穂乃果(44)「もうちょっとだけ、待っててね!」【SS・Part2】
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>>432
ラフっぽいのでこれならもっと上手く描けそう
穂乃果とか海未ちゃんとか他のメンバーのも見てみたい 絵って画力によってはラフの無駄な線の多いほうが上手く見えたり見えなかったり 進撃の諌山も言ってたなぁ
ネームは上手く描けたと思っても、いざペン入れすると微妙になるって 線が複数ある場合、人って無意識に一番いいラインをとらえてるとかなんとか しかしよくよく考えると感慨深さを通り越してすごく生々しい年齢表だよな 本当に結構いいな
ただキャラの老け姿を見るのは久しぶりに会った初恋の相手が結婚指輪してたみたいなショックがあるな 前に小さい頃の秋穂ちゃん描いてくれた絵師いたから大きい秋穂ちゃん描いて欲しいわ ・
・
・
秋穂「みんな、無事でよかった…」
男A「秋穂さんもご無事で何よりです…!」
秋穂「……8月3日に“あいどる”が都内にウィルスを撒くことは確実」
秋穂「ヤツはもう止まらない…」
秋穂「だから…あいつを止めるんじゃなくて、都民を守る方向へシフトしようと思うの」
男B「それって、具体的にどうやって守るんですか?」
秋穂「………」
男C「……なんでも言ってください、俺ら秋穂さんの為ならなんでもやりますッ!」
秋穂「うん……今回も例によって、ワクチンがない」
秋穂「“あいどる”は自分だけは絶対に死なないように…特定の場所にはウィルスを散布しないはず」
男D「どこですか…それ…?」
秋穂「それは……」 秋穂「………」
・
・
・
“あいどる”『……秋穂、秋葉ドームに行った事はある?』
“あいどる”『素敵なところだよ』
・
・
・
秋穂「μ'sの努力の結晶……」
秋穂「あそこはヤツにとって神聖な場所……」
男A「え?」
秋穂「場所は……」
秋穂「秋穂ドームです」 男A「なるほど、秋葉ドームなら…」
男B「あそこならたくさんの人が入れるな…」
男C「いや、でも待ってください!そもそもどうやって人を集めるんですか?」
秋穂「フェスティバルよ、音楽祭を開くの」
男A「!?」
ザワザワ…ザワザワ…
男E「無茶っすよ!秋穂さん!」
男F「そうですよっ!秋葉ドームって国民的グループとかが使ったりするんですよ!?」
男G「俺らごときが、フェスティバルでそこを押さえれるわけ…」
男H「それに押さえたとしても、人が来るわけ……」
ブツブツ…
秋穂「みんな……」 秋穂「……ッッ」
秋穂「しっかりしてよッッ!」
「!」
秋穂「なに急に弱腰になってんのよっ!?」
秋穂「ここで諦めたら本当に終わるんだよっ!」
秋穂「それに、ここで折れたら…今まで私たちのやってきたことはどうなるの!?」
「・・・」
秋穂「……やり遂げないと、最後まで」
男A「……そ、そうだ」
男A「そうだお前らぁぁ!!やるぞぉぉぉ!!」
「そうだ、そうだよなぁ……」
「おーーーーーう!!!!!」
秋穂「うんっ…ありがとう、みんな」
秋穂「秋葉ドームは、私のツテでなんとかする」
秋穂「みんなはフェスティバルの準備と告知を急いで!」
男A「っしゃ!了解です!」 ・
・
・
秋穂「理事長」
鞠莉「………」カキカキ
秋穂「……理事長!」
鞠莉「………」カキカキ
果南「………ッ」
果南「マリーッ!」
鞠莉「……!」
鞠莉「なに…?果南…?」
果南「……お客さんだよ」
鞠莉「えっ……」
秋穂「理事長、久しぶり…」
鞠莉「あっ……秋穂ッチ……」 鞠莉「どうしたの…いきなり来て…」
秋穂「そんなことより、まずさ……ちょっと、痩せた?」
果南「憔悴してるの……“あいどる”の復活がよほどショックだったのか、すっかり言動もネガティヴになっちゃって……」コソコソ…
秋穂「なるほど……」
秋穂「あのね理事長、秋葉ドームを押さえてほしいの、出来る?」
鞠莉「秋葉ドーム…?出来なくはないけど…なにをするの…?」
秋穂「……8月3日の日にフェスティバルを開きたいの」
鞠莉「フェスティバル……?」
鞠莉「……じゃあ、ダメよ」
秋穂「えっ…?」 果南「ちょっと…!マリー、なんで!?協力してあげればいいじゃない!」
