(社説)安田さん解放 シリアの現実に思いを

内戦下のシリアで3年4カ月にわたり、イスラム過激派組織に拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さんが解放され、帰国した。

行方不明になったのは15年6月。翌年、安田さんとみられる男性が助けを求める動画がインターネット上に投稿され、安否が心配されていた。

独房で24時間身動きできず、寝ている間に体が動いてもいけない。解放後に安田さんが語った拘束の厳しさは、想像を絶する。
無事に戻れたことを、心から喜びたい。

紛争地に入り、そこに生きる人びとの声を報じるのはジャーナリストの重要な責務である。
ミサイルや銃弾が飛び交い、子どもらまでもが傷つく戦争の悲惨な現実を、第三者の立場から公正に伝える。そのために、各国の記者は使命感をもって危険な取材にあたっている。

報道だけではない。人道支援にあたる国際機関やNPOのメンバーも、現地で苦しむ人々を支えようと活動を続けている。

自らの安全は自ら守るのが原則だが、どれだけ周到に準備しても、ときに危険な状況に陥ることはある。
それが紛争地の現実であり、どの国の政府も自国民の保護には最大限の責任を負う。当然のことだ。

安倍首相は解放に協力したカタールとトルコの首脳に謝意を伝えた。ただ、日本政府の対応と解放に至った経緯には、まだ不明な点が多い。

すべての情報開示は難しいだろう。だとしても、政府がテロ対策強化のため、15年末に発足させた官邸直轄の「国際テロ情報収集ユニット」がどう機能したのかなど、できる限り経過を明らかにし、今後の対応にいかさねばならない。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13740338.html


参考
アホの朝日新聞「安田さん帰国を心から喜びたい。安田さんの志を私たちも共有したい」
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1540507850/l50