今週、日曜(10日)に投開票が行われる新潟県知事選。国政与党が支持する国交官僚出身の花角英世氏(60)と元県議で野党統一候補の池田千賀子氏(57)がデッドヒートを繰り広げている。

 どちらが勝つのか、勝敗は安倍首相の総裁3選に大きく関わってくる。前回の県知事選の投票率53%を超えれば、野党有利との見方も出ており、与党側は頭を抱えている。

「正直、自民党が一丸となって応援する雰囲気ではないし、自公の選対の折り合いが悪い状況で、このまま戦えるのかどうか」(花角陣営関係者)

 こうした状況に追い打ちをかけているのが、自民の「客寄せパンダ」小泉進次郎氏だ。「進次郎氏が選挙応援を拒否したらしい」という話が一斉に広まっているのだ。実際、進次郎氏は現地入りしていない。現地で取材しているジャーナリストの横田一氏がこう言う。

「まず、野党陣営から『進次郎氏は応援に来ない』という話が出ました。それを裏付けるように、投開票の10日が近づいても、進次郎氏のポスターはどこにもない。この選挙で与党が負ければ、総裁3選は完全に赤信号。応援にいくよりも、要請を断って、首相と距離を取ることを選んだのではないかという解説も流れています」

 改めて進次郎氏の応援拒否について確認すると、「個別の質問には答えていない」(小泉進次郎事務所)、「何も聞いていない。(事実かどうか)確認できない」(花角事務所)との回答だった。

■ネット上の“経歴詐称”騒ぎを打ち消し

 悲しいかな、花角陣営の逆風はコレだけじゃない。花角氏は、2011年8月から13年4月まで大阪航空局長や国交省官房審議官(海事局、港湾局担当)を務めているが、その経歴が公式のプロフィルに載っておらず、ネット上で<経歴詐称では><隠蔽だ><後ろ暗いのか>との批判が相次いでいるのだ。大阪航空局は森友事件の舞台だっただけに、「関与したのでは」と疑念を持たれている。

これに対して、花角氏は自身のツイッターで、<森友問題の際の責任者だった等の事実無根の話がネット上飛びっていますが、事実と全く異なります>(原文ママ)などと否定。一部の経歴を載せていない理由を事務所に問い合わせると、「経歴がたくさんあるので絞って出しました」とのこと。理由にもなっていないが、「隠す意図はない」(花角事務所)の一点張りだった。

 今ごろ、安倍首相は内心、焦っているのではないか。

日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/230523/1