鞠莉「なに言ってるの果南…今まで、私はいろいろ協力してきたじゃない…?」
秋穂「………」
鞠莉「武器の調達だって、乗り物の手配だって私たちが……」
鞠莉「協力したけど、秋穂ッチは成果を出せなかったでしょ?」
鞠莉「……フェスティバルで何をやるのか知らないけど、無駄なあがき……」
果南「マリー、いい加減にしなよ!そこまで言うことはないでしょ?」
秋穂「いや、いいの……本当の事だし……」
果南「でも……」 秋穂「理事長の言う通り…私は無能で役立たずのポンコツ…」
果南「……」
秋穂「けど、そんな私でも…あの人のために舞台を整えることくらいは出来る!」
鞠莉「……秋穂ッチ、もう手遅れなんだよ」
鞠莉「8月3日に人類は滅亡するの……この事実はもう覆らない」
秋穂「そんな事実ない!滅亡なんかしない!必ず人類を救う救世主が来るッ!」
鞠莉「……甚だ疑問だね……誰のことを言ってるの、救世主って」
秋穂「………ほの」
鞠莉「高坂穂乃果ですか…」
秋穂「そうだよ……穂乃果おばちゃんがきっと…!」
鞠莉「人間は…好きな人に何かあったら目を逸らすものですね…」
鞠莉「秋穂ッチ……穂乃果さんはね……死んだの」
秋穂「……ッッ!」 秋穂「死んでないもん……おばちゃんは生きてるッ!」
鞠莉「……はぁ、なら生きてるとしてどうするの?」
鞠莉「穂乃果さんは秋葉ドームいっぱいに人を集められるほど集客力あるの?」
秋穂「あるッ!」
鞠莉「………今、世間は“あいどる”があんな事を暴露したから大パニックよ?」
鞠莉「誰かに操られてるんだとか、言わされてるんだとか、何か理由があるんだ…って言われてるわ」
鞠莉「誰も現実を見ようとしない……そんな状態の人たちが8月3日のフェスティバルに来れるの?」
秋穂「……ラジオからおばちゃんの歌が流れたの」
鞠莉「……?……はい」
秋穂「東京でちょっとしたブームになってるらしくて……おばちゃんの歌が希望に……みんなの心の支えになってる……と思う」
鞠莉「秋穂ッチ、それは何らかの根拠があって言ってるの?」
秋穂「勘……だけど……」
鞠莉「だけど……?」 秋穂「私の勘、結構バカに出来ないんだ…!」
果南「……そ、それだけ?」
秋穂「うん」
鞠莉「アンビリーバボー……今のご時世に、こーんなおバカさんがまだいるんだね……」
果南「……ねぇ、マリー」
鞠莉「……なに?」
果南「千歌は……ダイヤと花丸ちゃんと一緒にいずれ帰ってくる」
果南「ルビィちゃんは真姫さんについてるし」
果南「曜ちゃんも絵里さんと一緒」
果南「あとは善子ちゃんと梨子ちゃんさえ戻れば……Aqoursは」
鞠莉「………そんな簡単に揃うなら、苦労してないよ」
果南「……ッッ!」
秋穂「理事長……」
果南「あ〜〜、もうッッ!」 果南「いい加減にしてよッ!」
秋穂「!」
鞠莉「か、果南…?どうしたのいきなり…?」
果南「どうしたもこうしたもないっての…!」
果南「いったい、いつまで病んでる気!?」
鞠莉「か、果南には関係ないでしょ!」
果南「何、言ってんの!あるよ!」
鞠莉「!」
果南「……友達、でしょ?」
鞠莉「!……果南」
果南「だいたい、マリーがそうやってウジウジするの似合わないから!!」
秋穂「た、確かに…」
果南「でしょ?ほんっと!腹立つよねコイツ!」ビシッ
鞠莉「なっ…!」
果南「ふふんっ、昔のお返し…!」
鞠莉「〜〜〜!」 秋穂「で、えーっと……」
果南「あっ……///」
果南「ゴホンッ…ま、やるにしてもやらないにしても」
果南「このまま何もせずに待ってたら、みんな死んじゃうんだよ」
鞠莉「………」
果南「Aqoursも再集結出来ないまま、みんな死ぬ…」
果南「マリーは……本当にそれでいいの?」
鞠莉「………ったわよ」
果南「え?」
鞠莉「わかったわよ!!この小原鞠莉がやってやろうじゃないッッ!!」
果南「ま、マリー!!」
秋穂「理事長!!」 鞠莉「この大一番!私がいなきゃ始まらないわよねっ!」
果南「うんうん!その明るさこそマリーだ!」
鞠莉「秋穂ッチ!」
秋穂「へ、な、なに?」
鞠莉「8月3日の秋葉ドーム!押さえといてあげる!」
秋穂「あ、ありがと…!」
鞠莉「ま、そもそもウィルスを捲くそんな日に秋葉ドームで歌いたいって物好きは他にいないから、普通に取れるでしょうけど!」
鞠莉「……必ず、来てもらうわよ」
