山際前経済再生相が事実上更迭。岸田官邸は「辞任ドミノ」を警戒しているが、日刊ゲンダイの調べで“次のクビ”候補が急浮上だ。岡田直樹地方創生相(参院・石川選挙区)が、地元有権者に“買収まがい”の政治資金を配りまくっていたことが分かった。

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 岡田氏が代表を務める「自民党石川県参議院選挙区第2支部」の政治資金収支報告書(2018~20年分)を精査すると、毎年10月から12月にかけて「宣伝事業費」の「広報掲示板管理料」を計上。選挙区在住の複数の有権者に、1件1万2500~8万円を支出していた。3年で計77件、総額は202万7500円に上る。

 広報掲示板とは、議員ポスターを貼る掲示板のこと。果たして維持管理に1件数万円もかかるのか。そもそも、地元有権者に有料で“委託”する必要などあるのか。ある現職国会議員が言う。

「掲示板の管理は地元事務所の職員が行うのが通例です。そんなに頻繁に維持管理を必要としませんから、数万円のコストはかからない。維持管理名目で有権者にカネを配るなんて、下手したら“ワイロ”と疑われても仕方ありません」

 確かに、実際には維持管理を行っていない地元有権者にカネを配ったら、選挙期間の有無にかかわらず、公職選挙法が禁じる「寄付」に抵触しかねない。抵触した場合、50万円以下の罰金に処される。そこで本紙は、収支報告書に記載された複数の有権者に実情を聞いた。

「確かにウチの前には掲示板が置かれていますけど、維持管理なんてしてませんよ。それは岡田先生の地元事務所の方がやってくれています。私たちは一切、タッチしてませんよ」(金沢市在住のAさんの妻)

■「地元秘書がカネの入った封筒を持参してくる」

 記載のある同市のBさんも「維持管理はしてません」と証言し、こう続けた。

「ウチは毎年、岡田さんの事務所から数万円のお金を頂いてます。『維持管理』ではなく『謝礼』名目です。毎年末ごろ、秘書の方がお金の入った封筒を持参して、『掲示板を置かせていただいてありがとうございます』とお礼しにきます」

 維持管理の実態がないのに収支報告書に「維持管理料」と記載したのなら、政治資金規正法の虚偽記載に当たる恐れもある。岡田事務所に質問すると、文書でこう回答があった。

〈(掲示板は支援者宅の)屋外設置のため広報板やポスターなどに不具合がある場合は修理していただいたり、事務所にご連絡いただくことなどに対する、相当対価として『広報掲示板管理料』をお支払いしている〉

 あくまで維持管理への対価を払っているとの説明だが、AさんやBさんの証言と食い違う。改めて証言内容について事務所担当者に電話で話を聞くと、こう答えた。

「石川は大雪の時期もありますから、掲示板が壊れたりした時に修繕してもらうケースが結構あるんです。『維持管理していない』『謝礼名目で金銭をもらった』というのは、その方たちが誤認しているということではないか。私どもとしては、あくまで『維持管理』への対価という認識です」

 政治資金問題に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏はこう言う。

「『証言した方たちの誤認』とは、あまりに苦しい言い訳です。政治資金規正法や公選法に違反していないと言い張るため、支援者に責任転嫁しているように映ります。この説明では、法令違反の疑いは拭いきれません」

 極めて“クロ”に近い。

日刊ゲンダイ
10/26(水) 13:30配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/5006e4315b904f978498d57b3327e3518a4fb021