「借金させ寄付」禁止 政府、旧統一教会の救済新法概要: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA182HF0Y2A111C2000000/

2022年11月18日 16:36

政府は18日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題の被害者救済に向けた新たな法案の概要を与野党6党に提示した。個人に借り入れや不動産の処分をさせて寄付を求める行為を禁止する。政府による措置命令に違反した場合は刑事罰を科すと盛り込んだ。

消費者庁が自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主、共産の6党の幹事長・書記局長会談で説明した。

法人による寄付の勧誘は「個人を困惑させてはならない」と定めた。禁止する行為として勧誘を告げずに退去困難な場所へ同行することや退去の妨害などを例示した。

これらの勧誘に該当する際に寄付を取り消せるようにする。取り消しができる期間は、寄付した人が被害を認識した時から1年間とする。禁止行為による寄付の約束をしたり実際に寄付したりした時は5年間認める。

寄付金を集める法人に禁止行為の停止勧告や措置命令を首相が出す。命令にも違反した場合には刑事罰を適用する。刑事罰は懲役刑や罰金刑などを想定する。

家族による寄付の取り消し権も認めた。民法の「債権者代位権」の考え方を取り入れた。信者である親が多額の寄付をし、生活費や養育費など子どもや配偶者が本来の扶養を受けられなかった場合に行使できる。

政府・与党は救済法案の新法の今国会での成立をめざす。野党が求めてきたマインドコントロールの定義は明記しなかった。「年間の可処分所得の4分の1」までとする寄付の上限規制も設けなかった。