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野党連合政権へ「政治決断」を
小沢政治塾 志位委員長の講演
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(写真)講演する志位和夫委員長=9日、東京都新宿区

 日本共産党の志位和夫委員長は、9日に東京都内で行われた「小沢一郎政治塾」20周年記念特別講演に講師として招かれ、「本気の共闘と日本共産党の立場」と題して講演を行いました。志位氏は、野党共闘を発展、飛躍させるうえで、「政権合意」を行うことが決定的に重要であり、それが政策協議でも、選挙協力でも大きな力を発揮することを強調。他の野党にそのための「政治決断」をよびかけました。
野党共闘の大きな課題――政権問題で前向きの合意をつくること

 志位氏は、5年間の野党共闘の成果に触れたうえで、大きな課題があるとして「それは政権問題で、前向きの合意をつくるということです」と強調。5年前、「安保法制廃止の国民連合政府」を提案した際、この政府をつくることで一致する野党の選挙協力――政権問題での合意を選挙協力の前提として提案したと指摘しました。「私は、これは当たり前の筋と考えました。選挙は政権をとるためのものです。選挙協力をやれば当然、政権協力するのが当たり前ではないかと考えました」

 しかし当時、“共産党と政権まで一緒にやるのか”“とても無理ではないか”という意見も強く、一致が得られませんでした。そのため、2016年2月の5野党の党首会談で、選挙協力が合意されたとき、国民連合政府の提案は横に置いて選挙協力をすることを表明し、選挙協力をすすめてきました。

 志位氏は、16年の参院選、17年の衆院選、19年の参院選と3回の国政選挙で一定の成果も得たが、「いまこの共闘を飛躍させる、バージョンアップさせるには、政権問題での前向きの合意をつくることがどうしても必要ではないか」と強調しました。
「政治を変える」という本気度がビンビン伝わる共闘に発展を

 「安倍1強」と言われるものの、この6回の国政選挙での自民党の比例での有権者比得票率は15〜18%であり、一度も2割に達したことはありません。自民党が議席で多数を占めてきたのは、選挙制度の問題と、低投票率に原因があると指摘しました。

 志位氏は、「なぜ投票率が低いか。その最大の責任は安倍首相にあります。あらゆることでウソをつく。首相の姿勢は、“ウソをつき続ければいい。そのうちウソに慣れる、そしてあきらめる”。こうやって、あらゆる面で政治不信をつくってきた。安倍首相がつくった政治不信によって、低投票率がつくりだされている。その責任は重い」と語りました。

 同時に、「野党の側にも努力すべき問題がある」と語った志位氏は、参院選直後の世論調査で、「安倍政権を支持しない」人の中にも棄権が多かったことに言及。「支持はしないが、『どうせ一票入れても、政治は変わらない』『暮らしは変わらない』と棄権した方が少なくない」として、棄権した有権者が投票所に足を運べば、情勢が激変し、政権交代の可能性が大きく開けると強調しました。

 「そういう状況をどうつくるか。野党共闘を『政治を変える』という本気度が、有権者にビンビン伝わるような共闘にバージョンアップさせる必要がある。その要になるのが政権構想です。つまり安倍政権を倒すのはいい。しかし、倒した後に“こういう政権を野党はつくります”という政権構想を示すことが、いま必要ではないでしょうか」と訴えました。
三つの課題を一体に――政権をともにする政治合意が最大のカギ


(略)