https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210408/for2104080002-n1.html
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の断末魔か。来年3月の大統領選の前哨戦とされる首都ソウルと南部・釜山(プサン)の両市長選で、与党「共に民主党」が連敗した。外交でも北朝鮮の東京五輪不参加表明で、南北対話再開をもくろむ文氏の思惑が外れた。さらに世界的な不足が問題となっている半導体分野では米中対立のはざまで二枚舌外交を続けており、米国側の不信感も極まっているようだ。

習近平 文在寅大統領



 ソウル市長選では保守系野党「国民の力」の呉世勲(オ・セフン)元ソウル市長(60)が、釜山市長選でも同党の朴亨●(=俊のにんべんを土に)(パク・ヒョンジュン)元大統領府政務首席秘書官(61)が、いずれも与党候補を破った。韓国の都市部では住宅価格が高騰、有権者の不満が高まるなか、政府傘下の韓国土地住宅公社の職員らによる土地の不正投機疑惑が発覚したことも大きく影響した。

 次期大統領争いでも与党は劣勢だ。韓国の世論調査会社、リサーチアンドリサーチによると、文政権と対立して辞任した前検事総長の尹錫悦(ユン・ソギョル)氏が31・2%で、与党系の京畿道(キョンギド)知事、李在明(イ・ジェミョン)氏の25・7%を上回る。任期が残り1年余りの文政権はレームダック(死に体)化しつつある。

 半島情勢に詳しい朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は、「国民のムードはどんどん保守系候補へと向いている状況で、大統領選でも与党はかなりの劣勢になるだろう」と指摘する。

(略)