19日、「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会“の韓国にある本部の元幹部が会見を開き、安倍元首相の殺害事件について謝罪しました。元幹部は、日本の教団が献金を作り出す「経済部隊」となっていたとの内部事情を明らかにしました。

「元幹部語る“内情”」、「日本の教団は“経済部隊”」、「“献金”の変遷」、以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■「正道から外れている」教団元幹部が批判も

郭錠煥(クァク・ジョンファン)“統一教会”元会長が19日、韓国・ソウルで会見を開きました。安倍元首相の殺害事件について、郭元会長は「責任がある」と謝罪しました。

郭錠煥“統一教会”元会長
「私は“統一教会”で最も長い間、最高位指導者の地位にいたため、私自身、安倍元首相の死に責任がないとは思っていません。心よりおわび申し上げます」

郭元会長は「世界平和統一家庭連合」、いわゆる“統一教会“の創始者・文鮮明(ムン・ソンミョン)氏に次ぐ、ナンバー2だった人物です。1958年に入信した郭元会長は「世界会長」など教団本部の幹部の役割を歴任し、文鮮明氏の最側近を50年以上、務めました。

創始者が亡くなった後の現在の教団について、郭元会長は「正道から外れている」などと批判しています。

■「日本の教団は『経済部隊』扱い」後継者巡り“内部紛争”も…

会見によると、過去には後継者をめぐる争いもあったということです。

2001年、創始者の三男が、現在も続く日本の教団の誤ったシステムを正すため、当時の献金活動の責任者をやめさせました。これを機に日本の教団を、献金を作り出す「経済部隊」から「正常な組織」に変えるよう試みたということです。

しかし、この試みは反対派の教会指導部による抵抗に遭い、暗礁に乗り上げたということです。そして、日本の教団に対して「これ以上、手を打つことができなくなった」と主張しています。

郭元会長は、日本の教団は『経済部隊』、つまりお金を集める場として考えていたと主張しています。

その後、改革しようとしてきた三男は、反対派の勢力から追い出されたということです。現在の総裁で創始者の妻・韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏、四男、七男らが追い出したと主張しています。この一連の経緯には、後継者を巡る内部紛争があったとみられています。

ただ、19日に会見を行った郭元会長は三男の義理の父で、教団の内紛で、現在の教団と対立する立場からの見解です。

■“原価5~6倍”珍味・お茶など訪問販売 高麗人参茶はあまり売れず

昔から日本は「経済部隊」扱いだったということが会見からわかります。この「経済部隊」は、どのようにできあがっていったのでしょうか。

宗教社会学を専門としている北海道大学の櫻井義秀教授に聞きました。

櫻井教授によると、日本における献金などを集める、いわゆる「経済部隊」ができあがったのは、1970年代から1980年代です。「経済部隊」は当初、珍味やお茶などを原価の5倍から6倍で訪問販売していたそうです。

その後、高麗人参茶などの韓国製品を輸入・販売するようになったといいます。その方が、韓国の教団本部にもうまみが出てくるから、そのようになったと指摘しています。しかし、当時の日本にはなじみのない商品だったこともあり、あまり売れなかったということです。

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日テレNEWS
2022年7月19日 20:42
https://news.ntv.co.jp/category/society/fcdab13ab8584b9eabdcfea5a9efefc7