ユネスコ「世界の記憶」改革案 異議ある場合は関係国間で対話 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210416/k10012977701000.html

2021年4月16日 6時09分

日本と中国で見解が異なる「南京事件」に関する資料が登録されるなど、事業が政治利用されているとして日本政府が改革を求めてきたユネスコ=国連教育科学文化機関の「世界の記憶」について、ユネスコの執行委員会は加盟国から異議があった場合に関係国の間で対話するなどとする改革案を承認しました。

世界各地に伝わる古文書などを保護するユネスコの「世界の記憶」をめぐっては2015年に日本と中国で見解が異なる「南京事件」に関する資料が登録されたほか、その後、韓国や中国などの市民団体が慰安婦問題に関する資料の登録を申請し、日本政府は事業が政治利用されているとして改革を求めてきました。

これを受けてユネスコは3年前に作業部会を設けて検討を進め、15日、執行委員会を開いて改革案を承認するかどうか議論しました。

改革案では
▽加盟国のみが新たな登録の申請を認められるほか
▽加盟国は申請内容をめぐって異議を申し立てることができ
▽異議が出た申請は関係国が期限を設けずに対話を続けるとしています。

委員会では改革案が全会一致で承認され、これによって止まっていた「世界の記憶」の登録申請は年内に再開されることになりました。