世界平和統一家庭連合=旧統一教会と政治との関わりが、連日、明らかになっていますが、道内でも組織的な選挙支援は30年以上前からあった。道内の元信者が明かす、その実態です。

元信者の女性(50代)
「(自民党に投票しなさいと?)そうですね。そうすることが、正しいというふうに当時は信じていました」

 こう話すのは、道内に住む元信者の女性です。
 女性は1987年、札幌で18歳の時に勧誘を受け、およそ2年半、入信していました。

教団での活動は、高額品の販売や勧誘活動など、多岐にわたったといいます。

元信者の女性(50代)
「最初は伝道機動隊という部署にいて、その次にアラスカ隊っていう部署に配属されて、そこが当時の(旧統一教会の)久保木会長の直属の部署だというふうに言われていて」

 90年、女性は教団の初代会長直属の部署に所属。そこで指示されたのは…

元信者の女性(50代)
「あなたたちの今回の使命は、山梨県知事選挙ですと言われて、山梨県の温泉地に144名の統一教会員が集められて、自民党の議員を応援するという活動をさせられてました。そこでは統一教会員であるということは隠しなさいと言われて、自分がボランティアで個人的にやっていると言いなさいと」

 91年1月、山梨県知事選挙。
 教団は当時、「政界のドン」と言われた自民党・金丸信(かねまる・しん)元副総裁が力を入れていた候補者を支援したといいます。

元信者の女性(50代)
「(有権者を)一軒一軒訪問して、個票に名前を書いていただいて応援していただくという活動。選挙違反なので、ともすれば捕まると。捕まったときに統一教会員であることを隠しなさいと言われて活動していました」

 有権者への戸別訪問や、署名を集めることは、公職選挙法違反に当たる行為。
 元信者の女性は、旧統一教会による政治家との組織的な選挙活動が、当時、既にあったと話します。

元信者の女性(50代)
「私が所属したときは、(旧統一教会内は)もう自民党一色の時代だったと思います。常に自民党のこの先生は『みことば』を受け入れているので、この先生が当選することで摂理(統一運動)が進むからと、だから応援しましょうと」

 当時、旧統一教会の組織的な支援はあったのか。
 教団が選挙支援した候補者の男性は、取材に対し、30年以上前のことで記憶がないが、「少なくとも教団と接触したことはない」と答えました。
 一方、教団は…

世界平和統一家庭連合の回答
「当法人が各種選挙において、特定の政党や候補者を支援した事実はありませんので、ご質問にある事例については全く承知していません」

 教団と政治家との関わりについて、旧統一教会を研究する北大の櫻井教授はこう指摘します。

北海道大学大学院 櫻井義秀 教授(宗教社会学)
「(選挙活動を支援することで)地方で布教勧誘活動をやるときに権威づけにもなる。政治家っていうのは広告塔になるだけでなくて、統一教会の活動を後押ししている。いわば様々な被害を拡大してる」

 政治家が選挙支援を受けることと引き換えに、教団の活動にお墨付きを与える。その結果、高額献金などの被害が続いた可能性があるのです。

HBCニュース
2022年8月25日(木) 21:32
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/134929