石じじいの話です。

以前、農村での農薬自殺についての話を書きました。
似たような話です。
ある地域で自殺が連鎖したことがあったそうです。
この連鎖は長引きました。
ある農家の男性が自殺しました。縊死でした。
すると、しばらくたって近くの家の人が自殺した。これも縊死でした。
さらに、しばらくたって近くの家の人が自殺した。これも縊死でした。
さらに、しばらくたって近くの家の人が自殺した。これも縊死でした。
四人目です。
一つの部落から四人とは、これは異常な事態であると人々は感じたのか、このような噂が立ちました。
「ぶら下がっている人の顔が向いている方向の家から、次の自殺者が出る。」
これは、偶然ではないか?
そのような噂(解釈?)を信じる人はほとんどいませんでした。
信じない人の意見:
顔の向いている方向を真っ直ぐに伸ばしていくと、どうしてもどこかの家に行き当たるだろう。
そもそも、その死体が向いていた「本当の」方向をどうやって知るのか?
発見者が、その方向をおぼえているかどうかもわからない。
発見して騒いでいるときに、死体が回転するのではないか?
発見者が、その方向について隠したり、嘘を言ったりするのではないか?
道理です。
[づづく]