高額武器の爆買いをごまかすために、将来にツケを回す防衛費の「リボ払い」(後年度負担)。岩屋毅防衛相は2日の衆院予算委で、19年度分が1兆5076億円になる見通しを示した。これでたまったツケ総額は5兆3372億円。防衛費の1年分とほぼ同額の借金を負っていることになる。

 安倍政権が涼しい顔で高額武器を爆買いできるのは、リボ払いを利用しまくっているからだ。実際、2012年12月に安倍政権が発足してからリボ払いのツケは2兆円も増えている。

 2日の衆院予算委で宮本徹議員(共産)が「米国製兵器の爆買いを続けたら未来にわたって暮らしのための予算を圧迫することは明らかだ」と指摘すると、安倍首相は「安倍政権になって米国からのFMS(対外有償軍事援助)が増加しているが、全体の4分の1は民主党政権が42機の導入を閣議決定したF35戦闘機に関する経費だ」と答弁した。

 自分は、前政権のツケを負わされた被害者だと言わんばかりだ。そうだとすれば、民主党政権を反面教師に、ツケには抑制的になるべきなのに、安倍はここぞとばかりに「リボ、リボ、リボ」……。国のトップが“リボ中毒”とは世も末だ。

日刊ゲンダイ
2018/11/03
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