って、コンサートの始まりを待っていました。
しばらくしてーー。
御聖堂の袖から、白いローブに身を包んだ聖歌隊の生徒たちが現れて、その中にーーマルちゃんの姿も、見つけることができました。 目立たないように、そっと小さく手を振ってマルちゃんに合図を送ると、それを横目に気づいたマルちゃんは薄くはにかんで、梨子に返事をしてくれました。
祭壇の前に横一列に並んだ聖歌隊の皆は、集まったお客さんたちに深く一礼をして、頭を上げるとリーダーの三年生の子が挨拶を始めてーー。
それが終わると、祭壇の脇に置かれたオルガンの前に座った音楽の先生ーー聖歌隊をいつも指導している先生ーーが、鍵盤に静かに指を置いて、演奏を始めました。 いつくしみ深き 友なるイエスはーー。
聖歌隊の透き通った歌声による合唱は、御聖堂の高い天井に響いて、オルガンの旋律と共に心地よいハーモニーを、私たちの耳に届けてくれてます。 聖歌の一節、二節が終わり、三節目。
すっ、とこれまでの合唱が止み、ただ一人スポットライトが当てられたようにーーマルちゃんの独唱が、始まったのでした。 いつくしみ深き 友なるイエスはーー。
かわらぬ愛もて 導きたもうーー。
ステンドグラスから差し込む、色鮮やかな柔らかい光に照らされた、マルちゃんの伸びやかで清らかな歌声は、しめやかな堂内全面に澄み渡ってーーもしこの御聖堂が無かったら、富士山の山頂まで届いて聞こえそうなくらいの、力強さを感じました。 えーーちょっとオーバーな表現じゃないか、って?
ふふ、全然そんなことないのーー♡
だって、ステンドグラスの光を浴びたマルちゃんは、まるで天から舞い降りた神の御使いのように、見えたんだもの。 そう思った瞬間、梨子の中で引っかかっていた理由が、解けたような気がしたのでした。
マルちゃんの歌声は、きっとーー天から授かった、聖なる贈り物なんだ、って。
聴く人の胸に、沢山の癒しを運んでくれるマルちゃんは、天使の生まれ変わりなんじゃないか、って。 クスクスーー♡
そんな子と一緒にAqoursの活動をしていたら、なんだか私まで幸福に包まれちゃいそうです。
梨子も、この聖歌のようにまではいかなくてもーー。
聴く人みんなが、幸せになるような歌声を届けられたらいいな。
ふふーー今度マルちゃんに、発声の仕方とか、色々と教えてもらおうかな♡
終わり 朝からGOD目指して頑張ってみました。
ていうか改めて思う、GODってやっぱGODだわ(当たり前) GOD風味のSSたまらんのじゃああぁ^〜
聖歌隊のお衣装着たマルちゃん梨子ちゃんの聖歌をじっくり聴きたい 保守すみません、今日は休憩で……
(いつも保守してくださる舞妓さんにはようちかりこのスレでもお世話になった気がする……) ゆっくり休んでくださいなぁ〜
(その節はどうもお世話になりました) >>783
お言葉に甘えます……
(やはりそうでしたか、なんとなく察していましたけど。こちらこそ、その節はお世話になりました) ーーースクールアイドル部 部室
ドア ガチャリ
梨子「あら、マルちゃんもういる……」
花丸「……」ジーッ
梨子(なんだか真剣な表情で雑誌読んでる。集中し過ぎて、私が入ってきたことにも気づいてないや……)
梨子「……」ソローッ
花丸「……ふむふむ……」
梨子「……マールちゃん」
トントン
花丸「んひゃあっ!」ビクッ
花丸「……もう、梨子ちゃん! いきなり肩を叩かないでほしいずら! ビックリしちゃう!」
梨子「ごめんなさい、だってとっても集中して、それ読んでたから……」 花丸「あっ、……これ?」
梨子「そう、その雑誌。なんだか珍しいね、マルちゃんがそういうの読むの」
花丸「オラだって、ハードカバーの小説や文庫本以外だって、読むことはあるよ。……確かに頻度は少ないけどね。こういうのは」
梨子「……ファッション雑誌なんて、一体どうしたの?」 花丸「ファッションのお勉強ずら。オラ、服のことはルビィちゃんに頼りっきりだから、自分で色々選べたらな、って思って」
梨子「ルビィちゃん、お洋服のセンスいいもんね。いつも可愛い私服着てるし」
花丸「梨子ちゃんは、ファッションは自信ある?」
梨子「自信は、うーん……人から見られて恥ずかしくないものは、選んでるつもりなんだけど……」
花丸「良かったら、一緒に雑誌読む?」
梨子「そうだなぁ……梨子も、マルちゃんとファッションのお勉強しようかな?」 ペラッ
梨子「マルちゃん。こういうのはどう?」
https://i.imgur.com/M3aUyBM.jpg
梨子「白のブラウスに、チェックのスカート」
花丸「オラ、こういうのは着たこと無いんだけど……似合うかな?」
梨子「似合うと思うよ、思うというか、絶対似合う」 ペラッ
花丸「梨子ちゃんは、こんなの似合うと思うずら」
https://i.imgur.com/V7hcSVA.jpg
花丸「……カーキ色のブルゾンと黒色のチュールスカートで、カジュアルだけどガーリーなファッションずら」
梨子「カーキ色かぁ……確かにあんまり選ばない色かも……」
花丸「これを機に挑戦してみようよ」 ペラッ
梨子「このスカートなんて、私いいと思うな」