秋穂「えっ……?」
鞠莉「あなたの最愛の人」
秋穂「……っ!……うん!必ず!」 ・
・
・
都民1「なんで“あいどる”があんな事を!?」
都民2「“あいどる”がウィルスをばら撒いたなんて…信じたくねぇ…!」
都民3「死にたくない……死にたくない……」
ジジッ…
『みなさん、私は氷の女王』
都民4「ラジオ…!氷の女王だ…!」
『8月3日の武装蜂起は中止します』
都民5「えぇ!?あんなに言ってたのに…」
『その代わり8月3日…秋葉ドームに来てください、フェスティバルを開きます』
都民6「秋葉ドームに!?」
『噂の…あのシンガーがやって来ます』
都民7「なに!?グータラスーダラが生で聞けるのかッッ!?」
『あの曲を聴くために、そして殺人ウィルスから身を守るために、必ず参加してくださいッ!』 都民1「……どうするんだよ」
都民2「どうするもなにも、“あいどる”の言っていた事が本当なら……今は氷の女王を信じるしか」
都民3「“あいどる”に対抗できるのは、氷の女王一派だけだろ…」
都民4「あの曲を……聴けるのか」
都民5「秋葉ドームで……フェスティバル……」
都民6「待ってくれみんな!“あいどる”を信じるものにこそ、幸せが…!」
都民7「今でも、本当にそう言い切れるか?」
都民6「ッッ………それは………」
都民8「……どうしよっか、8月3日」
都民9「秋葉ドーム……行く?」
都民「・・・・・」 ・
・
・
ジジッ…
『フェスティバルを……噂のあの……』
善子「聞いた、今の!?」
理亞「聞いたわよ、私たち以外にラジオ放送する人がいたのね」
善子「そっち!?違うわよ、フェスティバルよ!秋葉ドームで!」
聖良「氷の女王って“あいどる”に真っ向から敵対してる過激派集団のリーダーですよね、信じて大丈夫なんでしょうか」
理亞「っていうか善子、行きたいの?」
善子「氷の女王と小原家が協力関係にあるって噂を聞いた事があるの!」
善子「秋葉ドームに行けば、みんなに会えるかもしれないのよ!」 善子「……それに、どっちにしたって、この北海道からは出なきゃならないんだし」
理亞「ど、どうしてよっ!」
善子「どうしてって……また、ここにウィルスがばら撒かれるからよ!」
理亞「なんで……狙いは東京だけなんじゃないの?」
聖良「“あいどる”のあの口ぶりから察するに……いずれ世界中にウィルスをばら撒くでしょうね……」
善子「そうよ、世界の国々なら猶予はまだあるけど、日本の一部である北海道は時間の問題よ」
理亞「……出ないと……行けないのね」
善子「食料も無くなって来たんだし……頃合いでしょ?」
善子「このままだと餓死するわよ」 聖良「……2人は出た方がいいかもしれませんね」
善子「2人…?2人って聖良さんは…?」
聖良「私は出ません」
善子「!?」
理亞「な、なんでなの姉様!?ここにいたら死んじゃうっ!」
理亞「北海道にはもう食べ物ないし…!」
聖良「理亞、私はこの地で生まれて育った……」
聖良「ここで死ぬなら本望……」
理亞「や、やだっ…!姉様も一緒に…!」 善子「……聖良さん、理亞もこう言ってることだし……一緒に行きましょう」
聖良「善子さんや理亞の気持ちもわかります……」
聖良「でも、さっき言ったとおり、ここは私の故郷なんです」
聖良「そこを捨てる事なんて…私にはできません」
聖良「私は、ハナからここで朽ちるつもりだったんです」
善子「………」
聖良「でも、2人もここで一緒に……なんて強制はしません」
聖良「私を気にせず、行ってください」
理亞「やだっ…!やだっ…!姉様ぁ…!」
聖良「ふっ…泣かないで、理亞…」 聖良「ここに最後まで残る事が…この地への私なりの恩返し…」
善子「……あの、聖良さん」
聖良「はい…?」
善子「……なんていうか……それって、野垂れ死にみたいじゃないですか?」
聖良「……の、野垂れ死に……?」
善子「ここで死ぬ事が恩返しとか……全然そんな事ないと思う……みたいな」
善子「私が思うに…この町を復興させる事が本当の恩返しなんじゃないかな…って」
聖良「……善子さん」 聖良「……そうですね、確かに善子さんの言うとおりかもしれません」
聖良「……わかりました、東京に行きましょう!」
理亞「姉様!」
善子「はい!」
