なぜ、凶行は防げなかったのかーー。

8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄「大和西大寺」駅北口前で安倍晋三元総理が銃撃された。参院選選挙の自民党候補者への応援演説中、背後から銃で撃たれた。そして、午後6時頃、安倍元総理が亡くなったと報じられた。

【写真】安倍晋三元総理「衝撃の流血写真」

「その場で取り押さえられた山上徹也容疑者(41)は、2本の鉄パイプのようなものを黒いテープで巻きつけた手製の銃で安倍元首相を銃撃したとみられます。山上容疑者は周囲にいたSPの隙間をすり抜けて、約5mの至近距離で安倍元総理に向けて銃を発射したのです」(全国紙社会部記者)

安倍元総理の周囲では、警視庁警護課のSP1名が警戒に当たっていた。また、それに加えて奈良県警の警備担当者も現場入りしていたという。だが、現場では一般人が陣営から数mの距離までやすやすと近づける状況で、安倍元総理の背中はガラ空きだった。そして、実際に凶行は起こった。

警察庁関係者が語る。

「通常、大物の政治家が演説に来る場合、県警に党などから連絡があり、警備にあたります。今回の安倍元総理の演説は昨日急遽決まったとのことですが、それでもしっかりと対応するのが責務のはずです。

政治家を自作の銃で襲うなど、日本では前例がありませんが、そもそも不審物を持っている人間が要人に近付けてしまっていること事態、警備体制に問題があったと言わざるを得ません。さらに、警備がいても襲撃は起こりうるというイメージが世間に広がれば、警備の存在意義すら危ぶまれます。

奈良県警のトップである本部長の鬼塚友章氏は、平成23年に警察庁警備局公安課理事官、平成28年に警視庁警備局警備課警護室長を歴任するなど、警備畑のエリートです。にもかかわらず、このような事態が起こってしまった。SPを派遣した警視庁および奈良県警の責任は大きいでしょう」

前代未聞の犯行であることは間違いない。しかし「予期できなかった」で済む話ではないのもまた事実だ。

FRIDAYデジタル
7/8(金) 18:45
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f4a45fdf4ff946332f05e14a6c37f89384dea01