2020年度から国が始めた低所得世帯向けの修学支援制度により、大学・短大などへの進学率がどの程度上がったか文部科学省が調べたところ、住民税非課税世帯では、制度導入前と比べて10ポイントほど上昇したとみられることがわかった。同省は新制度が進学を後押ししたとみている。

 この制度は住民税非課税世帯とそれに準じる世帯が対象で、支援額は収入によって変動する。非課税世帯の場合、国公立大生は授業料を年約54万円、私立大生は年約70万円を免除。さらに、国公立大生なら年に最大約80万円、私立大生なら同約91万円の給付型(返済不要型)奨学金を支給する。制度の対象となる世帯年収の目安は、両親と大学生、中学生の4人のモデル世帯では380万円未満。

 文科省によると、非課税世帯の大学や短大、専門学校などへの進学率は、制度導入前は約40%(18年度)だった。一方、20年度は非課税世帯の高卒者約13万〜14万人のうち約6・8万人が大学や短大、専門学校などに進学したとみられ、同省は進学率を48〜51%と推計した。18年度から10ポイント前後上昇した計算になる。

 修学支援制度を利用した非課税世帯の20年度の入学者は約5・8万人。制度利用者へのアンケートでは34%が「新制度がなければ進学をあきらめた」と答えた。萩生田光一文科相は13日の会見で「新制度が真に支援が必要な子どもたちの進学の後押しになった。政策的に、きちんと成果が出ているんじゃないかと思う」と強調した。(桑原紀彦)

朝日新聞 4/13(火) 17:52
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