「日本海」協議受諾へ 「東海」併記は拒否…政府方針

 韓国が日本海の呼称に「東海」の併記を求めている問題で、日本海を単独表記している国際水路機関(IHO)の指針について、改訂を求める韓国との非公式協議に日本側が応じる方針を固めたことがわかった。ただ、協議では、改訂が航海の安全に役立つなど実務的な観点から行われるべきだとの立場を堅持し、併記の議論は拒否する意向だ。協議は今春にも行われる見通し。

 IHOは、世界の海洋名が記され、各国の海図作製の指針となる「大洋と海の境界」を刊行。1929年の初版から現行版(53年作成)まで日本海の海域には「Japan Sea」と記され、日本海の単独呼称が国際的に認知されている根拠のひとつになっている。

 一方、韓国は「東海」の併記を求める主張を国際社会で繰り返しており、指針についても北朝鮮とともに改訂を提案。IHOは2020年の次回総会で改訂に関する報告を行うことを決め、韓国・北朝鮮と日本が総会までに非公式協議の場を持つよう求めていた。

 外交筋によると、日本側は協議に消極的だったが、IHO事務局から強い要請を受けたほか、改訂に合理的な理由があるならば、国際機関の一員として反対すべきではないと判断。IHO側に協議に応じると伝えた。関係者間で日程を調整中で、今春にも第三国で開催の見通し。協議にはIHO事務局のほか、改訂に関心のある複数の国の参加が見込まれている。

読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190206-OYT1T50144/