聖良「そこにAqoursのみなさんもいるんですよね?」
善子「え…えっとぉ…た、たぶん…?」
理亞「なんなのそれ…わからないの?」
善子「ずっとここにいるんだから、わかるわけないでしょぉっ!!!」 ブウゥゥゥン…
聖良「うふっ…堕天使なのに優しいんですね、善子さん」
善子「えっ…!?い、いやぁ…その…」
善子「やっぱり、聖良さんにはお世話になってるので…一緒に来て欲しくて…」
善子「なにもここで死ぬ事が恩返しじゃないなと思って……」
理亞「うん、善子の言うとおり…ね、姉様…!」
理亞「戻って来たらまた一緒にお店して、人口増やして、昔みたいに活気のある街にしよう?」
理亞「善子も手伝ってくれるみたいだし」
善子「え…ちょ、ちょっと!なに勝手言ってんのよぉ!」
聖良「……ふふっ、本当ですか?」
善子「うっ…!」
善子「は、はい…一緒に復興お手伝いします…」
聖良「ありがとうございます!」 ブルルンッ
理亞「というか、これ…どこに向かってるの?」
善子「くくく…よくぞ聞いた!」
善子「我らを救済すべし、一縷の希望への…」
理亞「で?どこに向かってるのよ?」
善子「……工場よ」
理亞「工場……?」
聖良「前に善子さんと2人で来た時に、私たち以外に人がいたって話をしたでしょう?」
聖良「あっ…善子さん、確かこの辺ですよね」
善子「そうです、あそこです!」 スタスタ…
・・・シーン
理亞「……ここに人がいるの?」
善子「まだ表にヘリコプターがあったし…いると思うわ」
善子「……ねぇ!」
・・・シーン
聖良「……返事ないですね」
善子「ねぇってば!」
・・・シーン
理亞「もういないんじゃないの?」
善子「おかしいわねぇ……?」
「………なに?」
善子「うわぁっ!」 聖良「本当にいるんですね…」
理亞「というか時差ありすぎでしょ…」
善子「つ〜…前もそうだったのよ、まったく…」
善子「ねぇ、私なんだけど!」
「………誰だよ」
善子「なっ…!ヨハネよ!ヨハネ!」
「………なんだ、お前か」
善子「なんだって何よ!」
善子「いい!?今日は大事な事を言いに来たの!」
善子「“あいどる”が…!」
「ウィルスをばら撒くって話か?」
善子「」ズルッ
理亞「知ってるのね」
聖良「あはは、向こうの方が一枚上手ですね」 善子「知ってるなら出て来なさいよ!」
善子「死んじゃうでしょ!」
「………ここで死ぬのも悪くない」
善子「〜〜〜!!」
善子「……とりあえず、出て来て話しましょうよ」
善子「ほら、早く」
「…………」
善子「……で、出て来なさいよッッ!?」
理亞「高圧的なのがダメなんでしょ」
善子「はぁ!?高圧的とか、理亞にだけは言われたくないから〜!」
理亞「なっ…///」
理亞「私のどこが高圧的なのよ!」
善子「デフォルトでしょ!」 聖良「まぁま2人とも…」
聖良「あの、私たち東京に行きたいんです、助けて頂けませんか?」
「……なぜ、東京に行きたいんだ?」
聖良「生きるためです」
聖良「生きて、この町をまた盛り上げたいんですっ…」
「……馬鹿馬鹿しい、“あいどる”に勝たなければ生きれない」
「“あいどる”は俺の、俺だけのアイドルだったんだ…太陽だったんだ、そんな人に裏切られて俺は…」
聖良「なら、見返してやりましょうよ…!」
聖良「勝って、見返しましょう!」
善子「……女性が誘ってくれてるのに、それに応えない男なんて、どんなアイドルからも見限られて当然でしょ……」
「………」 聖良「……逆効果かな」
理亞「姉様は悪くない!中のが意気地なしなだけ!」
ガチャリ
理亞「!?」
善子「!!」
キィィ…
酒井「好き勝手言ってくれるな」
善子「よ、ようやく出て来た…」
酒井「お前……」
善子「むっ…な、なによ」
酒井「見たことあるな……」 理亞「さすが姉様…こんな短時間で説得できるなんて!」
酒井「酒井だ、お前は?」
聖良「私は鹿角聖良です、こっちが妹の理亞」
理亞「………」ジー
善子「そして私がご存知、堕天使ヨハネ!」
酒井「津島善子だろ」
善子「げっ…!な、なぜそれを…!」
酒井「なんでもいい、行くぞ」 ザッ…ザッ…
善子「このヘリコプター、やっぱりあんたのだったのね」
酒井「2年ぶりだからな…動くかどうか」
カチャッ
ヒュン……ヒュン……ヒュンヒュンヒュン ブウゥゥゥン!!!!!
