旧統一教会への「質問権」の行使をめぐり、教団側の弁護士が文部科学省に申し入れ書を繰り返し送り、ほかの宗教団体で起きた事件の裁判例などをもとに解散命令請求をしないよう求めていることが初めて分かりました。一方、文部科学省は「申し入れ書は請求の判断に影響しない」としていて、「質問権」の回答などを精査して判断することにしています。

文部科学省は旧統一教会、「世界平和統一家庭連合」への解散命令請求について判断するため、「質問権」を行使して教団の運営や資金の流れについて調べています。

こうした中、旧統一教会から調査の依頼を受けた弁護士が去年12月からことし2月にかけて4回にわたって文部科学省に申し入れ書を送り、請求しないよう求めていたことが分かりました。

申し入れ書では、文部科学省が請求の要件としている組織性、悪質性、継続性の3つの要素をいずれも否定しています。

このうち▽悪質性については、別の宗教法人の信者らが集団暴行で信者を死なせたなどとして有罪判決を受け、解散命令には至っていない例を複数挙げ、「家庭連合はこのような事件を起こしたことがない」と主張しています。

▽継続性については、最近のおよそ7年間の行為で民事裁判を起こされた例はないとし、▽組織性に関しては、教団の不法行為を認めた民事裁判の判決について、幹部の関与など細かい事実認定をしていないなどと主張しています。

解散命令請求に関する教団側の具体的な主張が分かったのは初めてです。

一方、文部科学省は「過去に事件があったほかの宗教法人に対しても状況を見て適切に判断してきた。申し入れ書の内容は、今回の請求についての判断には影響しない」としていて、▽「質問権」の回答や▽教団の不法行為を認めた民事裁判の判決、▽国の窓口に寄せられている最近の相談状況などから解散命令請求について判断することにしています。

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NHKニュース
2023年3月16日 20時32分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230316/k10014010331000.html