https://i.imgur.com/MZk5UhQ.jpg
梨子「鮮やか黄色が、マルちゃん似合うと思うの」
花丸「黄色派手すぎない? ……オラ、スカートに負けちゃわない?」
梨子「負けない負けない。マルちゃんの可愛さをより引き立てるよ」 ペラッ
花丸「梨子ちゃんって、いつもスカートばかりな気がするから……」
https://i.imgur.com/DgXVaQU.jpg
花丸「タイトなスキニージーンズなんて、意外と……」
梨子「ダメダメ……ほら、こういうのって……脚のラインがモロに出るから……///」
花丸「梨子ちゃんの脚、スラっとしてシュッとしてるから履いても恥ずかしくないずら?」
梨子「……そう? 頑張ってみようかな……」 ペラッ
梨子「……さっきとはまた違う感じで」
https://i.imgur.com/Fj4DdYM.jpg
梨子「ゆるめのニットとピンクのフレアスカートの組み合わせ」
花丸「ピンクって、ルビィちゃんや梨子ちゃんの色ってイメージがあるずら……」
梨子「イメージなんて関係ないよ、マルちゃんはピンクも似合うと思うな」 ペラッ
花丸「ニットなら、こういうのもいいかも……」
https://i.imgur.com/JeyUcZg.jpg
花丸「グレーの大きめニットに、差し色の黄色いバッグが映えて……」
梨子「ねぇ、これ履いてるよね? ニットの大きさでごまかしてないよね……?」
花丸「履いてなくても、梨子ちゃんは脚スラっとしてシュッとしてるからイケると思うずら……」
梨子「スラっとしてシュッとしてればなんでもいいわけじゃないでしょ……///r 梨子「自分のセンスではなかなか選べないものを選んでもらうのも、なんだか新鮮だね」
花丸「相手の服装を選ぶセンスって、自分のセンスも大事になってくるからね。いいお勉強になったずら」
梨子「ふふっ、こちらこそ」
花丸「まだね、これページがあるんだけど……」
ペラッ
りこまる(うわっ、下着の特集ページだ……) ペラッ
花丸(……うぅ、変なページめくっちゃったなぁ……梨子ちゃんと一緒に見てると、なんだか恥ずかしい……///)
梨子「……///」
花丸(梨子ちゃんも黙っちゃった……気まずいや……)
梨子「……マルちゃん、案外こういうの、いいかも……」
https://i.imgur.com/4PP33DB.jpg
花丸「いきなり何を言い出すの!?」 花丸「これ、半分お尻見えてる! 下着の意味をなしてないずら……!」
梨子「で、でもほら、服脱がなければ見えないから……」
花丸「じゃあ、一体なんでこんな破廉恥なデザインなの……」
梨子「……服脱いだ時に、相手にわざと見せつけるため、的な……?」
花丸「こんなの着て服を脱ぐ事態を想定するなんて……ほとんどもうそれ……///」 花丸「……梨子ちゃんには、これ」
https://i.imgur.com/6CgIMOe.jpg
梨子「……紐の部分は少し恥ずかしいけど、まだ前は隠せてるし……」
花丸「……お尻の部分をよく見るずら」 ペラッ
https://i.imgur.com/5H1ZykT.jpg
梨子「も、もうこれ8割お尻じゃない///」
花丸「……セクシーダイナマイトでどんな相手もイチコロずら」
梨子「セクシーダイナマイトなんて、そんな言葉どこで覚えたの……!?」
花丸「……千歌ちゃんが言ってた///」
梨子「んもおっ、千歌ちゃんも……そんな変な言葉をマルちゃんの前で使わないでよ……っ!」 ペラッ ペラッ
梨子「……マルちゃんに似合うエッチなの、エッチなの……」
花丸「そんな躍起になって探さなくたっていいずら!?」
梨子「と、止めないでマルちゃん……! 次は私の番なんだから……っ」
花丸「別にこれ、順番こってわけでもないよ!」
ドアガチャリ
ダイヤ「ごきげんよう、梨子ちゃん、マルちゃん」
りこまる「!?」ビクッ ダイヤ「あら、何の雑誌を見てるの二人とも……」
チラッ
ダイヤ「……」
りこまる「あの、これは……」アワワ
ダイヤ「……///」
梨子「ダイヤちゃんの顔がみるみる赤く……!」
ダイヤ「……なんて破廉恥なものを見てるの、あなたたちは……!」 花丸「違うの、これは……その、話の流れで……!」
ダイヤ「わたくし、あなたたちは……梨子ちゃんとマルちゃんは、比較的まともだと思っていたのに……!」
梨子「比較的まとも、って地味に酷い発言!」
花丸「他の子を蔑ろにし過ぎずら!」
ダイヤ「こんなの……こんなの、助平じゃない……! スケベよ、スケベ!」
梨子「スケベ!?」
花丸「ダイヤちゃんの口からとんでもない言葉が!」 ダイヤ「……ああっ、もうっ……スケベぇっ!」
ドアバーン
シュタタタタッ
梨子「えっ、あっ、ちょっと待ってダイヤちゃーん!」
花丸「変な勘違いしたまま逃げちゃった!」
りこまる「待ってー! ダイヤちゃん誤解してるー!」
シュタタタタッ
終わり >>444のネタを
女の子同士が選ぶというより、単に僕が見たい服装って感じで選んじゃいましたけど
これ書くためにZOZO TOWNのホームページとにらめっこしてたのは秘密 >>819
ありがとう……
ありがとう!!
