「#岸田に殺される」がツイッターで拡散している。〈国民が望んでないことばかりやり、望むことは一切しない政府〉〈テレビで節約とか言うの止めて欲しい。もう無理なんだって〉〈防衛費のために増税を望む国民がいると思いますか〉〈財務省からしたら岸田文雄って最高のピエロだよな。一番操りやすい総理大臣〉──。この庶民の言葉は岸田首相の元に届くのか。これから“大増税”が待ち受けている。

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 岸田首相の元で「大増税」が着々と計画されている。その下地作りとして機能しているのが、内閣府が設置する「政府税制調査会」。10月26日開催の会合に参加した委員から「未来永劫、(消費税が)10%のままで日本の財政がもつとは思えない」という刺激的な発言まで飛び出している。

 もちろん、国民も今後の高齢化の進展に合わせて相応の負担は理解しているが、乾いた雑巾を絞っている最中に増税が行われれば景気をさらに悪化させるだけだ。

■非難続出の走行距離税

 そんな中、政府税調から出てきたのが自動車の「走行距離税」。すぐさま日本自動車工業会の豊田章男会長らが猛反発しているが、走行距離税自体は突如湧いてきたわけではない。2018年からひそかに検討されており、その理由は車のEV(電気自動車)化によって減る「ガソリン税」を補うため。

 ガソリン税は揮発油税と地方揮発油税の総称で、税収は20年度が約2兆2000億円、21年度が2兆1000億円と大きい。財務省はスイスやドイツの「重量貨物車課徴金」を引き合いにしているが、「どの国も輸送トラックを対象にしており、自家用車にまで拡大しようというのは聞いたことがない」(政府関係者)という。スイスはこれで年間約16.3億スイスフラン(約2460億円)、ドイツは約4.63億ユーロ(約680億円)程度の税収入を得ている。

24年度から1人1000円の「森林環境税」

一度導入した税金は中身が変わろうとも手放したくないのが役人たちの本音。走行距離税がガソリン税の代わりなら、24年度から導入される「森林環境税」は、期限の切れる「個人住民税加算」の穴埋めとされる。森林保護を名目に24年度から個人住民税均等割と併せて1人当たり年額1000円が徴収されるのだ。

 すでに国民は東日本大震災の復興を名目に13年から37年まで「復興特別所得税」として2.1%相当が所得税で引かれているが、これとは別に14年度から23年度まで地域の防災対策に充てるため、多くの自治体で個人住民税の均等割額が都道府県民税と市区町村税で500円ずつ(計1000円)加算されている。この期限が切れると同時に森林環境税1000円が導入されるわけだ。

■消費税は2030年までに15%

「国際通貨基金(IMF)が社会保障費を賄うため、30年までに消費税率を15%に上げる必要があると報告していますが、ここにきて出てきたのが防衛費の増額。岸田政権は来年度から5年間で総額43兆~45兆円程度とする方針で、27年度には10兆円超を目指している。今年度の5.4兆円の約2倍です。さすがに社会保障の財源に充てる建前の消費税での補填は難しいが、年金給付の不足分に充てるという手もある」(税務関係者)

 20年度の公的年金の収支状況は、支出51兆円に対し保険料収入は37兆円しかない。差し引き14兆円のマイナス分が国の負担となっていて、ちょうど消費税を5%アップする分に相当する。

酒税の増税もすでに決まっている。現行、第3のビールは350ミリリットル缶1本当たり37.8円の酒税がかかっているが、来年10月から47円、26年には54.25円へアップ。それよりも安い檸檬堂などのチューハイも同28円が26年には35円になり、ビールでさえ高くて手が届かないという庶民の気持ちを逆なでしている。

 他にも政府税調から出てきたのが、「相続税」と「贈与税」の見直し。〈高齢世代の資産が、適切な税負担を伴うことなく世代を超えて引き継がれることとなれば、格差の固定化につながりかねない〉と、もっともらしいことを言っているが、要は増税のこと。現在、親から子、祖父母から孫などへの「教育資金一括贈与」は最大1500万円、「結婚・子育て資金一括贈与」は同1000万円まで非課税だが、廃止の方向。「住宅取得等資金贈与の特例」は来年12月で廃止される。年間110万円の生前贈与についても制限の予定だ。


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日刊ゲンダイ
11/26(土) 9:06
https://news.yahoo.co.jp/articles/f77a8400f2c23f2d6ee114a9190a2707db337032