https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180911-00548260-shincho-soci

 当時17歳の女子高生を40日以上に亘って監禁した「女子高生コンクリ詰め殺人事件」では、当時16歳だった湊伸治ら犯人4人が、悪逆の限りを尽し、被害者を死に至らしめた。その監禁場所となったのは、共産党員だった両親と共に湊が暮らしていた綾瀬の一軒家である。

「しっかり反省して一生償っていく」

 後の公判でしおらしい態度でこう述べた彼だったが、28年後の8月19日、川口市内のアパートの駐車場でトラブルになった相手をナイフで刺すなどし、殺人未遂でふたたび逮捕された。少年法で守られた「更生」が、単なる「理想」にすぎなかったことを、自らの行為によって証明してみせたのである。

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 綾瀬の事件で確定した湊容疑者の刑は、懲役5年以上9年以下の不定期刑だった。刑期を終えて出所した湊容疑者は、都内にあるムエタイジムに熱心に通っていた。

「彼がウチのジムにいたのは、97年にジムを起ち上げてまだ間もない頃。半年くらいしてプロ資格を取り、2試合くらいやっていずれも負けた記憶があります。仕事はトラックの運転手か何かをやっていて、徐々に自分の過去がジムの仲間にバレていき、居づらくなってフェイドアウトしたようです」(ジムの経営者)

 絶命寸前の被害者に回し蹴りを食らわせていた湊容疑者が、出所後、ムエタイ選手になっていた。悪い冗談のような事実なのである。

 一方、共産党員だった湊容疑者の両親は事件後に自宅から姿を消し、その家もほどなくして取り壊された。2人は99年頃からはさいたま市内にある一軒家で暮らしていた。
「情けないです…」

 湊容疑者の父親の姉の話。

「(湊容疑者の父親は)2年前の12月に病死しました。息子の事件については、そりゃあ、苦しんだはずです」

 湊容疑者からみると伯母にあたる彼女は、湊容疑者が再び事件を起こしたことを知らなかった。それについて問うと、

「なんで! 悔しいですよっ! 情けないです……」

 湊容疑者が川口市内のアパートに引っ越してきたのは今年6月。管理会社に対し、「ネット販売」の仕事をしていると告げ、同年輩の女性と2人で暮らしていた。そこに引っ越す前は、10年ほど東京・南蒲田のアパートで生活していた。

「このアパートは騒音トラブルが多い。夜、男女が口論する声、特に男性の怒鳴り声や何かを叩きつける音がしたことが何度もありました」(住人の一人)

 今年に入ってからは、火災報知器がなるトラブルが幾度もあり、さらに、

「夜中にアパートの部屋の窓ガラスが割られたらしく、管理会社の方から『防犯カメラを設置します。警察とも相談中です』との連絡をもらいました」(別の住人)

 防犯カメラが設置されたのは今年5月頃。その直後、湊容疑者は更新時期でもないのに管理会社に退去を申し出て、川口市に引っ越していった。そこでも他の住人と騒音トラブルを抱えていたことは、「デイリー新潮」の記事でお伝えした通りだ。

いびつな人権擁護

 そんな湊容疑者の過去の犯行を新聞・テレビが全く報じないことについて、産経新聞OBでジャーナリストの高山正之氏はこう語る。

「今回の殺人未遂事件の犯人が、あの『綾瀬コンクリ事件』の犯人だと知っていて新聞が書いていないのだとすれば、信じられません。それを判断した社会部デスクの顔が見てみたいね」

(略)