#男女平等

 〈#DontBeSilent〉(黙ってはいけない)
〈#GenderEquality〉(男女平等)
〈#男女平等〉

 2月5日の午後以降、各国の駐日大使館やそれに類する機関の公式ツイッターアカウントが、こんなハッシュタグをつけたツイートを始めた。

 最初のツイートは、駐日ドイツ大使館によるものと見られる。午後1時、冒頭のハッシュタグとともに、2枚の写真を投稿した。一枚は、同大使館の女性職員と見られる人たちが集まり、手を挙げている写真、もう一枚は男性の職員も一緒になって同じポーズをとっている写真だ。同日の深夜には1万を超える「いいね」がついている。

 駐日フィンランド大使館も続いた。午後5時1分に行われた投稿には、上記のハッシュタグとともに、ドイツ大使館と同じように、職員が片手を挙げる写真が添付されている。

 明言こそされていないものの、これらのツイートは、森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の「女性蔑視発言」に対する抗議と考えるのが妥当だ。

 東京五輪組織委員会の委員長という極めて公共性の高い立場にいる人物による差別的な発言は、世界に波紋を広げ、海外メディアからも批判の声が上がっていたが、駐日大使館からも抗議の声が上がったかたちだ。

 ツイートをしたのはフィンランド大使館だけではない。

 駐日欧州連合代表部も午後5時12分にハッシュタグと写真をツイート。駐日アイルランド大使館も午後6時20分、欧州連合代表部のツイートを引用リツイートするかたちで、

 〈アイルランド大使館は、駐日欧州連合代表部およびEU加盟各国の駐日大使館とともに、#DontBeSilent イニシアティブに賛同します〉

 とした。

 ほかにも、スウェーデン大使館、ポルトガル大使館がツイート、さらには、国連広報センターのアカウントも、同様の投稿をしている。

IOC会長は「理解した」と言うが…

 2月4日に自身の発言について「謝罪」会見を行った森会長だが、その場で質問をした記者に対して「あんんたの話は聞きたくない」などと逆ギレして、さらなる批判を浴びていた。

 橋本聖子五輪担当大臣はこの会見の翌日、IOCのバッハ会長が2月4日の夜に、森会長の発言と謝罪について「よく理解した」と電話をしてきたことを明かしている。バッハ会長の「鶴の一声」によって問題を収束させたいのだろうが、逆ギレ会見によって国際的な批判の声はさらに大きくなっているのである。

 日本政府の対応が国際的な批判に火をつけた部分もあるだろう。加藤勝信官房長官は、2月4日の会見で、

 「森会長の発言内容の詳細について承知していない」

 「政府として具体的なコメントは避けたい」

 と述べており、注意をするどころか、現状を認めることすらできなかった。

 菅義偉首相はどうか。菅首相もやはり、同日の衆議院予算委員会で、枝野幸男・立憲民主党代表の質問に答えるかたちで、「森会長が発言した内容の詳細については承知しておりません」としている。

 場内がどよめくと「詳細については承知していないということです」と続け、「スポーツ分野においても、女性の社会参画は極めて大事だというふうに思っております」と述べた。

 政府のトップが自民党のボスに「忖度」をして、批判をできないでいるために、日本は国際的な信頼を失っている。

現代ビジネス
2/6(土) 3:11配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/55924a8f442ba73d6ac7f4c63f0624c91d254cb8