【阿比留瑠比の極言御免】故仙谷由人氏に言うのはやぼだが…

とはいえ、たとえそうだったとしても、22年9月の尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖での中国漁船衝突事件と中国人船長の超法規的釈放に関しては、もっと素直に反省し、経緯を明らかにしてほしかった。
仙谷氏の死去に関する菅氏のこんなコメントを聞き、痛感した。

「軍事的衝突に発展しかねない場面もあった。最悪の事態は避けることができたのは仙谷氏の力だった」

だが、事実関係を知る外務官僚は「この発言は根本的に間違っている」と断言する。
菅氏は大変な事態だったと強調したかったのだろうが当時、中国の人民解放軍は何ら動きを見せておらず、当然ながら日本政府も自衛隊を出動させることなど考えていなかった。

この問題では、菅氏も仙谷氏もずっと、釈放は那覇地検独自の判断だと虚偽答弁を続けていたが、仙谷氏自身が25年になって菅氏の意向を受けて船長釈放を法務・検察当局に働きかけたことを認めた。

「中国の圧力にベタ折れした菅氏が釈放を指示し、それを仙谷氏が全部かぶって処分保留での釈放などと理論武装した」

外務省幹部は当時、筆者にこう証言している。こんなこともあった。

「外務省は一体何をやっているんだ。早く問題を解決しろ。中国に人脈だってあるんだろう」

事件解決を焦った菅氏が休日の首相公邸に仙谷氏を含む関係閣僚と関係者らを集め、外務省側に罵声を浴びせ続けたのだった。これに、たまりかねた外務省側が反論した。

「鳩山由紀夫内閣が前年、外務省や宮内庁の反対を押し切り、『1カ月ルール』を破って天皇陛下を無理やり、習近平国家副主席(現主席)に会わせたから、日本は中国に足元を見られているんですよ」

菅氏はしばらく沈黙した後、「忸怩(じくじ)たる思いはある」と答えたという。
だが結局、外交判断などするはずもない那覇地検に責任を押しつけ、さらに中国に譲歩を重ねることになる中国人船長釈放を選んだ。

https://www.sankei.com/politics/news/181018/plt1810180002-n1.html


参考
中国漁船衝突事件、中国の圧力に屈した菅直人が船長釈放を指示 責任は仙谷氏と那覇地検に丸投げ
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1539817428/