「LGBTの人たちは生産性がない」とした杉田水脈議員の発言についてLGBTの子を持つ親たちが自民党に対して杉田水脈の謝罪会見と態度を変えない場合には自民党から除名を求める署名を始めた。

■子どもが傷ついている
 署名が行われているchange.orgのサイトには、

『ただでさえ、普段から自分の性別や好きになる相手のことで思い悩み、「普通じゃない」といった理解のない言葉を投げかけられ傷ついています』

『日本の社会をよりよくするのが仕事のはずの政治家から発せられた発言が、子どもだちの心をさらに傷つけ、えぐっています。

 今回のニュースがきっかけで「とにかく怖い」「不安で眠れない」「自分が自分でいいのかわからなくなった」という子もいます。そして怒っています』

 と理由が書かれている。

「生産性がない」人間に税金を投入すべきでないとなると、高齢者政策や障がい者への政策へ税金を投入するなということだろうか。

■全文を読んだが、賛同できない
 杉田水脈議員の発言について「全文を読んでください、全文。『生産性がない』という表現は良くないんですが、全部読むとまんざらではない正論を言っている部分もある」と「正論もある」とのコメントがテレビで放送され、支持する意見もあるようだ(杉田議員の「生産性がない」発言を『サンジャポ』でも物議 exciteニュース2018年7月29日より)

実際に全文を読んでみたが、『朝日新聞や毎日新聞といったリベラルなメディアはLGBTを認め、彼らを支援する動きを報道することが好きなようですが、違和感を覚えざるを得ません。発行部数から言ったら、朝日新聞の影響は否めないでしょう』『朝日新聞が「LGBT」を報道する意味があるのでしょうか』(『』内は新潮452018年8月号より。以下同)とあるように、この雑誌のメイン特集『日本を不幸にする「朝日新聞」』にあわせて批判することが目的で、そのために『子どもを作らない、「生産性」がないのに税金を投入することが果たしていいのかどうか』『政治家が人気とり政策になると勘違いする』と論じていると受け取った。

 目的はどうであれ、税金を投入すべきではないとの論について、私は「正論」とは思えなかった。『「常識」や「普通であること」を失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していくにもなりかねない』ことも、全く賛同できない。

 今回のことだけでないが、敵を作り、過激発言で注目集める「炎上商法」、もしくは、全国民の代表ではなく、一部支持者のウケを狙っているとしか思えなかった。

■国会議員は誰の代表か
 日本国憲法第43条に「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」とあるように、国会議員は全国民を代表するのであり、LGBT、LGBTの親たちの代表でもあるのだ。

 議員それぞれに主義主張は異なっても、全国民のためにことなった主義主張から最善策をつくりあげるのが本来の政治であり、議員の本来の役目ではないか。このことを見失っているように思えてならない。

 自分が思い込んでいる正論を過激に発言する議員の存在意義。そして、自民党の政党としての考え方も問われている。

以下は、change.orgのサイトから転載した署名の呼びかけ文。今回の発言をおかしいと思った人へ署名を呼びかけている。『当事者の生きづらさは社会からよりも親が理解してくれないことのほうがつらい』と指摘されている当事者の親たちが署名を始めている。私も、あまりにも酷すぎると考え署名した。



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つづく

BLOGOS
川名 ゆうじ
2018年08月01日 21:38
http://blogos.com/article/315079/