来客との面会や会合出席など、閣僚の日程を記録した文書について、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」(三木由希子理事長)が各府省に情報公開請求したところ、内閣府は、閣僚自ら会員制交流サイト(SNS)で紹介している内容ですら非開示としたことが十二日分かった。閣僚の日程表をすぐに廃棄していた問題に続いて、不適切な公文書管理の実態が明らかになった。(山口哲人)

 現時点でクリアリングハウスが回答を得た十府省のうち、経済産業省など五省は全面的に公開したが、内閣府と財務、総務、法務、外務の各省は一部を黒塗りで非開示とした。

 このうち平井卓也科学技術担当相(内閣府)は四月二十三日、都内で開かれた人工知能(AI)などをテーマとしたシンポジウムで講演した様子を、自らのツイッターに写真付きで投稿。シンポジウムの主催者もホームページで公開したのに、内閣府が公開した閣僚日程では、この部分が黒塗りにされていた。

 シンポジウムには世耕弘成経産相も出席していたが、経産省は公開しており、政府内で統一されるべき情報公開の基準に府省間で差がある実態も判明した。

 内閣府の担当者は取材に「役所として公にしていない日程を非開示にした。経産省の判断にはコメントできない」と説明している。

 財務省は、麻生太郎財務相の四月二十三日の日程について、閣議と記者会見、衆院本会議以外はほぼ黒塗りとした。理由について「率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれ、事業遂行に支障を及ぼす恐れがある」と開示決定通知書で説明している。

 全面公開した五省も、面会相手や打ち合わせ内容を記載していない省があるなど、公開内容に大きなばらつきがあった。

 三木氏は「権力を乱用させないため、閣僚が何を行い、誰からアクセスを受けたかを、公開を前提に記録としてしっかり残していくべきだ」と指摘している。

東京新聞
2019年6月13日 朝刊
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201906/CK2019061302000137.html