りみ「おい、そこのおまえ。チョココロネ買ってこい」香澄「え?」 [無断転載禁止]©2ch.net
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りみ「え、じゃねーだろっ! 聞こえてのかよっ!? 変な髪型しやがってよぉ!」
バシッ
香澄「えー、そんなに変かなぁ? んぅー……」
りみ「んなことどうでもいいからさっさと買ってこいっつってんだよっ!」
香澄「でももうすぐ授業始まるよ? 終わってから購買に行けば」
りみ「はぁ? 今から行かなきゃお昼休みに間に合わねーだろ、このアホ! おまえが向かうのは商店街にあるやまぶきベーカリーなの! そこのチョココロネしか私は認めないからっ!」
香澄「え、えぇー……授業サボるのはダメな気が」
りみ「てめーのキラキラ頭じゃ授業受けても受けなくても大差ねーだろっ、どーせダメダメなんだからとっとと行ってこいよっ!」
バシバシッ
香澄「うーん…」
沙綾「まぁまぁ、牛込さん。ちょうどあたしチョココロネ持ってるからさ、これで勘弁してあげてくれない?」
ガサッ
りみ「チョココロネ〜♪」
パァー
香澄「ありがとー、さーやー! こわかったよぉー!」
沙綾「よしよし。中学までは大人しい子だったのに、どうしちゃったんだろ……牛込さん」 りみ(はぁぁ……心が痛かったぁ…………でも、これでいいんだよね……)
入学式前日
りみ「ふぁぁ……どうしよぉ……大丈夫かなぁ……」
ゆり「どうしたの? りみ。悩み事?」
りみ「あ、お姉ちゃん……あのね、実は明日から高校生なるんだぁ」
ゆり「うん。それで?」
りみ「私、こんな性格だし、いじめられちゃわないか心配で…………不安な気持ちでいっぱいになって夜しか眠れないの」
ゆり「そう、それは困ったね……私がずっと側についててあげられればいいんだけど」
りみ「お願いしても、いい……?」
ゆり「りみのお願いなら聞いてあげたいんだけど……」
りみ「だめ…?」
ゆり「ほら、だって私、三年生でしょ? だからりみと同じクラスでずっと一緒にいるっていうのはちょっと…」
りみ「そ、そうだよね……」 りみ「うぅ、もう夜だぁ……眠くなっちゃう……ぐすっ……」
ゆり「りみ…………一緒にはいてあげられないけど、お姉ちゃんが良い方法教えてあげる」
りみ「…良い方法?」
ゆり「先手必勝。いじめられるのが心配なら、いじめられる前にいじめちゃえばいいの」
りみ「い、いじめる!? わ、私が…?」
ゆり「入学式を終えてから、クラスの雰囲気が完成するまでが勝負。カーストの最上位にりみが君臨してしまえばいい」
ゆり「これだけでりみをいじめようとする人なんかいなくなる」
りみ「お姉ちゃん……うんっ、やってみる! あ、でも誰をいじめれば……」
ゆり「誰でもいいのよ」
りみ「やっぱり私みたいな大人しそうな子……?」
ゆり「ううん、それは逆に悪手。最初は逆に明るい元気な子をターゲットにするのが良いかも」
りみ「明るい元気な子……」 りみ「てめぇーっ、チョココロネ買っとけっつったろぉー!」
バシッ
香澄「えぇっ! チョココロネならさっきさーやから貰って」
りみ「私は一食に2コロネって決めてんだよっ!」
香澄「そ、そんなの知らないよー」
りみ「うっせぇ! 今からダッシュで買いに」
沙綾「まぁまぁ、牛込さん。実はあたし、もう一つ持ってるんだ。これで勘弁してあげて? ね?」
ガサッ
りみ「チョココロネ〜♪」
パァー
香澄「ふぅ……助かったー」
沙綾「あはは、大丈夫だった?」
香澄「さーやぁー! 私、もしかしていじめられてる?」
沙綾「そ、そうかも…」 香澄真昼をパシらせるとは怖いもの知らずのスレかな? たえ「〜♪」
ジャカジャカ
ガンッ…
たえ「あれ? 机が吹っ飛んだ…………ま、いっか」
りみ「……」
たえ「……?」
りみ「……」
たえ「……〜♪」
ジャカジャカ
りみ「授業中にジャカジャカうるせーんだよっ!」
バシッ
たえ「え?」
りみ「先生が困ってんだろっ!」
たえ「あ……そうだった。ごめん」
りみ「わかりゃいいんだよ、わかりゃ!」 >>8
沙綾「戸山香澄ちゃんであって真昼ちゃんではないのよ」 放課後
香澄「さーやはお店の手伝いかー。放課後、暇だなぁ」
ウロウロ
りみ(あ、戸山香澄ちゃんだ……今日のことちゃんと謝らなきゃ……)
りみ「あ、あのっ…」
香澄「うん? あ、りみりーん!」
りみ「えっ…」
りみ(りみりん、って……私こと? あんな酷いことした私に親しげに…………だめだめっ! 簡単に気を許しちゃえば私の高校生活はパステルカラーに染まってしまう……)
りみ(……ここは心を鬼にして)
りみ「お、おいっ」
香澄「なーに? 遊びにいく? いっちゃう?」
りみ「あそこにやまぶきベーカリーってパン屋があるだろ?」
香澄「うんうん、あるねー。すごく良い匂いしてるー」
りみ「おまえちょっとチョココロネ万引きしてこい」
香澄「…………へ?」 香澄「あ、電話だー」
ピリリリッ
りみ「外ではマナーモードにしておいた方が…」
香澄「そうだねぇ、今度から気を付けるよ! もしもし、あー、あっちゃんー? どうしたのー?」
香澄「ごめん、りみりん! 用事入っちゃったからまた明日ね! ばいばーい!」
りみ「う、うん、また明日…」
りみ「……逃げられちゃった」
りみ「私も帰ろうかなぁ…………あれ?」
たえ「〜♪」
ジャカジャカ…
りみ(あの人……花園たえちゃん…………ギター弾きながら歩いてる)
りみ(よ、よしっ……!)
りみ「お、おいっ! そこのギター馬鹿っ!」
たえ「あ、りみだ」
りみ「ちょっとそこのパン屋でチョココロネ万引きしてこい」
たえ「うん、わかった」
りみ「…………え?」 五分後
たえ「ごめん、お待たせ」
りみ「う、うん…」
りみ(え、本当に盗んできたの……?)
たえ「こんな感じでよかったのかな? 万引きって初めてだからコツとかよくわからなくて」
りみ「お、大騒ぎになってないから完璧だったんじゃないかなぁ……」
たえ「そう? よかった」
りみ「で、でもありがと……こんなにいっぱいの無償チョココロ……ってこれ全部メロンパンじゃねぇかっ!!」
たえ「チョココロネがどんなものか知らなくて。だから一番チョココロネっぽいパンを選んできたよ。間違ってた?」
りみ「大間違いだよっ、このアホっ! おまえギターのことしか頭にねーのかよっ!」
りみ「これはメロンパンっ、いい?」
たえ「なるほど。これがメロンパン。じゃあチョココロネは?」
りみ「え、えっと……なんて説明すればいいんだろ……あ、そうだ!」
りみ「ギターの形に一番近いのがチョココロネ!」
りみ(だと思う、うん……間違ってはない)
たえ「りみは物知りだね。よし、次は間違えないようにしないと」
たえ「じゃあもう一度行ってくるね」
りみ「え? あ、うん……」 例えて云うならバンドりは新鮮組ではなく、伊藤一派。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています