ガソリン価格の高騰を抑える資源エネルギー庁の事業を会計検査院が調べたところ、約62億円をかけたガソリンスタンドのサービスステーションの価格モニタリング業務の効果が確認できなかった。

 国は高騰するガソリン価格の値上がりを抑えるため2022年1月から、石油元売り事業者と輸入事業者に対し、ガソリン価格の値下げの原資にあてるための補助金を支給している。この補助金では小売店の価格までは下げられないため、エネ庁は全国2万カ所のスタンドに電話をしたり現地を視察したりしてモニタリングすることで、価格抑制の効果を高める業務を実施している。

 ただ、エネ庁は既存事業でガソリン価格の市場調査を週1回実施している。検査院が二つの事業を比べたところ、22年1月~23年3月末は電話調査の期間、回数も同じだった。同じスタンドに2回電話をかけることになって回答が拒否されるケースも相次いだという。また、調査結果は非公表で価格抑制との関係も分析されていなかった。

 検査院は「調査が価格抑制に結びついているか不明。単に小売価格を調べるのであれば従来の調査で対応可能」とする。

 エネ庁は「調査を繰り返すことで価格抑制を意識させる狙いがあった。指摘を受け今後の対応を検討する」とする。(座小田英史)

朝日新聞
11/7(火) 18:31配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d55d4eb87092e2992d968820e53b91da13fa6ac9