菅義偉首相の長男の菅正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題を巡り、武田良太総務相は24日午前の記者会見で、便宜供与など同省幹部による不正がなかったかどうか引き続き調べる意向を示した。国家公務員倫理規程に関する調査は終了し、同日午後、接待を受けた幹部ら13人のうち11人の処分を発表する。当時総務審議官だった山田真貴子・現内閣広報官は「責任を痛感している」と述べた。野党は衆院予算委員会理事会で、山田氏を25日に参考人として招致するよう与党に要求した。

武田総務相は記者会見で「国民の疑念を招き、深くおわびする」と改めて陳謝。「行政がゆがめられることがなかったか、改めて確認する」と述べ、再発防止に努めるとともに、接待の背景や経緯などを含めた真相究明に全力を挙げる考えを示した。

加藤勝信官房長官は記者会見で、山田氏が「国民の疑念を招く事態になっていることを重く受け止め、責任を痛感している」と話したと説明。処遇に関しては、総務省幹部の処分結果などを踏まえ対応するとした。

山田氏の接待を巡っては、東北新社の費用負担が約7万4000円分に上ることが判明。加藤氏は衆院内閣委員会で、和牛ステーキと海鮮料理だったと明らかにした。

正剛氏は総務省から衛星放送の認可を受けた子会社の役員を兼ねている。総務省は関係者への聞き取りなどにより、正剛氏らを国家公務員倫理規程上の「利害関係者」と認定。利害関係者からの接待を禁じる倫理規程違反と判断した。人事院は減給または戒告の懲戒処分に当たるとしている。

総務省によると、接待を受けたのは山田氏のほか、事務次官級の谷脇康彦、吉田真人両総務審議官、秋本芳徳・前情報流通行政局長ら計13人。接待は2016年7月〜20年12月に延べ39件あり、会社側の負担は総額約60万8000円に上る。(共同)

日刊スポーツ
2021年2月24日12時40分
https://www.nikkansports.com/general/news/202102240000316.html