聖良「お〜、全然いけそうですね」
酒井「あぁ、錆びが気になったが大丈夫そうだ…」
酒井「乗れ」
善子「………ありがとう」
酒井「行くぞ、東京に…」ガチャ
ウウウゥゥン…! ・
・
・
ノソノソ…
ことり「ゆっくりね…!ゆっくり運んでね…!」
ルビィ「お、重い〜…!」
真姫「大切なワクチンだものね…丁重に扱わないと」
真姫「よいしょ……って、本当に重いわね……」
雪穂「………」
公野「どうだった?久しぶりに娘の声聞いて…」
雪穂「……久しぶりっていうか、初めてかもしれないです」
公野「そっか…穂乃果に預けた時、あの子まだ…」
雪穂「…0歳でした…」
雪穂「……無茶な事しなければいいんだけど」
公野「お母さんってのはいくつになっても、どんな時でも子供が心配なんだねぇ〜…」 スタスタスタ…
???「ふふん…!」
雪穂「え…?」
???「だーれだ!」バッ
雪穂「わっ…!ちょっ…!って、え…?この声!」サッ
亜里沙「久しぶり!雪穂!」
雪穂「亜里沙!な、なんでここに…?」
真姫「私が連れてきたのよ」
真姫「ニューヨークの研究所、あのカプセルに収容されてた子たちは、みんな無事に解放できたわ」
亜里沙「へへ、雪穂…知らない間にお母さんになってたんだね!」
雪穂「あっ…えっと…その、ごめんね…」
亜里沙「………うーうん、いいの」
亜里沙「元を正せば、急にいなくなった亜里沙が悪いんだから…」 公野「……ま、せっかくの再開なんだし……そういう辛気臭いのはなしにしなさい」
亜里沙「GOD…」
雪穂「神様…そうですね…」
公野「それより、ほら」
公野「終わったみたいよ」
雪穂「………!」
ことり「お、お待たせ〜!ワクチンの箱詰め出来たよ〜…!」
ルビィ「ハァハァ…ゼェゼェ…し、死んじゃいます…」
雪穂「みなさん…ご苦労様です、ありがとうございます!」 公野「確か…真姫とルビィとことりが秋葉ドームでワクチン配布する係だったわよね」
雪穂「はい、秋葉ドームにはおそらく何万人もの人が来るはずですから…」
亜里沙「雪穂はどうするの?」
真姫「雪穂ちゃんはここに残って、感染した人や秋葉ドームまで行けない人を診る係よ」
亜里沙「……なら、亜里沙も雪穂と残る!」
雪穂「なっ……いいの……?」
亜里沙「なんで?ダメなの…?」
雪穂「いや、いいんだけどさ…ただ、秋葉ドームに行けば絵里さんと会えるよ…?」
亜里沙「……大丈夫、お姉ちゃんとは終わった後に会えるから!」
真姫「フッ……終わった後……ね」 ことり「神様もここに残るんですよね?」
公野「…そのつもりだったけど…やーめた」
真姫「は、はぁ…?なんでよ…?ちょうど3:3に分けれるのに」
公野「こんな2人の惚気イチャイチャムードに付き合ってられないっての!」
雪穂「なっ///」
公野「だから、私も秋葉ドームに行くよ」
雪穂「別に惚気てなんてないですからっ!」
亜里沙「そう?亜里沙はイチャイチャしてもいいよ♪」ギュー
雪穂「え、え〜……あ、亜里沙ぁ……」
亜里沙「うふっ…♡」ギュー 真姫「じゃあ、行くわね」
雪穂「はい、お願いします…」ペコッ
亜里沙「お願いします」ペコッ
ことり「2人も気をつけてね…!」
雪穂「はい、こっちは任せてください」
公野「…よしっ…じゃあμ'sの名前を…」
ことり「“あいどる”から…!」
真姫「取り戻しに行くわよ!」
ルビィ「お〜〜!」
ブルルンッ…! ブゥゥゥゥン…!
