共同通信社は第26回参院選について22、23両日、全国の有権者に電話情勢調査を実施し、3万8千人以上から回答を得た。取材も加味して公示直後の序盤情勢を探ったところ、自民、公明両党は改選124議席の過半数(63議席)を上回る勢いだ。

立憲民主党は改選1人区での共闘が限定的となり伸び悩む。日本維新の会は選挙区、比例代表ともに議席増が見込まれ、立民と野党第1党の座を争う構図だ。

自公に日本維新の会、国民民主党などを加えた憲法改正に前向きな「改憲勢力」は国会発議に必要な3分の2以上の議席維持をうかがう。投票先を未定とした人は選挙区で31.2%、比例代表で15.4%おり、今後情勢が変わる可能性もある。

参院選は7月10日に投開票される。非改選の神奈川選挙区の欠員1を補う「合併選挙」を合わせた計125議席を争う。

自民は1人区で優位に戦いを進め、現有の改選55議席からの上積みを図り、60議席台を狙う。比例は前回19年の19議席を維持する可能性が出てきた。岸田文雄首相が掲げた非改選を含む与党での過半数確保に必要な56議席は超えそうだ。

1人区の山形や新潟、山梨、大分などは現職の野党候補と激しく競り合う。

改選23議席の立民は伸び悩み、20議席を割る恐れもある。1人区は青森、岩手、長野などで議席を得る可能性があるが、複数区で2人擁立した神奈川は共倒れ懸念もある。

公明は比例で改選7議席を維持する手堅い展開だ。候補者を擁立した7選挙区でも議席を確保する情勢だ。改選6議席の維新は倍増以上の15議席に届きそうな勢い。国民民主は伸び悩み、改選7議席を割り込む展開で苦戦している。

改選6の共産党は現状維持の見込み。政党としての生き残りがかかる社民党は議席獲得が微妙な展開。無所属は埼玉、沖縄で議席をうかがう。

19年に比例で2議席を得たれいわ新選組は、東京選挙区と比例で計3議席も視野に入る。NHK党は比例で1議席を、諸派の参政党も議席を獲得する可能性がある。

「支持する政党はない」と答えた無党派層の比例投票先を見ると、立民が最も多く11.5%、次いで自民が10.9%、維新の9.8%と続いた。〔共同〕

日本経済新聞
2022年6月24日 5:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE23BHM0T20C22A6000000/