https://news.yahoo.co.jp/articles/0aa5cb782ce1a1a7773506c9f53515e035d24b63
漂流する韓国、中朝に従属

決意すれば、韓国は数カ月で核弾頭を製造可能――(写真は昨年行われた3000トン級潜水艦「安武」の進水式)

 保守が「米国への回帰」を唱えれば、左派は「中立」を訴える。バイデン(Joe Biden)政権の突き付けた踏み絵が韓国社会を二分した。韓国観察者の鈴置高史氏は「核武装中立」が落とし所と見る。

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鈴置:韓国の保守派が「米国側に戻ろう」と叫びます。バイデン政権が「次も反米政権を選ぶなら韓国を見捨てる」と脅したからです(「慰安婦問題を言い続けるなら見捨てるぞ 韓国を叱りつけたバイデン政権の真意は」参照)。

 朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)主筆の「今、驚くべき話が出回っている」(2月18日、韓国語版)は、韓国が米国から見放された証拠を列挙しました。要約しつつ訳します。

・米国では今後、韓国は100%中国に付き、日本は100%米国に付くという見方が主流となった。米国の政府も民間も中国の台頭に深い警戒を共有する時に、北朝鮮と中国に行き過ぎた好意を示し、日本には行き過ぎた敵意を見せる文在寅政権が重なった結果だ。
・ヘーゲル元国防長官らが作成し、バイデン政権に提出した「核と安保」関連報告書は、米国が核の運用を豪州、日本、韓国と論議するアジア版核企画グループの創出を提案した。しかし、その直後に米国では「韓国を除け」との声が上がった。
・アインホン元国務省軍縮担当補佐官は「韓国は中国を意識し、参加しないだろう」とし、セイモア元ホワイトハウス調整官は「反対するであろう同盟国に対し、米国から先に提案する必要はない」と語った。
・ローレス元国防副次官は「韓国は結局、核を保有する北朝鮮に従属する可能性が高い。米国は日本に中距離核ミサイルを配備し中国と北朝鮮に対応せねばならない。この場合、米日はNATO式の核共有協定を結ぶことになる」と言っている。
・ランド研究所のべネット研究員は「北朝鮮が日本を攻撃する場合、米国の対北軍事作戦において韓国の立場を考慮する必要はない、との見解も米国で広まっている」と述べている。
・最近、米国でジョージ・ケナンの「ロング・テレグラム」に比肩すべき匿名の寄稿が登場した。ここでも「韓国が引き続き中国側に漂流している」との認識が示されている。同盟国とその敵国の間を綱渡りすれば、同盟は殻だけが残る。我々はその後をどこまで考えているのか。

 楊相勲主筆は米国で「韓国は中国側」との認識が定着したうえ、米政府は韓国抜きの戦略を立てるようになった、と警鐘を鳴らしたのです。
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(略)