中東のシリアやイラクで大半の支配地域を失った過激派組織「イスラム国」(IS)が、北アフリカのリビアで若者を勧誘する動きを見せている。
カダフィ政権崩壊後も回復しない治安の隙を突かれた。
隣国エジプトの政府機関の宗務裁定庁は7月末に公表した報告書で、「ISはモスクを使って自らの思想を広めている」と指摘した。

 報告書は「6〜15歳の若者にジハード(聖戦)の意義を吹き込み、ビデオゲームを与えて戦闘の方法を教えている」
「参加を拒んだ若者を裸にして写真を撮り、命令に従うよう仕向けている」――といった動きを列挙した。
リビア東部デルナのモスクが中心で、リビア政府に対しても「モスクへの監視を強めるべきだ」などと勧告した。

 エジプト宗務裁定庁はイスラムの教えに基づく公式の解釈や勧告を出す。
エジプトではスンニ派の最高権威機関のアズハルに次ぐ宗教権威とされる。

朝日新聞デジタル
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