東シナ海の公海上で中国軍戦闘機が海上自衛隊の護衛艦を標的に見立てて攻撃訓練をしていた疑いが浮上した。

 共同通信が18日、複数の日本政府関係者の証言をもとに報じた。政府は不測の事態を招きかねない「極めて危険な軍事行動」と判断。しかし、自衛隊の情報探知や分析能力を秘匿するため、中国側に抗議せず、事案を公表していないという。

 共同によると、事案発生は5月下旬。日中中間線の中国側にあるガス田周辺地域で、複数の中国軍JH7戦闘爆撃機が航行中の海自護衛艦2隻に対艦ミサイルの射程範囲まで接近。

 中国機は攻撃目標に射撃管制レーダーの照準を合わせ自動追尾する「ロックオン」をしなかったため、海自艦側は中国機の意図に気付かなかったという。

 一方で、別の陸、海、空自の複数の電波傍受部隊が中国機の「海自艦を標的に攻撃訓練する」との無線交信を傍受。この交信内容とレーダーがとらえた中国機の航跡や中国機が発する電波情報を分析した結果、政府は空対艦の攻撃訓練だったと判断。政府内には挑発との見方もあるという。

 日中は2008年に東シナ海のガス田共同開発で合意したが、10年発生の中国漁船衝突事件を受けて中断。中国が一方的な単独開発を進めている。

日刊ゲンダイ
19/08/19 14:50
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