■安倍晋三首相「拉致問題解決へあらゆるチャンスを逃がさない」 石破茂元幹事長「平壌と東京に連絡事務所を」

《続いて北朝鮮による日本人拉致問題の解決に質問が及んだ》

−−私の責任という意味では、石破茂元幹事長にも伺うけれど、拉致問題をどうするか。安倍晋三政権は一貫して拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだといわれていた。ご家族の方も相当高齢になっているところで、現状はどうなっているのか、見通しはあるのか。まず安倍首相に伺いたい。

 首相「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことはありません。これはご家族の皆さんが、そういう発言をされた方がおられることは承知をしておりますが。ですから私も大変、大きな責任を感じております。2002年に羽田空港に5人の被害者の方々が帰国をし、家族の方と抱き合っていた。横田滋さん、早紀江さん。滋さんは、そこにおられた。しかし、残念ながらそこにはめぐみさんの姿はなかった。涙を流しておられた。何とか、ご両親の手で子供たちを抱きしめる日を迎えたいと、こう思ってずっとやってまいりました」

 「そこで先般、米朝首脳会談が行われました。そして拉致問題について私の考え方、日本の考え方を、(トランプ大統領が北朝鮮の)金正恩(朝鮮労働党)委員長に伝えました。次は私自身が金委員長と向き合い、この問題を解決しなければならないと決意しています。もちろん相手があることになりますから、そう簡単ではありませんが、あらゆるチャンスを逃さずに、そのチャンスをつかみたいと思っています。今、どういう交渉をしているかということはもちろん申し上げられませんし、どういう接触をしているかということも申し上げることはできませんが、あらゆるチャンスを逃さないという考え方のもとにですね、今申し上げた決意のもとに進めていきたいと思っています」

 −−石破氏ならどうしますか

 石破氏「それは平壌に日本の、東京に北朝鮮の連絡事務所を置くところから始めなければいけないと思っています。つまりストックホルム合意で、北朝鮮がいろんなことを言ってきた。だけど、これは信用ならないっていうことで無視することになっちゃったわけですね。そこから足がかりは何もなくなってしまったわけですよ」

 「北朝鮮とアメリカがなんで話をするに至ったかというのは、それは圧力が加わったからということもあんでしょうけど、中国の後ろ盾というのがはっきりした。アメリカまで届くミサイルの技術に自信を持った。核の小型化にも。拉致問題は日本の話なので、外国にお願いしてどうのこうのという話ではありません」

 「そして外交交渉ですから、一つ一つ確認をしていかなければ前進はないのであって、向こうがいろんな情報を出す。じゃあそれは本当なのかということを、日本として確認をしていかないといかんでしょう。一つ一つ積み上げていって、お互いが連絡員事務所を持って、向こうの出す情報をきちんと日本国として確認をしていく。その末にこの解決はあるのだと思っています」

 「着実にやっていかなければならないし、北朝鮮は北朝鮮として、体制の生き残りをかけて、ものすごく大きな絵を描いているわけですよ。われわれとして、それも念頭に置きながら一つ一つ着実に、少しずつ進んだねと。その先に拉致問題の解決がある、ということは絶対に忘れてはならないことです」

産経新聞
2018.9.14 15:28
https://www.sankei.com/politics/news/180914/plt1809140067-n1.html