東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は11日、女性を蔑視する発言をした責任を取り、会長を辞任する意向を周囲に伝えた。複数の関係者が明らかにした。組織委が12日に開く緊急会合で表明する見通し。後任は元日本サッカー協会会長で組織委の評議員を務める川淵三郎氏(84)で調整している。2人は東京都内で会談し、森氏の就任要請に川淵氏は会長職を受ける意向を示したという。

 森会長を辞任に向かわせたのは、開催都市のトップである東京都の小池百合子知事の発言だった。10日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が提案し、今月中旬で調整されていた4者協議への出席を拒んだ。開幕まで残り5カ月あまり。感染症対策など一刻も早い課題解決が迫られる中、重要な協議の場を先送りせざるを得なくなった。組織委幹部は「辞めろと言っているようなもの」とつぶやいた。

 これを受け、急転直下、事態が動き始めた。森氏を擁護してきた政府関係者の間でも一転、「どうやったら森会長に辞めていただけるか。官邸も自民党も見限り始めている」と動きが慌ただしくなり、森氏が辞意を固めたとの情報が流れ始めた。

 森氏は機先を制した。関係者によると、…

毎日新聞
2021年2月12日 05時30分
https://mainichi.jp/articles/20210211/k00/00m/040/265000c