太平洋戦争中にフィリピンで旧日本軍の慰安婦にされたと主張する女性と支援者ら約20人が14日、マニラの大統領府近くに集まり、「性的被害を受けた女性に正義を」と声を上げ、日本政府に謝罪と補償を求めた。

 集会を呼びかけた支援団体「リラ・ピリピーナ(フィリピンおばあさん同盟)」には、1990年代に元慰安婦とされる女性が170人ほど参加していたが、今は高齢化で約20人に減った。その一人として参加したエステリータ・ディーさん(89)は、「若い人に同じようなつらい思いをさせたくない」と訴えた。

 同団体は声明で、日本に償いを求めるとともに、あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれたことに触れ、「安倍晋三政権下で日本人の基本的自由が脅かされるだけでなく、正義を求めるアジア諸国の人々への監視と圧力が増すことを懸念する」と訴えた。(ハノイ=鈴木暁子)

朝日新聞
2019年8月15日14時30分
https://www.asahi.com/articles/ASM8G5DS8M8GUHBI02F.html