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 新幹線が開業してから50年以上が経つが、東海道新幹線のルーツが戦前の「弾丸列車計画」にあることはあまり知られていない。これは、東京と本州西端の下関を結ぶ高速鉄道計画で、さらに釜山へ至る海底トンネルを建設して、中国大陸までつなげるという壮大な構想もあったようだ。

 この計画は戦争の激化で中止になったものの、韓国では2021年4月の釜山市長選をきっかけに、九州と朝鮮半島を結ぶ「日韓海底トンネル」計画が再燃しているという。中国メディアの網易は、これを機に「東京ー北京間の高速鉄道」が開通する可能性を伝えている。

 これはあくまで仮定の話だが、記事はもし東京と北京が韓国経由でつながれば、東アジアの主要都市である「東京、大阪、ソウル、北京」が結ばれる可能性があると紹介した。時速350キロの高速鉄道で移動できれば、「朝食は北京で、昼食は東京で取る」というようなことが可能になるとの専門家の意見を伝え、胸を膨らませている。

 気になるコストはどうなのだろうか。記事は、実現すれば高速鉄道としては世界最大規模の利用客が見込めるため、年間の利益を130億ドル(約1兆4000億円)とすれば、10年以内にコストを回収できると主張している。また工期については、日韓トンネルと中国を結ぶ高速鉄道を同時に建設すれば「7年で完成できる」と伝えている。

 韓国で日韓トンネルの話が再燃しているのは事実のようだが、実現の可能性は非常に低いと言わざるを得ない。中国は一帯一路構想で各国へ高速鉄道を張り巡らそうとしており、記事の中国人筆者はその一環として日本とも高速鉄道を繋げたら良いと軽く考えたのだろう。それほど、中国人にとって鉄道で海外と繋がるのは必然的なことになっているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)