昨今のニュースを見ていると、強引な上に魂胆が見え見えの「姑息な言い換え」を目にすることが少なくありません。いや、昨今に限りませんね。戦時中も「撤退」を「転進」、「全滅」を「玉砕」と言い換えていました。もしかしたら日本の伝統芸かもしれません。
 コロナに関するニュースでは、どうやら「医療崩壊」と呼んだほうがいい状態になっているのに、政府は「医療がひっ迫」と言い続けました。自宅療養を中心にするという「方針転換」には、戦時中の「転進」に近いニュアンスを感じます。この先、一日も早く事態が落ち着いて、だけど迂闊に「もう安心です」とは言えないから、念のために「まだまだ警戒が必要ですが」と言い換えてアナウンスする状況になってほしいですね。

 ほかにも、たとえば厚生労働省は、前途ある外国の若者を人身売買に近いやり方で日本に連れてきて奴隷的な扱いをする制度を「外国人技能実習制度」と言い換えています。入管庁は収容中のスリランカ人女性が死亡した問題で、施設内の様子が映った映像の開示を渋る理由について、「自分たちがやったことが知られると困るから」を「プライバシー保護の観点から」と言い換えていました。


https://www.news-postseven.com/archives/20210912_1690909.html?DETAIL
「従軍慰安婦」が「慰安婦」に言い換えられると聞いて感じたこと
2021.09.12 16:00 NEWSポストセブン

参考)
https://www.jprime.jp/articles/-/21495
【復興五輪のウソ】福島在住ジャーナリストが見た「市民排除」の虚しき実態 2021/7/23