支持率低迷に加え所属議員の相次ぐ離党で苦しくなる一方の国民民主党。福岡県政界の関係者によると同党県連は、来年の統一地方選に向けて動き出した市議や県議らに、前回選挙時を大幅に上回る公認料を提示してつなぎ止めに躍起になっているという。
 立憲民主党に押され、党首選でさえ見向きもされなかった同党が、カネの力で党勢維持をはかっている格好。政治決戦の年を睨んで、野党というコップの中の争いが激しさを増している。

■凋落一途の国民民主

 立憲民主党と国民民主党の支持団体・連合が、来年の参院選に向け、1人区における野党間での候補者調整を行う必要性を確認する覚書を交わした。連合のリードで野党勢力の結集を図ろうという狙いだが、立憲と国民の間の溝は深く、簡単にまとまる話ではない。

 11月には両党と連合の政策協定が結ばれる予定だというが、立憲は原発にも憲法改正にも反対。国民は原発にも憲法改正にも寛容と、重要な政治課題についての見解が大きく異なる。国民民主党支持を決めている電力総連や電機連合といった原子力ムラの労働組合が右寄りだった旧同盟系であるのに対し、立憲支持労組の中心は自治労や日教組などの旧総評系。政党間だけでなく、連合内部にも対立の構図が存在しており、一つにまとまる可能性は低い。

 仮に、民進党時代のように基本政策が一致していない政治家が同じ屋根の下に集まったとしても、国民にとっては迷惑なだけ。受け皿として期待しようにも、あの人は原発・改憲反対、この人は賛成という政党には、なんの期待もできないだろう。支持率の推移を見る限り、国民民主の主張はまったく相手にされておらず、浮上するきっかけが掴めない状況。当然、党の求心力は低下する。

■カネがだめなら誹謗中傷 

 国民民主の代表選が告示されたのは9月22日。代表選を盛り上げ、党勢拡大への足掛かりを作ろうという肝心な時に、衆議院議員の柚木道義氏(比例代表中国ブロック)が同党を離党した。今月に入ってからは、今井雅人衆院議員(比例東海)も離党表明。国民が会派入りを働きかけていた野田国義(福岡選挙区)、長浜博行(千葉選挙区)の両参議院議員は、相次いで立憲会派入りを決めている。民進党時代、1,500人を超えていた地方議員も減り続け、現在は800人いるかいないかといったところだ。

 勢力維持に汲々となる国民民主党――。福岡県では、来年の統一地方選に向けて、候補者をカネでつなぎとめようとする動きが顕在化している。前回の統一地方選で、旧民進党県連が県議や政令市市議の公認候補に支給した「公認料」は140〜150万円だったが、今回の公認料は300万円。党本部からも100万円上乗せされる予定があり、計400万円程度になるのだという。政令市以外の自治体の議員候補に配る公認料も2倍から3倍と言われており、赤字覚悟の大盤振る舞いだ。支持率低迷に悩む現状があるとはいえ、主義主張ではなく、カネで候補者を釣るような手法には呆れるしかいない。

 国民民主党の金庫には、たしかに有り余る政治資金がある。同党の関係者によれば、党本部には民進党時代の政治資金が数十億円、福岡県連も1億円以上保有しているのだという。カネの力にモノを言わせようという魂胆らしいが、なびかない相手もいる。すると次の手は、相手の誹謗中傷しかない。下がその一例だ。

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2につづく

ニュースサイトHUNTER
2018年10月15日 08:55
http://hunter-investigate.jp/news/2018/10/-10-70400100.html