【政治社会 激動2018(3)】学校法人森友学園(大阪市)をめぐる補助金詐欺事件で、詐欺罪などで勾留されていた籠池泰典被告(65)、妻の諄子(じゅんこ)被告(58)は大阪府内の借家に暮らしている。マスコミに頻繁に登場していた自宅は競売で失った。5月25日の保釈後、泰典被告は小学校を開校予定だった豊中市の敷地を2度訪れた。「校舎や内装は細部までこだわった」と唇をかみ「達成目前で夢を折られた。方法を改めて目的を果たしたい思いはある」と、小学校経営への再挑戦への思いを口にした。

昨年2月に国有地だった同所が格安で払い下げられていたことが発覚。安倍首相夫妻の関与の有無が追及される大騒動に発展。3月には小学校の認可申請を取り下げ、同所での開校を断念する結果となった。諦めきれない気持ちを明かす泰典被告の横で「もうやめて」と反対した諄子被告。だが、勾留生活をまとめた著書「許せないを許してみる」(双葉社)で「負けない」という思いを強くしたと記しており、「お父さんの不屈の精神と気概は分かる」とうなずいた。再び国有地となった敷地には校舎や工事途中で放置された資材が残され、校庭には雑草が生い茂る。問題の核心であるこの土地が8億円値下げされた理由には依然、謎が残る。

 両被告の安倍晋三首相への批判も続く。「森友・加計問題が国会で散々論議されたことを身の恥と思い、首相を辞めるべき」とし「ロッキード事件で田中角栄さんは首相を辞し、その後逮捕。次の三木首相が解明したように、安倍首相が辞めて内閣が変われば解明される」と持論を述べた。

 小学校名にしようとするほど抱いた安倍首相へのシンパシーは、もうないという。園児に「安倍首相バンザイ」と言わせた過去を「やり過ぎ、間違いだった」とした。「今の安倍首相は入管法、消費税、北方領土…といろいろ手を付けているが自身の不祥事の目くらましだ」と指摘した。

 逮捕当日と保釈当日、泰典被告は心境を俳句に込めた。今の思いを問うと10秒ほど考え、「ワープして あの時にかえれ 政界闘争」と詠んだ。「森友問題が過熱した頃に思いを戻し、安倍内閣に国会も国民もNOの答えを出すべき」と解説。「私にはやり残したことがある。為政者のウソを正し(裁判で)決着をつける」。“籠池節”は健在。裁判ではどんな発言が飛び出すのか。8億円値下げの真相は明らかになるのか。籠池劇場は続く。

 ◇森友学園問題 昨年2月に小学校建設を目指す森友学園への国有地(豊中市)の格安払い下げが発覚。小学校の名誉校長が安倍首相の昭恵夫人になっており、安倍首相は国会で「私や妻が関与していたら首相も国会議員も辞める」と答弁。その後、籠池氏が「首相から昭恵夫人を通じて100万円の寄付をいただいた」などと語ったことで騒動が発展。同年7月には大阪地検特捜部が、建設費を水増しした契約書を提出し国の補助金を詐取したとして籠池夫妻を逮捕。森友学園が運営する塚本幼稚園で大阪府・市の補助金をだまし取った疑いでも再逮捕し、約300日間勾留した。

スポニチ
2018年12月19日 05:30
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