雪穂「………」
亜里沙「……心配なの?」
雪穂「ワクチンの効果に不安はないよ……でも」
亜里沙「…大丈夫!」
雪穂「え…?」
亜里沙「お互い頼りになるお姉ちゃんがいるでしょ!」
雪穂「亜里沙……」
亜里沙「やっぱりママは子供が気になるんだね〜…!」
雪穂「……うん、あの子に傷ついてなんて欲しくない……何があっても」
亜里沙「……ハラショー、いいものだね、親子って……」
雪穂「あはは…」
雪穂「……みんな」
雪穂「お姉ちゃん……」
雪穂「……あの子を守ってあげて」 公野「おえぇ…げぇぇ…」
真姫「んもうっ!情けないわね…!」
公野「くぅ〜…運転席じゃなかったら車って酔うね…ホント…」
ことり「…雪穂ちゃん、昔みたいな笑顔が戻ってよかった…」
公野「…まぁ、そりゃあ恋人だもんね…超レズビアンだけど」
ルビィ「か、神様…言い方…」
真姫「……もしかしてあなた、空気を読んでこっちに来たわけ?」
ことり「え…神様、そうなんですか?そうなら素敵♪」
公野「……はっ、いや……ホントにあの2人のムードに耐えられそうになかっただけだよ」
真姫「……ふっ」
ことり「素直じゃないな〜……」
ブゥゥゥゥン… ・
・
・
〜8月3日〜
海未「いよいよ、今日ですか…」
花陽「みんな…秋葉ドームに行ったのかな…それとも家にこもってるのかな…」
花陽「……海未ちゃん見た?あれ?」
海未「あれって、なんのことですか?」
花陽「多くの家が、窓を板で塞いだり、通気口をガムテープでぐるぐる巻きにしてたりしてたの…」
海未「……そんな方法で助かるんですか?」
花陽「無理だよ…助かるわけないよ」
花陽「だって“あいどる”は白状したんだよ…?」
花陽「血の大晦日も2035年のウィルス散布も全部、自分がやったって…」
海未「………」 花陽「もう割れちゃったんだよ?みんなに…」
花陽「“あいどる”は救世主でも、平和の象徴なんかでもない、ただの殺戮者だって…」
花陽「あそこまで言ったなら、もう“あいどる”も後には引けないはずだよ」
花陽「家にこもったぐらいで凌げる、生やさしいウィルスなわけがない」
海未「……でも、大丈夫じゃないですか」
花陽「え…?」
海未「都民もバカではありません……きっと、来るはずです」
海未「……秋葉ドームに」 本家にも神様ってキャラいるんだよね
元ホームレスのジジイだけど 良かったね秋穂ちゃん!種違いの弟か妹が出来そうだよ! 亜里沙ちゃん復活嬉しい…
カプセル組は若いままだったりするのかな >>507
目覚めてから半年くらいで急速に実年齢まで老化していくのかも
40前後だからヨボヨボにはならないだろうけど >>510
見た目そのままでも筋力落ちてて体力は老婆並みだろう 秋穂助けにあいどるタワーに乗り込んだ時、不審に感じた海未が花陽の所に向かったけれど、その後は普通に一緒に行動しているから結局特に問題なかったのかな? >>513
無くはないけどハッキリと言えないんだろう かよちんのシンデレラ感
凛ちゃんのレベッカ・チェンバース感 >>520
下にズボン履いてる
顔に何か描き足さなくても鎖骨と首筋を浮かせるだけで老けて見えるんだな というか秋穂ちゃんの脳内再生が上手くできないんだけど、誰で再生してんの? やっと追いついた…一気に読んじゃったわ
むっちゃおもろいな 真姫ちゃん、研究者としてはともかく医者としてのキャリアは
潰されたも同然なんだよな。一応パパとは繋がりを持ってるらしいが
何で当局にマークされなかったんだろうな 店潰されたって事はほむまんの伝承も途絶えたんだな・・・・ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています