「今回はさほど大きな問題ではないように今のところ思う」(自民党国対委員長・森山裕)

 問題とは、厚労省の「毎月勤労統計」の不正問題ね。今月28日から6月26日の150日間、国会が開会するから。

 安倍内閣、最大のピンチ! ……ん、そうでもないの? 森山センセの冒頭の感じだと。

 問題も、ひとつだけじゃなく、それにまみれているわけで、もうどうってことないってか。

 たとえば奇麗なトイレがちょっとでも汚れていると気になる。商業施設なら、そこで働いている人に「汚れていますよ」と教えるだろう。

 けれど、汚い施設の汚いトイレは、汚れていてもしょうがないと思い用を足してしまわないか。意識の低い従業員に苦情をいっても「は? じゃ、他所いって」といわれそう。

一部の盲目的な安倍応援団の反応と同じじゃ。安倍政権の嘘や失敗を指摘すると、「じゃ、この国から出て行け」という。おかしい話だ。

 1月28日付の日刊スポーツ、Kさんの「政界地獄耳」に「安倍内閣過去最大の試練」というコラムが書かれていた。

「首相・安倍晋三鳴り物入りのアベノミクスが既に破綻していることを財務相や首相に問い、認めないならば『粉飾やうそつき、または基幹データと同じ』といえばいい」

 というKさんの意見が載っていた。Kさんは、「(15年間、組織的に改ざんし、賃金上昇を偽装してきた)これはリーマン・ショック級の問題ではないのだろうか」ともいう。

 あたしもそう思う。多くの人たちが目にするテレビできちんと報道すれば、大騒ぎになるだろう。

 でもどうか? テレビは大坂なおみさんと嵐の話で忙しい。

 今、騒がなければ、そのうちこの国は、誰も近づきたがらないトイレの汚い寂れた施設のようになってしまう。それを知らせないテレビは、国民を騙すという大きな罪を犯している。

日刊ゲンダイ
2019/02/01
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246611/