統一地方選、後半戦の最大の注目となっているのが、衆院大阪12区補選(21日投開票)だ。自民公認候補の北川晋平氏と日本維新の会の藤田文武氏、元総務相で無所属の樽床伸二氏、共産党を離党して「野党共闘」として無所属で立候補した、宮本たけし氏という顔ぶれで1議席を争っている。

「マスコミ各社の世論調査では、10ポイント前後、維新の藤田氏が自民党の北川氏や樽床氏をリードしている」(地元記者)

。大阪12区は3期連続当選と強固な強さを誇っていた北川知克氏が急逝、補欠選挙となった。

「北川晋平氏は亡くなった知克氏の甥にあたる。弔い合戦で圧勝と思っていたから、世論調査の数字には官邸も『そこまで維新が強いのか。勝てるのか』と衝撃を受けていた」(自民党幹部)

 4月20日には安倍晋三首相が大阪12区に入ることが決定。大阪12区は寝屋川市、大東市、四條畷市と3つの市が選挙区となっている。安倍首相はそれぞれの市で3度も演説するという異例の日程が組まれている。そして、安倍政権ナンバー2の麻生太郎副総理と公明党の太田元国交相も安倍首相ともに、大阪12区に入るという。

 安倍首相に近い萩生田幹事長代行が昨日、10月に予定されている消費税増税について、延期を示唆する発言が波紋を呼んだ。

「萩生田氏のことだから、安倍首相と意思疎通を図っての発言だと思う。それと、大阪12区では、消費税増税で北川氏が反増税の藤田氏や宮本氏から徹底的に攻撃され、劣勢になっている。明日、大阪12区の演説で、安倍首相が話しやすいようにとの地ならしで言ったのかもしれないが、あまりの反発の強さにどうなることやら」(前出・自民党幹部)

 安倍首相、明日の大阪12区入り3度の演説に加えて、もう一つ驚きの電撃計画があるという。

 大阪のお笑いのメッカ、吉本新喜劇を観劇するというのだ。おまけに、安倍首相自身が舞台にまであがることも検討されているそうだ。

「安倍首相が明日、いらっしゃるかもしれないとは聞いています。もしお越しの時は、どんな警備をすればいいのか…」(吉本興業関係者)

期日前投票の出口調査は、本来、組織票がある北川氏が優勢と思われがちだが、藤田氏とほぼ横一線。大苦戦の様相だ。

「安倍首相が吉本を見に行くと聞いて、大阪12区が劣勢なのがよくわかる。そこまでして、勝ちに行かないと、夏の参院選や消費税増税にも影響を及ばす。ひいては安倍政権の存亡にも

かかわってくる。同じ補欠選挙、沖縄3区は、自民党が完敗するのはほぼ確定的。2連敗となると、一気に衆院解散にもなりかねません」(前出・自民党幹部)

 しかもサプライズはまだあった。安倍首相の街頭演説の会場に籠池泰典、諄子夫妻が現れると予告。自民党大阪府連は戦々恐々となっているという。(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事

更新 2019/4/19 22:18 週刊朝日
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