防衛省は23日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題などを受け、過去の海外派遣部隊の日報を含む定時報告を統合幕僚監部に集約した結果、カンボジアPKO以降の21の海外派遣活動の定時報告とみられる文書延べ約4万3000件が見つかったと発表した。陸上自衛隊イラク派遣時の日報も新たに34日分が見つかり、これまでの公表分と合わせ計469日分になった。

 同省は日報類が1年未満で廃棄されると説明してきたが、改めて文書管理のずさんさが問われそうだ。

 防衛省によると、集約作業により、カンボジアPKO(1992〜93年)から南スーダンPKO(2012〜17年)までの六つの国際平和協力業務と、ホンジュラスのハリケーン災害(98年)など13の国際緊急援助活動の際の定時報告とみられる文書が見つかった。

 このほか、イラク派遣(03〜09年)とアデン湾での海賊対処行動(09年〜)のものも保管されていた。重複するものもあり、今後精査するという。

 イラクの日報は陸自教育訓練研究本部で71日分、防衛省情報本部で1日分見つかり、このうち研究本部の34日分が新規の日報だった。34日分のうちの31日分は撤収業務を担当した後送業務隊の日報で、残り3日分が本隊に当たる復興支援群の日報という。また、イラク派遣時の05年12月に陸自車両がデモ隊に囲まれ、日報では「別途報告」とされていた案件について報告したとみられる文書もあった。

 防衛省は昨年7月28日、南スーダンPKOの日報問題を受け、日報の保存期間を10年に延長して統幕に集約することを決めた。また小野寺五典防衛相はイラク派遣時の日報が隠蔽(いんぺい)されていた問題を受け、今月20日までに日報類の探索を終えるよう指示していた。小野寺氏は23日、記者団に「今後の大切な資料なので、しっかり管理し、情報公開や国会の求めに対応できるようにしていきたい」と述べた。【前谷宏】


毎日新聞
2018年4月23日 21時06分
https://mainichi.jp/articles/20180424/k00/00m/040/100000c