https://www.huffingtonpost.jp/nobuo-gohara/abe-20180413_a_23410144/

(略)

では、今後、国会での真相解明をどのように進めていったらよいのか。

ここで不可欠と考えられるのが、面談記録を作成した愛媛県職員と柳瀬氏・藤原氏とを同時に参考人招致又は証人喚問することである。

作成者の愛媛県職員に、面談が行われた経緯、面談の部屋、室内の状況等を質問することで、面談の有無について、より確かな判断をすることができる。面談記録には曖昧な記載もいくつかあり、上記@、A、Bの記載の趣旨について確認する必要もある。柳瀬氏、藤原氏らの発言内容について、現時点で記憶していることを、ありのままに証言させれば、面談の有無、その際のやり取りの内容について、詳細な事実を明らかにすることができる。

一方、目の前で、自らの発言内容について愛媛県職員が、面談の経緯や状況について詳細に証言した場合でも、柳瀬氏、藤原氏は、「記憶がない」と言い続けるのかどうか。柳瀬氏、藤原氏が、「面会の事実を思い出した」と述べた上で、「愛媛県職員の面談記録に記載されているような発言なかった」と述べる可能性もないではない。しかし、少なくとも、柳瀬氏は、これまで「面談について記憶がない」と一貫して述べてきたのであり、今になって「思い出した」と言っても、その供述自体に信用性がないことは明らかだ。

柳瀬氏や藤原氏については、すでに参考人招致は行われているので、証人喚問することに問題はないが、本来、国会で答弁を求められる立場ではない愛媛県職員を、いきなり証人喚問するのが適切なのかという問題もある。柳瀬氏、藤原氏とともに、まずは参考人招致という形で証言を求め、両者の供述状況によっては、証人喚問に切り替え、宣誓の上での証言を求めるという方法も考えられる。

いずれにせよ、柳瀬氏、藤原氏、愛媛県職員を参考人招致、証人喚問すれば、2015年4月2日の首相官邸での面談に関して、真相が相当程度明らかになる可能性が高い。国会での参考人、証人という立場で厳しい尋問にさらされる柳瀬氏、藤原氏は、さらに苦しい立場に追い込まれることになる。

昨年2月以降、森友学園問題については「私や妻が関係していたということになれば、これはもうまさに、私は、間違いなく総理大臣も国会議員も辞める。」、加計学園問題については「特定の人物や特定の学校の名前を出している以上、確証が無ければ極めて失礼ですよ。」という安倍首相の国会での発言が発端となり、「モリ・カケ問題」は一年以上にわたって国政に重大な影響を与える案件となってきた。その間、「安倍総理を侮辱した」との理由による籠池氏証人喚問、官房長官の「怪文書発言」、さらには、「モリ・カケ疑惑隠し」とまで言われた解散総選挙など、政権側の「奇手」「悪手」を重ねてきた。「モリ・カケ問題をめぐる"王将戦"」も既に最終盤に入っている。

"安倍王将"は、このまま「詰み」となるまで指し続けるのだろうか。この辺りで「投了」を真剣に考えるのが、一国の首相としてとるべき姿勢ではなかろうか。