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 野党は年明けの通常国会で、安倍晋三首相が主催した「桜を見る会」問題やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を巡る汚職事件を追及する。

 立憲民主党(枝野幸男代表)など野党4党は、26日に国会内で内閣官房の担当者に対し、東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された秋元司容疑者(48)に関してヒアリングを行った。

 IR整備法の制定過程で重要な役割を果たした秋元容疑者。野党は内閣府副大臣時代の出張記録の提出を要求したが、担当者に「捜査に関わるので答えは差し控えさせていただきます」と一蹴された。これには野党議員も「政府担当者は、安倍首相の桜を見る会問題を含め、真相解明に協力しようとしない…」と肩を落とした。

 マスコミ各社の世論調査で安倍内閣の支持率が軒並み下落。ところが、野党各党の支持率は上がらない不思議な現象が起きている。「安倍内閣は臨時国会の当初、憲法改正の議論を盛り上げようとしたが、頓挫しました。桜を見る会疑惑の前には、公職選挙法違反疑惑で菅原一秀氏が経産相を辞任、河井克行氏も妻の河井案里氏の公選法違反容疑で法相を辞任。それなのに野党が支持されない理由は、有権者に安倍内閣に代わる受け皿として見られていないからです」(永田町関係者)

 立民の枝野氏が呼び掛けた国民民主党(玉木雄一郎代表)との合流も話が進まず、年越しが決まった。一方の自民党は、安倍首相が衆議院の解散総選挙に関して「ちゅうちょしない」という発言を受けて、ひそかに選挙準備に取り掛かっている。

 野党のバラバラ状況は年明けも続き、安倍首相が“伝家の宝刀”を抜いた時、選挙の準備不足で太刀打ちできないと見られている。政界関係者は「安倍内閣は桜問題やIRで逆風が吹いているが、今の野党から政権交代しようという気概が伝わりません。共産党は解散を嫌っています。内閣不信任決議案も出せず、総辞職に追い込むことなど無理です」と話している。