自民党の野田聖子幹事長代行は13日午前のNHK番組で、今国会で野党が菅義偉内閣への不信任決議案を提出した場合に与党として否決する考えを示した。「素直に反対だ。自分たちはちゃんとやってきたという自負がある」と述べた。公明党の石井啓一幹事長も「不信任に相当する理由はない。与党は粛々と否決する」と語った。

国会は16日に会期末を迎える。立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党は3カ月の会期延長を与党側に申し入れている。新型コロナウイルス対策のための2021年度補正予算案や東京五輪・パラリンピックの議論が必要だと訴える。

立民の福山哲郎幹事長は政府・与党が延長せずに閉会する場合について「内閣不信任案の提出は大きな選択肢の一つ。(衆院)解散を覚悟の上だ」と言明した。

与党側は延長は必要ないとの認識を示した。野田氏は「現実的な対応を考えれば閉会中審査などを活用し、集中的にやるのが大切だ」と指摘した。石井氏は「新型コロナ対策で必要が生じれば閉会中審査で十分に議論は可能だ」と強調した。

野田氏は衆院解散の時期に関して「首相が言った通り新型コロナがしっかり収束してからということになる」と言及した。石井氏も「現実問題として足元はコロナ対策が最も重要だ。現状はそれに力を入れていく」と触れた。

福山氏は「(衆院解散は)政治空白を起こすので、まずは国会を延長して国会の役割を果たすべきだ」と主張した。国会を延長すれば「不信任案は出さない」と明言した。

野田氏は五輪・パラの開催を巡り「私たちはしゃにむにやることを前提に何かをしているという日々ではない」と強調した。「安全な五輪・パラを開催できるか、科学的な積み上げをやっている最中だ」とも話した。

日本経済新聞
2021年6月13日 11:50
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE130MU0T10C21A6000000/