留守にした部屋で起こった怪現象といえば・・・。

オレの友人は、大学生の時、夏休みに家事を手伝うために長めの帰省をした。
休みも終わりに近づき、夜行バスで早朝、自分の部屋に帰ってくると、部屋に異変が。
部屋がケモノ臭い。
床に砂粒が散らばっている。
トンボやチョウの死体があちこちに落ちている。
リビングの座机の上に、一枚の紙が広げられていた。
その紙には奇妙な文字の羅列が。
こっくりさんの紙だ。
なにか飲み物をと冷蔵庫をあけたら、入れていた缶ビールが無くなっていて、かわりにヤクルトが入っていた。飲みかけのジュースもある。
それに、ウェディングドレスを着たxカちゃんが横たわっていた。よく冷えている。
冷凍庫を開けると、なかにカエルの凍結死体があった。
部屋をしらべると、本棚に見覚えのない本がいくつかあった。
「ホラーM」「ほんとうは怖い夏休み」「地獄少女」
トイレに入ると、吐瀉物が便器にこびりついている。
寝室の壁には、魔法陣のような大きな幾何学模様がクレヨンで描かれていた。
壁に画鋲がたくさんうたれていて、そこから綿のはらわたが飛び出たクマのぬいぐるみが首吊りをしていた。古い日本人形の首もぶら下がっていた。長い髪をたらしていて、おそらく古い雛人形のものだろう。
彼は、これらをゴミ袋に叩き込み掃除をした。
片付けがひと段落したときには、もう午後になっていた。
夜行バスでよく眠れなかった彼は、部屋でウトウトし始めた。