二人とも美人だから色んな服が映えそうで着せ替えするの楽しそう
曜ちゃん、ルビィちゃんのテンションが振り切れそうですね おはりこまる🌸💮
りこまるの可愛さに癒やされいい目覚めの朝 ーーースクールアイドル部 部室
曜「……」ペラッ
梨子「曜ちゃん、何読んでるの?」
曜「これ? 職業系制服大全!」
梨子「あぁ、曜ちゃんの趣味の本ね」
曜「色んな職業の制服着た人が載ってるんだよー……」 ペラッ
曜「あっはは、これ見てよ梨子ちゃん!」
梨子「ん? どれどれ……?」
https://i.imgur.com/4dDVpOg.jpg
曜「これ、どこかの鉄道会社の制服着た女の子なんだけどさ……なんかマルちゃんに似てない?」
梨子「ほんとだ、なんだかマルちゃんっぽい面影を感じる……」 曜「髪の毛といい、目の感じといい……ちょっと大人になったマルちゃん、って感じだよね」
梨子「そうかもね。……マルちゃん大きくなったら美人さんになるんだろうなあ……」
曜「実はこの子、マルちゃんのお姉ちゃんだったりしてね」ニシシ
梨子「……えっ?」
曜「だってめちゃくちゃ似てるもん、マルちゃんと並んだらもう姉妹だよ、姉妹!」 梨子「……姉妹、かぁ……」ジロッ
曜「梨子ちゃん……何で睨んでるの?」
梨子「私別に睨んでないよ?」ギロッ
曜「いやいや睨んでる、めっちゃその子睨んでる、顔が怖いよ顔が。もしかして妬いてる?」
梨子「……嫉妬なんかするわけないじゃない……。こんな赤の他人に……」ギリッ
曜「『こんな』呼ばわりしたよ、言葉遣いが梨子ちゃんらしくない! っていうかさっき歯ぎしりしたよね、『ギリッ』って」 梨子「……本当に嫉妬なんかしてないし、対抗心も燃やしてないよ? ……ちょっと容姿が似てるからって、私が一番マルちゃんのこと可愛いと思ってるんだから……」
曜「そんなアムロみたいなセリフでやっかまれても……なんかごめん、軽率なこと言って……」
梨子「ううん、別に気にしてないから、気にして……」ギロッ
曜「うわ、また睨んだ」
曜(……いくらマルちゃんに似てるからって、こんな冗談一つでここまで妬いちゃうなんて……梨子ちゃんそれだけマルちゃんのこと……)
曜(っていやいや、よくよく考えたら梨子ちゃんもマルちゃんと血が繋がってるわけでもないし! 言うなれば赤の他人なわけだし!)
曜(……梨子ちゃん、もしかしてヤンデレの気質でもあるのかな……)ゾゾゾッ
終わり 地域違うけど>>1です。
変な嫉妬に駆られる梨子ちゃんを描いてみました。 嫉妬梨子ちゃんいいですわゾ^〜
これマルちゃんの場合は泣いちゃいそうですね >>830
マルちゃんだとやっぱ泣いちゃうかなあ……
一見気にしてなさそうでぐずって拗ねる感じはありそう >>832
ぐずって拗ねる……それはありそうですね
部屋の隅に座り込んで本で顔隠しながら涙目、鼻声でぐずぐず言ってそう やっと追いついた
アニメでもこんな感じの心優しき梨子や花丸が見たかった ゆっくり自分のペースでやってもらったらいいですよ〜 ーーー浦の星 校舎裏
梨子「……ごめんね。こんな場所に呼び出して……」
花丸「ううん、いいの。……なんとなく、察しはついてるから……」
梨子「そう、だよね……。やっぱりわかっちゃうよね……」
花丸「オラも、ちょうど梨子ちゃんのこと呼び出したかったから、良かったずら……」
梨子「……奇遇だね」
花丸「奇遇でもなんでもないよ、だって今日は……」
梨子「バレンタインデーだもんね……」 梨子(……はぁ、ドキドキする……。いつものように、マルちゃんにお菓子をプレゼントをするみたいに渡したいのに……)
花丸(……梨子ちゃん、オラに目を合わしてくれない。緊張してるんだ……)
梨子(……心臓バクバク言ってる。嫌だなぁ、この大きな心臓の音、マルちゃんに聴こえてるんじゃないかな……)
花丸(梨子ちゃんが緊張しているの見てると、オラまで緊張してきちゃう……)
梨子(普段通りのことがいっさいできない……マルちゃんはいたって何にも変わらないのに……)
花丸(……これが、バレンタインの魔物……)
りこまる「……///」 梨子「……あの、あのねマ」
花丸「梨子ちゃん! えっとね……」
梨子「うわっ、ちょっとマルちゃん遮らないでよぉ……」
花丸「あああ、ごめんなさい……。どうぞ、梨子ちゃん。お先にどうぞ」
梨子「……そんな風に勧められると、なんだか喋り辛くなっちゃうよ……やっぱりマルちゃんから先に言って?」
花丸「えぇ……梨子ちゃんの方が先に喋ったんだから、梨子ちゃんからずら?」
梨子「だって、なんだか急に怖気づいちゃって……」 りこまる「……///」
花丸(どうしよう、梨子ちゃん黙っちゃった……オラから言った方がいいかな……)
梨子(……言い出したいのに、なんにも言えない……勇気が出ないよぉ……)
花丸「……梨子ちゃん何にも言わないなら、オラから先に言う!」ビシッ
梨子「えっ、あっ待って! その挙手下げて!」
花丸「待って、って言われても、梨子ちゃん何にも言ってくれないんだもん! それならオラが先に……」
梨子「り、り……梨子から言う! 梨子が先っ!」ビシッ
花丸「いいや、オラが先ずら!」ビシッ 梨子「梨子が先っ!」ビシッ
花丸「オラが先っ!」ビシッ
梨子「梨子がっ!」ビシッ
花丸「オラがっ!」ビシッ
梨子「梨子っ!」ビシッ
花丸「オラっ!」ビシッ
リコ!オラ! リコ! オラ!
………
……
… 梨子「……」ハァハァ
花丸「……」ハァハァ
梨子「……り、梨子が……」
花丸「ま、待って梨子ちゃん……。もう、この掛け合い疲れたよ。……提案なんだけど、二人同時に渡さない?」
梨子「……いいや、梨子がさ……」
花丸「ダメずら、梨子ちゃん意地になって変に頑固になっちゃった……とりあえず、深呼吸、深呼吸」 梨子「……」スゥーハァー
花丸「……落ち着いた?」
梨子「……うん、落ち着いた。あと同時に緊張もどこかへ飛んで行っちゃった」
花丸「ふふっ、それなら良かった。梨子ちゃん、誰が見てもわかるくらい、緊張してたから」
梨子「……やっぱり、わかった?」
花丸「うん、そりゃもう、どんな機微に鈍感な人でもわかるくらいに、ね」
梨子「まあ、ひどいっ」
花丸「本当のことだから仕方ないずら」
りこまる「……ふふっ」クスクス 梨子「マルちゃん、はい……コレ」
花丸「梨子ちゃん、コレ、どうぞ」
梨子「ありがとう、マルちゃん」
花丸「こちらこそ、ありがとう。梨子ちゃん」
りこまる「ふふっ……///」
花丸「中身、開けてもいい?」
梨子「うんっ、もちろんいいよ」 パカッ
花丸「……花丸だ! 花丸の形のチョコレートだ!」
梨子「色々、形は悩んだんだけど……安直だったかな?」
花丸「そんなことないよ、こんなチョコレート見たことないもん! 世界で一つだけの、オラのためのチョコレートずら!」
梨子「そうね。……世界で一つ、マルちゃんを想って作ったオリジナル、だね」
花丸「食べるのもったいないなあ……。これ、ずっと残しておきたいなあ……」
梨子「……食べてよぉ……せっかく作ったんだもん……」 アムアム アムアム
花丸「口の中がチョコの甘さで満たされて、とっても幸せずら……」ムフフ
梨子「マルちゃんの食べてる顔見てると、私まで幸せになっちゃうよ」フフッ
花丸「オラの顔ばっかり見てないで、オラがあげた包みも開けて見てほしいな?」
梨子「なんだろう、少し大きいなあ……」
ガサガサ ガサガサ 梨子「……これ、バラのバスケット……?」
花丸「それね、『ダズンフラワー』っていうの」
梨子「ダズン、フラワー?」
花丸「12本の花束、1ダースのお花だから『ダズンフラワー』なんだ」 花丸「そのバラ一本一本にはね、意味が込められてるの。感謝と、誠実と、幸福と、信頼、希望。それに情熱、真実、尊敬、栄光、努力、永遠……最後に愛情」
花丸「12個の想いを込めた花束。……どうか受け取ってほしいな」
梨子「……こんな想いのこもった花束なんて、もらったことないから……嬉しいというか、私なんかがもらっていいのかな、って……」
花丸「……バレンタインデーは、意中の人に愛を伝える特別な日ずら? そんな特別な日に特別な意味を込めた、特別な花束を……特別な人に渡したいの」 梨子「……そこまで考えて、私にこれをくれるの?」
花丸「オラがそこまで考えちゃ、駄目……?」
梨子「嬉しい、とっても、嬉しいよ……」
花丸「……その割には、なんだか複雑そうな顔してるずら?」
梨子「……だって、私ったら安易な発想でマルちゃんにチョコを渡しちゃったから……」
花丸「いや、バレンタインデーはチョコを渡すのが普通というか、慣習というか……でも確かに外国では違うけど……」
梨子「……なんか負けたような、惨めな気分だよ……」
花丸「そんな落ち込まなくたっていいずら……」 梨子「……マルちゃんはここまで想ってくれてるのに、なんだか梨子ったら……ちっぽけだなぁ……」
花丸「ち、ちっぽけじゃないよ! チョコレート美味しかったし!」
梨子「ごめんね、私の想いなんて……所詮……」
花丸「……うぅ、そんなこと、言うなーっ!」
梨子「……!?」ビクッ 花丸「オラ! 梨子ちゃんの作ったお料理やお菓子はなんでも好き!」
花丸「梨子ちゃんの描いた絵も好き! 梨子ちゃんの弾くピアノの音色も好き!」
花丸「梨子ちゃんの優しい声が好き! 梨子ちゃんの優しい笑顔が好き!」
花丸「梨子ちゃんのこと全て……大好きなの! ……だから、いいの! これで!」 花丸「……」ハァハァ
花丸「……ごめんなさい、ムキになってまくし立てるように言っちゃって……」
花丸「ともかく、そんな否定的にならないでほしいずら。オラ、梨子ちゃんからチョコレートをもらえて嬉しいし、自分のと比較なんてしないから……」
花丸「……込められた想いの測り方は、その人の胸三寸次第ずら? オラには十分、伝わってるよ」 梨子「……マルちゃん……///」
花丸「……そんな赤らんだ顔でこっち見ないでほしいずら……///」
梨子「もう、気にしたりしないから……最後にもう一度……梨子のこと、大好きって言って……」
花丸「……おねだりさんだね、梨子ちゃんも」
梨子「……お願い」
花丸「……梨子ちゃんのこと全て、大好き、なの……」
梨子「……///」
花丸「……///」
終わり いや?まだまだいけますが?
甘々でピュアピュアなりこまるありがとうございます 梨子ちゃんのソロ曲Pianoforte Monologueいい曲ですね
二人っきりの音楽室で梨子ちゃんの弾き語りを聴いて感動して泣いちゃうマルちゃんとかいいですね ーーー花丸の部屋
カキカキ キュッキュッ
花丸「ふふふ、これで今日の分はよーし、と」
梨子「カレンダーの日付に印を書いて、何を心待ちにしてるの? マルちゃん」
花丸「三月のカレンダーをめくって見てみるずら?」
梨子「……三月?」
ペラッ
梨子「三月四日に、花丸がふってある……。あっ、そっか、この日は……」
花丸「そう、三月四日はオラのお誕生日ずら!」 梨子「そういえば、前にお誕生日のこと、話してたね」
花丸「オラ、お誕生日が楽しみ楽しみで……カレンダーに印を書いて、指折り数えて待ってるんだ!」
梨子「そうなんだ、どうりでカレンダーの印が、二月から始まってるわけだね」
花丸「立春を過ぎたあたりから、もうソワソワが止まらないの! 早く三月になってほしいずら……」
梨子「お誕生日も待ち遠しいけど、春ももうすぐ待ち遠しいよね」 梨子「なんでそんなにお誕生日が楽しみなの?」
花丸「だって、お誕生日の前の日は三月三日で桃の節句ずら? ひな祭りのお祝いをした次の日に、自分のお誕生日もお祝いするんだよ?」
花丸「ひな祭りのご馳走と、お誕生日のご馳走両方味わえて、まさに、お盆とお正月が一緒に来たみたいずら?」
梨子「そっか、確かにマルちゃんにとって、嬉しいことが重なるもんね」
花丸「オラにとっての春の訪れは、ひな祭りとお誕生日なんだ」 梨子「ひな祭りの後に生まれたマルちゃんって、もしかしたら、お雛様の生まれ変わりかもね」
花丸「どうして?」
梨子「だって、雛人形みたいに小さくて愛らしいんだもの」
花丸「んー……、でもオラ、お雛様みたいなおちょぼ口、なかなか作れないからお雛様の生まれ変わりじゃないと思うな」
チョビッ
花丸「……ほら、今必死におちょぼ口作ってるんだけど……」
梨子「おちょぼ口というか、ひょっとこみたいになってるね、確かに……」 花丸「……ここだけのお話なんだけど、実はオラ、本当なら、三月四日に生まれてなかったの」
梨子「えっ、そうなの?」
花丸「これは、お母さんから聞いたんだけどね。本来のオラの生まれる予定日は、四月八日だったんだって」
梨子「予定日よりも一ヶ月早く生まれたんだ」
花丸「早産だったから、色々大変だったんだって。体が小さい状態で産まれたから、呼吸器をつけられてしばらくの間、保育器に入れられて……」
梨子「病院のドキュメンタリーで放送されるような出来事が実際あったんだ……」
花丸「じいちゃんもばあちゃんもお父さんも、毎日仏様に拝んで、オラの無事を祈ったんだって」
梨子「……じゃあ、今のマルちゃんがあるのは、仏様のご加護のおかげ、かな?」
花丸「そうかもしれないずら」 花丸「さっき梨子ちゃん、オラのことを『お雛様の生まれ変わり』って言ったけど……。もし四月八日に生まれてたら、オラ『お釈迦さまの生まれ変わり』ってなってたかもね」
梨子「……お釈迦さま? どうしてお釈迦さまが出てくるの?」
花丸「だって、四月八日はお釈迦さまのお誕生日ずら?」
梨子「へぇ、それは知らなかった。初耳だよ」
花丸「うーん、キリスト様と比べると、やっぱり知名度が低いずら……」
梨子「キリスト様のお誕生日はクリスマスだもんね」
花丸「厳密に言うと違うんだけどね。クリスマスはキリスト様のお誕生を祝うのであって、実際のお誕生日は不明なんだって」 梨子「お釈迦さまのお誕生日をお祝いする行事があれば、みんなにも知ってもらえるかもね」
花丸「あるよ? お釈迦さまのお誕生日を祝うお祭り。『花祭り』が」
梨子「花祭り……?」
花丸「お花で飾られたお釈迦さまの像に、甘茶っていうとっても甘いお茶をかけて、お祝いするの。うちのお寺でも、毎年やってるよ」
梨子「そうなの? ……梨子も参加してもいい?」
花丸「もちろんだよ。……オラ以外だと、ほとんどおじいちゃんかおばあちゃんばかりだから、参加してくれたら嬉しいずら」 花丸「オラね、最近考えるんだ。『なんで三月四日に生まれたのか』って」
梨子「それは、マルちゃんのお母さんが急に産気づいたから……」
花丸「そうだけど、確かにそうなんだけど……そんなあっさり答えられると、自分の考えをお話できないずら……」
梨子「ごめんなさい。……お話、続けて?」 花丸「オラが三月に生まれたのは……『ご縁』のお力が、働いたからかな、って」
梨子「ご縁って、縁結びとかの『ご縁』?」
花丸「うん。もし予定日どおりに四月に生まれてたら……まずルビィちゃんと同じクラスにはなれなかったし、千歌ちゃんたちと中学校で一緒に過ごせるのは一年間だけだし、果南ちゃんたちとは学年が合わなくなるし……」
花丸「……何より、浦女には入学できなかったずら」
梨子「……そうだね、マルちゃんたち一年生が、最後の浦女の生徒になるから……」 花丸「もちろん、今と比べてそれが悪いことだとは思ってないよ? 学年が違えば、今中学三年生の後輩の子たちとクラスメートになれたし……」
花丸「浦女じゃなくて、沼津の別の高校に入学してたら、違う子とお友達になれたかもしれない」
花丸「何か一つ、ポイントが違ってたりしたら、それだけで人生って大きく変わるから……別の人生があったかもしれない、と思うとそれも捨てたものじゃないずら」
花丸「……だけどね、やっぱりオラ、三月に生まれてギリギリ浦女に入学できて、本当に良かったと思ってるの」 花丸「浦女に入学できなかったら、地元の子たちとは仲良くなれても、よっちゃんや鞠莉ちゃんとは仲良しになれなかったし……」
花丸「もし沼津の高校に通ってたら、スクールアイドルなんてなれなかったと思う。オラより可愛い子なんて、街にはたくさんいるから……」
梨子「……そんなことはないよ」
花丸「でも、一番。……一番良かったと思うのは……」
花丸「……梨子ちゃんと出会えたこと、かな」 花丸「浦女にいなかったら、東京から引っ越してきた子、って学校で話題になっても自分には直接関係ないから……」
花丸「例えば道ですれ違っても、『最近噂の、都会から来た女の子だ』って、思うだけで終わってたかもしれない」
花丸「……梨子ちゃんに無関心なままだったかも、って思うと、オラが生死の境に迷い込んでまで、予定日より早く生まれてきたってことは……それは『ご縁』なのかな、って」
花丸「大袈裟な話かもしれないけど、けど……人と人の出会いは、偶然と必然の表裏一体だと思うんだ」
花丸「結ばれてるの、ご縁の糸で。オラはAqoursのみんなと……梨子ちゃんと」 梨子「……」
花丸「……ご、ごめんなさい。オラ変な話しちゃって。……忘れてもらっても構わないずら」
梨子「……梨子も、その『ご縁』を信じたいな」
梨子「……オトノキに入学したことも、内浦に引っ越してきたことも、Aqoursに入ったことも。……マルちゃんと出会えたことも、その全てが『ご縁』で結ばれて、繋がってるのなら……」
梨子「……このご縁のお導きに、感謝したいな」 梨子「……ありがとう、マルちゃん」
花丸「こちらこそ……ありがとう」
花丸「……別にオラ、何かお礼を言われるようなことをしたわけでもないのに……でも、心がポカポカして、嬉しいずら」
梨子「……梨子も同じ気持ち」 梨子「……そういえば、マルちゃんはお誕生日プレゼント、何が欲しい?」
花丸「お、オラ、梨子ちゃんからもらえるのなら、なんだって嬉しいよ……」
梨子「そんな遠慮しないで? ……お誕生日の主役なんだから、わがまま言ってもいいんだよ?」
花丸「うーん……」
梨子「モジモジしないで、教えて? マルちゃん」 花丸「えーっと、それじゃあ、梨子ちゃん耳貸して?」
梨子「……この部屋に二人きりなんだから、別に小声で言うこともないんじゃ……」
花丸「……口に出すのも憚れるから……」
梨子「なあに? 耳貸してあげるから、何が欲しいの、言ってみて?」
花丸「……あのね……」 ゴニョゴニョ
梨子「……えーっ……それは、ちょっと……///」
花丸「でも、わがまま言っていい、って梨子ちゃん言ったずら」
梨子「それはそうだけど……マルちゃんの今のは……恥ずかしいよ……///」
花丸「……それじゃあ、やっぱり別の……」
梨子「……いや待って。……わかった、わかったよマルちゃん。……梨子、頑張るよ……すっごく、恥ずかしいけど……///」
花丸「……やったぁ///」
梨子「……というか、マルちゃんってば、その……変な小説読み過ぎよ……あんなことに憧れるなんて……///」
花丸「……ごめんなさい、助平で」
梨子「マルちゃんなら……うん、マルちゃんだから、いいけれど……///」
終わり ※ご想像にお任せします
ていうか俺ぁね、花丸ちゃんの名前の由来が聞きたくて聞きたくて仕方がないんですよ 人と人の縁ってホント不思議で素敵ですね
偶然と必然の表裏一体な二人の出会いに感謝です
花丸ちゃんの名前の由来も確かに気になります
あと、どんなお願いしたのか…妄想が膨らみますね〜 おはりこまる
お互いがこっそりお互いの寝そべりぬいぐるみ持ってる&抱きしめて寝てるのがバレてしまうりこまる ーーー次のライブに向けて
ーーー学年それぞれに分かれ
ーーー話し合いが行われていました
ーーー梨子の部屋
曜「……だからね、千歌ちゃん。なんていうかそれは……『グワーッ』ときて『ビシッ!』って感じでさ……」
千歌「違う、違うよ。そこはもっと『ドーン』ときて『ガシャーン』って……」
梨子「……二人とも、一体なんのお話してるの……?」 曜「何って、次のライブに向けてのお話だよ」
千歌「ライブを大成功させるための、演出のお話に決まってるじゃん」
梨子「演出の、お話ね……」
千歌「さては私たちの会話、ちゃんと聞いてなかったなー?」
曜「もしかして、上の空ってやつかなー?」
梨子「ちゃんと聞いてたつもりなんだけど……擬音が多くて、中身が具体性に欠けてるっていうか……」 梨子「曜ちゃん、……『グワーッ』って何? 」
曜「そりゃもちろん、『グワーッ』だよ、『グワーッ』」
梨子「……『ガシャーン』って、何か壊れちゃうの? 千歌ちゃん」
千歌「壊れるわけないじゃん、だってライブ中だよ? 機材壊そうものなら中止になっちゃう」
梨子「じゃあ『ドーン』ときて『ガシャーン』って、どういった内容なわけ?」
千歌「それはあれだよ、うん」 千歌「そう、あれだよ、あれ……」
千歌「……」ウーン
千歌「……あれだ、あれなんだよ、わかっておくれよ梨子ちゃん……」
曜「自分の言ったこと説明できないなんて、千歌ちゃんそりゃダメだよ」
梨子「……曜ちゃんはちゃんと説明できるの?」
曜「……」ウーン
曜「……ごめん、無理」
梨子「……もっと具体的に話しましょう……擬音なんかに頼らずに……」 梨子「……少し休憩しない? 一息入れてから議論の続きしましょ?」
千歌「賛成、ちょっと……頭冷やそうか」
梨子「そんな白熱もしてないと思うけど……」
ヨイショット
梨子「私、キッチンでココア作ってくるから」
曜「おー、もしかしてバンホーテン? バンホーテン?」
梨子「……ごめんなさい、うちは森永なの」 梨子「ちょっと、待っててね」
ドアガチャリ
曜「はぁ、やれやれだねぇ……話し合いっていうのも、疲れるね」
千歌「頭使うからね、ダンスの練習とかと違った疲労感だよね」
曜「……ていうかさ、梨子ちゃんの部屋って……いい匂いするよね」クンクン
千歌「この匂い、消臭力じゃないよね。これ完全にアロマの匂いだよね」クンクン
曜「え、これアロエなの? 梨子ちゃん、超シャレオツじゃん」
千歌「アロマだよ、ア・ロ・マ!」
(※消臭力の匂いです) 千歌「部屋もきちんと整理整頓されて、カーテンとか家具もパステルカラーでまとめられてて、『ザ・女の子の部屋』って感じ」
曜「私たちだって女の子なんだから、自分の部屋イコール『ザ・女の子の部屋』じゃん」
千歌「そうなんだけど、なんかさ、梨子ちゃんの部屋と比べたら、首を捻らざるを得ないというか」
曜「あー、そう言われたらね。確かに、千歌ちゃんの部屋、ダイオウグソクムシのぬいぐるみあるもんね。それだけでマイナス点高いもんね」
千歌「バカにすんなー! ダイオウグソクムシ、バカにすんなー! 沼津の誇りだぞ、あれはー!」 曜「ところでさ、梨子ちゃんのベッドの上……なんか膨らんでない?」
千歌「そういえば、掛け布団が妙にもっこりしてるね」
曜「もっこり言うな。なんかやらしいから」
千歌「なんか中に入ってるのかな?」
曜「……もしかして、私たちが来るから、散らかってた服とか隠すために、詰め込んでたりして」ニシシ
千歌「ないない、そんな女子力低いこと、梨子ちゃんに限って。曜ちゃんじゃないんだから」
曜「おい貴様、言っていいことと、悪いことがあるぞ」
千歌「貴様、って言ったよ。チカに対して貴様、って」 千歌「……ちょっと、めくって覗いてみようか」
曜「えー、梨子ちゃんいないからってそれはやめとこーよー。梨子ちゃんに嫌われちゃうよー」
千歌「……とかいいつつ、すっごい興味津々だよね」
曜「そう? わかっちゃったー?」
千歌「曜ちゃん、お主も悪よのぉ」
曜「千歌ちゃんほどではございませんよ」
ようちか「ふはははは」 千歌「それじゃ、せーの、で布団めくろうか」
曜「よっしゃ、オッケー」
ようちか「……せーの!」
バサッ
曜「……お、おお……千歌ちゃん、これって……」
千歌「うん、曜ちゃんこれ……」 千歌「何故、梨子ちゃんの布団の中にマルちゃんの寝そべりぬいぐるみが……」
曜「千歌ちゃん千歌ちゃん、このマルちゃん寝そべり、めっちゃ梨子ちゃんの匂いする」クンクン
千歌「ちょっ、何匂い嗅いでんの曜ちゃーん、ずるーいチカも匂い嗅ぐー!」
曜「待って待って、順番だから順番」クンクン
千歌「早く代われよー、はよ、はよ、はよ!」
曜「急かすなよー、あと10秒で代わるからー」クンクン
千歌「じゅーきゅーはちななろくごー……」
曜「数えるの早いって!」 千歌「……梨子ちゃんのフローラルな香りがする……」クンクン
曜「それにしても、なんでマルちゃんの寝そべりが布団から出てきたんだろ……」ウーン
千歌「……梨子ちゃんの匂いが染み付いた寝そべりぬいぐるみ、そして布団の中から出てきたという状況、そこから察するに……」クンクン
ピコーン
千歌「……謎は全て解けた! つまり梨子ちゃんはこの子を……寝そべりマルちゃんを日常的に抱いて寝ているのだ!」クワッ
曜「な、なんやて高海!」
千歌「なんで関西弁で驚いたの曜ちゃん」 千歌「だってさ、こんなに梨子ちゃんの匂いがするんだよ、このマルちゃん。一朝一夕でこの匂いがつくと思う?」
曜「……つかないね。老舗のうなぎ屋さんのタレみたいに、毎日毎日継ぎ足さないと無理だね」
千歌「……うなぎ屋さんで例えるのはイマイチわかりづらいけど。とにかく、そういうことだよ」
曜「ほー、つまり梨子ちゃんは毎日マルちゃんのこと、抱いてるわけだ……」
千歌「それはちょっと語弊が生じ……ないね、うん、そのまんまの意味だね」 ドアガチャリ
梨子「お待たせ。森永のココア探してたら、遅くなっちゃ……」
千歌「『もう、梨子ちゃんってば遅いずらー』」
曜「『オラ、待ちくたびれてお冠ずらー』」
梨子「……!? そ、それ、マルちゃ……ちょ、ちょっとなんで……///」 ガバッ
曜「うおっ、マルちゃんすんごい力でひったくられた」
梨子「……なんでマルちゃんの寝そべりちゃん、見つけたの……///」
千歌「なんで、って言われても……ベッドの布団が妙にもっこりしてたから、気になって……」
曜「まーた、もっこりって言っちゃったよ」
梨子「……ベッドとか、机の引き出しとか……そのっ、そういうお部屋のプライベートなところは詮索しないようにって言われてるでしょ……!?」
曜「それ男の子限定だよ」
千歌「マルちゃんの寝そべり、エッチな本と同レベルなのー?」
梨子「ど、同レベルじゃないよっ! ……マルちゃんはエッチじゃないもん……///」 曜「梨子ちゃーん、毎晩毎晩、マルちゃんのこと抱いて寝てんのー?」ニヤニヤ
千歌「お熱いねぇ、お盛んだねぇー……」ニヤニヤ
梨子「い、言い方がっ、……いやらしいよ……///」
曜「でも間違ったことは言ってないもんね」
千歌「うん、そのまんまの意味だよね」
梨子「……夜、寂しいときだけよ、抱いて寝てるの……」
千歌「じゃあ昨日の夜はとってもとーっても、寂しかったんだ」
梨子「……///」コクッ
曜「黙って頷いたね」
千歌「反応が可愛いね」 曜「でもさー、いくら寂しくったって、マルちゃんの寝そべり抱いて寝なくたって、ね」
梨子「……だって、寂しいときにマルちゃんの寝そべりちゃん抱いてると……マルちゃんの柔らかい体を、抱いてるような気がして安心するの……」モジモジ
曜「依存の度合いが病的だね」
千歌「これもう麻薬だよ、麻薬。マルちゃん中毒だ」
曜「そんなべったりだとは思わなかったよ」
千歌「……もし、マルちゃんがこの世からいなくなっちゃったりしたら……」
梨子「……そんなの想像したくないよ……」グスッ
ようちか「うわ、べそかいてる」 梨子「……このこと、マルちゃんには絶対言わないでね?」
千歌「……言わないよ、ねぇ?」
パシャリ
曜「私たち、友達だよ?」
シュッ シュッ
曜「天地神明に誓って……」
シュッ シュッ
曜「このことは口外しないから、ね?」
梨子「今流れるようにシャッター押す音が聞こえたんだけど……」 曜「……よし、送信っと」
ポチットナー
梨子「……今何を送ったの?」
曜「え、マルちゃんの寝そべり抱いてる梨子ちゃんの写メ」
梨子「……誰に?」
曜「よっちゃんに」
千歌「そういえば、一年組はマルちゃんの家に集まってたっけ」
梨子「……なんで送るの! なんで教えるの!? 口外しないって言ったじゃない……!」
曜「言ってないよ、言ってない。文章にして教えただけだよ」
梨子「それ言ってるのと一緒だよぉ!」 梨子「消してよぉ……! メール消してよぉ……!」
曜「ごめーん、一度送っちゃったからもう無理ー」
千歌「うーん、この策士。悪知恵ばっかり働くのだ」
梨子「ひ、ひどいよ……曜ちゃんの鬼……」グスッ
ピローン
曜「あっ、よっちゃんから返信が来た」 曜「なんか写メ添付されてる……」
千歌「なになに、どんな写メ?」
チラッ
曜「……マルちゃんが、梨子ちゃんの寝そべり抱いてる写メだ……」
千歌「マルちゃん顔真っ赤っかだね、梨子ちゃんと同じ顔してる……」
曜「メッセージも来た。『相思相愛ね』……だってさ」
千歌「お互い考えることは一緒なんだねー」 梨子「……マルちゃんったら……///」
ムギュッ
曜「梨子ちゃん梨子ちゃん、感極まって寝そべり抱きしめるのはいいけど、強過ぎてマルちゃんの顔潰れてる」
千歌「……梨子ちゃん病んでるね、もう重病患者だよ」
千歌「……恋という病の、ね」ドヤァ
曜「……ドヤ顔で言わなければ、いい締め方だったと思うよ」
終わり もうスレも終わりに近づきましたね
いつもいつも保守すみません、そしてありがとうございます 寝そべり抱きしめてるりこまるが最高すぎる…
ありがとうございます!
もうそろそろ完走ですか…感慨深い……
次スレとか考えてます? 次スレは考えてないです
遅筆な上に書くタイミングも思いつきなのがほとんどなので、毎回保守してもらうのも申し訳ないですし…… また書きたくなった時にスレ立てるみたいな感じですかね
それかしたらばのAqours板にりこまるのカプスレ立てるってのもいいかもです
あっちは保守の必要ないみたいですし したらばの方は保守の必要がないんでしたっけ
カプスレって需要あるかな……? 向こうにもいくつかメジャーなのですがカプスレ立ってますよ
個人的にはあっちで短編のSSとか書いてほしいですね
今回はなかったけど荒らしも向こうにはほぼ来ないですし まぁまだあっちはここほど人いないので反応は薄いかもですが… 最近見なくなったスレとかいくつか立ってますね、したらばですと
……梨子ちゃんと花丸ちゃんの名前を出すだけで荒らされることもあるからなあ……それを考えるとしたらばの方が平和か 後は普通にssのほうでもいいんじゃないかな
また見れるの楽しみにしてるわ ーーーどんなに小さな掌小説だって
ーーーどんなに分厚い長編小説だって
ーーー必ず、終わりはやってくる
ーーー終わりのない物語はこの世に存在しないように
ーーー始まったら、もう終わりに向かって走り出しているの ーーーそれは、人と人の関係もおんなじで
ーーー誰かと誰かを繋いだ糸も、いつかは切れてしまうもの
ーーーどんな形で切れてしまうかはわからないけど
ーーー繋がったら、少しずつ糸はすり減っていってしまって
ーーー最後、どこかでぷつりと切れて無くなるの ーーーマルと梨子ちゃんも
ーーーいつかは、別れてしまうのかな
ーーーいずれは、離れてしまうのかな
ーーー考えたくもない現実を
ーーーついつい考えてしまうの ーーーだって、それが現実だもの
ーーー終わりの無い物語が無いように
ーーー始まったら、終わるのが必然
ーーー終わりの、始まり
ーーー始まりの、終わり
ーーー胸が苦しくなる 「梨子ちゃん、オラたちも……いつかは、別れてしまうの?」
ーーーひどく最後を気にしていたマルは
ーーーある日つい、尋ねてしまったの
ーーーオラの言葉を聞いた梨子ちゃんは
ーーー顔をしかめて、黙ってしまった ーーー少々の沈黙を経て
ーーー恐る恐る梨子ちゃんは、口を開いてマルに尋ね返した
「……どうして、そんなことを言い出すの?」
「……なんだか、つい考えちゃって」
「ネガティブなことを、考えちゃうの?」
「この世界に、終わりの無いものは存在しないずら? 森羅万象全て平等に、最後を迎えるずら?」 「……そう言われたら、そうだね」
「……どんなに小さな掌小説だって、どんなに分厚い長編小説だって、必ず終わりはやってくるから……」
「……マルちゃんは、私と……お別れしたい?」
「それは嫌だ! 別れたくないよ……」
「……私も同じ」 「……ねぇ、マルちゃん。終わりの時は必ず訪れるけど。けど……今それを考えるのは、おかしいよね」
「だけど、いつかは……」
「その『いつか』は、明日でも、況してや今日の今でもないよ」
「『いつか』はいつか。……数年後か数十年後、もしかしたら……私たちがおばあちゃんになったときに、『いつか』を迎えるのかもね」 「……おばあちゃんって、それって……」
「それに……梨子とマルちゃんの物語は、まだまだ始まったばかりでしょ? マルちゃんは、物語を読むのに終わりを気にするの?」
「気にしないよ、……終わることより、物語の世界を存分に楽しみたいずら」
「……なら、楽しみましょ? ……二人の物語を、書いていきましょう」
ーーー梨子ちゃんは、はにかんで言った ーーーいつかは、別れてしまうだろう
ーーーいずれは、離れてしまうだろう
ーーーけど、そんなこと考えるのは野暮だ
ーーー終わりを気にして本を読まないから
ーーー物語の世界を、楽しみたいから
ーーー梨子ちゃんと書いていく世界を、たくさん楽しみたい ーーーこれで、マルのお話はおしまい
ーーーなんかじゃない
ーーーマルと梨子ちゃんのお話は
ーーーこれからだって、続いていく
「行こっか、マルちゃん」
「うん、行こう。梨子ちゃん」
ーーーぎゅっと固く手を握って
ーーー歩幅を合わせて歩き出す
ーーーゆっくり、ゆっくり楽しめばいいんだ
ーーーマルと梨子ちゃんの物語を
終わり マルちゃん梨子ちゃんらしい素晴らしいお話です
これからも続く二人の物語をずっと楽しみに見ていきたいですね >>984
したらばにスレ立てたんですか!
SSだけでなく、りこまるの良さを語れるスレになったらいいな
僕も微力ながらまた頑張ります >>987
向こうでのんびり気ままにりこまるについて語り合いましょう 荒らしも来ずここまでスレが続いたことがほんとに嬉しいです >>993
素晴らしいSS書いてくれた神宮さんに感謝 ちょっとしたネタ提供しかできなかったけど可愛いりこまるが読めて良かったです >>213
>>223
喫茶店りこまるとパン屋りこまるもいつか是非読みたいです >>998
したらばの方で書けたら書きたいですな、いつになるかはわかりませんが このスレッドは1000を超えました。
新しいスレッドを立ててください。
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