かつて安倍晋三元首相のファンを公言していた学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長は、国有地売却問題で突き放されたのを機に批判に転じた。その後、補助金受給を巡る詐欺罪に問われ、「国策捜査」と主張して現在は上告中。8日、取材に対し「自分たちの事件の真相が究明されなくなる」と話す一方、思想や言論の自由が失われることにも懸念を示した。

2017年、大阪府豊中市の国有地が8億円余り値引きされ、学園に売却された。籠池氏は安倍氏の妻昭恵氏との親密さを周囲にアピールしていたことから、便宜供与が疑われた。籠池氏はその後、小学校建設に関する補助金を詐取したとして大阪地検特捜部に起訴された。

籠池氏は財務省決裁文書改ざん問題などを念頭に「安倍さんの指示があったのかどうか、解明が難しくなった」と指摘。その上で「外交や経済政策をどんどん進める人だった」と評価し、「結果を見ることなく亡くなってしまい、ご自身が一番残念に思っているのでは」とおもんぱかった。

昨年秋の衆院選には、自身の妻が大阪5区に立候補した。街頭演説の場が狙われたことについて「候補者は聴衆を信頼して活動している。(萎縮して)演説できなくなれば民主主義にとって大きな問題だ」と話した。(共同)

日刊スポーツ
2022年7月8日21時34分
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